『優しくしないで』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
好きでもないなら
優しくしないで
一緒にいないなら
優しくしないで
時に傷つけるから
優しくしないで
優しさが辛くなる
『優しくしないで』
「お嬢様!?」
おめかしを手伝ってくれたメイドが声を上げた。
せっかく用意してくれたドレスを汚してしまってごめんなさい。でももう耐えられないの。
甘くてきらびやかなお茶会を抜け出して、昨日の雨でぬかるんだ森の中を走る。
あちらこちらに枝を引っかけて、ドレスと靴は泥で汚れてしまっただろう。ひどい有り様だ。
「A嬢は本日もお美しくあらせられる」
「こちらのスイーツがお好き? 奇遇ですね。私もですよ」
頭に浮かぶのは誰にでも優しい彼の言葉。今日も多くの令嬢令息に声をかけられていた。婚約者である私を一人にしたままで。
「もういやだ……!」
誰にでも優しくするくらいなら、いっそ私は、私だけには優しくしないで。
湖が見えてきた。ここを越えれば下町まであと少しだ。素性を隠してお手伝いをしているカフェ兼旅館でかくまってもらおう。
そう決意して小舟にかけた手を後ろから掴まれた。
骨張った筋肉質な指にサファイアの指輪がはまっている。
彼だ。
「どこへ行くの」
「貴方がいないところ!」
「どうして? 僕が何かしたなら謝るよ」
「貴方の、そういうところが」
嫌いなのよ、と告げる前に腕を引かれて目が合ってしまった。
眉間に寄ったしわと首もとを伝う汗。何よりもその青い瞳に戸惑いと怒りが表れていた。
「お願いだから、突然こんな場所に一人で走って行かないで。メイドの声がしなかったらどうなっていたか」
泣きそうな彼の声に、引かれるまま彼に身を委ねることしかできなかった。
走り疲れた私は気づけば屋敷の自室で眠りについていた。
意識を失う間際の彼の言葉も聞かずに。
「A嬢は君を真似るのがお好きなようだよ。スイーツは君好みのものを取ろうとして声をかけられただけ。寂しい思いをさせてしまってすまない。そう、君には下町という居場所もあるからね。明日にでもあちらにも手回しをしておこうか。二度と君が僕から離れたいなんて思わないように、ね」
お題『優しくしないで』
悩ましいんだよな。今、婚活をしてるんだけど優しくされたら普通嬉しいじゃない。
だけど、その優しくしてくれる相手の見た目が好みじゃないと、どうもその人からの好意をすんなり受け入れられない自分がいる。いや、これはイケメンでもそうか。
大して知らない人からの好意はどことなく気持ち悪い。優しくしてくれるのも、下心を感じてしまう。
だから、優しくしないで最初から汚い素を出して欲しい。そうすれば、判断出来るから。
目を合わせて、笑って、
名前を呼んで、話しかけて、
きっと誰にでもしてるんでしょう?
気にしてくれてるのかなって思ってしまうから
いっそのこと、優しくしないでと思っているけど
既読で終えないで
話をそらさないで
私を避けないで
って願ってしまう。
だから最初から優しくなんてしないで。
#優しくしないで
-優しくしないで-
優しくしないで。」
私は彼に言った
彼は優しい
みんなに優しい
たまに他の子に嫉妬してしまうけれど
私は彼のその優しさが好き
けど私といる時には
その優しさを自分に向けて欲しい
私に気を使わないで欲しい
どうか自分を大切にして欲しい
だから、
「私に
「優しくしないで」
「おはよう!」
ひとりぼっちで、勉強も運動もダメダメなわたしに話しかけてくれて、
「一緒に食べよう!」
いっしょにご飯食べてくれて、
「一緒に行こ!」
ずっとそばにいてくれて。
うるさいだけの教室が、少しだけ暖かく感じるくらいに幸せだ。
どうしてそんなに優しいの?
わたしのこと好きなのかもって、勘違いしちゃうじゃん。
でも君がわたしを好きなわけない。
わたしのことが好きな人なんていたことない。
どうせこの思いを打ち明けたら君ははなれてしまうんだ。
だから、今はまだこのままがいい。
この日々が、いつまでも続いたらいいのに。
そんな日々もあの子が転校してきて崩れた。
あの子は勉強も運動もなんでも出来て、すぐにクラスの人気者になった。
君はあの子の近くで笑ってて、
わたしとは全然話してくれなくなって。
君に相応しいのはわたしじゃないんだって、
君が好きなのはあの子なんだって、
気づいてしまったんだ。
結局わたしは変われなかった。
元通りになっただけ。
君がいなければ、ずっとひとりだったはず。
そう自分に言い聞かせるのに精一杯。
君との甘くて優しい日々は、思い出になってしまった。
こうなるから、優しくなんてしないで欲しかった。
ベットに寝転んで、泣きながら眠りにつく。
「おはよう!」と君が言う。
他の誰でもない、わたしに向けて。
「一緒に食べよう!」
他にも友だちなんてたくさんいるだろうに。私のところへ来てくれるくらい、君は優しい人なんだ。
「一緒に行こ!」
移動教室のときですら、わたしと一緒にいてくれて。
ああ、わたしは幸せすぎたんだ。十分過ぎるくらい、君にもらっちゃったんだ。
だから、わたしの幸せはもう終わり。もう、他の誰かにゆずらなきゃ。あとわたしができるのは、君の幸せを願うことだけ。そうなんでしょ?ねぇ…
目が覚めた。
さっきまでのは全部夢。
これで、わかった。
君はあの子と結ばれて、ハッピーエンド。
わたしはそれを見てるだけ。
そして、おめでとうって言って、わたしはそれでおしまいなんだ。
もう、君のことなんて忘れちゃえばいいんだ。
きっと、絶対、それがいいんだ。
制服に着替えて、いつも通り学校へ。
あの子と話す君を横目に、自分の席に座る。
教室は五月蝿くて、冷たく感じる。
いつかのわたしと一緒だ。笑えてくるくらいに。
君への思いは手放した。
心はすっきりして、でもすごく冷たい。
…ああ、世界はもう優しくなんてしてくれない。
こんなことになるのなら、最初からやさしくしないでよ。ねぇ!
ヤサシクシナイデクダサイ
ワタシノタメニ
いつもの儚げな表情で、笑うことを忘れてしまったかのようなその唇で、そう、言ったように見えた。
どんなに傷ついても、ボロボロに身も心も汚れてしまっても、瞳がガラス玉のように感情を映さぬようになり、まるで命の芯の部分だけでかろうじて立っているかのようになっても、
決して助けを求めないあなたを、私は…卑しくも私は…あなたのそんなところに惹かれてしまったのです。
『優しくしないで』
人とは支障にならない程度の関係でいい。
なにか失敗したからって
励ましとかいらない
勇気づける言葉なんていらない
所詮仮初めなんだから
私なんかに優しくしないで
単純な私にはその言葉一つで心にくるから
優しくなんてされたら
弱い自分が出てきちゃうよ…
【優しくしないで】
そんなの無理
優しく、優れた子になりなさい
ずーっとそう叩き込まれてきた
誰にも優しくされなかったけど…
私は多分、
自分で言うことではないけれど
誰よりも優しい
それは凄いこと?
いつも誰かのために
自分を後回しにして優しくして
自分を壊しても尚
他人に
嫌いな人に
優しくして…
優しくしたらしたで
それがみんなの当たり前になって
なんの得にもならない
結局私は何も得ない
いっそのこと
もう君は誰にも
【優しくしないで】
って言ってくれないか?
優しい子はさ
もうやめたい…
優しくしないで ごめんなさい!時間があったら書きます。
コーヒーあげるその一言が嫌いだった優しくしてもらうのが嫌いだからしないでそしてその彼氏はふられた。
優しくしないで
期待してしまうんじゃなくて
期待しすぎてしまうでしょう
やっぱり貴方だなって思ってしまう
もう
あの思い出も
あの気持ちも
全部心にしまっておいたのに
その優しさは
貴方の大好きなところで
貴方の大嫌いなところなの
#優しくしないで
お題《優しくないで》
あなたの優しさは光にはならないから。
孤独と毒がじわじわ身体全体を彩ってゆく。
あなたの《すき》は、わたしとはちがう。
なのに、あなたは鈍感。
ねえ希望にすらないのなら、いっそ絶望の海をみせてよ。
深淵の森を彷徨うわたしは、あなたのランプにはならない光で溺れてゆく。
私ににこって笑って優しくしないでよ
期待しちゃう。ニヤけちゃう。あなたの優しさ、笑った顔、力強さ、色んな仕草を見る度に好きが増す。だから優しくしないで。諦めがつかないよ
優しくしないで
もう優しくしないでほしい勘違いしたあとに裏切られるのが怖いから。「優しくししないで」と言うとなんでだよと言われるのが辛かった。嫌われたいわけじゃない。ただ怖いだけ。ありのままの自分に気づいてほしかっただけ。でも私の周りからは人が離れていった。理由は分かっていたが私は引き止めもしなかった。引き止めても無駄だと思ったから。
優しくしないで
私が好きなあのこには、他に好きな人がいる。
私との恋愛契約は結んではくれない。
急な雨に打たれて雨宿りしていたら彼も
ここにいる。彼の名前は優太。勇太は今この
瞬間でさえも私を見てはくれない。
勇太はスマホをみて言う。
「愛の奴、傘持ってないのか。
迎えに聞かなきゃな。」
「行きなよ!私は大丈夫!晴れ女だから、
時期にやむはずだよ!」
「そっか、」
彼は雨のなか走り去ってゆく。私を置いて。
これでもう諦められる。勝ったよ。自分に。
「あははは!私ってば最強!!自分に
一瞬で勝っちゃった!!」
雨のなか悲しみを押さえた微笑みで諦めた
小さな思いを涙で押し込む。その時、
「はい。」
彼が私に傘を差し出す。
「近くのコンビニで売ってたからこれ使えよ」
なんでよ、優しく。しないでよ。
「優しく、しないでよ!」
「……!」
優しくしないでよ、
消えてしまう気がして、目を醒ました。
いや、正確には眠っていたわけではないのだが、意識が、過去から戻ってきた感じだ。
ずいぶん長い時間が経ったようなのに、ローマ数字の置き時計はさっきから一分も進んでいない。
何をしていたんだったか。
ここは、私の部屋。いつもの家具の配置、天井まで平積みになった本や書類。今、私はベッドに座っているが、この上に広げていた資料はどこへやったっけ。カーテンが翻り、紅い光が射し込む。置き時計の回転振り子に反射して、私を包む空気が紅く染まった。かつて死の間際に見た景色が頭をよぎり、スッと表情に影がさした。
ドアが開く音がして、とっさに身構えるが、入ってきたのは彼だった。
そういえば、昨日から一日休みをもらったのだが、逆に無理をしてしまったらしく、医局まで連行されたことを思い出す。昼過ぎに帰ってきたが、仕事をしている時にいきなり呼び出されたのは肝が冷えた。まあ、その後医局からの帰りに倒れるまで自分でも不調に気づかなかったのだから、気がついた彼は本当にすごいと思う。本当に。
私を心配して、なにか質問しているようだが、頭に靄がかかったようで、正直、話が入ってこない。
気持ち的にはかなり回復したつもりだったが、体の方は思うより重症だったようだ。重傷でもあるが。
異能力も、魔法も、術も、禁止されてしまって、体調を取り繕うことができない。どうやって誤魔化そうか、と考えたところで、どうやら私は普段から、無意識のうちに様々なことを誤魔化しているようだ、と気がつく。
早く仕事をしなければいけないのに、いや、期限付きのものは1ヶ月先の分まで終わらせたんだった。
でも巡回警備がある、いや、当番は来月からだ。
友達に頼まれていた機械修理、も、この間終わらせた。
あれは、終わった、これは、終わった、あのときの、も、終わった。
あれ…?なにも、すること、ないじゃないか。
休んでいる暇はないのに、することがなくなってしまった。どうしよう。なにか、役はないか。
演じなければ、私を、つくらなければ。
いつもの私は、なにをしていた?
なにが好きで、なにが嫌い?
するべきことは、なに?
なあ、頼むから優しくしないでくれよ。
私は、やらなくてはいけないんだ。
なにを?
守らなくては。
誰を?
早く、速く、はやくしなくちゃ。
なんで?
嗚呼、どうしよう。
そんな目で、見ないで、看病も、しなくていいから、友達にも、知らせないで、待って、いかないで、救けなくて、いいから、一人に、しないで、あっちに、行って…
なにを考えているんだろう。矛盾、矛盾、矛盾。
おかしいな、これくらい一人で、耐えられるだろう。家に、一人は寂しいな。いや、おかしいよ。
なんだ?変だな。思考がまとまらない。頭は動かないのに、眠れない。君はずっとここにいるつもり?私なんかの相手、つまらないでしょう?仕事もあるだろうし。帰っていいよ。食事?ちゃんと取るからさ。薬も、飲むよ。寝れるかは、わからないけれど。ちゃんと休むよ。一人で、いいからさ。迷惑かけたくないんだ。みんなに、離れてほしくないんだ。だから、一人にしてくれないか。
だから、優しくしないでよ。
「優しくしないで」
あなたが優しい人だと知っている。
目があったときに手を振ってくれることも
笑顔で話してくれることも
全部、誰にでもするのよね。
私が特別なわけじゃない。わかってるの。
優しくしないで
期待してしまうの。
優しくされると。
もちろん分かっている。
あなたの性格だもの。
誰にでも優しいのは。
だからこれは『特別な』優しさなんかじゃない。
でも、やっぱり期待してしまうの。
あなたの優しさに溺れてしまいたくなるの。
抗う術なんてない。
抗いたくもない。
私だけの『特別な』優しさを頂戴。
他の人には、どうか優しくしないで。
【優しくしないで】
優しくしないで
私の体はトゲでいっぱい
触ってしまうと
あなたが 怪我をしてしまう
なんであなたは
ずかずかと
私のもとに来るの
来ないでと 言っているのに
私のせいで
あなたを傷つけることが
とても怖い
でも
優しくされると
その分だけ
よりかかりたくなってしまう