『世界に一つだけ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
僕は権力者のことが好きで、それは紛れもない事実だ。本来ならば、天使というものはそもそも恋心を抱くこと自体を禁じられている。それはそもそも恋心というものは、常に汚れと純真の間にあるという思考回路の元からなるし、また恋心を抱いてあろうことが何か子供を作ってしまった時に、それが一体何になるのかわからないからでもある。分からないのであれば、そもそもその原因は作らないようにするそういう思考のもと、恋心というものを禁じられていた。
人間の恋を応援する天使なんていない。自分たちは禁じられているというのに他人の恋をわざわざ応援する、そんなことをするバカがいてたまるか。天使は元々そんな思考回路があるみたいだった。
そのことから考えるといくら堕天使であろうとも、恋心を抱いているというのは、あまりにも稀有なことで。
できないことができているというのはもしかしたら世界で一番幸せなことなのかもしれない、なんて考えた。
「ということで、僕は世界で一番幸せ者なんだよ」
そう、彼女に伝えたらえらく怪訝そうな顔をされた。
「…………バカじゃないの?」
物言いまで冷たい、両想いだというのに。
「……きみは?」
「世界で一番じゃないかもしれないけれど、大体そんなキザなセリフを吐くような勇気もないけれどまぁ少しは幸せなんじゃないの?」
まるでツンデレのように、そんなことを言った彼女の顔は微妙に赤く染まっていた。
絵を描くのが趣味のわたしが
手作りしたステッカーを
あなたにプレゼントした日
ただ受け取ったただけじゃなくて
「ここに貼っちゃおう!」
とすぐさま自分の小物ケースと
楽譜ホルダーに貼ってくれたの
気に入ってくれたみたいで
すごくうれしかったな!!
世界にひとつだけの花はスマップのとても流行った曲だった。振り付けをテレビを見ながら真似てたな。今もメロディが頭に浮かんで来ます。
#世界に一つだけ
学期初め、ホームルームの時間。いのちのホットラインやチャイルドラインといった名前のついた電話番号のカードが配られる。
「あなたという存在は世界に一つだけです。とても大事な存在です」
その言葉を聞くたびに、私は「そんなことはないけどな……」と思いながら、隣を盗み見る。真剣な顔で黒板を見つめている姉の視線は揺らがない。私の視線に気がついていないだろう。
一卵性双生児、遺伝子も顔も身長も体重も成績も体力テストの結果も声の周波数も全く同じ。数値で測れるものは全て同じで、違うのは性格だけ。優等生で明るく、多趣味で、誰からも好かれて人気者の姉と、先生に迷惑をかけないという点で優等生は優等生だけど何にも興味を持てず、無口で、ひっそりと生きている私。まぁ、一応違いはあるのだから世界に一つだけの存在と言われればそうなのかもしれないけれど、正直私が存在する必要はあるのだろうかと思う。なにせ、数値で測れるスペックは全て同じ。それなら、人に好かれ、頼りにされ、愛されている姉だけで十分ではないかと思う。
そんなことを考えるからといって死にたいとか、消えたいとか、そんなことを思っているわけじゃない。ただ、世界に一つだけというのが本当なのかを私は考えている。
チャイムが鳴った。今日の授業はこれで終わり。姉は友達と遊んだり、部活があればそっちに行くかもしれないけれど、私は家に帰るだけ。声をかけられないうちに教室を出たい。
「悠妃(ゆうひ)、帰るの?」
そう思っていたのに、姉——悠莉(ゆうり)に声をかけられる。
「帰るよ」
「えー、悠妃も吹奏楽部、入ってよ。悠莉が上手いんだから悠妃も上手いって」
いつのまにか悠莉の隣に、別の生徒が立っていた。悠莉と仲の良い子だった気はするが、夏休みを挟んだせいで名前が出てこない。今日も一日、授業の指示以外で誰とも話はしなかったし。
「そうだよ、今なら3rdトランペットが空いてるし。悠莉と同じ身体なんだから、悠妃ならすぐ吹けるようになるって」
「悠莉がいるから、うちが弱小吹部なのわかってるでしょ?別に厳しいことなんてないから。みんなで演奏したい曲を演奏しよう!って部なんだし、悠妃なら今から入っても全然いけるよ」
「……ごめん、休み明けだからか若干頭痛くて。今日は帰る」
「あ、ごめん」
「ううん、また明日」
力なく首を振って教室を突っ切れば、特に止められることもない。何回か使っている手なのでそろそろ仮病とバレていてもおかしくはないが、それを追求してくるほど性格が悪い人がいなくて何よりだ。
重たいスクールバッグを肩にかけて家に向かって歩く。はやく帰りたいような、帰りたくないような。どちらにも傾き切らない微妙な気持ちのせいで足が重い。
(悠莉と同じなんだから)
頭の中でぐるぐると「同じ」という言葉が回る。親も同級生たちと同じことを思っている。悠莉と私は同じだから、同じようにして、同じものを与えていれば不具合はない。食べ物も同じもの、服も同じもの、習い事も同じもの、部活も中学時代は強制だったから悠莉に連れられてテニス部に入った。私は何も選ばないので、親は悠莉が選んだものを私にも与える。否、私が何も言わずとも平等にちゃんと与えてくれて、なぜだかうまくいく。
かといって、親が私に悠莉と同じようにしろ、と強制してきたことはない。高校生になって、私が悠莉と同じように部活に入らなかった。それだけが、これまでの人生と違うが、別にそれを咎めたりはしなかった。返ってきた言葉は「あ、やらないの」の一言だった。ちょっと意外そうな顔はしていた。姉の真似をしなくなっただけとでも思っているような様子だった。
同じ年の同じ日に生まれたのに姉も妹もないと思うのだけれど、一応生まれた順でそういうことになっているから、私は悠莉を姉だと紹介する。悠莉も私を妹と紹介する。スペックは何一つ変わらないのに。違うのは性格だけだが、性格が違うというよりは個性のある姉と無味乾燥な妹という組み合わせであり、陽と陰というべきか。それとも最近、情報で習った現用系と待機系というのが正しいか。
まぁ、要するに。スペアとしての扱いが否めない。自分でもスペアだろうと思う。世界に一つだけの存在はスペアにならない。同じだからスペアになるし、スペアになれる。
私がスペアにならなければならない出来事が、きっとこの先起きるのだろう。
「わっ」
ギュッと後ろから急に抱きつかれた。感触で、相手はすぐにわかる。毎日触っている私の身体と全く同じ身体を持つ人間はこの世界に1人しかいない。
「悠妃、本当に大丈夫?」
「部活行ったんじゃないの、悠莉」
「いやぁ、だってガチ顔色悪かったよ?」
「照明の当たり具合じゃない?」
「じゃあ、頭痛くないわけ?」
「……心配されるほどじゃないよ。音のデカい部活に行けるほど元気じゃないってだけで」
ふぅん、と納得したのかしていないのかよくわからない声で相槌を打って、悠莉が私の手を握った。
「早く帰ってアイス食べよ?」
「別に1人で帰って食べれば?」
「えー、どうせ家に帰るんでしょ?」
「頭痛い人間にアイスなんて食わせる?」
「熱中症かもしれないじゃない。悠妃は夏休みろくに家から出ないかったから、身体が暑さを忘れちゃってるんじゃないの?」
ほら帰ろ、と悠莉が私の手を引っ張っていく。
「気が向いたらでいいからさ、吹部来てよ」
「……なんで?」
「落ち着かないもん。悠妃がいないの変な感じ」
「今までが異常なんだよ、なんでも一緒で。それに、悠莉は私がいてもいなくても変わらないでしょ」
「変わるよ。今までは悠妃がいるから大丈夫でしょって色々冒険できてたけど今はそうはいかないもん」
悠莉の言葉に私はため息をつく。ナチュラルにスペア扱いされた気がしてならない。数値はピッタリ同じなのに、どうにも心がシンクロしている、なんて事態は私たち姉妹には起きないらしい。
「悠妃?」
「……気が向いたらね」
私はそれだけ返した。目の前に伸びる、全く同じ長さの影を恨めしく思いつつ、家に向かってひたすら足を動かした。
「今この瞬間がくだらないと感じても…」
いつも思い出す言葉がある、この言葉を思い出すたび
あのくだらなかった日々を思い返す
ただひたすらに走った河川敷、皆で忘れて怒られた宿題、帰りに買い食いしたアイスの味、皆でオールしようと意気込んで結局爆睡した修学旅行、勉強してないと言っていかに赤点回避できるかに命をかけた定期テスト
今思えばちゃんと勉強しろよ、とか遊んでばっかりだなとか思うかもしれないが
結局全部は、くだらないと感じても、全てが大切な世界に一つしか無い思い出だった
懐かしいな…
あれはきっと学生だけの特権だったんだ
「今この瞬間がくだらないと感じても、絶対に掛け替えのないものになる」
私にとっての『世界に一つだけ』
それは“わたし”
周りと比べて自分の価値なんてないんだ、恥ずかしい存在なんだって思っちゃうけれど
落ちこぼれで同仕様もない人間だけど
今でも世界に一つだけのちっぽけな私を愛したい、愛してあげたい。
皆さんも失敗したり酷く落ち込んだ時は、
少しでも自分自身を愛してあげてください。
慰めてあげてください。
だって貴方は『世界に一つだけ』なのだから。
世界に一つだけの花
一つひとつ同じものはないから
ナンバーワンにならなくてもいい
もともと特別なオンリーワン
妹がちっちゃい白いお花をくれたの。その後捨てちゃったけど、押し花にして取っとけばよかった
ネッ友から貰ったぬいぐるみ。
クマのぬいぐるみとかが好きだって言ったら、誕生日プレゼントって言ってくれたぬいぐるみ。
あれ、今でも大切に使ってるよ。少しボロボロになってきちゃってるけど。
世界に一つだけの、僕の大切なぬいぐるみ。
あの頃はすごく仲が良くて、毎日話してたり電話したり、バレンタインとかでもお互いに送ったり。
でもなんでだろ。
いつから連絡取らなくなったんだっけ。
君がネット活動を辞めた時…かな。辞めるという報告を受けてから少し気まずくなって。
今はリアルで楽しくやってるんだってね。別のネッ友から聞いたよ。
よかったとも思った。けど、何よりも、悲しさが勝ってた。
ずっと続けていくよって。僕がいる限りは、ネットに居座るつもりって。
その言葉は僕の心にずっと残ったから、辞めた時は涙が溢れた。
嘘つき。
離れてるじゃんかよ。
辞めたことを責めてるんじゃない。なんで嘘ついたの?
あんなに離れないって、そばにいるよって言ってくれていたのに。
それに、裏垢作って僕の愚痴言ってたみたい。
なんで、?僕のことそんなに嫌いだった、?
言ってくれたらなんだって直してたのに、
言う通りにしていたのに、
嘘つき、大っ嫌い
僕だってあんたのことなんか大っ嫌いだよ
嘘つきで、性格悪い、でも誰かを救えるような力を持ってるお前が。
ただ冷静になって考えるとさ。彼奴が僕のことを嫌うのは分かるんだよね。
ほら、僕って根暗で面倒くさくて卑屈なやつ。だから誰も好きにならないし。
自暴自棄になってるのかも、久しぶりに思い出しちゃって。
ただ、信じていた言葉をそのまま裏切られるというものは、心にどれだけの傷を与えるか。
世界に一つだけ。
世界に一つだけの
私。
世界に一つだけの
私は
他と比べてられない。
好きだと思った人に
興味がなかった事
今知ったよ。
次っ次っ。
この世界に一つだけ、手放し難いモノがある。
それは愛とか恋ではなく。
漠然と"大切"なだけのもの。
けれど譲りたくないし、捨てたくないし、手放したくないし、何より他の誰かに奪われるのだけは耐えられない。だから手に入らないと分かっていても手を放せない。
我儘だろうか?
大切だと思えばこそ、手放すべきなのだろうか?
そんな事が出来るのなら悩みなんてしないけど。
「ああ、美しいなぁ。今日も夕日は綺麗だよ」
なんて意味もなく無邪気に貴女が笑うから。
代わりなんて何処にも無い大切な人の笑顔に笑いかけ、『そうだな』なんて当たり障りのない、けれど愛しくてたまらない。
今日も今日とてそんな返事をするのだ。
【題:世界に一つだけ】
『世界に一つだけ』
世界に一つだけ綻びがあるとすれば。
それは「完璧ではない」ということでしょう。
✦世界に一つだけ✦
世界に一人しかあなたはいないの!
たった一人のあなたなの!
自傷行為が見つかるたびに皆に言われる。
自傷行為は生きるためだし聞き飽きた。
こう言われるたびに
いつも僕は思うことがある。
じゃあ他の動物達は?
どれもこれも一緒なわけじゃないはずだ。
逆に他の動物達からみる人間は
皆同じ顔をしているのだろう。
でもあまりこういうのは
深く考えないでおこう。
世界に一つだけ
この世界はいろんな人がいるよねえ
こいつ生きてても仕方ないだろって
ヤツもいれば
こいつほんとに実在するのかなほんとは
AIか何かが作った作品なんじゃないかなってヤツもいて
そんな中
あたしは最低までいかなくても
「低」に近いとこにいて。
地頭、稼ぐ能力、人間関係調整力、体力、気力、空気を読む力、ルックス、スタイル、歌って踊れる?etc etc.
無いなあって思う でも今この瞬間に
あたし
っていう意識を持って
この世界に存在するのはあたしだけ
それはやっぱすごいことなんかな?
この世界は人がどっちゃりいて
たまにぐえってなるけど
まあなんとか生き抜いていこうと思う。
おわりー。
世界に一つだけ と言われたら「花」しか浮かびません…
あの歌詞と優しい歌声に救われた方は少なく無いと思います。
私もその1人。
1人の人間を育てている時、レールから外れそうになった私を正しい位置に戻してくれた歌です。
親になるとどうしても子供が出来ない事にばかり目が行ってしまいます…
勉強 友達付き合い… 子供の将来の為 と、勝手に必死になっちゃうんです。
でも本当は違う。
出来る事に目を向け、褒めて、その先はいずれ大人になった本人が自分の人生を歩めばいいんだ…と、教えてくれたのがこの歌でした。
揺らがない軸を私にくれた気がします。
「世界に一つだけ」
世界に一つだけのオーダーメイドの君からもらった指輪。
もらった時はすごく嬉しかった。
もらった指輪は、いつもつけている。
ふとした時に指輪を見ると、君が見守っていて、私を応援していてくれるようなそんな気持ちになる。
今度は、私が世界に一つだけのオーダーメイドのものを君にプレゼントしたいなと私は思う。
この世界も、この美しい音も、景色も、
全部私のもので君のもの。
そして、今しかない世界に1つだけのもの。
【No.32 世界に1つだけ】
私は、世界に一つだけの存在
貴方も、世界に一つだけの存在
あの人も、この人も、世界中皆、世界に一つだけの存在
それじゃあ、みんなと同じじゃないか!
私は唯一の存在になりたいんだ!
まてよ、
この世の全ての人間が世界に一つだけの存在ならば、
世界に二つだけの存在は唯一の存在なんじゃないか?
私は、クローンを作った。
「……という訳で、これで私は唯一無二の存在だ」
「いや、2人目作っちゃったら無二じゃないだろ」
クローンに論破されたショックで、しばらく寝込んだ。
〝あの歌〟の言わんとする事は分かる。
比べることの虚しさとか、一人一人を尊重してとか、確かに大切な事なのだろう。
言わんとする事は分かるけれど。
花がその場所で咲く事が出来るのは、その環境に対応し、進化したからだ。唯一無二の生態を持つ植物や動物や昆虫は、過酷な生存競争を勝ち抜いてきた結果、あの在り方を獲した。
·····私はどうだろう。
人間同士の生存競争は、今はもう生態ではなく精神の在り方の問題になっている気がする。
思考し、尊重し、歩み寄り、時に距離を置き·····そうやって自分が生きている世界に、適応したり離れたり、そういった努力をしてきただろうか。
オンリーワンの私でいる為には、〝ありのまま〟でいるだけじゃ済まないくらい複雑な世界に、私は生きている。
END
「世界に一つだけ」
8年ほど前まで、物心がついた時にはもう当たり前のように自分の世界に馴染み、これからも変わらずそこに居続けてくれるのだと漠然と思ってた存在があった。
確かに愛されていたのに、その存在らしくもなく踊りが合ってない、歌が下手と評される事がよくあった人達だ。
個人的には好きも嫌いもなく広告で見かけて「居るんだ」と思ったり耳馴染みのある音楽に安堵したりして袖が触れ合う程度の”ファン未満”
しかし大々的な報道は、その程度の自分ですら胸の中に爆竹でも投げ込まれたようで落ち着かない気分に変えてしまった。
またメディアが勝手言ってるだけでしょ?
色んなものを見えないフリしながら半信半疑でその日を迎えた。
画面の中ではスーツを着た5人が沢山の花に囲まれながら最後の歌を唄い、深々とお辞儀をして幕が落ちていく
葬式にも見えるその様は自分にとっての常識が一つ崩壊した瞬間でもあり、心臓がバクバクと脈打ち鬱陶しい程だった。
ドッキリじゃないの?
まだ疑いながら1日、2日と過ごしたが生憎とまだネタバラシはされていない
あの日から今日まで、数多の人達が世に出て歌い踊っている。正直な所彼等よりも歌や踊りが秀でた人達はいるが、彼等ではない。
時々思い出しては、もう一度歌って踊ってるところを見たいなと思う。
そこまで考えた所で代表曲の歌詞が脳裏を掠め思い至り腑に落ちた。
あぁ、彼等の存在もまた唯一無二の花だったのか
『世界に一つだけ』