『何気ないふり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何気ないフリ
夢を見ると未来がわかる。
しかし、完璧に当たる訳では無い。いくつかは外れている。
でもそんな事が起きている中でわかったことがある。
見た夢はいつ来るかはわからということ。
そして長い夢ほど、正夢になるということ。
夢で見た状況と全く同じ日もいくつかあった。
だから僕は記録をつけるようにした。
長い夢と短い夢で分け
長い夢と短い夢、これといった悪いことは起きていない。
ただ一つ。
とても長い夢で、死ぬ夢を見た。
死因は交通事故だ。
でも僕はそれを隠し、何気ない日常を過ごすただの高校生だと。
自分には毎日…言い聞かせている。
クラスの子に、水を掛けられた。教室で。
周囲は突然のことに驚いていたが、
助けようとする人はいない。
こういった行為ー客観的に嫌がらせ、いじめだと
言われるものが僕の身に起き始めたのはごく最近。
初めこそ憤慨し、同情する者が居たが、
今はもう居なくなった。
人同士の繋がりなんて所詮この程度なことは
わかっているから、失望の気は抱かなかった。
まあ冬じゃないし別にいいか、なんて呑気に構えて
そのままでいた僕に、君はハンカチを差し出した。
「そのままで居ないでくれ。周りの迷惑だ」
クラスの委員長様は優しいんだね、なんて言えば
ムッとした顔で立ち去ってしまった。
ありがたく使わせてもらった群青のハンカチを
ふと見ると、端に濃い赤茶の斑点がついている。
何だこれ、と思っていたが、思い当たるものがあった。
僕の鼻血だ。
随分と前の、ある曇りの日だった。
階段から転げ落ちた僕に手を差し延べてくれたのも彼だったか。
恐らくそのときにもハンカチを借りたんだろう。
落ちなかったのだろうか、今更ながら申し訳ない。
放課後になるなり僕は近くの雑貨店に寄って
真っ白のハンカチを買った。
再び学校に戻る頃には日も沈みかけ、
殆どの生徒が家路に着いていた。
果たして、彼はまだ教室にいた。
きっと委員長の仕事で居残りをしていたんだろう。
音もなく現れた僕にハッとした顔をし、
気まずそうに頭を掻く彼。
「…なんだよ、早く帰ってくれ
それに、再登校は認められてないぞ」
これを渡したくて。
「え?あ、ハンカチ…
?この白いの、こっちは僕のじゃない」
貸してくれたハンカチ、前にも借りたことがある。
そのときは鼻血だったよね、その端っこにあるのは
落ちなかった鼻血の跡じゃない?
「…そんなことよく覚えてるな」
そう?勘だしね。
申し訳なくて、弁償。
「いいよ、これ捨てるつもりだったから」
ふーん、委員長も嘘つくことあるんだね。
ニタ、と笑いかければ彼の顔が
心なしか赤くなった気がした。
「…嘘なんか」
ま、別にいいけど。
とにかくこれ受け取ってよ。僕も要らないし。
「え、ちょっと…!」
ーそして、何気なく切り出す。
あともう一つ。
いちいち他人に言って、大変でしょ?
直接言えば、好きなだけさせてあげるから
今度からそうしてね。
それじゃ。
呆然とする彼に背を向け、颯爽と教室を後にする。
全く、彼のあの演技といったら笑いを堪えるのが大変だった。
ずっと前から知っていた。
僕に手を下すよう、影で手回しする姿を。
今日の朝も、ずっと前、曇りの日も、
君が仕組んだ事だと、とうの前から知っていたよ。
なんて、なんて愛おしい。
それほどまでに僕が欲しいのか。
思わずこぼれていた鼻歌は、
何者かが掴んだ手の感触にふつりと途切れる。
僕を掴む手が生える体の主を見れば、
それはまさしく委員長だった。
ああ、素直な君の方が何倍も良い。
何気ないフリ
悲しんでいる君の横顔を
診ていられなくて、
何かしてあげたくて、
そっと近づいて
後ろから思いっきり抱きしめる
恥ずかしさが表に出ないように
何気ないふりをして
あなたにぬくもりを分ける
一人ではないのだと、
まるで今日を生きるのを諦めているかのようなあなたに
ぬくもりを分ける。
"何気ないふり"
非番、俺は午後休みで、この日は久しぶりに映画を観ようと計画を立てており、駅近くの映画館に来ている。
ちなみにハナは術前検査で動物病院に数時間預ける事になっていた為、検査が終わるまでの時間潰しも兼ねている。
観る映画は計画を立てている時に映画館のホームページの上映作品を見ながら、チャットで二人で決めて──飛彩はネットに疎い為──俺がネット予約した。
「開場時間まであと二十分か」
発券機から予約した二人分のチケットを発券して、チケットに記されている開場時間と、腕時計が示している時間を見比べて呟く。
「サンキュ」
差し出された一枚を受け取り、念の為自分のスマホの時計を見る。やはり二十分後に開場となっている。
「飲み物は?」
「なんでもいい」
分かった、と言ってカウンターへと向かって行った。近くの椅子に腰を下ろすと、俺の座った椅子の目の前に大きなモニターがあり、そのモニターから今後上映する作品の予告映像が流れている。
──丁度いい、これを見ながら戻ってくるのを待とう。
今はサスペンス系の作品の予告映像が流れている。ベタなストーリーだな、と見るのを止めて視線を逸らす。数秒後、音がピタリと止んだ。
──予告映像が終わったのか。次はどんなやつだ?
再びモニターに目をやると、暗闇の画面から不穏な音楽が流れてきた。
どんな作品かすぐに分かった。
それと同時に後悔した。
視線を逸らしてすぐに席を立って飛彩の元に行けば良かった。
とりあえず視覚からの情報を遮断する為に、目を固く瞑る。
恐怖を焚き付ける台詞、そこに畳み掛けるようなBGMと効果音。
聴覚からのあまりの恐怖に耳を塞いだ。
「大我?」
降ってきた俺の名を呼ぶ声に目を開いて顔を上げ、耳を塞いでいた手を離す。両手に飲み物を持った飛彩が立っていた。横目でモニターを見ると、いつの間にかあの予告映像は終わっていて、別の予告映像が流れていた。
「大丈夫か?」
「あ?何が」
「顔色が悪い」
「別に?映像の光のせいだろ」
別に、の所で声が裏返ったが気にせず言葉を続けた。
「なら良いが、無理するな」
飲み物を差し出す。飲み物を受け取ると立ち上がって「いくらだった?」と聞く。
「いや、いい。チケットを買ってくれた礼だ」
まだ時間があるから座ってろ、と俺が座ってた椅子の隣に腰を下ろした。それに倣って、先程まで座っていた椅子に再び腰を下ろす。
すると飛彩の手が伸びて、俺の背をさすってきた。
「やめろ、人見てんだろ」
「どうって事ない。他人が何か言ってきたら、俺が何とかする」
そう言って手を止めずに優しく背を撫で続ける。
その手の暖かさと優しさに、先程まで強ばっていた心が解れていく。
「……ありがと」
小さく呟くように言うと、何も言わずに頷いた。
「ポップコーンも買ってきた」
「……後で食う」
落ち着いてきたのでストローに口をつけて、貰った飲み物を吸い上げて口に含む。
中身はオレンジジュースだろうか。懐かしさを感じる爽やかな甘さが広がった。小さく喉を鳴らして飲み込む。
するとチケットに記されている作品の上映スクリーンが開場したと知らせる場内アナウンスが流れた。
「立てるか?」
「平気だっつってんだろ」
ゆっくり立ち上がり、チケットとオレンジジュースを手に、お互いの隣を歩きながら上映スクリーンへと向かった。
「なんでもないよ、だいじょぶ!だいじょぶ」
咄嗟に出るのはこんなのばっかり。
後からやっぱり、言えば良かったかなあ、とか。
笑って、今日も。
「何気ないふり」
何気ないフリ
何も変わらない。
何も変わってない。
大丈夫?
どうかした?
なんかあったん?
なにが!?
どうもしないよー!
何にもなかったと思うけど?
のらりくらりかわしていく
「心置きなく何でも話せる友人がほしい」
自分から壁を作ったらソレができないことなんてわかってるのに
怖くて、信用できなくて、
臆病で小心者の自分がだーいきらい。
『何かあったらいつでも相談してね😉』
『何にもないけどね!心配してくれてありがとう✨
何かあったら頼らせてもらうね!!』
なんて、頼る気はないのに…
壁を超えて来てくれるのを望んでるくでるくせに、
超えてきたらきたで拒絶して…。
矛盾を抱えてもやもやして吐きそう。
大丈夫?なにかあった?どうかした?
大丈夫!なにもないよ!どうもしないよ!
なにげないふり
他の人と変わらない何気ない日常。
ただ仲のいいやつと喋ったり、なんか話し合ったり。いつもの毎日。
でも、ほかの人たちとは少し違う。
だって、僕たちはマフィアだから。
裏の社会で知らない人はいない。NN。never noticeの略だ。そして僕たちはその幹部。だから知ってる。この街にいる人たちはみんな何気なく生きてるふりして、本当は裏の顔があるってこと。
仲間とよく行くカフェのマスターも、バーのマスターも、飲んだくれのおっさんも。みんなみんな、裏の顔がある。
これはそんな街の話だ。
テーマ:何気ないふり
人ってやっぱり、何気ないふりがいちばん辛いの。暴言を吐かれて、
陰口で笑われて、
自分の劣等感に溺れて、
些細な言葉で傷付いて、
本当に辛いの。
でも周りにどう思われるかが不安で
何気ないふりして笑って辛い気持ちを隠すの。
そのうち何気ないふりの仮面に、
限界がきて仮面が外れたら、
誰かがこう言うの。
『我慢なんてしなくていい。』__って。
でもこの言葉を聞くと余計苦しめられる。
そんなの自分でもわかってるから。
だからね、、、。
やっぱり今日もまた何気ないふりをしちゃうの、笑
#『何気ないふり』
No.82
私は好きな人と出席番号が前後だったんです。
なので授業などでペアや同じグループになる事が
良くあったんですけど、私も好きな人も
人とあまり関わらないので
隣に座ることがあったんですけど
めっちゃ緊張したけど何もないふりしていました。
これに慣れなくちゃと思うんですよねー!!
「何気ないふり」
何気ないふりをして彼は私に言った。
「何かあった?」と。
また明日。
もう眠いんだ、今日も沢山遊んだだろう?
まだ遊び足りないって……、お前の体力はどうなってるんだよ…。
歳!?!?歳は関係ねぇよ!!!!!多分…。
ほら、俺が寝かしつけてあげるから。
今日は何が良い?笑
絵本?それとも今日は…特別に子守唄とかどうだ!
いや即答で断るなよ傷つくぞ。俺。
ん?寝かしつけるの面倒じゃないかって?
そんな事は全然思ったこと無いぞ。笑
お前は俺にとって、大切な人だ。
優しく丁寧に、愛情を持ってやらないとな!
ほら、また明日も遊ぼう。な?
おやすみ。
【246,お題:何気ないふり】
自然な笑顔を作って貼って
何でもないような顔で学校へ行く
何気ないふりをしながら
家族と話して 兄弟たちと遊んで
何事もないふりをして1日を終える
なにもない日常 なんでもないただの日常
何気ない"ふり"じゃない
本当になんでもないんだ
そうやって、なんでもないことだと
自分に何気ないふりをし続ける。
人との関係はお互いの努力の上に成り立つもの
そう思ってきた
だから君といるとき
どれだけ腹が立っても
どれだけ悲しくなっても
どれだけ苦しくても
どれだけ涙が流れそうになっても
必死に何気ないふりをして誤魔化した
その代わり明るい感情は
誤魔化したりなんかせずに素直に表に出すようにした
普段感情を押し殺しているから少し難しかったけれど
君の隣ならなんだか自然にできていたと思う
そんな気がしてる
…いや、勝手にこちらが思い込んでいただけだった
隠しきれてはいなかったようだ
壊れないように、壊さないように
バレないように、隠し通せるように
努力してきたつもりだったけれど
君は隠すのがうまいよね
君は全部知ってたんだ
「無理しないで」
「隠す必要なんてない」
心配そうな困ったような微笑み
耳が溶けそうな優しい声
無機質な人形じゃない、人の温もり
包み込むように握られた右手
頭の左半分を覆う大きくて柔らかい手の感触
何気ないふり、なんてできるわけがなかった
君の胸元を濡らしていくこの涙を、とめることはできなかった
何気ないふり
なんて器用なことできないな
なんて考えたけどあれだ
何気ないふりして近づいて
君を抱き上げる
あーあ捕まえた
見えないところに準備していた
キャリーバッグ
気づいて逃げようとする君を
しっかりと抱きしめて
ごめんねと言いながら蓋をする
たくさん騙してきたなあ
ニャーニャーずっとないてて
こわかったよね
大好きだからこそ連れてった病院だけど
飼い主のエゴでもある
今でも思い出ぜんぶにありがとうだよ
何気ないふり
日曜日の早朝から散歩に出ていた私は、誰もいない公園に立ち寄った。
普段はおじいちゃんおばあちゃんがゲートボールをして楽しんでいる様子が見られる。しかし、雨が降り地面が濡れているため中止のようだ。
傘をたたんで屋根つきベンチに座った私は、日頃のストレスを吐き出すように息をした。
【何気ないふり】
私は常に偽ってきた
誰にも悟られないように
笑顔を貼り付けて
大人の望む模範的な生徒を演じる
それが癖になってしまって
本当は自分が何をしたいのかも分からないし
周りに心配されるたび『大丈夫』という言葉が口をついて出てしまう
いつからだろうか
こんなに周りを気にするようになってしまったのは
私にだってあったんだ
他の子と同じように
なんの心配もなく無邪気に笑っていた時が
次第に周りからの心配の声もなくなって
逆に頼み事の方が多くなった
周りからの期待もどんどん大きくなって
いつもより上手くいかないと失望したような顔をされる
それが見たくなくて
また何度もやり直して完璧を目指す
それの繰り返し
疲れたってしんどいって
どうしてそんなに簡単に言えるの?
本当は助けて欲しい
誰でもいいから
『頑張ったね』って
認めて欲しい
そんな思いを今日も隠して
何気ないふりをする
模範生徒の仮面を被っていい子を演じる
私は『大丈夫』まだいける
そう言い聞かせて
〚いつまで何気ないふりを続けるの?〛
君が嘘をついたって
知らない顔をして接してた
君にこれを言ったら
関係が崩れると思ったから
好きだからこそ
君から離れたくないんだ
でも 好きだからこそ
君とは居たくないんだ
何ともなく送り出してる私だけど
内心ボロボロだし
自分を押し殺すのも辛いんだ
苦しいけど
君から離れられないんだ
何気ないふりをしてきたけど
そろそろ限界かもしれない
好きにならせてくれてありがとう
幸せにしてくれてありがとう
君とすごした時間を
後悔して汚すものにしたくはないから
何を言わずに消えさせてもらいます
探さないでね
バイバイ
156テーマ【何気ないふり】
自分がこの立場だったら、
消えるかなぁと想像して、書きました。
私は
何気なく人を傷つける
何気なく人を救う
私の善悪は全て気まぐれ
何気なく彼に嘘をつく
そう私は君の“悪魔”
そして貴方の“天使”
嘘つきの私は、
自分の演技にすら気づかないほどの実力である
というのも嘘なのかも、
考えるとシャトルランのように
終わらなく追い詰められる
疲れた寝よ
『何気ないふり』
(2024/03/30 22:25:45)
ダビ
「何気ないふり」
この先の未来を考えたとき、
あなたの隣に私が居るのでしょうか。
いつも曖昧な態度を取るから、
私が不安になってること、知らないでしょう。
そうやって今日も、私たちは問題を先送りする。
何気ないふりをする
仲良くするために
仲良くを長続きさせるために
でもいつかはバレるんだ
でも今だけは
この幸せを噛み締めさせてくれ
お題『何気ないふり』