『今日にさよなら』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日にさよなら
帰り道で野良猫に会った。今までにも何度も顔を合わせている。こちらに敵意がないことがわかったらしく、逃げる素振りもなくなっていた。
ただ、今日は何かが違ったらしく、僕を一瞥するとすぐさま走り去っていった。
帰宅した。家では猫を飼っている。いつもは扉を開くとお迎えしてくれるのだが、今日は来なかった。探してみると、縁側の座布団で寝ていた。足音で僕に気づいたが、寄りもせずまた眠りに戻っていった。
夜。ベッドに入る。だいたい1時間ぐらいで布団に潜り込んでくるのに、来なかった。まあそういう日もあるだろう。
あるだろうけど。全く猫に相手にされないこんな日にはさっさとさよならしたい。あまりにも寂しすぎる。いったい僕が何をしたっていうんだ。ちゃんとゴミ出しもしてるし、赤信号だって止まるし、エレベーターで知らないひとに何階ですかってきいてボタン押してあげたし。それなのになんで今日は猫に好かれない。
総理大臣になろう。総理大臣になって日本も核をもてるようにする。アメリカとロシアが1700発ぐらいのはずだから、こっちは100万発作って、世界中に撃ちまくってやる。あっという間に、地球を滅ぼしてやる。ついでに月にも撃ち込んでやる。ただのついででだ。猫に好かれないこんなの世界なんてなんの意味もない。
朝。苦しさで目が覚めた。胸の上に猫が乗っかっていた。命拾いしたな、地球。今日のところは見逃してやる。
今日にさようなら
落ちていく日と、去っていく友人の背を眺めながら月を待つ。
この静かな時間が、終わりを感じるこの時が、一日の中で一番好きな時間だったりする。
たとえ作り物であろうとも、日も月も美しい。
たとえ機械であろうとも、友人がいるのは嬉しい。
もう終わった世界で、次の日が来るのを待つ。
今日にさようなら、明日におはよう告げるため、僕は今日も生き続ける。
夢の中へと旅する前に
今日一日を思い出して
愛の言葉で抱きしめて
午前0時の向こう側は
愛に溢れた1日にする
地球の裏側にまで届け
優しい色で染め上げて
優しい音が響くように
『今日にさよなら』
現在の自分を中心にすると今日が続く
今日にさよならなんてできない
「今日にさよなら」
冷たい雨が降る。
雪の降らないこの街で、
君に出逢えたこと。
それだけが僕の。
明日また会えたら。
何を話そうか。
君に会えない今日にさよなら。
動けなかった
今日にさよなら
ほんの少しでもいい
明日に向かって
一歩を
何気なく毎日が過ぎていっている。
私の人生は後どのくらい、残っているのだろうか?
今日を終われたことを感謝できたら、それは素晴らしいことだと思う。
うまく行かない一日だったとしても、明日は明日の風が吹く。切り替えてまた明日。
どんどん毎日は、やってくる。
今日にさよなら
「今日に」になると、意味を考える
「今日も」なら考えない
1文字違うだけだけど、大きく違う
言葉は面白い
時は23時59分ーそして時計の針はもう一分時を刻み、私たちは新たな一日を迎える。その瞬間を待ち望んでいた者もいるだろうし、手放したくなくてひしと時間にしがみついていた者もいるだろう。或いは時という概念を忘れて、ただただ何かに没頭し、気付けば次の日を迎えた者もいるだろう。
しかし、時というものは残酷で、誰の欲求にも答えてはくれない。耳を傾けてくれさえしない。私たちはただ、私たちが生きた今日に「さよなら」を言うことしか出来ないのだ。時には惜しんで。時には清々した気持ちで。
けれど、世の中でしっかり毎日にお別れを告げることが出来ている人は極少数だ。私たちはただただ明日へと進んでいくばかりで、今日は私たちの背中を見続け、取り残されて、次第に過去へと呑まれていく。それでは、今日と、その今日を生きた私たちが可哀想ではないか。何故なら、今日を生ききれたのは当たり前などではないからだ。
私たちはいづれ今日に最後のお別れが言えない日を迎えてしまう。私たちはあとどれくらい今日にお別れが言えるかどうか分からない。あの時ちゃんと「いってらっしゃい」を言えていれば、あの時ちゃんと「ありがとう」を言えていればーそんな風に亡き人との会話を悔やむ様子はドラマや小説で良く描かれているではないか。私たちは今日に、今日を生きれたことに感謝をしなければいけないから、「さよなら」を言わなくてはならないのだ。
その意識をもって毎日と向き合えば、きっと私たちの未来は明るい。
嬉しいことがあったり
悲しいことがあったり
どんな一日を過ごしても
毎日 今日にさよならしてる
そして 嬉しいことや幸せなことは
さよならしても 記憶の引き出しに貯まる
悲しいことや 辛いことは
時が立つと 少しずつ 消えていく
だから 毎日 今日にさよならするのね
今日にさよなら
苦しい今日も
楽しい今日も
独りの今日も
大団の今日も
明日の前には全部が無意味で
だって今日と明日は違うから
全部無意味にしてあげて
全部全部壊してあげて
それくらい僕は今が普通で
明日にどうしようもなく羨望しているのだから
あれ、なにをしていたんだっけ?
蛍光灯が頬を照らす。
頭が酷く痛い。立ち上がろうとすれば足と手に力が入らない。
なぜだろう?座り込んだ右足にぺたりとなにかが触れた。それはじんわりと身体に実感を与え、記憶が鮮明になってゆく。
あぁ、そうだ、わたしは__
2024.02.19
お題:今日にさよなら
#.hpmiプラス(?)(👔)(セリフ無し)
真夜中、とある建物の前で足を止めた。傘のせいであまり良く見えないが、目的の部屋に電気が着いていることは辛うじて分かる。
昨日のこの時間帯も電気が着いていた。朝は一般的な会社勤めの人と同じ時間帯に家を出るようだし、あまり遅くまで起きていると疲れが取れないよ。
そっか、眠れないのかな。それなら明日はアイマスクをポストに入れようかな。
そんなことを考えながら、今日はお手紙と一緒に手作りのお菓子をポストに入れた。
翌日、私はいつもよりだいぶ早めの時間に昨日の建物の前に来ていた。
うーん、電気をつけるような時間じゃないから家に居るかどうかわかんないや。そもそも彼は世の中で言うところの真っ黒な会社に務めているみたいだから、まだ家に居ないのかも。
そうだ、今日のプレゼントはまだ選んでいなかった。今からプレゼントを選びに行って、それから会社の方に行ってみよう。そう思って私はその場を後にした。
プレゼントを選び終わって彼の会社の近くに着く頃、運がいいことに彼が外回りから帰ってくるところが確認できた。
近くにある喫茶店で再び彼が出てくるのを待つ。その間、彼の様子をノートにメモしたり、やりたいことリストを埋めたり、あとは今日のプレゼントをちゃんと持ってきてるか確認したりと、中々落ち着かない時間を過ごしていた。
そうこうしないうちに草臥れた男――私の想い人が会社からでてくる。
気付かれないように少し後を追いかける。少し目立つ赤髪を目印に、近過ぎず離れ過ぎない程度の距離を保って。
それにしてもやけに周りを警戒しているみたい。なんでだろう。貴方に害をなす人間なら、私が全員排除してあげるから気にしないでいいのに。
そうして彼を追いかけて、再び彼の住む建物へとやってきた。これから私がしようとしていることを思うと、酷くドキドキして、それでいてとても満たされるような気分だ。
これから私は彼が家に着いて少し落ち着いた頃を狙って、インターホンを押す。
その時私は今日に、今日までの私にさよならを告げるのだ。今日までの「彼が認知していない私」に。
明日からは彼の彼女になれるんだから。そうして新しい私へと生まれ変わるの。
私の口は自然と弧を描く。
「あああ貴女は誰なんですか…!?」という絶叫を聞くまであと十数分。
今日は何をしたっけ、とベッドに寝転びながら考える。
学校に行って、放課後はあいつとくだらない話をしながら帰って、夜は借りてきた映画を見たんだっけ。
あの話は面白かったなとか、映画も続きが気になる終わり方だったなとか、とりとめのない考えが浮かんでは消える。
まあつまり。今日は特別なこともなく、普段通りの1日だったということで。
平和な今日にさよならだ、なんて思いながら瞼を閉じる。
明日は何をしようかな。映画の続編を探しに行くのも良いかも。
そうして明日に思いを馳せながら、意識はゆっくりと微睡みに沈んでいった。
今日にさよならを言う。
そう決めてからおやすみと同時に、今日という日にありがとうを付け加える事にした。
今日もありがとう。さようなら。また明日ね。おやすみなさい。
それは誰に向けた言葉でもない。自分に向けているというわけでも無い。今日という日そのものに向けた言葉。概念に向けていると言うのが正しいだろうか。
先日仲間内の飲み会があった。
コロナ禍明けで久しぶりに集まった友人達との飲み会は大いに盛り上がり、年甲斐もなく日付を超えて朝まで飲み明かしてしまった。
酒がほんのり残る状態で寄ったラーメン屋で、シメとも朝食ともとれる濃厚な味噌ラーメンを啜り、腹を満たしてから別れた。
始発に乗って最寄駅までの帰り道。程良い揺れと暖かさ。楽しかったという余韻に浸りながら、自然と瞼が重くなる。
うつらうつらとしながら気付けばそのまま眠ってしまい、目が覚めたのは最寄り駅到着直前。
慌てて目を覚まして荷物を確認し、開いたドアから出ると、吹いた冷たい風に身を震わせる。思わず「今日は寒いな」という言葉が口から出ていた。
改札を抜け外に出てふと気付いた事がある。私は既に今日を今日と認識している。いつの間にか今日は昨日になっていた。まだ、今日にさよならを済ませていなかったのに。
先の飲み会。ラーメンを食べていたあの頃はまだ今日で、昨日では無かった。電車に乗って揺られて…それでもまだ今日という1日を噛み締めていて、今居る今日は明日にあったはずなのに。いつから私は″今日″を″昨日″と認識してしまったのか。
家までの道のりを歩きながら思考を巡らせる。いつどのタイミングで今日が昨日に変わったのか。
考えられるのは寝てしまったあの瞬間。
電車の中で、うとうととしていた時。「今日は楽しかった」と確かに感じた。今日が終わりであるかのように、締めくくりをしていたのだ。今日を締めくくり明日を迎える準備があの瞬間に生まれていたのだ。
そして思う。では、あの時私が眠らなければまだ昨日は今日のままだったのではないか。
どうだろうと、考えた。確かにそれはそうなのかもしれない。眠らずに、あのまま電車の中で友人達との会話を思い出し、その日を振り返っているだけだったらきっとまだ今居る今日は明日のままで、昨日という過去の存在になってしまったものと同じ認識下にあった筈だ。
では、その場合今日が昨日になる瞬間は何処だろうか。やはり家に着き布団に入る瞬間だろうか。この時間だがこの後特に予定もない。布団に入ってとりあえず寝ようと思っていた。
電車の中で眠らなければ、私は布団に入るその瞬間に今日という日を終え、いつものように今日にさよならと明日に向けての準備をしていただろう。
そう思うと、なんだか昨日に申し訳ない事をしたような気がした。昨日にはさようならもありがとうも言えていない。眠気という不可抗力とはいえ、なんだかしっかりとお別れを告げたかったと思う。
考えを巡らせているうちに家へと着き、扉を開けて部屋に入る。荷物を置いた途端に身体がどっと重たくなった。
まだ酒の残る身体。家に着いたという安心感からか、眠気が一気に襲ってきた。
一先ず手洗いうがいだけを済ませ、服を脱ぎ捨て布団へと急ぐ。寝巻きに着替える気力もないが、流石に下着一枚というのも寒い。落ちそうな瞼をなんとかこじ開け着替えて布団へと潜った。
今寝て起きたら明日だろうか。その明日は今日にとっての明日なのか、昨日から見た明日なのか。
答えが気になる所だが、思考するよりも眠気が勝っている。
遠くなる意識の中で私は呟いた。昨日になってしまった今日にさよなら。共に過ごしてくれてありがとう。そして……おやすみなさい……。
#今日にさよなら
今日にさよなら!
今までの私、悩むのが趣味なの?というくらい、生きるとはなにかと自問自答していた。
ついに出逢ってしまった。
初詣に願った。
神様、ありがとう。
全力で愛情を示してくれて、愛し方を教えてくれる。
【これ以上踏み込まないで】
【これ以上好きにならないで】
幸せを、怖がる私がずっといたのに。
『あれ?どうして?もっと好きになってくれたらいい事だらけじゃない?拒絶する意味、あった?』
私が心を開くと、みんな私を好きになる。
ソレがたまらなく怖かった。
優しいつもりも、気のある素振りも、ないはず。
大事な人が要るなら好きにならない!安心?
そうじゃ無かった。
愛妻家のあの人も裏ではあわよくばと。
心がぐちゃぐちゃ。
誰も私を好きになるなと願う。
好かれないように、同性以外に心を開くことがなくなった。
恋人ができてもなんだか心の解放ができなくって
どこか疑うし、うまくいかない理由作って納得したい
寂しいからと探すといつも条件に丁度いいひとが現れるのも嫌だ。
気持ちがなくても最終的に幸せになれる相手。
心が通じなくてもいい、が前提の付き合いなんてさみしすぎる。
いい加減、何も考えずに人を愛したいと願った。
理想の人ってわからなかったのに
私はきっとこんな人を求めてる、けど、そんな人いるわけ無いよね。と理想の人ができた。
急にその理想が目の前にあらわれた。
いいタイミング過ぎて毎回どうなってる?
今回ばかりはなかなかいないだろ、と思っていたのに。
こんなにもかっこいい人が
結婚も、恋人もいないなんてことある?
会えば会うほど惹かれてる。
情熱的に求められても内心『またか』『誰々と似てるからだめかも』と予防線を無意識に張ってしまうのだ。
相手はカンが鋭くてなにか察する。
求められたいと言われた。
私の心は君を求めてるのに、
なんで私わざわざ隠してたんだ?
好かれたら他の人と同じに見えるとか?
いやいや、皆違うし彼はもっと何かが違う。
信じてみる…?
ふと、全ての悩んでたことが吹き飛んだ。
素直になっていい相手だよ。
本気で、人を愛せるチャンス。
さよなら、今までの私。
今度逢ったら
心から溢れ出す【好き】を貴方に注ぐね。
自分も愛せるように。
今日にさよなら
今日の自分にさよなら
あしたの自分はうまくできるかな
あしたの僕は元気かな
そんなことを僕は毎日考えてる
明日は来ない
昨日は還らない
だから今日にさよならなんて言わないで
今日という日にありがとうを
5.
諦めるなって言われても...
諦めたくは無い、けど、諦めざるを得ない。
家に帰ってからも寝るまで考えた。
可能性が感じられるものがない。
今日はダメだ、明日に託そう
今日にさようなら
ろくでもない一日だった
朝から踏んだり蹴ったり
夜も夜とて家に帰ってこれたのは日付が変わるギリギリ
こんな時間だが飲んでやろう
いや、こんな時間だからこそ飲んでやろう
今日にさよならを、そして新たな今日のはじまりを告げる缶の音が部屋に響いた
休日、始まりは上々だ
『今日にさようなら』2024,02,19
ゆらり。沈んでいく太陽の輪郭を見ていると、夜がやってくるのだと思う。
夜は嫌いだ。誰もが少しずつ静かになっていくあの時間が、たまらなく怖い。寝るという行為が怖い。寝てしまったら、皆と同じように静かになってしまったら、今日の自分の息の根を止めてしまったら。きっと明日の自分は、今日の自分の皮だけを被った別の何かだ。
それでも、自分が人間である限り、眠気は毎日やってくる。何度だって自分の息の根を止めにやってくる。
「ああ……ねむい……」
会社用の鞄を投げ出し、靴下を脱いでその辺に投げる。ネクタイを緩めながら、そのままベッドに倒れ込む。
今日も眠い。また、今日の自分に別れを告げて、明日の自分を迎えに行かなきゃいけないんだな。
「ねたくない……」