『三日月』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
三日月
もう欠けそうな三日月。
この月が欠けるころには
私はどうなっているんだろう
「綺麗な月やなぁ」
隣で歩く彼が呟く。
「今日三日月なんだ。俺は満月の方が好きやな。」
正直、月なんか気にしたこともない。常に下を向いているからか、、?
「ほぉ?満月の方が好きなんやな」
彼か俺の顔をのぞき込む。
「なんだよ、、。おかしいか?」
「いや、なんでもない」
はぁ?と若干キレつつも、そのまま下を向く。
彼はまた月に顔を向けていた。
暗闇の中に1人月に照らされて綺麗だった。
「僕は三日月の方が好きやなぁ。」
「なんで?」
彼のことはよく分からない。だから、知りたい。
そんな思いだけでただ聞き返した。
「んー、、。なんでやろなぁ?」
「は、、?」
「でも三日月って欠けてても綺麗やん、狡いわ。」
彼にとっては些細な事かもしれないが、その言葉は俺の心にささる。
「そっか、、。いいと思う、、。うん」
「若干引いてない?」
「確かに綺麗やな、、。」
「やろ?」
彼がこちらを向いて微笑む。
「じゃあお前は満月だな。欠けてないし綺麗やし。」
少しいじけたように言う。すると彼は
「ふは、何それ。僕のこと大好き?」
「なっ!、、そう思っとけば良いじゃん、、。バカ」
彼から返された言葉は、期待していたようで、でも
返す言葉は見当たらなくて。
「僕も大好きやで。」
雲に隠れた月が俺たちを照らした。
#三日月
長いです!長いのにちとよく分からんです!ごめんなさい!
月は美しいものの一つだと思う。
かけた月も、いつかはみちる。
見えないだけで、そこにある。
月を見ると、あなたのことを思い出す。
かけた心は、なくなったのではなくて、見えなくなっただけ。
もしまだそこに残っているのなら、
私はあなたにもう一度会えるだろうか
「みかづき」
満月になると
オオカミになるのは
オオカミ人間だけじゃないみたい
男という動物は
よっぽど
単純な生き物なのね
女もまた
月に引かれ
月に押され
ゆら ゆら
揺られながらながら
彷徨う旅人
あんなに細くなった新月
今日、月に願えば
叶うと言ったのはだれ
月に抱かれて
支配されて
生きている
わたしたちは今晩
もっとも動物にちかづく
#三日月
鏡の中に映る自分の顔は、どれも理想とは程遠い。
目も鼻も口も耳も輪郭さえも、全てのパーツに何かが欠けている。
才能も特技もこれといってなく、話上手でもなければ愛嬌すらも振り撒けない。
集団に入っては居場所を作れず、何となく馴染めずに時を過ごす。
なんてダメな欠陥品。
いつまで経っても、欠けてるばかり。
けれど。それでも。
丸く大きな満月の、輝かしい黄金には遠く及ばなくても。
「今夜の月が一番綺麗ですね」
細く鋭利な三日月の、
ささやかなる月明かりの下。
そんな優しい声が聞こえる夜に、
私はいつか出会うのだと、
今夜も夢を見続け眠りに就く。
【三日月】
三日月
お月さまは、大好きです!特に満月ね。自分の部屋から、ひとりお月見するのは大切なイベントなんです。
三日月ですか?余り好きじゃありません。特に下弦の月は、なんだか寂しげだしね。
今夜は欠けて行く最中でしたね。
しばらくは、三日月ですか〜。
では、三日月も楽しみにして眺めてる事にしましょう!
痩せてても、太ってても
お月さまはお月さまですからね!
パキッとした空気が
肺を満たして
冬の香りを感じている
雲がものすごい速さで流され
薄らと昼間の青い空に
三日月が浮かんでいる
この瞬間がとてもいとおしい
【三日月】
君は満月よりも三日月が好きだと歌った。私はそれを聞いて、、、そうか、、、と言い返すだけだった。貴方が好きだと言った三日月を見ても貴方は横で笑うことはない私からすれば今の月に三日月は存在しない。
三日月
小さい頃は
お月様には うさぎが
居たと思ってた
三日月には 住めないと
うさぎの
心配をしてた昔
可愛い時代も
あったんだなぁと
日常を少し忘れて
思いを馳せる
昔、好きで良く聴いた歌だ。
恋人との別れを描いた切なくも暖かい歌。
だから三日月をみると別れを連想させる。満月だとそんな気持ちにならないのに不思議だね。
欠けて不安定だから悲しくみえるのだろうか?
まるくて安定していても幸せとは言い切れないのにね。
「インナーチャイルみたいだよね」
誰かがそう言った。
インナーチャイルドとは内なる傷ついた子供時代の自分、自分の意識の中にいて、リアルで生きる私たちを応援してくれている自分。
全てが満ちているとき、そして、全てが影に隠れ切っている時、私たちは心身に不調がもたらされる。
つまりは、傷の全てをさらけ出しているとき。
つまりは、自分という存在が隠れきっていて、誰にも見つけてもらえないとき。
そんな時に、私達の心身は不安定になったり、不調になったり、そして苦しくなったり。
半分では裏表が半々で、自分を偽って明るく見せているようにも見える。
それが例え、苦しい時でも。
大部分が心地よく安らかな影で、自分が隠れていて、でも全く誰にも見つけてもらえない訳ではない、3日分だけ輝いているくらいが丁度いい。
傷ついた子供、傷ついた自分にとって、それくらいで丁度いい。
テーマ『三日月』
朝月夜に貴方は何を思う?
縁側で風鈴の音
もう冬だというのに
見上げれば輝く三日月
私を拒んだ静電気
今夜はスコッチパイでも食べましょうか
窓の結露に指を添えて
描きましょう 2人だけの三日月
ドアの奥の貴方には
まだまだ遠い様だった
最後に残ったのは
萎んだ月下美人と 朝焼けに光る三日月
お題 三日月
三日月
夜空を見上げれば、そこには月がぽつん、と浮かんでいた。欠けたその月は三日月と呼ばれ、月の象徴とも言われる形をしていた。
この星から見える月の見え方は、綺麗だと誰かが言っていた。本物の月は欠けてすらいないのに、その一部が影に隠れてしまって欠けているように見えるのだ、と。
欠けているのにその美しさは満月をも上回り、儚さを兼ね備えていた。
だから、と誰かは言ったのだ。
だから、たとえ未完成で不完全に見えたとしても、それが本当かどうかなんてわからない、と。
欠けて見えても、それすらもうすでに完成されているのだろう、と。
そのことに誰も気づいてはくれないんだよ、と月に座るその人は寂しそうにそう言ったのだ。
テーマ“三日月”
クロワッサンは三日月という意味だと
誰かに聞いた。
けれど、私が知っているクロワッサンは
三日月型では無く
似てる……かなぁ?という印象だった。
ひし形のクロワッサンを良く見る。
スーパーやコンビニで売っているのも
どちらかと言えば
ひし形のクロワッサンだろうと思う。
そもそも、日本では三日月のクロワッサンより
ひし形の方が多く作られているんだろうなと
思った。
闇に浮かぶ。
金色に染まる三日月。
僕は君を想ってる。
今日はあえて聞かないでおくよ。
君の応えを。
ぱちんぱちんと音がした。
硬いものを切っている音だった。
そっと覗くと、父が座り込んで、新聞紙の上で、足の爪を切っている。
襟口が緩んだTシャツと毛玉がついた短パンに、たるんだ腹のだらしない姿が見えて、ため息が出た。
友達のお父さんたちはあんな様子ではない。
皆、若くて、細身で、ちゃんとしている。
髪も黒々としているし、皺もない。
何かといえば、送迎をしてくれようとするが、できるだけ断っていた。
正直なところ、誰にも見られたくない。特に口が軽くて噂好きの子とか、SNSに豪華な旅行を載せている子には絶対、見られたくない。
敷いている新聞紙から、切った爪が飛び、床に落ちるのが見えた。
ゾッとする。
気持ち悪い。
行ってきます、の挨拶もせずに家を出た。
帰ってきたのは夕食の時間を過ぎた頃だった。
家の鍵が空いている。
怒られるかと思ったが、家の中はがらんとしていた。
不審に思って、母に連絡をすると、繋がらない。
リビングのテーブルの上には、食事の準備がしてあった。食べ始めた様子はない。
なんとなく落ち着かず、麦茶を冷蔵庫から出してグラスに注ぎ、口をつけたが飲み切らずにシンクにおいた。
母からの着信だ。
電話をとってすぐ
「どうして家にいないわけ?…なんなのよこれ」
とつっけんどんに口火を切った。
「…あのね…お父さん、急に倒れたのよ。あんたを迎えに行こうかなと言ってたんだけどね、そのあと急にね」
声が出ない。
母は続けて喋っていたが、内容がよくわからなかった。
ただ、部屋の床に、父の爪が落ちていた。
白く濁ったような色で、
三日月のような形をしている。
朝感じたような嫌悪感は感じない。
今はただ、「三日月だ」と思った。
「疲れた〜」
身体をソファーに埋めて明かりのついた天井を見上げる。
今日も、心の中で叫ぶ。
残業……キツすぎ!
入社してから二年。相変わらずの仕事量に頭がオーバーヒートしそうだ。
全く………あの上司、散々私に任せてきやがって!
次の日に上司のカツラを皆にバラしてやるんだからね。
何か食べようかな……。
でも、今はそんな気分じゃないんだよね。
「あーあ。癒しが欲しい……」
よし。とりあえず猫と犬の動画でも見てよう。
鞄からスマホを取り出して電源を入れる。
パッと光り、ロック画面が映った。
パスワードの入力を完了してホーム画面に変える。
「あ…………通知来てるじゃん」
SNSからだ。通知の主は私の好きなアーティスト。
刺激的な演奏が私の心に痺れたからだ。
SNSを開いて早速、確認。
「ライブ配信のお知らせか」
もう、知っているからそこまで重要ではなさそう。
他に重要そうなのは無いだろうか。
探れば探るほど、あっという間に時間が経った。
暫くスクロールしていると、天体関係の情報が流れてきた。
内容は今夜の月を語っているものだった。
「今夜は三日月か………」
そういえば駅から出たとき、三日月が見えた。
綺麗だなと思いつつそんなに気にしていなかった。
何となく気になる。身体を起こしてカーテンをめくる。
「わぁっ」
今日は快晴だったから星空をちゃんと観測できる。
窓を開けると冷たい風が入り込んだ。
「寒っ!」
季節を感じる。
こうやって、天体観測したのは幼少期以来だ。
確か、小三の頃に友達と一緒に流れ星を見に行った。
「何を願ってたっけ……」
忘れてしまった。いや、単に流れ星を見てただけかも。
「………夕食の準備しよう」
そう思いながら窓とカーテンを閉じて、キッチンに向かおうとした時、引き出しが開けっ放しの棚にぶつかる。
引き出しから何かがヒラヒラと落ちてきた。
薄い水色の短冊だ。
刻まれた文字を見つけて、目を丸くした。
『ギターリストになれますように』
三日月〜♪
と歌ってしまう。今は年末年始の疲れが喉に出て、歌えないけど。
満月より三日月のほうが好きだな。あの不完全な感じ。よく見ると、藍色の中にお月様を隠している。
自分のことを月に例えてくれた人がいた。ずっと心に残っている。
その人は太陽みたいな人で、遠くまで声が響く、素敵な魅力の持ち主だった。
元気かな?太陽。
また歌ったり、笑い合いたいね。
月より。
一方的に語る愛は愛とは呼べない
愛ってさ
受け取る側と
お互いに共有できた時だけ
愛と呼ぶんだと思う
それ以外のものは
一方的な『恋』に過ぎない
太陽というスポットライトで
月は周期的に顔を変える
三日月はその中でも異色
横顔のような、憂い顔のような魅力を覚える
人間で言うチラリズムのような背徳を覚える
なら
人間関係というスポットライトで
貴女も周期的に顔を変える
三日月のような魅力を覚える顔は
僕の知らない夜にしか見えない