空っ風が強くなびくようになった。高台から摩天楼たちを眺める。ここからでも、都会の喧騒が想像できるようだ。行ったことはあるが、ここのような住みやすさはないな。やはり、ここがよい。柵を隔ててこちらは、長らく冷たい時代が続いてきた。もう何度目の冬だろうか、木々は枯れて、人々は焚き火の前で凍えている。身内同士で争っている場合ではないのに、その激しさは冬を忘れるようだ。いつか、私が救世主になってみせる。この冬を終わらせるのは、私だ。
11/29/2023, 3:41:32 PM