『入道雲』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『入道雲』
「夏」と言われて思い浮かぶ風景にはあるのは大抵、
水、ひまわり、花火、青空、すいか、風鈴、麦茶、帽子…そして入道雲。
不思議だよね。晴れている間しか見ることができないし、それが象徴するのは大体晴れ。
でも、連れてくるのは雨なんだ。
近くで見たいのに、それじゃあ見れないじゃん。
あ、明日は晴れるかな
#入道雲
空高く立ち上る
モクモクとモコモコと
一つとして同じ形のものはなく
青空のキャンパスに描かれる
空の芸術…
その美しさに惹かれPhotoにする
雲が織りなす芸術と
それに夕日が醸し出す芸術に
いつからともなく
ココロ奪われ続けている…
入道雲見ると感じる。
これから夏が始まろうとしている合図。
今年もあなたと一緒にこの季節を楽しみたい。
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theme 入道雲 2024-6-30
それはとても大きい。
それは神秘の恵みを与えてくれる。
それは古代から今まで人を支えた。
それは歌にもなる。
それは大きい雲だ。
入道雲…
私が小学生の頃、夏休みに
ひとり一研究という課題が出ていた。
ある年の夏、私は雲の研究をした。
研究というほど大層なものではない。
窓から見える雲を毎日スケッチし、コメントをつけた。
猫の頭の形だとか、だんごみたいだとか。
延々と毎日雲を描いた。
入道雲とは積乱雲で、この雲の下では天候が急に変わる。
そんなこと研究するでもなく、休み明けにスケッチブックを
提出したような、しなかったような…
今の小学生は一研究は任意らしい。
地域にもよるのかな?
息子の一研究は、ほぼ父ちゃんがやっていた。
父ちゃんの一研究は婆ちゃんがしたとかで。
なんだか夏休みは大人も忙しい。
腹が立つ
見ていて嫌だ、とても気分が悪い
自分を見ているようで、どこか気持ちが悪い
自分と全く同じ考えの人がいれば分かり合える、そう思っていた。だけど共感はできても所詮自分と変わらない自分がいるんだ。見ていてすごく気分がおかしくなる。
自分ってこんななんだと、実感した。
どんな自分なら愛せるかな。
【入道雲】
「サヨちゃん、チヨちゃん、またお願いしたいんやけど」
縁側で涼んでいたら近所の今井さんが庭から訪ねて来て、白い布と「赤い糸」が通った針を私たちに差し出した。
「ああ、千人針やね。今度は誰のん、おばちゃん?」
先にチヨが手に取り、スイスイと齢の数だけ玉結びを縫いつけながら訊ねる。今井さんは縁側の私の隣に腰掛けてひと息つき、手ぬぐいで額の汗をふきながら言った。
「辰悟のんよ。なんやすごいお船に乗組みが決まったそうで……」
今井のおばちゃんはなんとなく萎れた口調で、どこか遠くを見つめて答えた。うだるような梅雨明け前の昼下がりの休日。空には夕立ちを予感させる雲がたくさん浮かんでいる。
「辰にいちゃんのかあ……そっかあ……」
うまく言葉を返せず、チヨは今井のおばちゃんの横顔を見つめ、はい、サヨちゃん。と、縫い終えた千人針の布と糸つきの針を私に回した。
「――子だくさんで騒がしかったんが嘘みたいやわ。おばちゃんとこ、ついに和美と女二人暮らしになってもうた……」
そう言うとおばちゃんは寂しそうに小さく笑った。男の子ばっかりの大所帯やったのに、みんな次々と戦場へ行きはって。ついに末の辰にいちゃんも……お子さん、一人娘の和ちゃんだけが残ってんのね。海軍士官の旦那さんは全然帰ってきはれへんし……辛いやろうなあ。針の手を止めずに心のなかでおばちゃんに同情した。
「……よし、できた。みんな無事に帰ってきはるよう、特に念込めて縫っといたから」
ようやく縫い終えて、はい、と頼まれたものをおばちゃんに返す。なんとなく湿っぽくなった雰囲気を紛そうとしてか、おばちゃんはわざと明るく振る舞って、おおきに〜と芝居っ気たっぷりに千人針をありがたく押しいただいて受け取った。
「息子らので毎回ゴメンな、サヨちゃんチヨちゃん。元年生まれの、しかも双子のあんたらにはほんまにお世話になるわ。これ、ほんのお礼に取っといて」
と風呂敷を広げ、転げ出てきたとうもろこしを何本も分けてくれた。私たちはキャッキャとはしゃぐ。
「じゃあもうお暇するわね。雨の匂いがしてきたし」
おばちゃんが帰って行ったあと、すぐにポツポツと降り出してきてやがてどしゃ降りとなった。けれど日が暮れた頃にはピタリとやんで夜はずいぶんと涼しくなった。そしてその日の晩ごはん時、工場の勤労動員から帰ってきた両親に、二人で今日あった今井さん家のお話しをして、茹でたとうもろこしを家族みんなで美味しくいただいた。
“入道雲”
”あれ、ラプュタみたい“
うちの子供達は決まって
入道雲を見ると言っていた
“言うと思った”
これがお決まりの私のセリフ
いつの間にか
そんな子供達も大きくなり
入道雲を見ても
あのセリフは出てこなくなった
当然私のセリフも無くなった
もうすっかりあの時の
会話は忘れていた
久しぶりに子供達が
夏休みに孫を連れて遊びに来た
孫達が庭で水遊びをしているのを
私は微笑ましく見ていた
すると
”あれ、ラピュタみたい“と
孫が大きな入道雲を指差して言った
どこか懐かしいセリフ
私は忘れていた
私のセリフを言おうとした瞬間
“言うと思った”と息子が言った
その時思った
我が家の入道雲のセリフは
”代々受け継がれて行くかも“と
入道雲
入道雲が空に浮かぶ朝は夏休み。
ラジオ体操が終わり家路につく頃には蝉の声が入道雲から聞こえてくるようだ。
1日の始まり。
3人の仲良しさんが自転車に乗りやって来た駄菓子屋の前。
ショートカットの痩せっぽちポパイの恋人のオリーブに似ているからあだ名はオリーブそれがわたし。おかっぱ頭の一見無口で大人しそうなけれど意志の強い黒曜石のような瞳をしているおませな女の子が高校時代裏番と言われたりっこちゃんでもまだこの時は小学3年生の頃の話。三つ編みに眼鏡の優等生の町内会長のお嬢さんのみっちゃん3人の仲良しさんは今日も駄菓子屋の前でゴム跳び。
入道雲はどんどん大きくなり日差しも力を増して来た、それでも今よりは柔らかい夏何故なら周りに緑と水があったから。
その日もお昼近くまでゴム跳びしたり石蹴りしたりして遊んだ。お昼は、おばあちゃんが冷やし中華をご馳走してくれた。みんな親たちが共働きだったから、おばあちゃんは3人まとめて面倒を見てくれていた。お昼ご飯が済んだら一応夏休みの宿題を早目に切り上げて学校のプールに行く入道雲は手の届きそうなところにまで来ていた。
プールが終わるとお家に帰ります、カルピスを飲みながら夏休み子ども劇場を観てお昼寝から目覚めると近所の憧れのお姉ちゃんが帰って来たから遊びに行く、鬱陶しくつきまといお姉ちゃんのやっていること言っていることを真似る少し大人になった気分になる。それから夕方までお姉ちゃんとお喋りをして、夏休みの夕方は習い始めた剣道教室へ行く週に2回は剣道教室と空手教室にも通っていた、当時は兎に角強くなりたかった。
そうして、入道雲も真っ赤に染まる頃長かった1日もようやく終わろうとしていた。
「ただいまー」
「おかえり」
母の声と晩御飯の匂いが迎えてくれた。
入道雲は
「また、あしたー」
と言いながら、空の向こうに消えて行く
そんな日が永遠に続くと思っていた。
9歳の夏休みと入道雲。
2024年6月29日
心幸
「入道雲」
陽を吸い込んで吐く息が
上へ上へと登る夏
入道雲を見ると泣きそうになる
と言った友達を思い出した
彼は今 飽きた日常から目をそらしている
らしい 最近会っていない
街の明かりで少し翳った夏の大三角
こと座 はくちょう座と何だっけ?
僕は今 どうでもいいことを忘れるため
歩いてしまえばいい速度で走っている
走るのは嫌いだ
でも遠回りして帰るのは好きだ
僕って人間は本当に白々しいのに
ひとつも面白い話ができない
あの子の前でだけ不自然体だ
今日の空回りは明日の臆病につながる
不安で涙が溢れないよう空を見た
入道雲が泳いでいた
もう夏がきたようだ
雲ひとつ無い、突き抜けるような群青色の空と
入道雲のコントラストが、鮮明に記憶に残っている。
「ソフトクリーム!」
小さな指が空を指す。
「ん~、あれは綿菓子に見えるなぁ」
「外の植木に積もった雪」
「ソフトクリームだもん!」
二人の間で飛び跳ねる小さな体。
「ソフトクリームにも見えてきた」
「ほんとだ」
二人の手が同時に上がり、小さな体がふわりと浮く。
「ソフトクリーム食べたい!」
「じゃあ買って帰ろっか」
「僕はアイスコーヒーにする」
浜辺を歩く三人の声が、雑踏の中に消えていく。
後に残った入道雲が、帰路につく彼等を見守るようにむくむくとまた大きくなった。
END
「入道雲」
朝
「おはよう」って言えないかな…
登校のタイミング合わないかな…
そんな事を願いながら、登校した。
校門前、自転車で来る姿を見た
玄関で挨拶出来るかも……!
いつもより足取り早く玄関へ
言えるかも、間に合えたかも。
心臓の音が…止まない
「おはよう」
必死に出た声、変じゃないかな…?
「おはよぅ」
先に着いた貴方は振り向いて。
この先の声が出せなくて
話したい…でも…心臓が持たない…
放課後
帰るタイミングが同じ
友達も貴方の友達もいる
「バイバイ」なんて言えないよね…
友達と駐輪場に向かった
貴方も同じ道へ
その近くには他クラスの女子達
言えないか〜って諦めそうだ
自転車を持って駐輪場から出てきた
目が一瞬だけ合った
手を振るだけでも……
小さく手を振ってみた
貴方も小さく手を振り返した
少しでも近づきたくて
でも心臓の音がうるさくて
気持ちがぐんぐん上がってく。
〜入道雲〜
晴れ渡る空に入道雲。
こんなに晴れているのに、入道雲は雨を運んでくる。
このちぐはぐさがなんだか好きだ。
夏。
それは人を解放的にさせる。
人は海に走り、ひと時のロマンスを繰り広げる……
地獄もまた例外では無い。
鬼たちも開放的になり、海へと走り、ロマンスを繰り広げる――事は無かったが、とにかく夏を謳歌していた。
目の前の鬼たちは、普段の様子から想像できないくらいはしゃぎ回り、涼を求め海へと飛びこむ。
そこにいたのは恐ろしい鬼ではなく、夏の熱さに浮かされた子供であった。
だが、無理もない事なのかもしれない……
かつて、地獄ではこういった娯楽は皆無であった。
地獄では、ただただ労働だけがあった。
鬼たちも、そのことに不満を持つことは無く、粛々と業務をこなしていた。
だがある時、地獄は変わった。
俺が変えたのだ。
鬼たちのブラック業務すら霞む、ブラックホール業務に、俺が待ったをかけた。
無報酬労働……
この世界で、唾棄すべき『悪』である。
そして俺は『悪』が心底大嫌いなのだ。
俺は生前詐欺師をやって、その因果で地獄に落ちることになった。
もちろん詐欺は『悪』だが、相手はもっぱら悪徳商人を狙った。
『悪』は嫌いだが、それを行うやつらも大嫌いだったからだ。
死んだあと、この善行に対して情状酌量は無かった。
だが特に不満は無い。
俺は悪人が嫌いだったから、悪人相手に詐欺を働いただけ……
自分勝手にやっただけで、別に褒めてもらうためではない。
だから他者から評価されなくても別にいいのだ。
それでも、と思う。
やっぱり喜んでもらえると嬉しい。
俺が詐欺を働いたことで、喜んだ人間がいたのは確か。
感謝の言葉も一度や二度ではない。
そして今は、地獄の鬼たちが、俺の行いに喜んでいる。
苦労して、閻魔大王を説得した甲斐があった。
閻魔には嘘が通じない。
嘘をつこうものなら、たちまち舌を抜かれてしまう。
だから根気強く、正直に説得するしかなかった。
休みがあれば、仕事が捗るのだと……
そうして俺は、なんとか閻魔から、短い夏休みをもぎ取ったのだ。
満足できる結果ではないが、時間が解決してくれるだろう。
仕事の進捗という、なによりも正直な事実が
しかし、この地獄にはまあ多くの『悪』があるように思えた。
地獄に落ちてまだ短い時間ではあるが、滅ぼすべき悪があるように思えた。
幸い閻魔から高い評価を受け、鬼たちを指揮する権限を譲り受けている。
これを使って目につく『悪』を滅ぼしているのだが、全く無くなる様子は無い
多分、閻魔も『悪』を滅ぼすために、権限を与えたわけではあるまい。
だが、今のところ口を出すことは無く、少なくとも『悪』を滅ぼすことには異存がないようだ。
もしかしたら、こうなることが分かってやらせたのかもしれない。
俺には閻魔の考えていることは分かない。
だが『悪』を滅ぼしていいと言うのは分かっている。
俺は、それさえ分かっていればいい。
その事実に、思わず顔がにやけてしまう
俺は夏が嫌いだった。
特に恋愛事に熱心なわけでもなく、海が好きなわけでもない。
夏はただ熱いだけの季節だった。
それに詐欺のしやすい季節でもない。
だけど今の俺は、そんなに夏が嫌じゃない。
なにせ、これからも大嫌いな『悪』を、どんん滅ぼしていいのだ。
夏とは関係ないが、それでも、心が躍るのは確かだ。
こんなに気持ちが高揚するのは、生きている間もなかった。
この夏は、きっと特別な夏になる。
俺の心が、そんな予感を告げていた。
【入道雲】
ジリジリと肌を焼いていく太陽は、ちょうど自分の真上で影を作らせまいと躍起になっている。
田舎の夏はいつもこうだ。
低い山に囲まれ、田んぼに囲まれ、ひたすらに広い空が見下ろし、木々からは蝉の大合唱。夜はカエルに選手交代して、微かに揺れる風鈴と一緒にデュエットしてる。こんな田舎に『デュエット』なんて言葉は合わないかもしれないが…。
「ようちゃん、スイカ切ったからね」
縁側で座りブラブラと足を揺らしていたら、ばあちゃんが顔を出した。振り返ったときには暖簾が揺れているだけで、食べるなら台所から自分で持ってこいということか。まだ午後に入ったばかりで、気温も高くなりつつある季節で食欲があまりないからスイカは助かる。「よっこらしょっ」と口から漏れる。
夏景色に背を向けて、台所の暖簾に腕を通す。
「ばあちゃん、塩あるー?」
「あるよ。こんな暑い日にはスイカに塩だ。スイカ食って、食欲でたら、おにぎり作ってやっから言っておくれ」
「ありがとうばあちゃん」
「あぁそろそろじいさんが休憩にしに来んね」
そう言うとおぼんの上に麦茶が入ったボトルとコップ、作っていたおにぎりを持って、玄関のほうへと歩いて行った。
置いていかれたおれは、大きな机の上にある三角のスイカを何個か別皿に移して、振りかけるタイプの塩を持つ。先程まで居た縁側に持っていく。
蝉の声が出迎えするように大きくなっていて、無意識に「ただいま」と声に出ていた。あぐらをかいて座り、1つめのスイカに軽く塩をタンタンとかけて、大きくかぶりついた。
じゅわっと溢れる水分と甘さ、それに乗っかる塩っぱさに、自然と頬が緩む。今年のスイカも美味い。
じいちゃんが育てる野菜や果物はいつも絶品だ。
今は確か、夏野菜を育てておりキュウリはおやつ感覚で出てくる。あ、キュウリには味噌マヨ派だ。
なんて思っているうちにスイカの一欠片は無くなった。
「じっちゃーーん!スイカうめぇよー!」
玄関にいるであろうじいちゃんに向かって叫ぶ。
「そうがー!そりゃあ良かったわあ!!」
返事がかえってきたことに嬉しくなって、もう1つのスイカに手を伸ばした。
田舎の祖父母宅にお世話になっている期間は毎日が最高だ。都会の空気は狭苦しくて、どうも息が止まってしまいそうになる。なにより、広い空はビル群に隠れていて遠くの存在に感じてしまうのだ。
「たいようやあ!」
「なあん」
「西の方に入道雲が見えとる。今日のうちに収穫できるもんはしたいけー!あとで手伝ってけれ」
「わかったー」
「ばあさんがおにぎり作ってくれるけ、よう食べたら畑さ来いやあ!」
「そうするわあ」
「はい、おにぎり。しゃけおにぎりにしたで」
ばあちゃんの小さな手で作られたと思えない、
大きなおにぎりはいつも心が惹かれる。
ラップをとって、かぶりつけば塩焼きされた鮭のフレークが出てきた。それはもう本当に美味しい。
「そんながっつかんでも、いつでも作ってやるさね。 喉に詰まらせても悪いからね、気をつけるんよ」
おにぎりを腹いっぱいに詰め込んだ後は、
じいちゃんと一緒に夏野菜をひたすらに採った。
とうもろこしが大量で、あとでご近所に配るらしい。
じいちゃんが持っていた麦茶を少し貰って、空を見上げれば、広い青のなかにもりもりと上に伸びていく入道雲がこちらを見ていた。
入道雲
入道雲ってなんか好きだな
夏が来たって感じ。
夏の空
青い空に雲がふわふわ、もくもく浮かんでて
ついつい乗りたいと思ってしまう。
雲に乗れて旅するのおもしろそうだな。
そんな素敵な気持ちになれる入道雲。
見ることができること、らっきー!
夏の絵を描いて。
朝顔、向日葵、百日紅
縁側の風鈴、灼ける瓦屋根の家々
庭に出したビニールプール
白いワンピース、麦わら帽子、子供サンダル
水飛沫、笑う君
なんでもいいよ。
とにかく彩度を右に右に、一番右に。
背景にはいつも
真っ青な空と
天に向かって聳え立つ巨大な白雲
チカチカする夏の色彩を抱いても
調和してくれるから安心して。
◼️入道雲
昔は大きくてきれいだと思ってたのに、
今は雨の予兆だとビビってる。
景色は全然共通じゃないんだろうな。