あいつら、僕達が遊んでた場所、奪いやがってさ、あそこに隠してたお菓子とか漫画とか、全部自分達のもんにしやがった。
世界史の先生が、友達とは仲良く分け合って、喧嘩になる前にちゃんと話し合って、って言ってたのに、あいつら全然話聞いてくれないんだよ。
卑怯だよな、許せないよ。
何とか取り返さなきゃ。
泥玉作って投げたり、地面に爆竹仕掛けたり、校舎の二階から水風船落としたり。
いろいろやったけど、あいつらまったく立ち去ろうとしない。
そろそろ仕返しが怖いよな。
なんか、ヤバイ反撃手段を用意してるって。
もうこうなったら、あの手しかない。
校長先生が、絶対使っちゃダメって言ってたけど、もう仕方ない。
僕は、常備しているブリーフケースを開け、禍々しく赤いボタンを押す。
そのカバンの名前は「フットボール」
それは、僕達の世界にとって、長い冬の時代の始まりだった。
11/29/2024, 1:54:19 PM