『冬のはじまり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
雪だ
白だ
寒い
私のお隣、空いてます。
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お題「冬のはじまり」
しまっていたセーターを出した。今日はなんだか寒い気がしたから。洗うのはめんどくさくてそのまま着てしまった。この寒さのせいだ。部屋の中はすきま風で寒い。セーターを着たのは正解だったようで、身体に熱がこもり暖かい。身体が温まると動く気になったから外へ散歩に行くことにした。だが外は日差しが暑く、セーターを着るには早かった。恥ずかしくなる。部屋の中と外は同じだと思っていたが大きな間違いだ。私はすぐ部屋に戻りセーターを脱いで、いつものトレーナーを着た。
すきま風が強くなったように感じた。
空っ風が強くなびくようになった。
高台から摩天楼たちを眺める。ここからでも、都会の喧騒が想像できるようだ。
行ったことはあるが、ここのような住みやすさはないな。やはり、ここがよい。
柵を隔ててこちらは、長らく冷たい時代が続いてきた。もう何度目の冬だろうか、木々は枯れて、人々は焚き火の前で凍えている。
身内同士で争っている場合ではないのに、その激しさは冬を忘れるようだ。
いつか、私が救世主になってみせる。この冬を終わらせるのは、私だ。
冬のはじまり
去年余ったカイロが使えるか、確かめないと
思春期の息子が
みずからマフラーを巻いて学校に行ったら
それが冬のはじまり。
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【3】冬のはじまり
明確に切り替わってくれたらいいのに。8℃の翌日が20℃とかやめてくれ。
彼は毎年同じ事を言う。
朝。
「布団から出るのが億劫になってきた」
昼は
「食堂から見えるイチョウがいつのまにか全部真っ黄色になっていたよ」
夜、帰ってくると
「オリオン座が凄く綺麗に見えたよ」
私は彼のこんな言葉で季節の始まりと終わりを知り、時の流れを知る。
黄色がどんな色かも、オリオン座がどんな形をしているのかも、まるで分からないのだけれど。
彼の声がそれはとても綺麗なものなのだと教えてくれるから、私にとって冬も、春も、夏も、秋も、どれもこれも美しく、世界はそれだけで生きる価値があるのだと思えてくるのだ。
END
「冬のはじまり」
つい最近まで
暑い暑いと言っていたような
いつの間にこんなにも寒くなったんだろう
冬が一気に訪れて
またわたしの苦手な季節に
正直ストーブの効いた部屋に
四六時中篭もりたい
また明日も出勤して
今朝も寒いですねと
恒例の挨拶を交わす
朝から晩まで
靴下を履くようになったのが
冬の訪れの合図かな
暑さ和らぎ
心地よい季節に
冷たいつむじ風
ふと
振り替えれば
落ち葉、舞い
冬の足音
今年も来たか
短い袖を伸ばし
空を見上げる──
(2023.11.29/冬のはじまり)
街を歩けばクリスマスソングが流れてて
イルミネーションがあって
お店のショーケースも赤と緑でキラキラしてる。
冬の始まりを感じる。
冬は人肌が恋しいって言うけど
それほんとだなぁ。
周りのカップルが羨ましいし
良い感じの男の子ができたって話も聞いた。
友達の幸せな話聞かせてくれるのすっごい嬉しい。
だけどちょっと刺さったりする。
口では「めっちゃいいやん!私まで嬉しい!」
ってちゃんと言えるのに、
心では「なんで私は幸せになれないの?何が違うの?」って思っちゃう。
そんな自分が嫌になる冬の始まり。
サンタさんみたいになりたい。
子どもたちの幸せのためにって寒い中幸せを配る人。
サンタさんに憧れる冬の始まり。
【冬のはじまり】
辺り一面の銀世界
太陽の光でキラキラ光っている
この美しい景色の中にいる私はきっと邪魔な存在なのだろう
消えてなくなりたい
冬が始まる。
冬が始まるそれは孤独の始まりだと私はおもう。
寒くて、葉も落ち緑がない。
私の家には、こたつとか暖房とかない
静かで寒くて、誰の声も聞こえない。
冬の始まり。
死にたくなる。
冬が始まる。
冬が始まるそれは孤独の始まりだと私はおもう。
寒くて、葉も落ち緑がない。
私の家には、こたつとか暖房とかない
静かで寒くて、誰の声も聞こえない。
冬の始まり。
死にたくなる。
【冬のはじまり】
冬がはじまったなあ、と思う時は
仕事から家に帰ると
コタツがある時
奥さんが出しておいてくれたんだな、とつい微笑んでしまう
「まだコタツには早いんじゃない?」
と言いながらもスイッチを入れて、足を突っ込むと
奥さんから「たまに寒い日もあるでしょ」との答えが返ってくる
そのうち足だけが温まってきて
ああ、もう冬だな、って
太陽がいなくなって
静かな月の時間が長くなる。
次に目覚めたときは
どんな景色なのだろう。
「冬のはじまり」
鍋を買った。
これまでは
1人鍋だったから
いつも使ってる
片手鍋で
十分で
あまり
必要性を
感じなかった。
2人暮らしになったら
やっぱり
ちゃんとした鍋
欲しいな〜
と試しに
買ってみた。
大正解だった。
これから
毎日
鍋になるかもね。
よろしく!
#冬のはじまり
「ただいま。」
新しく買った鞄を床に降ろし、スーツから着替える。
日も傾きかけて薄ら寒かったので、マフラーだけは付けたままにしておいた。
「おかえり、お義母さんの家にお泊まりだから、荷物まとめといてね。」
奥から妻の声がする。分かった、と応えてそういえば…と、昔のことを思い返す。
「ただいま」
そう両親に最後に言ったのは、いつだっただろうか。分かるのは思い出せないくらい前だということくらい。
僕の家族は、良く言えばいざこざのない安定した家庭、悪く言えば互いに興味関心がない無の家庭であった。会話も、一線を超えないような、心を許せない相手との会話のようなものでしかなかった。
だからといって、寂しさはなかった。少し、そのような感情が欠落していることは自分でも理解しているつもりだったし、何より、無くても困らないようなものだと思っていた。
ただ、無性に物足りなく感じることもあった。
幼なじみだった妻は、穏やかで、心を満たしてくれるよう存在だった。
おそらく、自分の今までの人生で最も会話をしているのは彼女だろう。
僕は他人との関わりが極端に少なかったが、いつでも彼女がいたから、気にはならなかった。
「親と全然会話をしない、か…。確かに今は近くにいるのが当たり前だもんね。」
そう彼女に言われたことがある。
足元の石ころを転がしながら、そうかな、と曖昧な返事をしたのを覚えている。
久しぶりに、実家の玄関に立つ。
なんと言って入るべきか、ただいま、だろうか。それとも何も言わずに入ろうか…。
思考を巡らせるが、最適解が見つからない。
と、妻が、
「ただいま戻りました。ご無沙汰してます」
と、声をかける。
「あら、いらっしゃい。寒かったでしょ。久しぶりねぇ」
と、母が出てきた。
少し会っていなかっただけなのに、長年あっていなかったかのように思えた。
なんだか、胸の当たりがそわそわして、思わず
「ただいま」
と言っていた。
「えぇ。」
何故か、おかえりとは言われなかったけど、それがまた可笑しくて、嬉しかった。
やっぱりここが家だなと、安堵する自分がいた。
―冬のはじまり―
#冬のはじまり
空からふわりふわりと白いものが落ちてきた。
手の上に乗り、すっと溶けたそれは久しぶりに見るゆきだった。
明日から寒くなるぞ。
俺は独りごちて、コートのチャックを1番上まであげたのだった。
クローゼットの奥からコートを引っ張り出し
去年はどんな服の組み合わせをしていたか悩み
毎年クリスマスになぜだか焦燥感を感じて
毎年ついてるだけの紅白の出場者を気にして
帰ってくるのかと電話が来るのを少しダルそうに出る
また1年が過ぎていく
朝の冷たい空気の中、職場を目指す。まだ開け切らない空がより凍える心地だ。
近道の広場には自分のほかに通学通勤の為に通り過ぎる姿が見えた。仲間意識から彼らを横目で見ていれば足元から不自然な音がした。地面を踏みしめるたびシャリと音がする。解らないだけで土を持ち上げる氷が敷き詰められているらしい。
それに気がつくと雑草にキラキラしたものが見える。
水蒸気が葉に付着し凍った様だ。
いよいよもって冬がはじまったと実感するほかない。