『何気ないふり』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何気ないふりしてるけど
ほんとは淋しいんだけど
でも涙は出ないんだけど
そんな自分が切ないんだ
#何気ないふり
「何気ないふり」
偶然を装って予定を聞いてお誘いしたり
うざ絡みにならないように距離を測ったり
もっと近くに、もっと長く、一緒にいたいけど
ぐっとこらえて心地よい距離感を探る
きっと、全部バレている
何気ないふり
一番傷つくのが
僕、私、きみ、あなた
ふりが
ふりでもない
傷になる
何気ないふりで話をしている。
内カメラを起動したアンドロイドをちらちらと見ながら。
口角は上がっていないか 目が笑っていないか
服は汚れていないか アイツ好みのメイクか とかとか。
今日はなぜだか気が散っていて、何もかもが気になる。
思考を巡らせていると、アイツは視界からいなくなっていた
アンドロイドの画面を見ると私のキョトンとした顔と、
それを横から珍しそうに、画面を見つめるアイツ。
驚いてカメラを閉じようとすると、
アイツは撮影ボタンを押した。
努力虚しく破顔した私と、いつも通り輝く笑顔のアイツ。
こんな写真持ってたら、もう何気ないふりできないな。
お題:何気ないふり
(何気ないふり)
目覚めると朝日がある事知っていた
駆けたら息が浅くなる事気づいてた
今宵も昨日と変わらない
この息の根が止まるまで同じことを
気づいてる 気づかない方が良いからふりをして
何気なく誘いたい
そうやって誘いたい
カッコ良く誘いたい
偶然を装おうのでなく
ほんとの偶然で
それは必然になるから
君は必然だから
ふたりは必然だからです
この時間は必然だから
これからも必然だから
いつまでも必然だから
【何気ないふり】
「おっと、ごめんね」
そう言って彼女は小さな男の子の進路を塞いだ。男の子はぽかんとして彼女を見上げるが、彼女の方は急ぎ足にその場を去る。すると、「まーくん、そっちダメよ!」と母親らしき声に、まーくんと呼ばれた子供は振り向いた。
(あーあー、ダメよじゃダメなんだよな、ポジティブワードで呼びかけたほうがいい、こっちにおいでとか、ママのところに来てとか)
彼女はそんなことを考えながら早足に歩いている。次の交差点で、すみません、と言いながら一番信号機に近い場所に立つ。信号待ちの人は横一列に並んでいるが、彼女の隣の一人、高校生らしい制服の少女だけはスマートフォンをいじっていた。信号が青に変わる。彼女は爪先で一回だけトン、とリズムを取ってから歩き出した。すると、スマートフォンをいじっていた少女はハッとしたように顔を上げて、慌てて横断歩道を渡る。
(左右見なよって)
もしも彼女を見ている人がいるならば、彼女がいつも誰かの進行を阻害したり、変更させたりしていることに気付くだろう。
高校三年生の春に車に撥ねられてからこちら、彼女には、事故の導線が見えていた。それが死に直結するかどうかは別として、その導線は誰かの足元から伸びており、そのまま導線の上を歩いていくと、大なり小なり事故に遭う。そんなことを誰かに相談してみようものなら、それこそ精神科か心療内科を勧められてしまうだろう。大学受験のストレスが、入学後に爆発したとか、そんなことを言われて。
なので、彼女は誰にも言わず、ただ何気ないふりをして導線を消すことにしている。正義感なんてものではなく、目の前で事故られて、その目撃者になるのが面倒なだけだ。とはいえ、シンプルな導線のときに限られる。ぐちゃぐちゃに絡まっている場合は、何をどうしたって事故は起こる。
だから、今日も可能な限りで、さり気なく事故を防止する。少なくとも大学に着くまでは、平穏無事な時間を過ごすために。
飲み会の帰り道、皆んなと歩いている中こっそり手を繋ぐあの緊張感と多幸感が好き。
さり気なく車道側を歩いてくれるところが好き。
単純なカードゲームで延々と遊んで笑っていられる、お泊まりが好き。
美味しいものを一緒に食べる時間が好き。
しあわせだね、と笑うあなたのくしゃっとした笑顔が大好き。
本当に言いたいことに蓋をして、強がるふりをして。
私の目の前からいなくなる、今のあなたは大嫌い。
『何気ないふり』
『何気ないふり』
何気ないふり、
それは、強がること。
何気ないふり、
それは、逃げること。
テーマ“何気ないふり”
学校の廊下。
何気ないふりをして
偶然を装って君の事を待ってみた。
君が教室から出てくるのを見つけて
何気ないふりをして
近付こうとした。
けれど、無理だった。
君の横には、私が知らない子が
ピッタリと寄り添っていたから。
それを見た瞬間、慌てて
君に背を向けた。
何気ないふり失敗。
そんな事するくらいなら
君を呼び出して一緒に帰ろうって
誘えば良かったな。
断られるとしても。
…何気ないふりをして
気付かないふりをして
その関係ブッ壊しても良いかな?
駄目かな?
天然だよね。
そう言う君は鈍感だよね。私が転ぶ度に支えてくれて、心配してくる。普段からあんなに転ぶ訳ないのに。私が言うのもなんだが、週3くらいで転んでるんだから、少しは怪しんだほうが良い。
忘れっぽいのも、靴下を間違えちゃうのも、空気を読むのがヘタクソなのも。全部全部、君のせいなんだよ。
「ちょっとドジで天然な子が好きだなぁ。守ってあげたくなるような子」
だってドジで天然なくせに。先週も思い切り机に頭をぶつけたのを見てた。心配したのと同じくらい、むしろ私が守った方がいいんじゃないの?って思った。ドジなフリしてるけど、君より断然守れるよ。
でも、そんな事を行ったら離れてしまいそうで。いつまでも君の好きなタイプを演じてしまう。何気なく君の好きな香りを纏って、何気なく君と好きな食べ物が同じフリをする。全部君の為の、何気ないフリ。
本当の私はこんなのじゃないけど。君に見つめられるのなら、何にだってなってやる。
見て 聞いて
何もない 変わりない様に
絶対に気づかせない
これが案外 容易ではない
*何気ないふり
ほんとのことってなんだっけ。
いつも、何者かのフリしてる。
昨日、貴方のスマホを覗いてしまった
「おはよう」
貴方より少し早く起きたので、朝ごはんなんか作ってみる
「今日何時に帰る?」
ちょっとだけテンション高く聞いてみる
「久しぶりにグラタンでも作ろうかと思って‥」
好きだったよね?変わってないよね?
「‥そっか、じゃあ先に食べちゃうね」
なんで?仕事だものね、仕方ない
どうして?仕事だものね、頑張って
仕事?仕事だものね??
「‥いってらっしゃい。気をつけてね」
貴方が背を向けた途端、軽く振ってた手と笑顔が動きを止めた
ゆっくりと閉まるドア
ゆっくりと閉じる瞳
早まる呼吸
噛み締めた唇
貴方のスマホを覗いてない自分には戻れない
何でも無いような振りをして、
誤魔化すのが得意ですね。
作り笑いでいつも誤魔化して、
それとなく場面を抜ける。
笑い皺は貴方の傷だと、
気付いたのは何時からでしょうか。
笑ったあとの、一瞬の悲しい顔が
嫌に目に付きました。
何気ないふり、知らん顔して
貴方には全部分かってたんですね。
痛みとか、悲しみとか、
不条理とか、苦しみとか、
それに付随するあらゆる苦痛を。
貴方はきっと知っていたから。
そんなにも何気なく救えたのですね。
私の痛みを、悲しみを、
不条理への怒りを、足掻く苦しみを
きっと知っていたのですね。
何気ないふりできっと救ったのですね。
ふと見せた優しさに、
貴方の悲しみが見えた気がしたのです。
何気ないふりできっと救われたんですね。
私がそうだった様に。
私もそうしようと思います。
貴方のように笑い皺が癖になったら。
そうしてくれたように、そのようなふりで。
#何気ないふり
何気ないふりをして、一番頑張っているのはあなただ。
何気ないふりをして、一番耐えているのはあなただ。
今日も、どこから湧き出てるか分からない不安に押し潰されそうになる。
呼吸しているだけで偉い、
生きているだけで偉い、
そう誰かに慰めてもらいたい。
〜何気ないふり〜
フィクションです🙇🏻♀️
私のクラスにはいじめがある。
クラスの中の1人がいじめられ、クラスの中の3人が中心となりいじめている。
他の人は傍観者だ。
私は傍観者もいじめている人と同罪だと思っている。
どうして見ているだけなの
どうして助けようとしないの
どうして先生とかに言わないの
色んなことできるでしょ。
君たちが助けないで誰が助けるの
でもこんなこと言っている私も傍観者の1人だ。
ずっと頭の中で自分をヒーローに成り立て、いじめられている子を助けている。
どうして助けないのって言われたら、そんな理由ひとつしかないでしょ?
自分が標的になるかもしれない。
そんなの嫌だよ、笑
いじめられている人も十分にクズだけど
私もとことん自分のことがクズだと感じる。
それでも私は助けない。
今日も。明日も。これから先も。ずっとずっと。ね。
朝目を覚まして、野菜ジュースを1杯。顔を洗って髪を整え、制服に袖を通す。目玉焼きを乗せたトーストに、塩胡椒を振ってかぶりつく。
手早く朝食を済ませて、昨夜の内に支度を済ませておいたスクールバッグを手に取り、玄関に向かう。
いつもの靴に足を入れ、小さく行ってきますと呟く。
扉を開けると春の風が髪を揺らし、朝日が僕を照らす。
「お、おはよう」
下手な作り笑顔の君は、それでもいつも通り、そこにいた。
「おはよう」
返す僕の声は上擦っていなかっただろうか。笑顔は不自然ではないだろうか。
自転車に乗った学生が僕たちを軽やかに追い抜いていく。学生たちの喧騒は遠くに聞こえる。
僕達は、ゆっくりと歩みを進める。
「良い、天気だね」
「そうだね」
「「……」」
油が足りない機械みたいに、僕たちの会話はぎこちない。昨日までと何も変わっていないようで、全く違う。
決定的な違いが、昨日、生まれてしまったのだ。それでも、それでも僕には普段通り振る舞う義務がある。昨日の出来事なんて、些細なことだったのだと、何も変わらないのだと、何気ないフリをしなければならないのだ。
僕は、昨日、君の恋心を、無下にしたのだから。
君から友人まで奪う訳にはいかないのだ。
#なにげないふり
彼のことなんて考えたことない。
けど、彼は近寄ってくる。
なぜか、彼の近くにいると鼓動が早くなる。
そんな日々が続いたある日のことだった。
彼が消えた。
いや、この世からといった方が正しいだろう。
私は、考えた。
なぜ、彼が消えたのか。
それは、明白だ。
奴の仕業、どう考えてもな。
ロクデナシ、皆からそう呼ばれるあいつ。
彼と、よく喧嘩をしてたバカだ。
私は、あいつのもとへいった。
アイツが、彼を殺した方法で。
首締めで、彼は殺されたんだ、私もやり帰してやる。
そして、私は奴を殺した。
私も、母のように私も彼の後を追った。
雲を越え星となった私たちのあるべき場所へ。
そこで、母が父と楽しそうに歩いていた。
何気ないフリ
『大丈夫?』
答えはNo
だけど『大丈夫。』と答えるしかない
心配されていても
プレッシャーに感じてしまう
『どうしたの』
こう聞いてくれるのは
あなただけ
『大丈夫だよ』
何気ないフリ
私の一番得意なこと
『大丈夫じゃないでしょう。』
こう言ってくれるのも
あなただけなの。
あたたかい優しさで
冷えた心があたためられ
冷たい氷が溶けだした。
溶けた水を受け止めきれず
溢れてしまう。