『些細なことでも』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「捨ててきなさい」
「そこをなんとか」
「捨ててきなさい」
取り付く島もないとはこの事か。
冷たく見下ろすその視線は、一切の妥協を許そうとしない。低めだが艶のある声は、こちらの言い分を聞く事なく、すべてをはね除ける。
「だがすでに契約が」
「そんなもの。鋏で切ればいいでしょう」
ふん、と鼻をならし、苛立ちを表すように長くしなやかな尾が揺れる。
傍らにいる犬が小さくなりながら、しゅん、と項垂れた。
「分かった。ゴシュジン、ごめんね。ありがとう」
「ささら。すまんな」
屈んで犬の頭を撫でる。
予想はしていたが、こうも頑なだとは思わなかった。仕方なく買い物袋から缶詰を一つ取り出し、犬を供に玄関へと向かう。せめてもの餞別だ。本来は猫用ではあるが、ただの犬ではないのだから問題はないだろう。
「おい。ちょっと待て」
低い唸るような声が呼び止める。
先ほどまでの艶やかさは一切見られない、粗雑な声音。振り返れば、瞳孔の開いた金と青のオッドアイが手にした缶詰を見つめ、唸り声をあげた。
これは、もしかするといけるかもしれない。
「他にも買ってきているから、一つくらいは」
「何言ってやがる。それはこのわっちへの供物だろうが。一つたりとて畜生に与える事は許さんぞ」
我が儘である。
買い物袋の中にはまだ同じものが数個残っているというのに。一つすら惜しいというのか。
だが今回ばかりはこちらもすべてに頷く訳にはいかない。なにせ犬の今後がかかっているのだから。
「ささらのせめてもの餞別だ。捨てろと言われ捨てに行くのだから、これくらいはしても許されるはずだろう。況してこれは俺の給金で買ったものだ」
「わっちと交渉気取りか、餓鬼が。それでわっちが受け入れるとでも?」
「駄目ならば、別に部屋を借りるつもりではある。その場合、こちらとあちら交互に通う事になるが」
完全な思いつきであるが、良策かもしれない。
少しばかり懐が痛むが、この街で新しく部屋を借りるだけならば、とても簡単な事だ。
二重生活も、慣れれば何とかなるだろう。
「くだらない。わっちから離れた貴様がまともに生きられるものか」
「何もそう長い間離れるわけじゃない。精々が一日程度だろう」
「それほどまで、そこの畜生を気にかけるか。くそが」
吐き捨てて、したん、と長い尾が床を強く打つ。
それほどまでに嫌なのか。どうするべきか、と犬へと視線を移しかけ。
視界が反転、した。
「ゴシュジン!」
慌てる犬を手だけで制す。
頭を打ったためにぐらつく視界に、殺気立つ長身の美丈夫が映る。
金と青が忌々しげに細められ、首に手が触れた。
じわじわと甚振るように、その手に僅かに力が込められる。
「社の管理のために生かしている事を忘れるなよ、くそ餓鬼。貴様の変わりなんざ、いくらでもいる。このままこの首、へし折ってやろうか?」
完全にお怒りである。
だが悲しいかな。これも我が家の日常の一コマというやつだ。
この猫は、些細な事ですぐ気を悪くする。昨日までは良かったものが、今日急に駄目になる事などよくある事だ。
よくあるからには、当然宥め方も知り得ているわけで。
「千歳。またたびも、買ってきた。粉のやつと、木のやつ。両方」
「は?またたび…」
動きが止まる。金と青がゆっくりと瞬いて、次第に殺気も収まっていく。
買い物袋に視線を向ければ、同じように視線が動き。
ゆらり、と揺らめいて、美丈夫は元の猫の姿に戻る。
「今回は特別に見逃してあげましょう。次はない。努々忘れる事のないように」
視線は買い物袋に向いたまま、それだけを告げると音もなく元の定位置であるキャットタワーの上に戻っていく。
詰めていた息を吐き出して、ゆっくりと体を起こした。
「ゴシュジン。大丈夫?」
「問題ない。いつもの事だ」
殺気に当てられて未だ震えの止まらない犬を一撫でし、立ち上がる。
いつも、と呆然と呟く犬には申し訳ないが、ここで暮らす以上慣れてもらうしかない。
買い物袋から木の方のまたたびを取り出し、猫へと放る。綺麗に咥えて喉を鳴らす音を聞きながら、手にしていた缶詰と他に購入していたものをしまい、一息吐いた。
「そこの犬には言い聞かせておくように。ここはわっちの縄張り。気に入らぬ事があれば、すぐさま噛み殺します」
「大丈夫だ。話はここに来る前にしてある」
喉を鳴らして木に体をなすりつけている姿は、取りあえず見ないふりをする。機嫌を損ねる要素はできる限り取らない方が賢明だ。
「俺は部屋に戻る。食事は遅めで構わないな」
「いいわ。その間に躾けておきなさい」
犬を伴い、部屋へと戻る。
ベッドへと腰掛け、心配そうな犬を膝に乗せて大丈夫だと頭を撫でた。
「ボクの知ってる猫じゃなかった。恐かった」
「まぁ、猫の姿をしているが、中身はあの神社の神さんだからな」
人の絶えた神社にいた、荒魂の性格の強い神。
縁あって何故か我が家で猫の生活を満喫しているが、神である事には変わりはない。
「ここで生活していくならば、さっきの事はよくあるから慣れてくれ。機嫌を損ねると、すぐにああなるから」
「頑張ってみる。ゴシュジンと一緒にいるために、ボクちゃんといい子にする」
頑張れ、と思いを込めて背を撫でる。
犬が慣れる頃にはきっと、猫も慣れてくれるだろう。
些細な事ですぐに機嫌を損ねるが、一度懐にいれたものに対してはあれで優しい所もあるのだから。
それまでに少しでも好感度を上げておくべきかと思いつつ。
疲れ痛みを訴える体を休ませるため、犬を抱いて横になった。
「ゴシュジン?」
「少し、疲れた」
枕元にある時計のアラームを30分後にセットし、目を閉じる。
取りあえず、今は少しでも寝た方がいい。
「これが鳴って起きなかったら、起こしてくれ」
起きた後のやるべき事を思いながら、意識が遠のいていく。
「分かった。ボクに任せてゆっくり寝てね。お休み、ゴシュジン」
頼もしい返事に安心し、そのまま短い眠りについた。
20240904 『些細なことでも』
些細なことでも
私は今日死ぬことにした。突然なんかじゃない。これはもう決定事項なのだ。最期なら華やかに私の死を飾ろう、そう思い立って屋上へ繋がる階段を登る足を速めた。階と階の間に存在する窓をふと見ると、もう随分な高さまで来ていた。
「もうすぐだ、」
自分でも今どんな気分なのかがわからなくて、考えることを放棄した。私の目の前に重そうなドアが立ちはだかった。
「ついた、」
少しばかり息を荒げながら謎の達成感を得ていた。ここの学校では自殺を阻止するためにドアを固く施錠してある、そんな噂を耳にしたがこれは私だけが知っている。噂というのは次第に大きく、嘘が混在するものだ。本当は屋上を隔てているドアは改変工事を行って建付けの悪いものから安全で丈夫なものに変えただけだったのだ。施錠なんてものは始めからされていなかったのだ。誰も屋上には近づかなかったことが功を奏した。私は躊躇せず屋上へ出る。フェンスで囲まれたそこは是非飛び降りてくださいなんて言わんばかりの危機感の無さで驚きはしたが、結果オーライだ。夕方の少し昼の暑さが残っているような哀愁漂う風が私の頬を撫でる。この世界にありがとうなんて言わない。私が死んだところで時間の軸は止まる事を知らない。いつも通る通学路の途中に生えている雑草が減ったとしても人は気付きやしない。それくらい世界にとっては些細なことなのだ。だから、これが私の最期の反抗だ。
ガシャンーー。
俺は人生で初めて好きな子ができた。初めてだから、この気持ちが本当に“好き“という感情なのか定かではないが、ネットで「好き どういう感情」と聞いてしまう程彼女から目を離すことができなくなってしまった。彼女はとても儚く、華奢で笑った顔は曇りのなく向日葵のように眩しかった。これが一目惚れというやつなのかと感嘆した。彼女に話しかけてみたくなった。
「あっあの、、。」
「んっ?」
「俺とそ、そのっ、、。と、友達になりませんか!!!」
顔に熱が溜まって赤くなるのが分かる。軽度のナンパじゃないかと心の中でツッコミながら逃げ出したいという思いだけが込み上げる。
「なにそれっ(笑)まだ名前も知らないのに、君、面白いね。」
同じクラスなのに名前を知られていなかったことに少しハートが欠けながらもなんとか会話が成立してホッとする。
「でも、、。」
彼女の顔が曇る。
「私と仲良くしてもきっと楽しくないよ。自分で言うのもなんだけど保証する。だから、ごめん。」
まさか友達申請をも振られるなんて俺は端から無しなのだなとこの世の終わりを感じた。
これを期に日を追うごとに彼女は学校に来なくなった。そんなに俺のことがキモかったのかなと反省しつつ誰よりも心配していた。3週間後、俺は掃除当番が1周して教室の掃除を任された。しゃーなしと思いながら箒で床を掃く。トドメを刺すように
「ゴミ袋最近変えてないからよろしくー。」
なんて面倒事を更に持ってきたのだ。
「逆福禄寿だな。」
と、鬱憤を晴らすために聞こえない程度に言ってやった。ゴミの溜まった袋を縛る。その時、体育着のような生地が見えた気がしたので抵抗はありながらも手を突っ込んでそれを掴む。それは見るも無惨な姿だった。誰かに踏まれた足跡、切り刻まれて原型がなく、汚水のようなものが滴っていた。かろうじて、名札が見えた。俺は唖然とする。
「は?」
開いた口が塞がらず、無意識にでた言葉だ。
「なんで、、?」
彼女が来なくなって半年が過ぎる頃、保健室登校をしている人いたよね?と、保健室を利用している子が噂を始めた。まさかと思い走り出す。余裕のない標準と声色で保健室の先生に尋ねる。
「三島音々さんは、、、居ますか、、?」
「三島さんなら、少し用ができたとか言って帰ってきてないわよ?」
彼女はきっとあそこにいる。今まで役に立たなかった直感が今回は当たるような気がしてならなかった。階段を勢いよく上る。呼気なんて忘れていたくらいだ。
「待ってくれ、俺はまだ君に、。何も、、。伝えなくちゃ、伝えるんだ、!」
ガシャンーー。
屋上に辿り着くともう辺りは夕方を迎え、カラスが鳴いていた。
「三島さんっっ!!!」
彼女が顔をこちらへ向ける。顔には数滴の金剛石が溢れていた。
「来ないでっ!!もう人間とは関わりたくない!!もうっ、、いいの。」
私はもう諦めへと覚悟が決まっていた。
「…ころが好きだ。」
何か言っている。もうそんな程度しか思わなくなっていた。
「三島さんの校庭の花に朝早く水をあげているところが好きだ。」
「三島さんの下駄箱の位置が高くて背伸びして靴を取っているところが好きだ。」
「三島さんの、、さんの、笑顔が大好きです!!」
「俺は、、三島さんの些細なその行動で好きになったんだっ。」
涙で顔がボロボロになって無様のはずなのに彼の姿は大きく勇敢に見えた。
「なんで、、なんでそんなに私に執着するの?」
彼は一言こう言った。
「三島さんは、もっと愛されるべき人間だからだよ。」
と顔をくしゃっとして笑った。
だから私はもう少しだけ、あと少しだけ君のために生きてみようと思ったのだ。
些細なことでも、その変化に必ず気付いて声をかけてくれるのは悪い気分じゃない……けど時々、ずっと見張られているように感じて胸の内が薄ら寒くなる。
毎日の服のコーデやその日のご飯、一日中の喜怒哀楽……そんなすぐ分かるようなことへの反応なら、ああよく見てるんだなと思うだけ。私自身が気付いていないようなこと……例えば普段より呼吸が浅いだとか、ノートの筆圧が強くなってるだとか、瞳孔の開きが狭くなってるだとか。それは見てるって段階をとっくに超えてて、観察されてるんじゃないかと思う。
ね、なんでそんなに見てるの、まさか私の観察日記でも付けてるの?と冗談半分で尋ねてみたら「なんでバレたの?」ですって。え、何、それ本当に?ビックリしすぎてツッコミの言葉も碌に出ない私に「その驚きぶりは新鮮でイイね。冷や汗でてる?ちょっと顔が白くなった」と追い討ちをかけてくる。
「ただ、君のことをもっとたくさん知りたいだけなんだ。純粋な好意に基づく興味関心の発露だよ。もちろんそのなかにやましい気持ちが一つもないとは言わない」
なんて言われて安心できる人間がいると思う!?
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些細なことでも
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所感:
むしろ、声を掛けずにおいてほしかった
どれだけ些細なことでもそれが大きな影響を与える。
一匹の蝶の羽ばたきが果たして、テキサスで竜巻を起こすのか。
2024/09/10 #些細なことでも
「些細なことでも」
「⬜︎⬜︎、そろそろお昼寝だね。こっちにおいで!」
「おひるねおひるねー!⬛︎⬛︎ちゃん、だっこ!」
「お〜よしよし!ベッドがキミを待っているよ〜!」
しばらく抱っこしていると、ボクの小さな兄は眠ってしまった。この子は抱っこされるのが好きで、お父さんがいた時にはよく抱っこをせがんでいたなぁ。
すやすやと寝息をたてるきょうだいをベッドに置いて、ボクは静かに部屋を出る。勿論、脱出が目的なわけではないが!!!
「やぁ、この部屋の管理人くん。ちょっと兄を頼んだよ?」
「マッドサイエンティストさん。何かご用事が?」
「野暮用だよ。」
「そうですか。お気をつけて。」
ニンゲンくん。ボクはキミがとても心配なんだ。
そう長い時間が経ったわけでもないのに、あの家の荒みようには驚かされたよ。一体どうしたんだい?
あんまりにもキミのことが気になって仕方ないから、ボクは少々久しぶりにキミと通信をしてみようと思ってこの部屋に来たんだ。
さて、ボクが置いてきた端末の番号は〜……あった!
しばらく続いた待機音の後、ニンゲンくんが出た。
「やあ!!!ニンゲンくん!!!漸く出てくれたね!!!ボクはキミのことがあまりにも心配だったから、こうやって通話を始めたのさ!!!ほら、キミも何か話したまえ!!!」
「……別に話せるようなことなんかないから、こんなとこで時間を割いても楽しくないだろ。」
「どうしてそんなことを言うのさ?!!ボクはキミと話すためにここに来たんだよ?!!それに、楽しいか楽しくないかを決めるのはこのボクだから!!!勝手に決めないでよ!!!」
「それはともかく!!!とりあえず何か話を始めてくれないかい?」
「……。」「そうだなあ……今日のちょっと嬉しかったことを3つほど教えてくれたまえよ。」「……嬉しかったこととかないんだけど。」「こらー!!!なんとか絞り出しなさい!!!」
「……じゃあひとつ目。なんとなく虫刺されの薬を塗って扇風機の風を浴びたら涼しかった。」
「そりゃよかったね!!!でもニンゲンくんは変わり者だなあ!!!確かにそれ涼しいけどさ、蚊に刺されたわけでもないのに虫刺されの薬を塗った?!!なんとなくで?!!」
意外とボクがいなくてもニンゲンくんは実生活をEnjoyしているのかもしれないなぁ……。
「よーし!!!それじゃ、ふたつ目を教えてくれたまえ!!!」
「……久しぶりに蝶を見た。」「おやおや、どんな蝶を見たんだい?!!」「多分、モンシロチョウ。」
「あーんなあっつい中、冷房もなしで逞しく生きている彼らってすごいよねえ!!!部屋に入れてあげたらどうだい???」
「それはちょっと……。」「だよねー。」
生き物の感性っていうのは不思議なものだ!分からないことがまだまだ沢山あって興味深いよ!
「ところで」「何?」「みっつ目はもう決まりだよね?」「え?」「『え?』って何さ。」「まさか……照れているのかい?!かわいいなあ!」「本当に分からないんだけど。」「え」
「……まあまあ聞こうじゃないか!ほら、みっつ目!いいエピソードを聞かせてくれたまえ!!!」
「今朝は涼しかった。とか?」「……。」
「なんでむくれてるんだよ。」「……。」
「何?なんだよ?」「違ーーーーーーう!!!」
「みっつ目は!!!決まっているだろう?!!」「はぁ?」
「ボクと!!!はなし!!!してること!!!」
「あー……なんでこっちが接待しなくちゃならないんだよ。」
「ほら!!!みっつ目!!!もういっかい!!!」
「ボクと!」「ぼくと」「お話し!」「おはなし」「したこと!」「したこと」「正ーーー解!!!」
「いやぁ照れるなあ!!!まさかそんな風に思ってもらえているなんて!!!さすがはボクだねえ!!!ハッハッハ!!!」
「……何も言うまい。」
「あ、ごめん。そろそろ用事あるから、また今度───」
「ちょっと待って!!!大事なことを伝え忘れていたよ!!!」
「裁判の日程だが、ついに明日に決まったよ!!!」
「早いな……。」「うちは『即断即決』をモットーにやってきたからね!!!」
「とりあえず……震えて眠るといいよ……?まあ冗談だが!!!」
「それはさておき、気をつけて用事を済ませてくるんだよ〜!」
「……ありがとう。」
「それじゃあ、また明日!」
通信が切れた。
でも、キミと話していて分かったのは、またきっと、ずっと仲良しでいられそうだってことだ。
また、ニンゲンくんと色んなところに出かけたいな。
色んなことをしたいな。色んなことを学びたいな。
そうすればきっと、みんなもっと笑顔で暮らせるよ。
「前回までのあらすじ」────────────────
ボクこと公認宇宙管理士:コードネーム「マッドサイエンティスト」はある日、自分の管轄下の宇宙が不自然に縮小している事を発見したので、急遽助手であるニンゲンくんの協力を得て原因を探り始めた!!!お菓子を食べたりお花を見たりしながら、楽しく研究していたワケだ!!!
調査の結果、本来であればアーカイブとして専用の部署内に格納されているはずの旧型宇宙管理士が、その身に宇宙を吸収していることが判明した!!!聞けば、宇宙管理に便利だと思って作った特殊空間内に何故かいた、構造色の髪を持つ少年に会いたくて宇宙ごと自分のものにしたくてそんな事をしたというじゃないか!!!
それを受けて、直感的に少年を保護・隔離した上で旧型管理士を「眠らせる」ことにした!!!悪気の有無はともかく、これ以上の被害を出さないためにもそうせざるを得なかったワケだ!!!
……と、一旦この事件が落ち着いたから、ボクはアーカイブを管理する部署に行って状況を確認することにしたら、驚くべきことに!!!ボクが旧型管理士を盗み出したことになっていることが発覚!!!さらに!!!アーカイブ化されたボクのきょうだいまでいなくなっていることがわかったのだ!!!
そんなある日、ボクのきょうだいが発見されたと事件を捜査している部署から連絡が入った!!!ボクらはその場所へと向かうが、なんとそこが旧型管理士の作ったあの空間の内部であることがわかって驚きを隠せない!!!
……とりあえずなんとかなったが!!!ちょっと色々と大ダメージを喰らったよ!!!まず!!!ボクの右腕が吹き飛んだ!!!それはいいんだが!!!ニンゲンくんに怪我を負わせてしまったうえ!!!きょうだいは「倫理」を忘れてしまっていることからかなりのデータが削除されていることもわかった!!!
それから……ニンゲンくんにはボクが生命体ではなく機械であることを正直に話したんだ。いつかこの日が来るとわかっていたし、その覚悟もできたつもりでいたよ。でも、その時にようやく分かった。キミにボクを気味悪がるような、拒絶するような、そんな目で見られたら、お覚悟なんて全然できていなかったんだ、ってね。
もうキミに会えるのは、きょうだいが犯した罪の裁判の時が最後かもしれないね。この機械の体じゃ、機械の心じゃ、キミはもうボクを信じてくれないような気がして。
どれだけキミを、キミの星を、キミの宇宙を大切に思ったところで、もうこの思いは届かない。でも、いいんだ。ボクは誰にどう思われようと、すべきこととしたいことをするだけ。ただそれだけさ。
そうそう、整備士くんや捜査官くんの助けもあって、きょうだいは何とか助かったよ。
712兆年もの間ずっと一人ぼっちで、何もかも忘れてしまって、その間に大事な人を亡くした彼は、ただただ泣いていた。ずっと寂しかったよね。今まで助けられなくて、本当にすまなかった。
事情聴取は無事に済んだ!その上、ボクのスペアがきょうだいを苦しめた連中を根こそぎ捕まえてくれたからそれはそれは気分がいい!
だが、実際に罪を犯した以上、きょうだいは裁判の時まで拘留されなければならない!なぜかボクも一緒だが!!
……タダで囚人の気分を味わえるなんてお得だねえ……。
牢獄の中とはいえ、随分久しぶりにふたりの時間を過ごせた。小さな兄が安心して眠る姿を見て、今までずっと研究を、仕事を続けてきて本当によかったと心から思ったよ。
きょうだいのカウンセリングの付き添いがてら、久しぶりにニンゲンくんと話をしたんだ。いつも通り話がしたかったけれど、そんなことはできなかった。
ボクの心は、ボクの気持ちは紛れもない本物だと信じて欲しかったけれど、受け入れてはもらえなかった。
機械のボクはもう、キミに信じてもらえないみたいだ。
でもまあ!!!きょうだいもボクも元気に牢獄暮らしが送れているうえ、旧型管理士の彼女も調子がよさそうだから、当面はよしとしようか!!!
多分ニンゲンくんの事情聴取も終わっている頃だろう。あとは何度か取り調べを繰り返して、いつか来る裁判の時を待つだけだね。
……というかこの「あらすじ」、長すぎるね!!!何がどう荒い筋だと言うんだい???……また作り直さなければ!!!
ふえぇ全然時間が取れないようぅ……。゚(゚´ω`゚)゚。
あとどこに書くのがいいのかもわからないよぅ……(´•̥ω•̥`)
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些細なことでも
どんな些細なことでも人ってもんは意外と気にするんだ
しかも、不快だったことは記憶に色濃く残る
自分からしたらなんの変哲もない1日でも相手の捉え方によっては地獄の1日の可能性もあれば
天国のような幸せな日になるかもしれない
皆が幸せになんて些細なこと気にしたら無理なんだろうな
自分は些細なことまで気を遣っているつもりだ
それで人っこが1人2人いなくなったら悲しいからね
こんなことを思う本当の意味の友達っているのかな
会社を辞めた後輩。そんな彼女に執着して、負担になっていたことに気付いた。これで最後だと、謝罪するメッセージを送り、気になっても開かないようにしていた。
「気遣って下さりありがとうございます。返事せずに放置してしまい申し訳ないです」
こちらこそ申し訳なかった。返事は書き込まずに、リアクションだけ押しておいた。
俺にできることは、元上司として、一人の男として彼女が再起することを願うばかりだ。
『行き止まり』
些細なことでも
少し低めの落ち着いた声も 柔らかく微笑む姿も
甘くて優しい匂いも あどけない幼い寝顔も
君の全てが愛おしかった
想いは変わらないのに 時間が経つ程
君との記憶に靄がかかって 少しずつ君が見えなくなる
それが怖くて堪らなくて どんなに些細なことも
一つも零れ落ちない様に 必死に強く強く抱き抱える
君が消えない様に 君を忘れない様に
強く強く抱き抱える
ー些細なことでもー
些細なことでも
お題が一周まわってきた。
ささいなことか?私には重大な問題だ。このサイトはもうやめようか…とも考えてしまう。
最初はバグか?と、こころの灯火のお題で思ったが…今日違うと確信した。
運営側にとっては、些細なことでも、使わせて頂いている側の気持ちも考えて頂きたいな、と率直に思う。
何より、書くというモチベーションが、ダダ下がりだ。
どんなお題が来るのだろう…とワクワクしていた自分が、一人取り残された気分だ。
どうか、使い回しをしないでください。
このサイトを楽しんでいた一人として。
些細なことかもしれませんが…。
些細なことでも
些細なことでも連絡して欲しい。
いつだって声を聞きたいよ。
そんな本音を飲み込んで、
平気なふりをする。
大丈夫だからなんて、
君の強がりには気づかないふりをして。
『些細なことでも』
話したいし、分かち合いたい
けれど…
「些細なこと」かどうかは
それぞれの価値観で大きく変わる
私は完璧でなくては
家族ではいられないという
恐怖を植え付けられて育った
だから、多分
一般的に育った人より
「些細なこと」ははるかに多い
だからだ
だから生きにくい
だから
パニック障害やうつ病になりやすかった
うつ病なんてものは
正直、私が小学生の頃は認知されていなかった
そんな時代ではなかった
けれど、異常な程の保健室通いと早退
それでも
「あなたの意思が弱いからだ!甘えだ!」と
今の時代では考えられないだろうが
大人は口を揃えてそう言い放った
それを考えたとき、学んだとき
子どもの頃からうつ病だったことに
最近やっと気がついた
20代までにうつ病になったことのある人は
うつ病ではなく双極性障害の可能性がある
確かに心当たりはあるのだ
でも5分診療では今さら話が前に進まない
一度「うつ病」と診断され
大抵、うつ状態の時しか定期検診に当たらない私は
素人が判断しているだけとしか
認知されないのだ…
『些細なことでも』
話せる十分な診療時間が欲しい…
これが私の今のせつなる願いだ
些細なことでも
おはよう、と朝起きてきた。
ご飯をしっかり食べた。
行って来ます、と学校へ行った。
学校じゃなくても外出できた。
ただいま、と元気に帰って来た。
お風呂に入った。
笑顔で話をしてくれた。
明日を楽しみにしてくれた。
些細なことでも
当たり前じゃなくなると
ひとつひとつが喜びになる。
寝ていたはずの娘から
出勤途中に電話があった。
「行ってらっしゃい。頑張ってね。」
身体が軽くなって
それだけで頑張れる。
些細なことでも
人への気遣いは些細なことでも大切にしたい
たとえ誰にも気づかれなかったとしても
些細なことでも
ほんの些細なことでもいい
わたしになんでも話してよ
空が青いとか 風が冷たいとか
あなたとお話ししたいのよ
お腹すいたとか もう眠いとか
あなたの声が聞きたいのよ
だからもう一度目を開けてよ
永遠に会えなくなる前に
・些細なことでも
証拠集めは不十分。だからまだ一緒にいるの。
貴方はいつも通りに振舞っているつもりでしょ。
でもこんな物を集めるずっと前から気づいていたんだから。
助手席の背もたれ。
今までと違うタイプの靴。
普段と違う食べ物。
友人とか興味とか紹介とか、そんな言葉でごまかせないんだよ。
どうぞいくらでも私のことを鈍感だと思い込んでいてくださいね。
貴方の蒔いた些細な不和が、貴方の首を締める日を心より楽しみにしております。
何でも嬉しいよ。
貴方がくれる言葉は全部。
【些細なことでも】
些細なことでも、気になるのは今が幸せではないから。
大船に乗ってどーんとした気持ちでいられたら、きっとそんなことはなくなる。
小さい時から小さな事が気になって、その度に消極的になっていた。
でもいつか明るい世界で優しい人達とのびやかに語り合える日が来ることを信じていられた。
あの頃のわたし、色々あるけれど間違ってはいなかったよ。
足下が気になる私。
室内は靴下やスリッパを履かなければ、大量の埃が足の裏に引っ付くのは容易に想像できるだろう。
そして、お風呂に入るとき、シャワーを浴びずに入浴しようものなら、お湯の中は大変なことになってしまうだろう。
玄関では、脱ぎ捨てた靴や並んでない履物が気になってしまい、ついつい整理してまう。
こんな、私の性(さが)は、以外と気に入っている。
なぜなら、部屋が地道に整頓されていくからだ。
これは、短所であるが長所でもあると思うのだ。
いつも一緒にいる君にふと感じた違和感
なにか変えた?と聞いたら君はちょっと不機嫌に変えてないよと答えた
でも1度感じた違和感は私の中で消えなかった
いつもは笑顔の君が今日はずっと不機嫌だ
昨日の君と今日の君何かが違うはずなのに私はその変化には気づけない
君から視線を外しもう一度君を見る
ちょっとした違和感はほんとに些細な変化だった
私は笑いながら君に言うと君は嬉しそうに笑った
その笑顔を見て私は君の些細な変化にもすぐに気づきたいと思った
#些細なことでも
近くに映画館が出来た
頑張れば歩いても行ける
これからはたくさん見に行こう
結婚前の話
私に好意を持ってくれていた男性から
誘われた
どこに行こうか
どこがいいかな?
映画でもみる?
しかし彼は映画はダメだと言う
「勿体無い」
何が?
「映画を見ている時間があるなら一緒に話をしていたい」
もういい歳の私を映画に誘ってくる人がいる
私はこう思う
そっか映画にはもう敵わないんだ
どんな褒め言葉より心にずっと残っている
映画を見るたびに思い出す