『不完全な僕』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
人と目を合わせられないし
面白い話題も振れないし
流行にも疎いし
何より上手く話せない
それなのに
いっちょまえに寂しさは感じる
こんな不完全な僕を
受け入れてほしいっていう
夢ばかり見てる
【不完全な僕】
けっこう何でも出来た。勉強もスポーツも仕事も人間関係も、苦労した事なかった。羨望の眼差しに慣れすぎて気付けずにいた。
道端に咲く花の美しさや雨の降る音の心地よさ、何でもない日常の大切さ。君を通して知った。
君がいなきゃ僕は不完全。それもまた良いと思えるのも、君のおかげ。
『不完全な僕』
不完全な僕
いちいち何かと比べて完全かどうか指摘しなくてもいいじゃないか。
不完全? 別にそれでもいいよ、そんな傲慢な思考は持ち合わせていないんでね。
完璧は見せちゃいけないんだ。わかるかい?
一度できることを見せたら、次もできるんじゃないかと期待されてしまう。
ありもしない完璧という幻想に取り憑かれた人の言うことを気にしてたらきりがない。
だから僕ははっきり言うよ。
できないんだ。だから、僕に構わないでくれよ。
「不完全な僕」
人間は、完璧な存在と言えるのだろうか。
嬉しいことには喜んで。
嫌なことには怒って。
哀しいことには泣いて。
楽しいことには笑って。
そんな存在を、完璧と言っていいのだろうか。
動物たちは、生を食んで生きている。
じゃあ、人間はどうなのだろう。
ふと、そんなことを思った。
なにもない、白い部屋で、頭が可動していた。
ごろん、と床に転がる。天井の電気が眩しい。
目を瞑る。なにかが思い浮かぶわけでもない。なにかが分かるわけでもない。
ただ、ぐるぐると、先の問いが頭をめぐっていた。
人間だって、動物を食べている。
動物を狩って、焼いて、食べる。
植物も採って、加工して、食べる。
だが、それは自然的に起こる話ではない。
「社会」という枠組みのなかで、「食べる」という行動をしているものだ。
動物の、必死に死にたくないから食べるというものとはかけ離れている。
その証拠に、人間は「食べる」こと以外にも、動物を殺し、絶滅させた。
そんな、死に追いやって生きている人間を、完璧な動物だと言えるのだろうか。
目を開ける。無機質な天井が広がっている。
重い体を起き上がらせ、ベッドの縁に座る。
こういうとき、君はどんな回答をするんだろうな。
『人間は動物。じゃあ、それは不完全だね』
急に、君の言葉が思い浮かんだ。
『動物は不完全。人間も不完全。それこそが、完璧なことなんだ。』
あのときはどういうことか分からなかった。
動物が、人間が不完全だ。そういうならば、それは不完全なんじゃないか。
『生を食べるということは、生態系を繋げていくこと。大切なこと。』
でも、人間は、不必要な贅沢に殺生をしているじゃないか。
じゃあ人間は、動物じゃない。そうだろう?
『その不完全さを埋め合うのが、動物。それが自然で、最も完璧に近いこと。』
人間は不完全だから良いんだ。そう、君は言いきった。
確かに、君の言うことは正しいのだろう。
社会でも、得意不得意を埋め合いながら、業務を行う世においても。
群れをつくり、そこでポジションを決める動物においても。
でも、僕は今でも不完全なままだ。
補填する、君がいないから。
不完全さを埋めてくれるパートナーが、いないから。
だからこそ、君の言うことは、僕のなかで否定で終わってしまっている。
埋め合える相手がいなかったら、それは完璧じゃない。
『別に完璧でなくてもいいんだ』
そんなの分かっているけれど。
だけど。
君に、僕の不完全を埋めてほしい。
それだけなんだろうな。
動物たちは、生を食んで生きている。
動物は、不完全であり、そこを埋め合って暮らしている。
それこそ、完璧で。完全で。
だからこそ、不完全なのだ。
「不完全な、ボク、しもべ、やつがれ。読み方が指定されてねぇから、下僕の話も書けるし一人称が『やつがれ』な誰かの話も書けるワケだ」
下僕っつったら、猫飼ってるひとの、飼い主のことを「猫の下僕」って表現する場合があるわな。某所在住物書きは猫の画像を見ながら呟いた。
「不完全、ふかんぜん……
逆に『完全な僕』って、『何』についての『完全』なんだろうな。『不完全体僕』と『完全体僕』?」
何か複数の資格等を取る目標があって、道なかばの状態を言う、とかはアリなのかな。物書きは考え、すぐ首を横に振る。
「多分書けねぇ」
――――――
リアル法則ガン無視のおはなしです。不思議8割に申し訳程度の現代をトッピングしたおはなしです。
最近最近の都内某所、某稲荷神社敷地内の一軒家に、人に化ける妙技を持つ化け狐の末裔が、家族で仲良く暮らしておりました。
その内末っ子の子狐は、稲荷神社の祭神様、ウカノミタマのオオカミサマの、まだまだ未熟で不完全な僕(しもべ)。
善き化け狐、偉大な御狐、なにより一人前の神使となるべく、ご利益豊かなお餅を売り歩いて修行をしておったのでした。
そんなコンコン子狐には、たったひとり、3月3日のひな祭りからずっとお取り引きしてもらっている、優しいお得意様がおりました。
アパートの部屋にお邪魔して、1個200円のお餅を売って、少しお話もして、たまに余り物のお揚げさんを貰ったりして。
それはそれは、平和に取り引きしておりました。
お得意様は、雪国出身の自称ひねくれ者。藤森といいました。
ただこの藤森、前回・前々回投稿分あたりから、諸事情で自分のアパートを離れ、親友の一軒家に身を寄せているのです。
解説すれば長くなるこの騒動。要するに、昔々の初恋相手と、色々ゴタゴタあったのです。
ありふれた恋の暗い部分。しゃーない、しゃーない。
「もうっ。おとくいさん、おうち持つなら、言ってくれれば良かったのに」
そんな人間同士の揉め事など、コンコン子狐はガキんちょなので、まだまだ、ちっとも知りません。
お得意様のお引っ越し先が、自家用車持ちの一軒家であることを、自慢の鼻と御狐のチカラで探し出し、
無事「お得意様が家を持った」と勘違い。
紅白二色のお餅を持って、藤森が身を寄せる部屋に、突撃訪問します。
「おとくいさん、おとくいさん、持ち家、おめでとーございます」
コンコン、コンコン。子狐はうやうやしく、お餅を葛のカゴから出して、藤森に無料で手渡しました。
どうしてこんな事になったのでしょう。
今回のお題が「不完全な僕」だからです。
どうしてこんな事になったのでしょう。
物書きが「不完全な僕(ぼく)」のエモいエモい物語を、一度二度書こうとして大失敗したからです。
すべてはエモネタ下手な物書きの苦し紛れ。
しゃーない、しゃーない。
「あの、子狐、これは私の家ではなくてだな」
「おとくいさんの、実家?おとくいさん、里帰り?」
「実家は都内に無いし里帰りでもない。どこから説明すれば良いか、いや、そもそも説明不要か、」
「じゃあ、おとくいさん、ここのおうちの家族になったんだ。おヨメさんかおムコさんだ」
「は?!」
「おヨメさん、おムコさん、ごケッコン、おめでとーございます」
「待て。私が誰と結婚するって?」
どこからともなく神社での挙式&宴会プランのパンフレットを取り出す子狐に、
どこから間違いを指摘して、どのあたりまで経緯を説明すべきか頭を抱える藤森。
コンコンコン、待て待て違う。
ひとりと1匹のおしゃべりは、その後だいたい30分程度、続きましたとさ。
おしまい、おしまい。
不完全な僕のままでは受け入れて貰えないの?
不器用だったり
マイノリティだったり
繊細すぎたり
そんな僕はお荷物になってしまうのか。
変えなきゃと思いながらなかなか変えられないところと、
生きづらいけど変えたくないところがある。
不器用なまま僕を愛して欲しい。
どこにも零せないわがまま。
そもそも僕は本当に不完全なのだろうか。
誰が決めつけているのだろう。
僕が、僕に決めつけていたのか。
*
そんな声がどこか遠くで聞こえた気がした。
私の耳に届いた気がした。
「不完全な僕」
帰る家がある。
学ぶ場所がある。
今日の食事に困らない。
愛を与えてくれる家族がいる。
どうして僕は、こんなにも我儘で贅沢なんだろう。
何一つとして持っていない人がいるはずなのに、誰かが羨む環境にいるのに、これを手放すだなんて愚かだと分かっているのに。
この世界で、生きていたくないと、思ってしまうんだ。
僕には伸び代がある。
僕はまだ未完成で不完全。
なぜ自分でそう思えるのかというと、僕は僕の事が嫌いだからである。
「自分の事を愛せる人間になりなさい。」なんて綺麗事を大人たちは口を揃えて言ってくる。
僕は僕が嫌いだ。なぜかは分からない。
ただ、自分の事が好きになれたら楽なのではと思う瞬間がある。
思うだけではあるが。
僕が僕の事を嫌いでいるお陰で、「自分」という概念を客観視できるという利点がある。
僕の嫌いだと思っているところは、相手にもそう思われている可能性があるのだ。
いつか、こんな怠惰な自分を好きになれますようにと、切に思う。
こんなふうに思ったことすら明日には忘れているだろうから、ここに書き記しておく。
完璧な人ってのがもしいるとして
みんなそいつになったとして
僕はその中からどうやって君のこと見分ければいいのさ
不完全な僕
また、自分と他人を比べてる。
辞めたいのに癖になってしまった。
完璧な人が羨ましい。
人と比べるのを辞めたら楽なのに。
不完全な僕は明日も比べる。
不完全な僕
まだまだ成長真っ只中のこの僕が不完全なわけないよな。
まぁ、身体は成長しているけど…心はまだまだ不完全だなぁ。
心はメンタルが強くなければいけないと思うんだよ。
だけどね、やっぱメンタルは仕方ないよなぁ。強くなるには精神鍛えなきゃって話だけど…。精神力ってどうやっても無理なもんは無理だよなぁ。
精神力強くいる人がうらやましいぞ。
まだまだ不完全な部分がある僕だけど努力する!
さて、精神力鍛えるにはどうしたらいいのかを探してみようと思う。
終わり
それは 己が目指した理想の具現
目の前にいる人物が,知っている何かによく似ている けれど違うそれが。その存在に似た何かを目にしているのが何時なのか,誰に似ているのか思いあたった瞬間に息を飲んだ。
それは,目の前のこれは,何よりも己に似ている。
似ている。なんて生ぬるいものじゃない。これは自分自身の生き写しだ。正しくは数年後成長したであろう自分の姿の。
「……自分」
恐る恐るその物体に触れてみる。幻覚か夢か,それとも理解の範疇を超えた現実か。果たして伸ばした腕はすぐ比較的暖かな体温に触れた。指先と皮膚混じり合う熱は初めからそうであったかのように混じりあって境界がわからなくなる。
同じだ。なんの根拠もなくそう思う。何がと言われれば答えられないが,これは自分と同義であると そう感じた。多少の違いがあれど貌(かたち)を創る根を辿ればひとつになる。
「納得したか?」
そう喋る人物の声はやはり自分のものと同一で,けれど何故かそれより心地よい振動を伝えてきた。まるで慈しむような柔らかな音。
一方的に触れる無作法を気にもとめず視線を合わせてくる余裕は今の己にはないもので,ずっと大人な人物の冷静さが距離よりも隔てる何かの存在を示す。
「……理解した。けど,もう少し」
触れていたいと思った。いや,離れたくないと思った。急に現れたそれがまた知らぬ間に消えてしまうのではないかと危惧したから。熱を感じていたかった。
きっとそんなことは無いのだと知ってはいるけれど,せっかく手に入った唯一無二の存在から目を離すことはどうしようもなく恐ろしいことに思われたから。
「ふっ。甘えたか? なら気が済むまで付き合おう」
互いに言葉は尽くさない。必要がないから。伝わる熱が 交わる視線が 表情が,ずっと感情を映すから。
同じ気持ちなのだと理解できた。感じた恐怖は己だけのものではなくて,一瞬にして芽生えた執着もまた。
ただ頷いて。指先を絡めて首元に顔を埋める。香る知らない香水の匂いはやがて身体に馴染んで,またひとつ近づいてゆく。重なり合う鼓動に視界がゆっくりと狭くなる。
「済まない,ずっと。だから……」
「我侭だな お前は。安心しろ,違えないさ」
瞼が閉じる直前,重い口を開いて願いを掛ける。子供の我侭を駄々を,叶えろと乞う。胸に巣食う想いの色が同じなのならと,甘えてみた。
自分なら伸ばされた手を振り払えないから。そんな打算でもって滅多にしないおねだりを。
頭を撫でる掌に安心して微睡む間際 とられた掌に吐息が触れて微かな熱を感じた。それがきっとはじまりの合図だった。
テーマ «不完全な僕»
君のことが好きなのに
話すことすら怖くなる
君に笑って欲しいのに
あの人と近づいて欲しくない
僕の気持ちはいつもこう
真逆の気持ちが存在して
不完全
だけど君への思いだけは
きっと完全だと思うんだ
《不完全な僕》
#65
不完全な僕
[⚠病み]
あぁもうやだ
学校に、外に出たくない
知り合いや友達に会うのが怖い
父親からは
「お前は努力しようともしてないな」
「何でもやだやだやだやだやだやだ言って、絵なんて描いても誰のためにもならないだろ」
なんて言われてる。
俺なりに努力はしていると思っても他の人からするとそれが普通な事で「これくらい誰でも出来る」
普通が出来ないなら2倍、3倍努力しなければ何も出来ない。無駄なお金、酸素を使って家でずっと絵を描き続ける。
前までは描いていれば何もかも忘れてしまえたのに今はそれすら難しいし
何かを描いてるだけで呼吸が苦しくなったり吐き気がしたり頭痛だって襲ってくることもある
1人の時は涙も出せないのに誰かと話したり怒られたり何気ない一言や単純な励ましだけで涙が溢れて止まらなくなる
人前では泣きたくないのに、ほんの少しの優しい言葉1つだけで涙が、勝手にこぼれて行く
泣いたら心配されるし泣いたら何もかも許されるとかそんな事思ってると言われたり、もう嫌なんだよ
親に迷惑かけてその上先生や友達にも迷惑かけて勝手に病んで勝手に元気になって家に引きこもって……
完璧な自分なんてなれやしないね
今日のテーマは難しい。
〝不完全な僕〟
なるほど。
完全な僕はどんな人物なのだろうか。
この世界にはあっという間に何食わぬ顔をしてなんでも出来る人がいる。
人はその人を天才と呼ぶ。
なんでも出来る人は人生楽しいのだろうか。
ひとつひとつを着実にして身につける努力と苦労を知らないのだ。
それを善し悪しつけるのは違うから言及しないが、
私の主観的な意見は、〝つまらなそう〟だ。
良いじゃないか。
不完全な自分で。
苦しんで悲しんで人と上手く付き合えなくたって
楽しいものがなくたって
一寸先は闇だって
1秒長く生きてるだけで十分。
もし、この投稿を見てる貴方が
途方もない不安に潰されていたとして
この投稿を見てくれたのなら
貴方が私を見つけてくれた
その事実を私はとても嬉しく思う。
良いかい、人間、不完全に出来てるんだ。
なんでもできる人なんか少数だ。
周りが出来て自分が出来ないことを嘆く必要なんてない。
私は別に不幸自慢する気は毛頭ないが、
私は書くことはできるが、
それを読むのは苦手だ。声に出す音読が苦痛で仕方ない。
簡単な計算すら出来ない。2桁以上の足し算引き算でも時間かかる。
注意欠陥でよくアザを作るし人との距離を把握するのが苦手だ。
そして双極性障害で鬱病だ。
それでも生きてる。
黙読なら理解できるし、電卓なんてスマホ内に搭載されている。
人なんか断捨離してなんぼだ。
自分が心荒む原因なら関わらなければいい。
仕事間の会話しかしない。
プライベートは話さない。
仕事は仲良しこよしする場所では無いからな。
そして仲良くしたい人とだけ仲良くすればいい。
私は不完全だ。
それがなんだ。
そんなものどうでもいいだろう。
不完全だろうが、それが私なのだから。
『不完全な僕』
完全であれば、それ以上は無い。
そこに創造の余地は無く、それは知恵も才能も愛も
立ち入る隙がないことを意味する。
不完全に人は希望を見出して、愛を育み
足りない部分を補うべく進歩するのだ。
完全とは絶望である。
過去に存在した何物よりも素晴らしくあれ。
しかし、決して完全であってはならない。
不完全な世界で良かった。
不完全な僕で良かった。
不完全な僕。
完全な貴方。
僕たちの価値観の天秤は、
いつも傾いてばかり。
僕は貴方が怖い。
全き光が僕の影を濃くする。
僕は貴方の影。
「不完全だからこそ、人間は人間たり得る」
右側にある窓、そのカーテンの隙間から漏れる、昼の気だるい陽の光を浴びながら僕は言った。
「どうしたの急に」裸体にシーツを纏わせただけの彼女がベッドに横たわったまま笑う。「難しい学者さんみたいな事を言うのね」
僕は少し前に脱ぎ捨てた衣服から煙草とライターを取り出して火をつけた。
「もっとムードのある話をしたら?」彼女はよく懐いた猫のように目を細くして微笑んでいる。
「卑俗な言い方だけど、男は出すものを出すと妙に頭がすっきりするんだ。それこそ聖人君子にでもなったかのようにね。強い酒でも飲まなきゃ、今はとても愛を囁くような気分にはなれないよ」僕はフーッと煙を吐き出した。
「あら、女だってそういう時はあるわ」言葉とは裏腹に、半身を起こした彼女は僕の背中に体を押しつける。二つの柔らかいものが、ぎゅうっと潰れる感触がした。「それに聖人君子って言ったら、完璧な人間てことじゃないの。でもあなたに言わせれば、それは人としては不十分という事なのかしら?」
「君は、知識と教養を全て兼ね備えていて、人徳にも溢れた“とても良く出来た人”っていうのに、惹かれるかい? 僕にしてくれたみたいに、愛を捧げられる?」
彼女は少し考えてから口を開いた。「……無理ね」
「私は、あなたの少し強引で、少し馬鹿で、調子のいい事を言って、でも私だけを大事にしてくれるところが好き。とても好きよ」
いったん言葉を切ってから、彼女は抜け目なく言った。
「あとルックスも大事、絶対に」
「ははっ!」僕は声を上げて笑う。「いいね、欠陥のある、人間らしい言葉だ」
「ひどい事言ってる自覚はあるわよ」僕が笑いすぎたのか、彼女は拗ねたように言った。
「でもそれでいいんだ。完璧な人間ってのは、僕らみたいな奴にとってはもう人間ではないんだよ。だから純粋な魅力を感じることはできない。神様みたいな人、なんて変な言葉で片付けちまう」
僕は白い天井に向かってまた煙を吹いた。
「僕らは不完全だからこそ人間たり得る。そして惹かれ合うんだ」
急激に、後ろにいる彼女に愛を囁きたい気分になって、僕は煙草を灰皿に押しつけてからもたれる彼女の身体を抱き寄せた。
▼不完全な僕
「不完全な僕」
最後に君を隣りに置いて
これで完全と思ったら
今度は君が不完全
ねぇ、君は誰を隣りに置いたら完全なの?
僕じゃないの?
完璧な人なんていない。
それが当たり前に認知されてる世界で、僕らは不完全に生きている。
不完全な自分を認めて、咀嚼する。
そうやって折り合いをつけて生きづづけるのだ。
もちろん、それができないという人もいる。
だけど、あまり自分を責めないで欲しい。
不完全な一方で、完全に駄目な人間というわけでもないのだから。