『世界に一つだけ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は私だけ
あなたはあなただけ
私たちはそれぞれのもつ世界に生きる
近づいた時、世界は大きくぶつかりがらがらと崩れ落ちる
空も大地も硝子のようにひび割れ瓦礫の山に
それはいつしか互いの世界を繋ぐ道となり
朝焼けも夕暮れも夜空もすべて同じ色
世界にひとりだけの私たちは
そうして共に生きていく
#世界に一つだけ
貴方への私の想いはこの世界に一つだけ。
大事にしてね。
きれいな黄金色に焼き上がったマドレーヌを、鼻歌交じりにケーキクーラーの上に乗っけていく。
型から取るのに失敗したコをツマミ食……否、味見。
出来たてホヤホヤの熱いマドレーヌを一口嚙った。
こんがりとしたバターが香り、優しいハチミツの甘みの後、爽やかなレモンピールの苦みが口いっぱいに広がっていく。
……思わずもう一つ食べてしまいそうになるが、既のところで堪えて、マドレーヌの粗熱がとれるまで暫し待つ。
マドレーヌが十分冷めたところで、焼いている間に作っておいたアイシングをスプーンで掬ってマドレーヌに丁寧にかけていく。
薄く薄く、純白のアイシングの下の黄金色が透けて見えるくらいに。
艶々のアイシングが乾いていくのを眺めながら、今も仕事に勤しんでいるのだろう頑張り屋な君を想った。
テーマ「世界に一つだけ」
全てはたったひとつのもの
同じように見えても個性がある
私も君も世界にひとつしかない
#世界に一つだけ
「世界に一つだけの○○」
○の中に入る言葉はなんだろう。
誰かの名前?
数百年前に描かれた絵画のタイトル?
世界遺産に登録されている自然?
誰かにとっての唯一は、誰かにとってはそうじゃない。
私にとっての「世界に一つだけ」は一体なんだろう。それが私にとって、ちょっとでも素敵なものであればいい。
ひとりひとり考え方は違う。
経験や感性が異なるから。
みんなばらばら。
同じようで違う。
異なるようで似ている。
世界に一つだけ。
きっとあなたも。
きっとわたしも。
きみの心は世界でひとつだけ。
そのひとつを僕はわけてもらったんだ。
世界に君はたった1人だけ
…だってさ。
こんな言葉を君たちは信じているのか。
君たちがいなくたって
世界は何不自由なく回っていく。
結局、そういうもんだよ。
たった1人とか、所詮言葉だけ。
なんの価値も希少度も見出せない。
ただ、君たちが死んだ後の処理が面倒くさくて
死なないように、生きているように
それっぽい言葉を並べているだけって
僕は思うね。
ー世界で一つだけー
私は今週あることで頭がいっぱいになっていた。
それは部活のキャプテン決めだった。
私はキャプテンに立候補したけど、あと一人キャプテンになりたい人がいたのだ。
ああ、なれなかったらどうしようとずっと思っていたのだ。
それが頭の中でずっと悩んでいること。
いつもさわがしい私がここ最近静かだからだろう、何人かのクラスメイトに心配されることが多い。
その中で私の好きな人は何度も私のことを心配してくれた。
そしたら放課後、帰る準備をしているとき机の中を見てみると一枚の紙があったのだ。
噴き出してしまった。なんだこの下手くそな絵は。下には私の好きな人の名前が書いている。
彼が書いたのは多分だけど私の好きなキャラクターだろう。
これは彼が私にくれた世界に一つだけの絵だ。
「世界に一つだけ」
この名前は世界に一つだけ、きっと。
この気持ちは世界に一つだけ、きっと…。
あなたへの気持ちは世界に一つだけ、きっと……。
きっと…………そうなのかな…?全部ありふれたものじゃないのかな…?……ハハ…ハハハハ!
#世界に一つだけ
私の命も、君の命も、世界に一つしかない大切なもの。
そんな綺麗事を聞く度に吐き気がしてた。
だけど、やっと分かったんだ。それが本当だってこと。
君のおかげだよ。ありがとう
明るい色の布地に、当時の流行りのアニメキャラのアップリケ。
少し不恰好なシルエットのそれを、いまだに私は捨てられない。
大人になったから着けるのが少し恥ずかしいけど、母が大切に家のミシンで縫っていたのを知ってる。
世界に一つだけの、大切な帽子なんだ。
世界に一つだけ(2023.9.9)
わたしが、あなたが、どんなに頑張ったとしても、代わりはいます、世界は回ります、変わらないことも多いです。
しかし、しかしです。
私自身も、あなた自身も、世界という集合体を形づくる一欠片でありますゆえ、あなたが欠けるということは、世界が欠けるということ。
少なくとも、わたしの世界にとって、あなたは不可欠なのです。不可欠な、たった一つの一欠片なのです。
それをどうか、忘れないでほしい。
鳥のように(2023.8.21)
「私が両手をひろげても、お空はちっとも飛べないが
飛べる小鳥は私のやうに、地面を速くは走れない。」
空を見上げて、ふとそう呟いてみる。いつだったか、国語の授業で金子みすゞの詩を暗誦させられたことがあり、空を飛ぶ鳥を見つめているうちにふうっと思い出したのだ。確か題名は「私と小鳥と鈴と」。なんだか可愛らしい感じだな、なんて思いながら読んでいたのを覚えている。まぁようするに、「みんなちがってみんないい」という詩なのであるけれど、なんともおめでたい思考だな、と毒づきたくなる。自分にできない何かをできる他人を羨みつつも、自分にできることを誇る。それができる人は、きっとこの詩に素直に感動できるのだろう。では、何もできない人は、私は、どうしたらいいのか?私にできないことをできる他人に、私にさえできることができないわけがない。他人を羨み、妬み、自己嫌悪する。その繰り返しだ。
私は鳥のようにも、「私」のようにもなれない。
裏返し(2023.8.22)
これは割とどうでもいい話なんですけど。
「厳しさは愛情の裏返し」、みたいな言葉ってあるじゃないですか。
つまりは、愛情というものは表面と裏面が存在するような、薄っぺらい紙みたいなものなんですよね。
本当にくだらない話です。
海へ(2023.8.23)
「なんか、海行きたい」
夏休みも終わりがけの頃、ふとそう思い立った。
夏といえば海。そんな安直な考えのもと、何としてでも海に行こうと決意する。
それではどうやって行こうかと、近くの浜にどう行くか調べてみた。生来山育ちの私の家のすぐ近くには海などなく、細々と走る電車に揺られて30分、そこから1時間ほど歩かなければ浜には着かない。電車だけで行ける浜もあるにはあるが、そちらは電車賃の出費がなかなかに痛かった。
よし、歩くか。またも安易に決意して、最寄駅へ自転車を走らせた。
30分後、浜の最寄駅に着く。夏の暑い日、しかも家を出たのが昼頃だったので、ちょうど気温の最も高い時間帯だ。当然のことながら、酷暑の道路を歩く人影はない。
覚悟を決めて歩き始めた。この辺りの地域はほとんど訪れたことがなく、見るものが全て目新しくて楽しい。……そんなことを言っていられたのは最初のうちだけだった。
暑い。とにかく暑い。そして、思いの外徒歩1時間は遠すぎる。延々と続く田んぼと工場の間のまっすぐな道を歩き続けてはや30分、もう心が折れそうだった。
やっと、やっと海が見えてきた。水面は日の光できらきらと輝き、海鳥が涼しげに飛び交っている。浜までは、あともう少しだ。
堤防をひぃひぃ言いながらなんとか乗り越えて、浜に降り立つ。あんなに切望していた浜は、案外漂流物で雑多だった。しかし、寄せては返す波をじっと見つめていると、ここまできた苦労も水に溶けていくようだった。
帰りの1時間をまた歩いた私から感想を言うとしたら、言いたいことは一つだけ。
自動車は偉大だ。
世界に一つだけの私の偉大な功績を残そう!!
って思うことなく普通に生きてたくあんポリポリして余生を過ごしたいのが本音よ
ソファでうたた寝するのが好き。3人がけのソファにデーンと横たわって独り占めして、みんなの声が聞こえる時。
「まーた、ひとりで使ってる。ホントわがままなんだから。あんたが甘やかしすぎなんだよ」
「甘えてんの可愛いじゃん。知ってるか? 実はあいつ全部聞こえてるんだぜ」
「あの人のこと可愛いなんて言うのはあんただけだからね!」
そんなふうに文句言われて、ニヤニヤ笑いながら答える君の声が遠くに聞こえる。
文句言ってる奴も苦笑混じりで本気で怒ってる声じゃない。起きてるの、そうだよねバレてるよね。
でもそうするだけの理由があって…
「もうほら時間だよ。起こしてきてよ」
「なーんで俺が」
と言いつつ近づいてくる君。そして耳元で囁いてくれる。
「ほら起きろよ――ていうか起きてんだろ。お、き、ろ」
甘いボイスが耳に触れ、体がふるりと震える。
世界で一つだけの君の声。
僕がこの世で1番好きなもの。
▼世界に一つだけ
世界にたった1つだけ
失いたくないものがあるとしたら
" それは君の笑顔 "
ただそれだけかもしれない.
君の笑顔を守るためなら
私は何だってできる気がする.
世界に一つだけ
それは君自身だよ
君の考え方
君の感性
全て唯一無二なのに
君自身で終わらせちゃうの
3:4:3の割合を知っているかい
3割は自分を受け入れてくれる人
4割は自分のことを気にはとめない人
3割は自分を批判する人
全体的にみれば
7割は無害なんだよ
君はたった3割に惑わされて
終わらせてしまうのかい
せっかく君に会えたのに
わたしの
命
人生
身体
感情
あなたの
命
人生
身体
感情
全部
たった
一つだけ。
他の
誰でもない
あなただから
いいんだよ。
#世界に一つだけ
「あんたなんかッ」
何かを言いかけて苦しげに顔を歪めた。声を殺して泣く姿が頭から離れない。やっぱり私のせいなのだろうか。
ズルッズルッと重たい椅子を引きずって窓際まで持ってきた。椅子の上に立って少し錆びついた鍵を力を込めて外す。思っていたより大きな音を立てて外れたから、びっくりして椅子から落ちてしまった。おしりは痛かったけど1つ目の計画は成功したからよし。
もう一度椅子の上に立って窓を開ける。生ぬるい風が頬を撫で、部屋の中を荒らしていく。積み重なった紙の束やホコリが宙を舞っているのを横目にみながら、窓の外へ頭を出した。誰もいないパーキングに数台駐車されているのを確認する。車は高級品らしいからぶつからないようにどこに落ちるかを見定める。
ウンウンと唸っていると玄関の方から足音がした。
「はやくしなくちゃ」
落ちる場所は決めた。ここは9階だから生き残ることはまずないだろう。いかに迷惑をかけず消えることができるかを優先するんだ。よし。
去年の誕生日にもらったお手製の人形を抱いて窓から飛び出した。私だけのもの、世界に一つだけの私の宝物。
ずっとずっと大切にするから、一緒にいてね。
【題:世界に一つだけ】
君は世界にひとりしかいないから、君がひとりいなくなったら、君がいなくなるんだよ