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時は23時59分ーそして時計の針はもう一分時を刻み、私たちは新たな一日を迎える。その瞬間を待ち望んでいた者もいるだろうし、手放したくなくてひしと時間にしがみついていた者もいるだろう。或いは時という概念を忘れて、ただただ何かに没頭し、気付けば次の日を迎えた者もいるだろう。

しかし、時というものは残酷で、誰の欲求にも答えてはくれない。耳を傾けてくれさえしない。私たちはただ、私たちが生きた今日に「さよなら」を言うことしか出来ないのだ。時には惜しんで。時には清々した気持ちで。

けれど、世の中でしっかり毎日にお別れを告げることが出来ている人は極少数だ。私たちはただただ明日へと進んでいくばかりで、今日は私たちの背中を見続け、取り残されて、次第に過去へと呑まれていく。それでは、今日と、その今日を生きた私たちが可哀想ではないか。何故なら、今日を生ききれたのは当たり前などではないからだ。

私たちはいづれ今日に最後のお別れが言えない日を迎えてしまう。私たちはあとどれくらい今日にお別れが言えるかどうか分からない。あの時ちゃんと「いってらっしゃい」を言えていれば、あの時ちゃんと「ありがとう」を言えていればーそんな風に亡き人との会話を悔やむ様子はドラマや小説で良く描かれているではないか。私たちは今日に、今日を生きれたことに感謝をしなければいけないから、「さよなら」を言わなくてはならないのだ。

その意識をもって毎日と向き合えば、きっと私たちの未来は明るい。

2/18/2024, 7:40:27 PM