『何でもないフリ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
何でもないフリ
そんなに、無理しなくてもいいんだよ…そう言い乍ら、ギュッと抱き締めてくれるね…あなたに、心配させるのが嫌だから、何時も平気な振りしてるのに、ちょっとした事で、直ぐに解ってしまう…怖いくらいに何でも知ってるんだね…でも、だからあなたのそばが心地よくて、あなたに甘えてしまう…こんなに、あなたの事を…
─ いつものように、定刻を迎えたので席を立った。
そのまま会社を出ると、駅まで歩き、
気さくな大将のいるいつもの居酒屋に向かった。
「いらっしゃい。お客さん、今日はお一人で?」
流れるように聞かれたその言葉は想定済みだ。
「そうなんだ。実はいつもの彼がこの度めでたく
海外勤務になってね。しばらくは1人呑みさ」
別に何の気なく言えていたと思う。
なのに、大将ときたら
「…奥の個室、今日は特別に
旦那が使えるようにしたげるよ。
思い切り呑んで心の澱みを流していきな」
そんな分かったような事を言う。
いや、分かりやすい顔をしていたのは私の方か。
「ありがとう大将。恩に着る」
やはり無茶なフリだったようだ。
『何でもないフリ』
何でもないフリ
遠くで犬と散歩をする人、袖口を引っ張って暖かくした。足取りが重くなり、後ろへ後ろへ引っ張られてるみたいだ。浮つく心と相反する態度を向けられ、少し落ち込んでまた足を踏み出した。溢れた笑みも、何でもない。ただ、そこを通っただけ。
助けて、もうだめ
キツイ、辛い
心の奥で常に発されるヘルプ
でも表までは出てこない
平気な顔で日常を過ごす。
口論にもならない静かな喧嘩
聞こえない悪口
出回るスクショ
表向きは静かにで平和な学校生活
それの副作用が現れたのか
それとも自分のせいか。
読破済みのデジタル記事の数字
自分の知識と言わんばかりに自慢気に掲げる
透けるほど薄いデータで腹を満たした愚か者
それがあいつら。
それが私。
そうか
そんなんだから
助けても言えないんだ。
まだ字を覚えたて 幼いきみが
ページをめくって聞かせてくれる
たんぽぽに飛んでくるチョウ
雲に隠れるお月さま
やけどしちゃうアリんこ
どきどきするね
悲しくなるね
びっくりしたよ
聞かせてね、何度でも
繰り返し繰り返し
次のページは知らないよ
きみと一緒にわくわくしたい
「何もしらないふり」
#269
痛くない訳じゃない。
だけど、痛いとは言わない。
痛いって言ったら、本当に痛くなる。
平気なフリじゃない。
ただ、言わないだけなんだ。
今日もきみは気づいてくれない。
いつもみたいに呑気に笑って、おれの手を繋いで。
「どうしたの?」と問う無邪気なきみの声。
このままじゃいけない、そう焦る気持ちがおれを星空の奥へ奥へと進ませる。
いくら暗くたって、きみがいると眠れないだろ。
今日も君は何でもなさそうなふり。
いつもみたいに笑いかけて、君と手を合わせて。
「何でもない」と応える寂しそうな君の声。
このままじゃいけない、そう焦る気持ちが自分を夜の海底に沈める。
いくら明るくたって、君がいないと楽しくない。
今だけは隣で、何もないこの世界に、
二人で浸って。
_2023.12.11「何でもないフリ」
途中まで書いたら カタカナの! 花束 という歌を思い出した。
知ってるよ!って人はハートマークで教えてください。(*´□`*)。
※BL要素ありなので苦手な方はご注意下さい
(続き)
う…ん…はぁ、、はぁ…
眠ってはいたが、悟は苦しそうに浅い呼吸を繰り返している。
ぬるくなってしまった冷えピタをゆっくり剥がして、新しいものを貼ってやると、冷たさが心地良いのか眉間の皺が少しだけ緩んだ。
汗がひどい。着替えをさせなければ。
そう思い、シャツのボタンに手を伸ばす。
はぁ…はぁ…ぁ…ぅ…
熱のピークなのだろう。首から胸元にかけてもうっすらと紅く染まり、何かに耐えているような顔で、ひっきりなしに吐息を漏らしている。
時折、寝苦しさから、いやいやと力なく頭を動かすと、目の端にうっすらと溜まっていた涙が、ツーっと流れ落ちた。
…色っぽい…。まるでこれは…。
そう見えてしまうと、もうどうしようもなかった。
そうだ、これは看病なんだから。着替えをさせているだけなのだから。
そう冷静に振る舞ってはいたが、それとは裏腹に自身の股間はどんどん存在を主張してくる。
病人相手に何を考えているんだ、私は…。
冷静になろうとすれば、うるさい心臓の鼓動がその思考を搔き消した。
「すぐ…る。」
ゆっくりとシャツのボタンを外していた所で悟は目を覚ましてしまった。
一気に血の気が引いていく。
本当に私はどうかしている。そう、どうかしていたのだ。
現実に引き戻された瞬間、もうこの世界から消えてしまいたい気持ちになった。私は…最低だ。
「ごめんね、起こしちゃった?着替えないと。ちょっと我慢してね。」
そう言うと、悟を抱き起こし手早く服を脱がせていく。
しかし下着に手をかけたところで傑は手を止めてしまった。
何か超えてはいけない一線を越えてしまうような、そんな不安と期待がムクムクと湧き上がる。
「うぅ…さみぃ…。」
悟は下着一枚でふらふらと傑になだれ込んできた。
ごめん、本当ごめん。私はおかしい。
劣情を無理やり押し殺し、慌ててトレーナーを着せる。
腕を通し、頭を通して、早くこの布を下ろして温めてあげなければ…。
なんとかトレーナーを着せることには成功した。途中、寒さで固くなった悟の突起に触れたような気がしたけど、きっと気のせいだ。
あとは…
もたれかかっていた悟をゆっくりベッドに寝かせると、悟の下着に手をかける。
全身が心臓になってしまったようにドクドクと脈打つ。劣情に溺れそうな頭を必死に抑えて平気なフリをした。そう振る舞わなければ、もうどうにかなってしまいそうだった。
「すぐるぅ…。早くぅ…。」
こちらの気も知らずに、悟は無意識に煽ってくる。
ハァッ…ハァッ
息が上がり何も考えられない。
目の前には無防備に横たわり、潤んだ瞳でこちらを見ている片想いの相手がいるのだ。
もういっそ私のことしか考えられなくしてやりたい。その綺麗な顔を思いっきり歪ませて。私で汚してやりたい。
「傑…?」
自らを呼ぶ声で、プツンと何かが切れる音がした。
「寒いなら温めてあげなくちゃね…。」
そう言うと、今しがた着せたばかりのトレーナーの中に手を這わせ、ひと思いに下着を下ろした。
私 貴女の気持ちが全然読めない
私 貴女のイイコチャンキャラ好きじゃない
私 貴女とどうして仲良くできてるのか分からない
私 貴女と望まずともいつまでも一緒に居る気がする
私 貴女と幼馴染じゃなきゃ良かったね
貴女の言葉 行動 考え 私以外に対する態度
全部ずっと好きじゃなかった
全部ずっと分からなかった
私の全てを超えようとして 奪おうとして
私の何が気に食わないの?
私の何を欲しかったの?
全部貴女に合わせていたはずなのに
貴女は私に強いし弱い
貴女は何故か 私をわからないみたい
私はもうこの呪縛から逃れられないし
だから貴女ははやく私を捨てて頂戴
私は私
貴女は貴女
ただの幼馴染じゃなかったみたい
なんだか全然、分からない。
_ ₁₃₈
大好きな貴方を困らせたくないから
今日も私はファンのフリをする
【何でもないフリ】
大丈夫 私傷ついてなんてないから
不自然な表情は あなたの気持ちを物語る
いま自分は何でもないフリを演じられているだろうか
普通に笑い、いつもの様に相槌をうつ
何気ない仕草ひとつにすら細心の注意を払って演じる
隣で笑う憎たらしまでに眩しい君の笑顔を奪い
絶望の闇に突き堕とすために
言葉では表せないほどの関係を結んでおいて、そんな気はハジメから一切無かった
永年一緒に歩んできた2人の歴史(おもいで)も、真っ黒なインクをぶちまけられたみたいに修復不能なまでに汚してやる
僕は君と同じ天使じゃない、堕天使なのだ
『何でもないフリ』2023,12,11
友人とのデート
間に合うように
急いで家を出るが
すぐヘッドホンを
忘れていた事に気付き
慌てて戻る
この数分が致命的な
出来事のきっかけになる
道路を斜めに横断しながら
最寄りの地下鉄の駅に向かう
階段を駆け下り
ホームへ急ぐ
ちょーどタイミングよく
地下鉄が停車している
ラッキー!
そのまま
1号車の一番後ろから
乗車しようとした瞬間
ドアが閉まった…
『何でもないフリ』
しかできない
まー
君が××××××ところを見てしまった
目を見開いて 鳥肌が立って
足がガクガクと震える
だけど声だけは出さなかった
君にバレてしまうから
別に君を××するつもりは無い
だってそんなことをしたら
この日常が壊れてしまうだろうから
だから僕は目を塞いで
何でもないフリをしたんだ
お題『何でもないフリ』
#何でもないフリ
決して悟られてはいけない
おやつ?
食べてないよ?
本当だよ!
スンスンッッスンッッ!!
いや、ホント内緒でおやつ食べないってばぁ(´Д`)ウソダケド
何でもないフリ得意だったよ
小さい時はめったに泣かなかったし
でも今は無理だなぁ
思いが溢れちゃうんだよね
止められなくなっちゃった
歳とったせいだね きっと
何でもないフリ
何でもないフリ
何でもない何でもない
気にしない気にしない
二人の間に感じる違和感
前とは違う空気
きっとあなたも気づいてる
何でもないフリ
広がる違和感
ただの共依存関係
何でもないフリ
気にしないフリ
あなたも疲れたんじゃない
私は疲れたよ
距離を置きましょ
お別れした方がいい
私はつらいよ
あなたはつらいかな
あなたはすぐに泣いちゃうから
私より弱いから
でもねきっと大丈夫
私もあなたも得意だもの
何でもないフリ
平気なフリ
だから上手にさよならしましょ
【何でもないフリ】
いつも笑顔してる貴方は
本当は苦しいんじゃない?
無理しちゃ駄目だよ
なんでもないふりは得意だ
“あっ…“
“どうしたの?“
“ううん、なんでもない“
他人に伝えることを諦めて、何かあるのに
何かを思ったのになんでもない、と
伝えたいことはたくさんあるはずなのに
喉につっかえて、やっぱり
『なんでもない』
何でもないふり、を、しなくちゃならない気がしてしまうときは少なくない。大抵の場合は誰かを心配させないため、とか、不安がらせちゃいけないから、とかの理由だ。他にも、優しい誰かが自分自身を責めたりしないようにとか、ちゃんと自分で始末をつけなくちゃとか、いろいろある。
今は何でもないふりしておかないと、心がいじけて折れてしまいそうだから、必死で踏ん張っちゃうときもある。
歳をとるほど、素直に泣いたり、わめいたり、ごねたりするのは難しくなる。ひとりで静かにベソをかけば、子どもの頃の空気の中に入ってしまうから、そんなところを自分の子ども達に見られたら、子ども達は不安な気持ちになりそうだし、悪くすれば無理させるかもしれない。子どもはすくすく育つのが大事な仕事だ。まだまだ小さな人に、自分で立つべきおとなの面倒のためにエネルギーを割かせるなんてダメだ……と、考えるから、やっぱり私は「何でもないふり」をする。それが正解かどうかはわからないけれど。
それに、もしかしたら「ふり」は「ふり」じゃなくなるかもしれない。自分をだますのではなく、ちゃんと自分のための「着地点」を見つけられれば、きっと本当に「何でもなくなる」。それを目指して、今は何でもないふりをしてしのぐ。