『何もいらない』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何もいらないなんて思う日なんか来ませんぜ
完
【何もいらない】
「ねえ、キミの願いを教えてよ」
朽ちかけた賽銭箱の上に腰掛けた君は、そう問いながら柔らかく瞳を細めた。真っ白な長い髪、真っ白な着物。白ばかりに埋め尽くされた君の姿の中でたった一つ、色彩鮮やかに輝く柘榴色の瞳が、じっと私を見つめていた。
「願いなんてないよ」
パーカーのポケットに両手を突っ込んで、私はそっけなく君に応じる。そうすれば君は、ひどく困ったように眉を下げた。
「宝くじが当たりますようにとか、長生きできますようにとか、何だって良いんだよ? オレ、全力で叶えるから」
鬱蒼と茂る森の木の葉が、ざわざわと揺れる。古びて壊れかけた社の扉が、風に煽られて軋んだ音を立てた。
人々から忘れ去られ、敬愛も願いも何一つとして捧げられなくなった『神様』は、ひとりきり寂しく消えていく日を待つばかり。
「別に。そんなの欲しくないし」
両親は仕事人間で、学校でも浮いていて。居場所なんて何処にもなかった私の話し相手になってくれたのは、そんな『神様』だけだった。威厳も何もない、私の持ち込むお菓子やテレビゲームに目を輝かせる、世俗にどっぷりと染まりきった神様は、私のただ一人の友達だった。
きっとこのひとは、もうじき本当に消えてしまうのだ。だから力なんてもうほとんど残っていないクセに、最後の力を振り絞って、私の願いを叶えるなんて言い出した。
「いらないよ、何にも」
吐き捨てるように告げて、そっと君の手に触れる。いつのまにか温度のなくなった、氷のように冷たい君の指を、ただそっと握りしめた。
(だから少しでも、君と長く一緒にいさせてよ)
何もいらない
こんな贅沢な言葉
私は言えない
今の自分が
自分にあるものが充分で
手に溢れるほどあるから
もう何もいらない
って言うんでしょ
もしくは
なにかに悩んで
なにかに絶望できたから
何もいらないから死にたい
って言うんでしょ
悩めることが幸せだとかは思わない だけど
死にたいってのも 死ねてないだけで
死ぬきっかけがほしいって望んちゃってると思うんだよ
うちの言いたいこと、伝わるかな 笑
だからつまり
何もいらないなんて
そう簡単に口にしていい言葉じゃないと思うのさ
人生満たされてない人を敵に回すだけ
少なくとも私は死ぬまで
たらればに縋って いろんなもの欲しがる
何も要らないってなるまで
不自由なく生きたいよ。
_ ₃₁
何もいらない
あれがほしい、これがほしい。
あの人が羨ましい、あんな人になりたい。
人間って基本的には欲まみれだよね。
欲が悪いとかではなく、むしろ必要だと思う。
それは足りないものを補いたいから。
足りないからこそ欲しくなる。
あとは、見返りを求めるのも同じ。
友達に家族に恋人に職場の人に、
あなたにこんなことをしてあげたんだから、
自分に見返りを頂戴!!とかね。
そういった自分都合の欲とか、
見返りを求めなくなったら、
それがある意味幸せなのかもしれない。
自分は満たされてるから「何もいらない」
自分は満たされてるから見返りもいらない。
見返りなく尽くせることが愛なのかも…ね。
( 何でも欲しい。)
これは何にもいらないと近い物がある。
許容量が決まってる。
結局、何かを諦めなければならない。
欲しい物がある他人が何でも欲しいとは言わないだろうから。
自分には何も無い。
なのに欲しいものも忘れてしまった。
何でも欲しくて何もいらない。
幸せすら欲しくない気がしてくる。
題「何もいらない」
詩だよ〜!いいねよろしくね!笑
#何もいらない#
何もいらない
君がいてくれるだけでいい
笑ってくれるだけでいい
たまに目が合ったりして、笑
たまに両思いかもって
思っちゃうけど
たまに言われるんだ
半分好きで半分嫌い
だってそれって普通ってことでしょ?
なんかあんまり嬉しくない
普通って嫌なんか嫌
そしたら嫌いの方が好き
何もいらない
みんなからなんであの子が好きなの?
なんて言われるけれど
分かんなくていいただ単に好き
わかんないくらい好きなんだ
何もいらない
ただそれだけで私はいい。
何もいらない
なぜ、浮気なんてしてしまったんだろう。
あなた以外なにもいらないって思ってたのに。
本当はなにも満たされてもなかったのだろう。
もういいわ
やめましょう
こんなことはもうたくさんよ
もういいの
やめましょう
こんなところにはもういられない
もういいわ
何もいらない
こんな私なら必要もない
#なにもいらない
私の子供の頃は、
お菓子が欲しい!
おもちゃが欲しい!
ぬいぐるみが欲しい!
あの子と同じのが欲しい!
あれもこれも欲しい!
だったけど、今は違う。
そんなのもう要らない。
なにもいらない。
でも一つだけ私には、欲しいのがあるんだ
家族との時間が沢山欲しいんだ─────。
【何もいらない】
幼い頃はずっと何かが欲しいと飢えていた。
おもちゃが欲しい、お菓子が欲しい
そんな可愛い欲望がいっぱいあった
今でもおもちゃやお菓子が欲しいとかはある。
でも幼い頃のように飢えるくらい欲しいことはない
幼い頃より手がかからなくなったから
というのもあるだろうが
それ以外にもあるかもしれない。って考えてしまう
弟がいるから。
どれだけもらっても弟に取られる。
誕生日プレゼントでもご褒美でも
どんなものでも、弟は容赦なく取る
それを「また今度買うよ」で片付ける。
だから、私は心のどこかで諦めたのかもしれない
"もらっても意味が無い"どうせまた取られるから。
取られなそうなものを買うことは何度もした
ぬいぐるみとか弟の嫌いなものとか
でも、取られた。
いつの間にか弟の部屋にぬいぐるみがある
嫌いなのに食べる。そして捨てる
そういうのから考えるのも疲れたんだろう。
唯一かもしれない、弟に取られないもの。
それは音楽関係のものだ。
いつもは習い事すら取られる
その度に私は辞めてる。お金かかるしね…
でもピアノを習ってたが取られなかった
そのせいか音楽をしている間は自分でいられる
部活も音楽関係だ。
そのおかげですごく楽しく過ごせている。
音楽へ進ませてくれたお母様には感謝している
もちろん弟に取られないっていう理由だけじゃないが
感謝している。
本当にありがとう。
――――――唯一のもの
苦しみなんていらない。
悲しさなんていらない。
不安なんていらない。
何もいらない、だから。
今は、この時間を大切にしたい。
『何もいらない』
一人でいると何も起こらないから、平凡に生きることができるから、気楽になれるから、人嫌い?ほんとのほんとはそうなのかな、私…
「はーい。わかったー。んじゃ、コンビニで煙草だけってことね。あっ!玄関ドアは鍵開けといて。すぐ帰ってくるから。じゃ、行ってきま!」
#23「何もいらない」
「もしもし、そこのお方」
よく通る声で話しかけられた君は、声の主の方を向く。見目麗しい少女が道端で、高級そうな椅子に座っていた。
君は少女の視線に合わせて、屈んでみる。
「困っていることはありませんか?」
君は考える素振りをしたが、暫くして首を傾げた。どうも、思い当たらないらしい。
「例えば、生活に困っているとか、自分に合った恋人が欲しいとか、不労所得が欲しいとか、そういうの、ないんですか?」
うーん、別にいいかなあと君は言う。どうも君は今の暮らしに満足しているらしい。
「わたし、生まれてこのかたお金持ちなんです。折角なら誰かに何かを恵んであげたくて、声をかけてるんです」
そうしたら、良いことをしたって、気持ち良くなるでしょう?と少女は微笑んでみせた。
「そこで、たまたま貴方が返答をしてくれた。だから、貴方になにかを与えてあげたい」
わたしは与える側の人間だ、と言わんばかりだ。恍惚の表情を浮かべる彼女に、君はきっぱり、欲しいものはないです、と告げて頭を下げた。
よいしょと立ち上がると、面食らう彼女を置いて、歩いていく。
「ふうん、面白い人ですね…。あの方が欲に屈服する姿が見てみたい…」
なにやら、無欲な人間と欲に塗れた少女の話が始まりそうだが、話はここまでである。
作者に続きを書く欲がないらしい。
何もいらない
俺もそうです…
僕は1人で勝手に闘う男です
ごめんね…
痛みも分かち合えず…
痛い思いは俺だけに…
自分勝手にして
ごめんね
俺は器用でないから…
ごめんね…
悲しい思いだとしたら…
勝手で
ごめんね…
I lo…
/何もいらない
「俺、お前がいるなら他はなんもいらねぇわ」
「なに、急に。気持ち悪いんだけど」
俺の言葉にアイツは露骨に顔をひきつらせた。らしくない事を言っている自覚はある。だが、その顔がおかしくて思わず笑ってしまう。
「 仲間も、この場所も、家も、俺の幸せも要らねぇ」
口元をひきつらせて硬直する奴を見た。
「手前が生きてるなら、手前の幸せすら、俺は要らねぇな」
「……君、歪んでるね」
「お互い様だろ」
鼻で笑いとばす。コイツの幸せは死ぬ事だから、俺は俺の為にコイツの幸せを奪い取り踏みにじる。
コイツが生きてさえいるなら、俺は何も要らねぇ。
たとえそれら全てが俺のエゴで、誰も幸せにならないものだとしても。
居なくなってわかった。
あなたが居たら何も要らなかったのかも。
その存在の大きさを知る。
時が過ぎたことを忘れてた。
いつかは、居なくなること
もっと先だと勝手に思ってすごしてた。
人生こんなもんか
舞
人生の半ばを軽く過ぎてしまった。就職氷河期の世代である。過去を感慨深く振り返るには、まだ余りある。
本当に人生半ばなのか?
終幕があるのだけは確かなのだが。
終幕のその瞬間。
永遠に続くかのような絶望感と苦痛の類から解き放たれて、
幕を閉じるのだ。
喉元を過ぎれば あれほど痛い思いをしたというのに 喉を潤したくなるのだ。
「何もいらない」なんて気持ちに到底なれないのは、生きることを諦めていないから。
終幕の瞬間を心待ちにしているつもりが、何ひとつ片付ける気力も湧いてこないのだ。
いや。捨てられないのだ。
#何もいらない
昔から僕は、欲しいと思った物を素直に言えない性格だ。あれが欲しいこれが欲しいと素直に告げる兄と違って、僕は黙って諦める。
それが通常で、何も気にしたことなんてなかった。
そんなある日、僕が部屋で勉強しているところに訪れた兄は本を借りると部屋に入ってきた。
別に黙って借りればいいのに。律儀だなぁなんて考えていた時、兄はこちらを向き首を傾げて
「欲しいものはないのか?」
と突然聞いた。無意識に目を見開いて、兄を凝視してしまう。僕の欲しいものなんて、興味あるのかと。
「え…ないことは、ないけど。」
ありはするけども、別にそこまで欲しいものでも無いし我慢できる。兄の質問の意味が全く分からず、曖昧な回答をした僕に、彼は柔らかく微笑んだ。
「そうか、何が欲しい?」
何が欲しいか?何故そんなことを聞く?
混乱して若干パニックに陥っている僕に、兄は再び首を傾げる。どうしてそんなに焦っているのか。なんて、自分でも分からないよ。
「欲しいものがあるんだろう?何が欲しい?教えてくれ。」
「聞いてどうするの?」
「買う。」
え?と自分から間抜けな声が出て、兄もつられてえ?と眉間に皺を寄せる。こちらが疑問に思っていることを疑問に思っているらしい。
「なんで買うの?」
「君が欲しいからだろう?」
僕のほしいもの買って何するの?漫画だったらハテナマークが僕の頭上に大量に浮かんでるだろうな。意味のわからない兄の言葉に首を傾げていると、まさか。と苦々しい顔をした兄が
「君、今まで欲しい物は買って貰えないと思ってただろう。」
と言った。え?実際そうじゃないの?
「だって僕、迷惑に「ならない。」
僕の言葉を遮って鋭い目付きで凄む兄に、思わず体が後退する。かなり深いため息をついた兄は手を額に当てると首を横に振りだす。訳の分からない僕の方を指の隙間から見て「いや、まぁ、そう考えるのか…。」とぶつぶつ呟き始めた兄に、今日の彼は変だなと思いながら声をかけようとした。
「よし、出掛けるぞ。」
が、兄の方が行動が早かった。服はそれでいいな?と聞いてきた兄にこくりと頷く。今首を横に振ったらなんかやばい気がしたから。ならいい。と言った兄は僕の腕を引っ張りながら部屋を出る。出かけると言っていたが、毎日忙しい兄の手を煩わせるのではないか。この流れだときっと僕の欲しいものを聞き出して買いに行く気だろう。
「ぼ、僕!何もいらないよ!欲しいものも無い!!」
慌てて少し声を大きくして言うが、兄は止まることもせずに玄関まで歩き、いつの間にか用意していた運転手に聞いたことも無い行き先を告げ始める。何度か兄の名を呼んでいると、やっと振り返った兄は目を細めて言った。
「なら、欲しいものが見つかるまで出かけようか。」
知らないうちに兄の面倒くさいスイッチを押したらしい。これから始まるであろうショッピングに、ため息が出るのをどうにか堪えながらどこか楽しそうな兄に心の中で呟いた。
本当に、家族以外何もいらないのに。
何もいらないし求めないけどただ少しだけ優しい世界になってほしい