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三日月
「二階堂くんが三日月狼やるんだってね」
「ああ」
「楽しみだな」
「俺と二階堂、どっちがかっこいいと思う?」
ぱちくりとまつ毛を揺らして、「それは三日月狼として? それとも男性として?」と伺う翡翠に「どっちも」と返して、ウイスキーを煽る。三日月でない丸い氷がころりと空になったグラスの中で音を立てた。くすくすと声を転がす翡翠に、俺は眉を顰めるしかない。
「なんで笑うんだよ」
「ふふ」
楽しみだなあ、とまた、心からの言葉を灯しながら。翡翠はぶすくれる俺の唇に唇を合わせた。

1/9/2023, 11:17:29 PM