『何でもないフリ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
俺は気づいている。
君が教室の窓から、運動場を見ていること。
そして、体育の授業をしているのは俺の親友だってこと。
俺は気づいている。
君は親友が好きだってこと。
俺は知っている。
親友が君を好きだってこと。
そして、俺はなんでもないフリをする。
君と親友の幸せを祈っている。
#何でもないフリ
泣いていても、笑って見られるように。
傷ついても、平気だとわかるように。
君に見せるすべての表情が、
君にとっていいものであるように、
―――隠して、偽って、欺いて、嘘をつく。
そして笑顔のまま、
いつか君に「大嫌い」と言ってあげる。
…そのためなら、
何でもないフリなんて簡単なことだよ。
【何でもないフリ】
何でもないフリ
何でもないフリをしている。
本人だけがそう思っているのだ
私は自分が傷つかない為に度々なんでもないフリをしてきた。
周りの人間はそれを知っていたのだ。
ただ、だまされたフリをしていた。
それに気がついたのは少し前のこと。
自分が守ろうとしていたものがいかにくだらないものかを知った。
何でもないフリをするのは簡単だけど
そのフリに耐えられる気持ちがキャパオーバーするからいつかは破綻する
見繕う平穏は薄い薄いハリボテ
大きな風に吹かられたすぐ飛ぶ
人の感情は難しいけど脆い
なんでもない。
そう君が笑う。
横顔は寂しげで、項垂れた様な後ろ姿ばかり見ている。
本当になんでもない君をよく知っている。だって誰よりも見て来たから。
でも、憂いを払う方法だけを知らない。
何でもないフリは見抜けるくせに。全く嫌になる。
それなら本当に気がつかない方が幸せな気さえしてしまう。
何でもないフリ
苦しくても
悲しくても
嬉しくても
幸せでも
何でもないフリ
何となく
自分のことは
何も知られては
いけない気がして
知られたくない気がして
Theme:何でもないフリ
貴方は何でもないフリがとても上手い。
どんなに悲しいときでも、どんなに辛いときでも、平気な顔をしている。
皆は貴方のことを「冷静で頼りになる」「強い人だ」と褒め称える。
でも、私はそんな貴方が心配で仕方ない。
貴方は自分の感情を抑え込むことが当然のようになっている。
確かに周囲から見ると感情的にならない立派な人だ。
大丈夫?自分の感情が爆発しそうになってるんじゃない?
もしかして、本当に「何でもない」って思い込んでるんじゃない?
自分の感情を、大切にできる場所はあるの?
感情に流されない立派な貴方はすごいと思う。
でも、だけど、すごい人でなくていいから、時には「何でもないフリ」はやめて素の貴方でいて。
貴方の心が壊れてしまったら、私はそれが一番辛いから。
今思えば初めて会った時からそうだった。
シャイで人見知りな俺にも臆さず、
「君、かっこいいな!」なんて声をかけてきたお前。
誰に対しても素直で裏表なく接するもんだから、どんな人からも愛される。
どんな人から、も。
大きいだけじゃなく水分を含んだ目で俺を上目遣いしてくる仕草。
Tシャツの裾で汗を拭く無防備さ。
今もスキンシップ過多で話すからあいつも勘違いして顔を真っ赤にしてる。
…そう、こいつは無自覚で煽るような真似してくる。
「お前…、そういうとこだぞ。」
顔を真っ赤にしたあいつの気持ちがよくわかる俺は、何でもないフリでそう伝える。
どんな人からも、ましてや俺からも愛されてしまっているのに気づいていないんだろうな。
あーあ。
もう、どうしてくれんの、本当…。
231211 何でもないフリ
「あなたはいつも笑顔ね」
親にも先生にも友達にも
よく言われる言葉
辛い時も悲しい時も
今日も本当の自分を偽るために
何もかもなかったように
起きて
働いて
食べて
歩いて
笑って
働いてる
今夜の
夕飯
ステーキ
あつい
300字小説
最後のプレゼント
ガキの頃から、うちのサンタはじいちゃんだった。小学三年生くらいには気付いていたが、プレゼントにせっせと俺の好きそうなお菓子を買う姿に何も言えなくて、何でもないフリをしてイヴは早寝をしていた。
じいちゃんが亡くなって初めてのクリスマスイヴ。夜中、枕元に気配を感じる。ふと目を覚ますとそこには。
「じいちゃん!」
『とうとうバレたか』
半透明のじいちゃんが、にんまりと笑って仏壇の方に消えていった。
「そういや、大人になった俺と一緒に飲みたいって言ってたもんな」
枕元にあったのは、これまでのお菓子ではなく、じいちゃんの好きな銘柄の日本酒。思わず視界が滲む。
「ありがとう、じいちゃん。これは成人式の後に親父と飲むよ」
お題「何でもないフリ」
えっ…祥子今度正志と結婚するの?えーいーじゃん!2人お似合いだしね〜。え?式に親友として出てほしい?勿論!私とアンタの仲じゃない!トーゼンよ!あ、ちょっとトイレ行ってきてもいい?
…もしもし?ああ、そうなの。祥子今度結婚するんだって。え?大丈夫って…大丈夫…だとッ思う…ッよ。あはは、なんか涙出てきちゃった。ずっとッ前から失恋してたッのにぃまだ祥子のこと…ッ好きなんだなッて思ったら涙出て…
私は、家では存在感がない子供だった。
だから、親からはいつも無視されていた。
でも、お兄ちゃんだけは私のことを見てくれていた。
そんなお兄ちゃんが大好きだったから、親との関係については何も話さなかった。
心配させたくなかった。
でも、いつも心の中はモヤモヤ。
でもね、何も無いフリ、慣れてきたよ。
微笑みで口を結んで目を細め
手がかり一つ
見せないように
/お題「何でもないフリ」より
何でもないフリ
っていうか
スイッチが切り替わる
おしごとモード
って感じで
お風呂に入ってるときや
夜道を運転中とか
1人きりならば
何でもないフリなんて必要ないからね
思うままに言葉にする
独り言もモチロン
それは必要で大切な時間なのです
#何でもないフリ
「痛っ」
会社で転んだ。
すてんっ
幸い誰も見てなかったのに
立ち上がった時には人が現れた
笑い話にも消化されない
ただ無意味に
セーターにぽこっと穴を開けられた気分
こんなこと。
泣く理由にはならない
だってどこも怪我してない
ただ
すてんっ
と転んだだけ。
「おぉ、おかえり。偶然だな。」
ハッと顔を上げたら恋人が玄関の鍵を開けた所だった。
「どした、腹減った?」
首を振る。
何でもないフリくらい私にも出来る。
「そう?」
「ご飯、つくる。」
「今日鍋だろ?」
「うん。」
靴を脱ぐ。
コートも脱いで、身体が軽くなった。
「その前に、何か忘れてない?」
「え、鍵かけたよ」
「おかえり。」
もう一回、今度は目を合わせて言ってくる。
「おかえり。」
あぁ、いいや。
尻もちなんてどうでも良い。
私が帰って来て嬉しそうに、おかえりって言うひとがいるのに、尻もち?
「ただいまっ」
「おぉ、元気になったな。」
「へへっ。」
「ほら、鍋の用意するぞ。」
"何でもないフリ"
早朝の散歩、今日は開院が少し遅めなので少し遠くまで足を伸ばしてみた。
花壇や草木の上に、薄らと雪が積もっている。
「寒くねぇか?」
「みゃう」
自分の数歩前を歩く子猫を見る。
聞くまでもなかった。寒さより興味が圧勝しているようで、ずっとスキップをしているように足取りが弾んでいる。
その上、こちらを全然見ない。
──人間の子どもと変わんねぇな。
ふと微笑ましさと可笑しさが込み上げてきて、思わず「ふふ」と小さく噴き出してしまう。
「みゃあ」
俺の笑い声に反応して、鳴きながらこちらを振り向いた。
「何でもねぇよ」
そう答えると、子猫を抱き上げて両腕で抱える。
「そろそろ足が寒ぃだろ。帰るぞ」
「んみぃ」
一声鳴くと喉を鳴らして、胸に頬を擦り付けてきた。
──前より確実に重くなったなぁ……。
「んみぃー」
俺の心を読んだかのように、荒げた声で鳴く。
「何でもねぇって」
慌ててはぐらかす。今爪を立てられたら、位置的に確実に喉元を引っ掻かれる。
そんな所を猫の鉤爪で引っ掻かれたら……。想像するだけで、ホラーやお化けを見た時や驚かされた時と同じような──身体中の熱が引いていくような──感覚になる。
子猫の背を手の平で優しく撫でる。
すると機嫌が戻ったのか、再び喉を鳴らした。
「ほ……」
安堵の息を漏らす。
──体も確実に大きくなっている。触った感覚も筋肉質で逞しい。
こうやって体を撫でる事は、最近あまり無かったので驚く。
だが同時に、嬉しさも込み上げてきた。
──たくさん食べて動いて、もっと大きくなれよ。
ゆっくりと帰路に着きながら、子猫の体温を手の平に感じながら背を撫でた。
何でもないフリ
ごめんねもありがとうも
何でもないフリ
裏じゃ泣いてても
何でもないフリ
本当は言いたくても
何でもないフリ
気づかれないと思うよ
どうせ気づかないのにさ
ばーか
何がわかるだよ
そんなの、そんなの聞き飽きたって
なのに、なのにさ
これだけいってるじゃん!
ごめんねとか今更おせぇんだよ!
人にそういうこと言う時は
ちゃんと、人のこと考えろクズ!
消えろ!
さて苦痛。
とりたてて屁でもないすかし笑い。へ・へ・へ。
痛がっても天の使いは神さんをののしらんで偉いねぇ。
落ちたことが痛い事が悲しいことがそれが自分の役割と受け止められるなら
たいがいの棘は気持ちを麻痺させてね。
痛みがかえって心を落ちつけてね。
イヤミも陰口も恨みごともなーんにも言わない人が悲しんでしぼんでてさ。
自分と関係のないことに、
もしくは自分と関係のあることにも
泰然と平然と、諦念とさえざえ澄んだ無心と冷血でまったく不動の大自然のような人がいてさ。
誰の上にも神さんはいかづちをふるったり振るわなかったりするよ。
分け隔てなさが彼の信条やけ。
それを大いに恨んでさ、私は怒鳴り散らして呪うけどね。
「誰の上にも平等」の不平等をさ。
落ちた先、運悪くひどいものが転がってて
天使、気狂いながら裂かれながらそれでも神さん崇め奉り給うさ。
私それファインダーのぞきながら吐いて
悪態吐いて悪態吐いて悪態吐いて。
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【14】何でもないフリ
何が起ころうと…
何でもない…
そう言うよ
それでいい
それが正解
男はそれでいい
涙は簡単に見せる物ではないから
それでいい
強がりくらいでちょうどいい
男のやせ我慢は明日を信じてるから
信じた人の明日を成長を信じてるから
新しい世代の誰かのためだけに
そんな時に流せばいいから…
…。
私事ですが…
最近 伯母をなくして…
気持ち痛んでおりました
けど涙は見せません
愛してくれたからこそ
人前では見せません
伯母の愛情に恥ずかしくなく
自分が自分で在りたいので
伯母とは生活圏は遠く離れており
誰にも言わず痛みも悟られず
過ごしてきました
男はここ一番で堪えて強くなるから
いつかかならず己を全うして
向こうで褒めてもらうために
それまで強がり続きますけど…
伯母に愛された様に若い方の希望を切に願い
伯母の愛情と共に
…。
拝啓…
車 寅次郎様…山田洋次監督…
男はここ一番でホントにつらいね…(笑)