魔法とは理屈では説明できないものを叶えてしまうもの。
みんなはどんな魔法を手に入れたい?
私は、少なくとも今の私は、時をもとに戻す魔法。多分一番望んではならない魔法。魔法が存在したとしても禁じられるであろう魔法。
時は戻らないものだからこそ人生は尊いということは分かっている。
分かっているけど、あの人やこの人との関係を、良かった頃のものに戻したい。
どうして悔いを避けようとしても、増えていくばかりなのだろうか。
いつもよりも早く目が覚めてしまった。寝ぼけているからか、自分の頭の中の騒がしい声もまだしない。「あぁ、今日もまた新しい一日が始まるのか」とぼんやりと悟る、静かな夜明け。
「バイバイ」-あれだけ別れるのが待ち遠しかったのに、いざ別れの時となったら上手く言葉が出てこない。
旅の途中何があるか分からない。だからありったけの防具を装備して出かけたが、防具が重すぎて、ろくに進まないやら景色も楽しめないやらでちっとも楽しくない。旅は、広義、一体何が起こるか分からないからこそ、一番身軽な格好で出た方が良いのかもしれない。そして何より一番の防具は 頭【知恵】である。
と、結構な大口を叩いているが、どうかそこは目を瞑って頂きたい。
太陽がなければ日陰は生まれない。では日陰は太陽ありきの存在なの?どうにも納得がいかない。別に日陰にいたって、太陽のことを気にせず生きている。なんだって太陽と比べようとするんだ。なんだって太陽がいつも中心なんだ。
だけど、自分に不満があるわけでなくとも、ちやほやされる太陽に少しばかり憧れを抱いたりする。でも全く歯が立たなくて、比べようにも比べものにならない。そして太陽のような人を羨む。羨むどころか嫉妬だってする。自分が不甲斐なく思える。
ただ、太陽を敵対視するよりも一緒に輝こうとするほうが、太陽日陰共々、絶対的な存在になりえるのではないかと思う。だって太陽の光は日陰には届かないのだから。