『入道雲』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「これはもう少ししたら雨が降るね」
母が呟いた。
何で?と私が聞くと
「ほら、あそこに『入道雲』があるだろう?見てな?あと1時間もしないうちにザーザー降りの雨が来るよ。」
30分くらい経った頃に降り出した雨を見て
幼い私は、母をちょっとカッコいいなと思った。
友達と遊ぶ時に大きな雲を見つけて私は呟く
「これはもう少ししたら雨が降るね」
母のマネをした。
ほとんど当たらなかった。
❴入道雲❵
夏が”キライ”
じんじんと照る太陽に、
夏を感じさせる”入道雲”
「久しぶり」
「最近暑いから、、」
「水、あげる」
そう言って私は
桜葉 雪乃
と書かれている
墓に水をかける、、、
「、、、」
「ねぇ」
「ゆき、、」
「、、、」
「会いたいよ、、(泣)」
そして、墓場に
鼻をすする音が響き渡った、、、
入道雲
私は見たのだ。
ある年の夏の日に、虹のふもとに入道雲があったのを。
今日、入道雲を目指して私は歩き出す。
たくさんのおやつと一枚の手紙をリュックに詰めて、お気に入りの帽子を被れば準備は万端!
あの頃よりも少し大きくなった。
ちょっとだけ大人になった。
一人で近所の公園よりも遠くへ行けるようになった。
だから私は大丈夫。
なのにママはどうして私を止めるの?
「ママが言ったのよ? チョコは虹の橋を渡ったのよって」
見上げた数十キロさきの
青と白のコントラスト
入道雲
【入道雲】
あの大きな雲が
怪物みたいに襲ってくるのを想像していた
幼稚園児は
小学生になると
あれが大きなわたあめになったら
たくさん食べられるのにと思い
中学生になったころ
あの雲がなければ
雨に降られることはなかったと考えて
高校生になったら
初めて付き合った人と眺めて笑い
大人になった今
入道雲を見ることすら忘れているんだ
記憶の中の原風景を訪ねる時
季節は夏を選ぶことが多い気がします
大切な人たちが
今も変わらず、笑顔で迎えてくれるから
いつかの夏休み
ラジオ体操、
せみしぐれ、
母とわたしと、近所の子供、
台所で冷たい麦茶
また、みんなに、会えるね
あの日の入道雲が
今年の空を覆うとき、
わたしの夏が始まります。
縁側で、何を話したらよいのかどぎまぎして迷っていると、彼女が口を開く。また、会えたのは嬉しいが、私はこの様に病気持ちになってしまった。来年は、もう会えないかもしれない、とのことだった。旅人は、彼女の手を優しく握り、ならば、私と共に暮らさないか、君と会えなかったこの1年が、とても辛かったのだ、と告白をする。彼女は、ありがとう、と涙を流しながら返事をする。入道雲が広がるこの夏に、風に揺れる花は大好きな太陽を、見つけれたのだった。
空を見上げるくらい
時間に余裕があれば
風が運ぶ香を感じて
季節を知るのならば
どんなにいいだろう
豊かさとは何だろう
生きるとは何だろう
一年の半分が過ぎる
どのくらい笑ったの
どのくらい泣いたの
感情は溜めないこと
夏の空に浮かんでる
大きくなっていく雲
泣いてしまうような
そんな気がしている
『入道雲』
【入道雲】
夏の象徴
大きな入道雲
暑く晴れた日に
山向こうの入道雲を見る
この中に
雷と雨を潜めているとは
本当だろうか
晴れ渡る青空を見て思う
どこまでも
高く盛り上がっていく
入道雲
空飛ぶスニーカーで
入道雲の階段を
駆け上がれば
どんな景色が
広がっているのだろう
さあ、
思いのままに
駆け上がってみよう
あの入道雲を見て
食べてみたい とか
寝転がってみたい とか
無邪気に話す君のためなら
雲だって掴めそう
青に浮かぶ白が
ソフトクリームに見えるのは
夏が、暑いから
【入道雲】
西の空に入道雲が浮かんでいる。白くて一段と大きい、立派な夏の雲。私は見た途端、鞄の中身を確認した。今日はスポーティなコーディネートにしてキャップを被っていたため、日傘を置いてきたのだ。
そうこうしている間に、空には雲が増えてきた。狭まる青空の下、肌に当たる風の冷たさに驚いた。これはまずい。私は駅に向かって走り出した。
今日おろしたてのスポーツサンダルは、まだベルト部分が硬くて擦れると痛い。でも靴擦れ覚悟の上で走らないと間に合わない。結局、私の鞄の中には折りたたみ傘が入っていなかったのだ。
先程までの青空を、雲が全部覆い尽くした。入道雲はあんなに白かったのに、空を覆っている雲は暗い灰色だ。いよいよまずいと思ってスピードを上げた。
目の前に駅が見えた。あと、多分、走って二分くらいの距離だ。少し緩いキャップが脱げそうになり、慌てて手で押さえた。あと少し、もう少し。
なんとか駅の屋根の下に駆け込んだ。肩で息をする私に周りの人は訝しげな表情をしていた。でも次の瞬間、それどころではなくなった。空が光り、雷が大きな音を立てて鳴ったのだ。
バケツをひっくり返したような大雨が、駅の屋根に打ち付ける。私は濡れないように奥へと進んだ。よかった、間に合った。私はホッと息をついた。
これだから夏は苦手だ。
油断も隙もありゃしないから。
『入道雲』
車のフロントガラス越しの夏空は、熱い。
特に入道雲なんて、あれからどれだけ雨をもたらすのかと思うと、少し怖くなる。
晴れた日に限って暑くて外に出なくなった。
大人になるとは、そんなことなのだろうか。
入道雲って聞くと夏が来たなって思うよね。
トトロの世界みたいな田舎の古民家で夏を堪能してみたいっておもう。
縁側から見えたでっかい樹に登って風を感じてみたいし、夜は屋根に登って星空を眺めて眠りにつくのも楽しそう。
でも多分それは夢だから至福だと思えることなんだよね。
いつか、そんな夏が過ごせる時までほのぼのできる日常がある田舎の景色があって欲しいなぁ。
- 入道雲 -
余談だけど
書く習慣でお題が英語と日本語で多少変わるの面白いね。Cloudsだったよ。
こんなに逃げたいよと走っても走っても走るにまかせる青天にいる
入道雲
モクモクと
空いっぱいに
その大きさに
圧倒される
ああ夏だ
暑い夏だ
夏の暑さから逃れるように飛び乗った電車の
車窓から見える大きな入道雲
手すりの側の席に腰掛けた私の
半袖から覗く腕を撫でるような冷房は冷えすぎる
背中にあたる陽の光は私を応援してくれてるみたい
あの雲の中に入れたら
言葉にできない思いを叫ぶ
降らせたいのは優しい雨
ゆっくり染み込んで
花を咲かせる優しい言葉
募った想いを抱えきれず
轟く雷と激しい雨
あの中に入って想いを叫んで
雲が届けてくれないかなんて
考えてしまう
むかつくくらいに晴れ渡った空
雨なんて降りそうもない
美しい夏の日
歩道の向こうから自転車がやって来る。
「危ない」
って言って、私の手を思いっきり引き寄せたあなた。私はあなたの手を握りながら、たくましい背中を見てにやけてしまった。
「よいしょ。」
と持ち直したあなたの右手のスーパーのレジ袋には、お肉とニンジン、ジャガイモ、玉ねぎ。そしてタタミイワシ。
「大丈夫?」
ってあなたの顔を見上げると、
「早く帰ってビール飲みたい。」
ショルダーバッグからタオルを取り出して、そっとあなたの汗ばんだおでこをふく。2時間ぐらい歩いて、足には程よい疲労感。行き道はおしゃべりだったあなたも、帰り道は口数が減っていた。
「見て、すごい雲。」
私が空を指差すとあなたも空を見上げ、
「急いで帰った方がいいかもね。」
「どうして?」
「雨降るかも。入道雲出てるから」
「ふーん。やば、洗濯物」
少し歩調を早めた二人。
でもね、正直言うと。雲ってどれも同じに見えて。いまだに私は入道雲を見分けることができない。
最後に空を見上げたのはいつですか?
それなら、外に出たときに毎朝見てるって?
ただ空が視界に入ってきたのはカウントできませんよ。
太陽の眩しさに目を細めながら、上を見上げて、入道雲の形を凝視して、空の青さに圧倒される。
そういう、身近で簡単にできるけど、最近した記憶がないことってありませんか?
たまには、空を見上げてみてください。
スマホや単語帳は、とりあえずカバンにしまって。
日々の忙しさで目を下に向けるうちに、大空の広さを忘れてしまっているでしょうから。
きっと、蒼穹に堂々と佇む入道雲の大きさに呆気にとられることでしょう。
――もし、入道雲の中に宇宙船が見えたとしても、気付けるのは、空を見上げているあなただけなのです。