※BL要素ありなので苦手な方はご注意下さい
(続き)
う…ん…はぁ、、はぁ…
眠ってはいたが、悟は苦しそうに浅い呼吸を繰り返している。
ぬるくなってしまった冷えピタをゆっくり剥がして、新しいものを貼ってやると、冷たさが心地良いのか眉間の皺が少しだけ緩んだ。
汗がひどい。着替えをさせなければ。
そう思い、シャツのボタンに手を伸ばす。
はぁ…はぁ…ぁ…ぅ…
熱のピークなのだろう。首から胸元にかけてもうっすらと紅く染まり、何かに耐えているような顔で、ひっきりなしに吐息を漏らしている。
時折、寝苦しさから、いやいやと力なく頭を動かすと、目の端にうっすらと溜まっていた涙が、ツーっと流れ落ちた。
…色っぽい…。まるでこれは…。
そう見えてしまうと、もうどうしようもなかった。
そうだ、これは看病なんだから。着替えをさせているだけなのだから。
そう冷静に振る舞ってはいたが、それとは裏腹に自身の股間はどんどん存在を主張してくる。
病人相手に何を考えているんだ、私は…。
冷静になろうとすれば、うるさい心臓の鼓動がその思考を搔き消した。
「すぐ…る。」
ゆっくりとシャツのボタンを外していた所で悟は目を覚ましてしまった。
一気に血の気が引いていく。
本当に私はどうかしている。そう、どうかしていたのだ。
現実に引き戻された瞬間、もうこの世界から消えてしまいたい気持ちになった。私は…最低だ。
「ごめんね、起こしちゃった?着替えないと。ちょっと我慢してね。」
そう言うと、悟を抱き起こし手早く服を脱がせていく。
しかし下着に手をかけたところで傑は手を止めてしまった。
何か超えてはいけない一線を越えてしまうような、そんな不安と期待がムクムクと湧き上がる。
「うぅ…さみぃ…。」
悟は下着一枚でふらふらと傑になだれ込んできた。
ごめん、本当ごめん。私はおかしい。
劣情を無理やり押し殺し、慌ててトレーナーを着せる。
腕を通し、頭を通して、早くこの布を下ろして温めてあげなければ…。
なんとかトレーナーを着せることには成功した。途中、寒さで固くなった悟の突起に触れたような気がしたけど、きっと気のせいだ。
あとは…
もたれかかっていた悟をゆっくりベッドに寝かせると、悟の下着に手をかける。
全身が心臓になってしまったようにドクドクと脈打つ。劣情に溺れそうな頭を必死に抑えて平気なフリをした。そう振る舞わなければ、もうどうにかなってしまいそうだった。
「すぐるぅ…。早くぅ…。」
こちらの気も知らずに、悟は無意識に煽ってくる。
ハァッ…ハァッ
息が上がり何も考えられない。
目の前には無防備に横たわり、潤んだ瞳でこちらを見ている片想いの相手がいるのだ。
もういっそ私のことしか考えられなくしてやりたい。その綺麗な顔を思いっきり歪ませて。私で汚してやりたい。
「傑…?」
自らを呼ぶ声で、プツンと何かが切れる音がした。
「寒いなら温めてあげなくちゃね…。」
そう言うと、今しがた着せたばかりのトレーナーの中に手を這わせ、ひと思いに下着を下ろした。
12/11/2023, 2:10:44 PM