『三日月』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
三日月
空に弧を画いて浮かぶ三日月を見るたびに、「満月よりも、三日月が好きなの」と微笑んでいた君を思い出す。
びゅうと凍える北風に怒りすら湧かない帰り道
熱くなった顔を冷やすのにちょうどいいのかもしれない
ふと、今夜は三日月
私のこの心の様に半身以上を失った三日月よ。
お前のように私も埋めたいよ。陰に隠れた光にあいたいよ。
時間がこの隙間を埋めてくれますように
#三日月
苦しめ 苦しめ おれの
この力で
おまえを
苦しみさせてやる
だれもあじわえないもの
おまえのにがみを
ぶっさして ぶっころして
われのかいかんをおまえの
をうばいとってやる
でもおまえのかいかんは
すぐにこの世からけしさってやる
三日月
光と闇があるから
三日月が見られるね
善と悪があるから
経済は回る
反比例がなければ
時は回らない。
つめたいお空
明るい水色
白い三日月が浮かんでる
これをどうにかとっておくことはできないかしら
きれいな箱にとじこめて
あつくてだるい夏の日がきたら
ふたをあけてとりだして
しずかに泳ぐの
さぱさぱ音をたてて
ときどきお手てですくってのむの
きっと清々しい味がする
つめたいお空
冬の昼間
「月の満ち欠け」という理科の単元を思い出した。
太陽の位置と地球の位置も考慮し、
〇月の明け方は三日月が見えるだの、
地球は公転しているから日食が起こるだの
そんな話だった記憶がある。
といっても、月の満ち欠けを学んでいたのは約1年前の私である。
受験を前にして、
発展問題の比較的少ない理社国は1問も落としてはならないと
自分で自分に脅しをかけていたあの頃。
あんなに必死で勉強していたのに、
1年経つとすっかり忘れてしまう人間の脳と自分の記憶力の無さに
失望してしまう。
人というのはこういうものなのだろうか。
それとも、私が面倒な脳を持ち合わせてしまっただけなのだろうか。
前に書いたように、
必死で覚えた勉強の内容は1年すれば忘れてしまう。
覚えることは決して容易くなく、何度も繰り返し苦労したはずなのに。
しかし、自分の起こした恥ずべき出来事は、5年前のことですら覚えている。
その日の気温、空の色、友人の様子、そしてしまいにはその日の食事まで賢明に覚えてしまっているのである。
恥ずべき行動と言っても、本当に小さなことだ。
自分が呼ばれたと聞き間違え、起立してしまった。それも肘でつんつんされる程度のこと。
きっと数分後には私しか覚えていないだろうし、
誰も気に留めないような、あってもなくても変わらないこと。
わかっているのに気にしてしまう。
突然フラッシュバックして、恥ずかしくなってしまう。
ほら、今も。
み…か
「なに?」
ん、、美香…
………………
ほらあれっ…
「あ…ッッ」
み…か…
ちゅ…
きッッ//
ヒヒッ//
「………ムフッッ。」
終
#三日月
【三日月】
今日の月は笑っているのかしら
それとも、泣くのを堪えているのかしら
三日月
三日月はフランス語ではクロワッサンというそうな。
その話を聞いてから、三日月が見える夜は空を見るようにしている。
月の影は、ウサギやカニ、ライオンに見えるというが、彼らも並んで三日月に座りクロワッサンを食べているのだろうか。
バターが香るサクサクの生地の美味しさを、仲良く共有しているのかもしれない。
そんなことを考えていたら、私も焼きたてのクロワッサンが食べたくなってしまった。
明日のお昼は、クロワッサンを買いに行こう。ささやかな楽しみを心に浮かべ、夜の街を歩いて帰った。
帰りの道 空を見るのが好きだから お月さまもよく見る
満月🌕は 明るくて魅力的
三日月🌒は なんだか、寂しそう
欠けているから と言う表現が そう思わせるのかな?
でも まるで見えない日は ガッカリ🙍
そう思うと お月さまは いつも 空にいて欲しいな🎵
🌕でも🌒でも お月さまは魅力的だ❗
これからも、いつも上を見よう❗
昼でも夜でま 空を見て 感謝しよう😊
こんな素敵な 景色 ありがとう
暗い夜空の中、私が眺めていたのは三日月だった。
君のニコニコした時の口に似ていたから
私はそれを見ていた。君は知らないだろうけど
私は君のことをこうやって思い出しては、
水を目から流してるんだよ
嗚呼、君と結ばれたかったな
嗚呼、またどこかで会えたらな
ー三日月ー
「三日月」
明けの空に
薄れていく三日月
あれは
夜にしがみついた
私の爪痕
「月」といえば、満月が注目されがちだけれど。
私はなぜか三日月の方に親しみを感じる。
あるけれど、見えない部分があるところ。
光の当たる部分と、当たらない部分があるところ。
光と影の割合が移り変わっていくところ。
まるで、人間みたいだ、と思う。
不完全な人間なりに、光も影も飲み込んで。
光が当たらなくても決して焦らず。
地道に小さな楽しみを積み重ねながら、生きていきたい。
三日月
三日月に関わるのってなんだろ。いまいち思い付かないな。
月見は満月だし狼男も満月の印象。現実でも創作でも満月のほうが取り上げられてる気がする。
なんもないから三日月で調べたけど聞いたことない曲やホテルくらいしか出てこなかった。
ただ三日月の関連ワードにクロワッサンがあったな。確かにあれは三日月の形をしている。
クロワッサン、あんまり食べたことないな。こうして書いてるとどんなのだったか食べたくなってしまう。でも買うほどじゃないな。
あなたが、ふと空を見上げたのは薄暮時だった。そろそろ茜色が闇に溶けて、夕日のほとぼりがすーっと濃い青色になじんでゆく。
いわゆるブルーアワー。
その独特な雰囲気の中をあなたと並んで歩く。
たまには道をそれてみよう、と入った路地裏で首尾よくにおいに惹かれたパン屋。おしゃれな紙袋に小麦のフレーバーを溜め込んで。
「あ、二日目」
「え?」
見上げているあなたの視線を辿れば、西の低い空に浮かぶ瘦せた月。
「あのね、昔のカレンダーでね、太ってく月はね三日の月」
「え、今あなた、二日って」
「月始めはね、ゼロ、イチ、ニって始まるんだよ。だから三日月は二日目。一日目の二日の月って、見えないの」
「へ、へぇ……」
そこから始まるあなたの三日月ウンチク。
「べつの宗教ではね、三日月からひと月が始まるんだよ。そういうお国はね、国旗に三日月があるの」
「三日月はね、クレセットって言うの。あのね、音楽のクレシェンドの語源」
「アルテミスがね、三日月で方角を教えてくれるの。弓の形なの。そうしたらね、迷わない」
後ろ手に組んで、たのしそうにそう話すあなた。ぶっちゃけ内容はぜんぜん頭に入らないけれど。いつの間に三日月博士になったのか。
めんどく――――、奇特な人。
面倒くさいだなんて言ってません。
言ってませんったら。
チラ、とわたくしが持っている紙袋に一瞥。
「ねえ、きみがさっき買ったパン、なあに?」
「パンですか? クロワッサンですけれど」
「んふ、それも三日月が語源」
「そうなんですね! 知りませんでした」
「あのね、国旗に三日月のあるお国と戦って勝ったの。その戦勝記念。国旗とおなじ形をたべて、食ってやったぞ! って」
「考えるものですね」
「きみのクロワッサンはねマーガリン。まっすぐなのはね、バター」
「区別のための形だったんですか、これ」
何となく、まじまじと紙袋の中身を見た。
見ただけでマーガリンは分からないのに。どうしてか、気になってしまう。
くすくす、と笑うあなたが見れたので。
まあ、良しとして。
「月始め二日の三日月。ひと月にね、一回しか見れないの。空の上に昇るとね、月の角度が変わるからね真っ暗。お月様見えないんだよ」
「エッ、そうなんですか?」
「だから見れたらラッキー。幸運。みんな使う。ゲン担ぎ。ねえ、願いごと、どうぞ」
「エッ、え、いきなりですね?」
いきなり言われると普段願っていることも、分からなくなる。そして、思い出せない。
あなたを見ればさっさと願ってしまっていて。
おいてゆかれないように何とか、何とか、絞り出す。――――明日のお掃除ですべてのほこりを一掃できますように。
……本当に、これでいいのか、わたくし。
また、くすくす。
「言えた?」
「い、言えました……」
にやぁ、と意地悪な笑顔。
これは碌な願いごとが言えていないのを見透かされている。
「あっ、あなたはどうなんです?」
「んふ、願いごとって言ったら叶わないんだよ。だからひみつ」
いつの間にか、街路灯や建物の向こうのネオンがその光彩を強くしていて。三日月だって見えやしない。
道路照明のちょうど真下のあなたは、生き生きとしている。それはもう、至極に。
わたくし、もてあそばれましたね……?
#三日月
いつもより早く起きてしまったんだ。
普通なら二度寝してしまうくらいの時間。
外はまだ夜の闇。
何気なく部屋のカーテンを開けてみた。
空に見えたのは切れ味の鋭い三日月。
これからまた満月に向かって行くんだな。
なんだか今日も頑張れそうな気がした。
空には三日月
ずっと 会いたかった
あなたとは
いつまで経っても会えない
見失った あなたの面影を
探していたけど
いつしか あなたの存在すら
忘れていってしまう
あなたを失った 三日月の夜
もう会えないって 信じたくなかった
あなたを失った 三日月の夜
もう会えないって 信じたくなかった
空には三日月
ずっと 探していた
想いは微かに
見えなくなりつつあるらしい
見失って気付いた恋しさを
時間(とき)が運び去っていく
遠い記憶の彼方に
あなたの声を聞く 三日月(こ)の夜
あなたを失った 三日月の夜
もう会えないって 信じたくなかった
あなたを失った 三日月の夜
もう会えないって 信じたくなかった
#三日月
三日月の形をした狂喜は
夜に紛れ込んでいる。
白色灯 時々 赤色
今日も今日とて安寧な一日を
さよなら
三日月の上に乗ってみたい
あの綺麗な光っている月に
あの人と乗ってみたい
月のようなあの人と一緒に
そう考えていたら月は沈んでいた
三日月
「二階堂くんが三日月狼やるんだってね」
「ああ」
「楽しみだな」
「俺と二階堂、どっちがかっこいいと思う?」
ぱちくりとまつ毛を揺らして、「それは三日月狼として? それとも男性として?」と伺う翡翠に「どっちも」と返して、ウイスキーを煽る。三日月でない丸い氷がころりと空になったグラスの中で音を立てた。くすくすと声を転がす翡翠に、俺は眉を顰めるしかない。
「なんで笑うんだよ」
「ふふ」
楽しみだなあ、とまた、心からの言葉を灯しながら。翡翠はぶすくれる俺の唇に唇を合わせた。