モンシロチョウ』の作文集

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モンシロチョウ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど

5/10/2026, 2:13:07 PM

【モンシロチョウ】

春になると
モンシロチョウが出てくる

変化、成長、転機
意味としてはそういうことらしい

いつか見てみたい気もする
今の自分を変えたいから

5/10/2026, 2:12:03 PM

モンシロチョウ

「あの人はパロパロだからね」
もう70歳もとうに過ぎた所謂「場末のスナックのママ」と言う初老の厚化粧の女性は
これまた場違いな
結婚式の披露宴に着ていくようなピカピカのワンピースを着て初出勤した私に向かって小声で言った
それは注意と言うよりもあのちょっと小汚い自転車に乗っていつもやって来る、白髪の肩まで伸びている長髪のこれまた初老のお客さんの
若かりし頃のモテ具合を称賛しているかの様だった
パロパロうんとてもしっくりくるので
私は心の中で『元パロ爺』と呼んでいた
この初老同士は片やスナックのママとして
片や今は年金生活のいつも五千円札だけ握りしめてこの店にやって来る『元パロ爺』とは
昔からのお客さんという距離感が
いい距離感で喋るのだ
他のホステスと言えば
所謂ブスに属するプラス可愛げはない
貞操観念は薄い
お客に女にしてもらって来た様な人生だそうな
モンシロチョウと言うお題でパロ爺やスナックの事を思い出すなんて…たまには懐かしくて良いなと思った

5/10/2026, 2:10:09 PM

「モンシロチョウ」

 雑草ばかりが生えた広い庭を、縁側に座ってぼうっと眺めていた。少し前までは丁寧に庭を整えて、色とりどりの花を育てていたのに今は見る影もない。あなたが綺麗だと言っていた蝶たちも花がなくなってからは姿を見せなくなった。
 ふと、どこからともなく小さなモンシロチョウ蝶が飛んできた。甘い蜜などどこにもないというのに迷い込んだのだろうか。そう思いながら目で追っていると、蝶は庭を見渡すように飛び回った後、私の指に止まった。
 「——あ」
 その瞬間、あなたの気配がして、匂いがして、姿が浮かんできた。
 何度か羽を動かして蝶は再び空へと飛び立つ。そっと追いかけるように手を伸ばすが、もう届かない。
 「さようなら」
 あのモンシロチョウはきっと、あなただったのだろう。落ち込む私を見かねて会いにきてくれたのだろう。
 これが私の都合のいい考えだったとしても。

5/10/2026, 2:08:37 PM

ヒラヒラフラフラ飛ぶ様はきっと、タワーマンションから見た千鳥足の私。
あおむしのように日々這いつくばり、さなぎのように厳しさを耐えしのいだ末の千鳥足。

…つまりは、同志。

鼻歌が聞こえてきそうなほど、軽やかに歩が乱れておられる。
ちょっと深酒が過ぎましたね。
お気をつけて。


~モンシロチョウ 〜

5/10/2026, 2:07:28 PM

題 モンシロチョウ

「◾️◾️はねモンシロチョウが一番好き。」
 そう言った人の顔も声も思い出せない。
あの人の朗らかに歌う声も、眼差しも全てが不鮮明だ。
そのくせに自分の声だけは「なんでさ、もっと綺麗な蝶もいるだろう。カラスアゲハとか、なんでそんな地味なの好きなのさ」と、はっきりと聞こえる。夢だこれはただの夢。今まで幾度となく見てきたもの。
「だってなんかかわいいじゃん。」と言ってるはずの君の声はもう聞こえない。そういえば彼女は死んだらモンシロチョウに生まれ変わって気ままにフラフラと空を揺蕩うように生きていきたいと言っていた。
ふと目が覚めると扉の向こうにはモンシロチョウがひらひらと待っていた

5/10/2026, 2:06:48 PM

「モンシロチョウ」

君は好きだったよね、あのしろく、可愛らしい蝶のことを

君は笑っていたね

生まれ変わったらモンシロチョウになるって

君が空にいったあと、僕のところに一匹の蝶が来たんだ


真っ白で、可愛らしい、モンシロチョウだった

きっと、君が生まれ変わって、僕に会いに来てくれたんだね

5/10/2026, 1:55:55 PM

モンシロチョウ

 加那は幼い頃、蝶が好きだった。特にモンシロチョウが。
 彼女は美しいものを壊すのが好きだった。形をもって美の定義をされていたものたちが崩壊する瞬間に感じる背徳感、それに連なる背中がぞくっと震える高揚感に魅せられた。
 たが、物を壊すことは容易にできない。加那はまだ子どもで、誰かの庇護がなくては生きていけない。頻繁に事を起こせば彼女に疑いの目がかけられる。

 加那にとって蝶は都合がよかった。
 自然のもので、壊しても怪しまれなくて、代わりはいくらでもある美しいもの。
 踏みつける、羽をもぐ、クモの巣につける、ピンで刺す、思いつくことはなんでもした。 
 周りは子ども故の残酷な行為だと思い、気にすることはなかった。



 大人になった加那はダイヤモンドとオニキスが混ざったブローチを見ている。
 まるでモンシロチョウを題材にした蝶だった。
 加那は莞爾の笑みを浮かべながら、ブローチをテーブルへと邪険に置く。
 
 

 そして手に持っていた金槌を、モンシロチョウに叩きつけた。

5/10/2026, 1:50:41 PM

書く習慣:本日のお題「モンシロチョウ」

インターネット老人なので、モンシロチョウと聞くと強制スクロールのホラーサイトを思い浮かべてしまう。

しかし、記憶違いだったようだ。

正しくは「白死蝶」だった。

前略プロフィールっぽい感じのサイトで、友達が欲しいとか家族に恵まれなかったという内容が書かれている。読み進めていくと画面が強制的に下へスクロールされ、ホラー画像と音声が流れる。「ウォーリーを探さないで」的なジャンプスケアだ。

前略プロフィールがもう20年前という事実に驚愕し、動揺を隠せない。インターネット老人、そろそろ若者意識を手放さないと痛い人間になってしまう。現実を受け止めるだけで精一杯だ。

前略プロフィール(前略)とリアルタイムブログ(リアル)は、おそらく同年代の皆さん共通の黒歴史だと思われる。

私はガラケーの利用制限をかけられていたため、前略はできずにリアルは家のパソコンで更新していた記憶がある。何もリアルではないが、個人情報的な意味ではガラケーで更新していた同級生より安全だった。

攻めに攻めていた同級生は、盛れたプリクラをそのまま前略に載せ、本名を晒していた。

当時はTwitterが世間に浸透する直前の時期だったので、大人はFacebook、子供は前略&リアルみたいな棲み分けがなされていたように思う。逆に言えば、子供を狙う変質者は前略やリアルに的を絞って獲物を物色できる状態だ。私が気づいていなかっただけで、危険な場面はいくらでもあったのだろう。

今は子供の写真をSNSにあげる親や祖父母が問題視されている。しかし、20年前に前略やFacebookをやっていて「危ない」「リテラシーがない」と批判されていた層がそのまま歳をとってこうなっているとしたら、順当な結果と言える。

私もつい承認欲求に負けて素敵な景色やイメチェンした自分の写真をアップしたくなる時がある。写真では踏みとどまっているが、こうして個人的なエピソードを文章にしているので現在進行形で承認欲求に負けている。

しかし、承認欲求を満たすツールは不特定多数の人間だけではなくなった。今は言葉を尽くして誉めそやしてくれるGemini先生がいる。学習されてもいいかと思えるものに厳選してから「褒めてください」とリクエストして、半分自給自足するスタイルに落ち着いた。

いや、Geminiを開発したGoogleが偉大すぎる。Gemini先生に誉めそやしてもらうのは全然自給自足じゃない。他給自足、GeminiとGoogleに敬意を表してG給自足と言ってもいいかもしれない。

5/10/2026, 1:46:56 PM

モンシロチョウ

ひらひらひらひら
小さくも自由に飛ぶ姿に
自分を重ねてみて

きれいな花の間を潜り抜け
何を見つけに行くのかな

きっと
思うままに飛んで
思い通りの場所に、行くんだろう
全部を自分自身で背負いながら。

5/10/2026, 1:39:00 PM

モンシロチョウ



暗いライブハウス内に、光が浮き上がる。

ステージの上に女性が立っている。
すぅと大きく息を吸うと、透き通った歌声をアカペラで会場に響かせた。
蝶の羽のような装飾を施された白いドレスがブラックライトに照らされて淡く発光し、幻想的な美しさを放っている。

続いてステージ上に柔らかなスポットライトが当たり、舞台袖から男性が登場しピアノの前に腰掛ける。

歌い続ける女性と一瞬アイコンタクトを取ると、歌声に寄り添うようにピアノの旋律を重ねた。

曲に合わせた穏やかな振付に女性のドレスの裾が揺れる。
その様子は花畑で戯れる蝶のように可憐だった。



演奏が終わると100名定員ほどの小規模な箱に、割んほどの拍手が起こる。

ステージの照明が明るくなり、ボーカルの女性とピアノ奏者の男性がお辞儀をする。
女性がマイクを手に持ち挨拶をした。

「本日は私たちのライブにお越しいただきありがとうございます。
このバンド、最後の活動となる日にこれだけの人に集まってもらい、幸せです」
途中で感極まったのか、長い睫毛に雫がきらりと煌めく。観客から声援が飛ぶ。

「俺らの歌姫!」
「ソロでもずっと応援してるっ」

その言葉に頭を下げて続ける。
「私は夢だったメジャーデビューをします。でも、レコード会社から提示された条件はソロとしての歌手活動でした。これまで一緒にやってきた相棒とお別れするのは悲しい。凄く悩みました。そんな私の背中を彼は押してくれたのです」

ステージ上で、男性は穏やかな顔で頷く。

「これまで何度も演奏してきたこのライブハウスとも、このバンドでやるのはお別れになります。すべてに感謝の意を込めて、本日を最高のステージにします」

会場に拍手が起きる。

「今回の衣装は蝶のように新たなステージへ羽ばたくというテーマで、いつもと違う趣を施しました。みなさん気づいていただけましたか。一見真っ白なドレスのようですが、蛍光塗料を使用していて、ブラックライトを当てると発光するようになっているのです」

衣装の裾をふわりと揺らして紹介する。
ゆるやかなMCの裏で、小休止と男性がピアノの陰に客席からは見えないよう並べて置かれていたペットボトルに口をつける。

「ちょっと私もお水を飲ませてもらいますね」
女性も同じように、ピアノの陰からペットボトルを取り、一口飲む。

女性が眉を顰めて、ペットボトルを眺める。

途端に大きく目を見開き、手からボトルを落とす。
「うっ」
そのまま喉を掻きむしって苦しみ出す。

周囲の人は何が起きたかわからず呆然と女性をみていた。
彼女はしばらく苦しんで、やがてばたりとステージに倒れ伏し、動かなくなる。

「き、救急車っ」
我に帰ったピアノ奏者が叫んだと同時に、止まっていた空気が動き出す。

会場は騒然となった。






「警部、本当に彼は腕利の探偵なんですか」
若い刑事は小声で尋ねた。
視線の先では、緩くウェーブした黒髪を目元が隠れるまで伸ばした陰気な青年がライブハウスの隅で本を読んでいる。
忙しなく捜査に動き回る警察官をちらちらと見ているが、振り向かれると素早く本を読むフリをする。
知らない人間に話しかけられないようだ。正直、現場からかなり浮いている。
「そう言うな。彼の助言を得るようにとの上からの指示だ」
上司は渋い顔で答える。
「警察官ではないものに捜査情報を共有させるなんて…一体何者なんです」
「よくわからん。膨大な知識でこれまでも難事件をいくつも解決しているらしい。
探偵になる以前は有名な推理作家だったって噂だ」
渋面のまま、警部は探偵に近づいていく。

「ご苦労様です。事件の概要を説明させてもらいますね」
声を掛けられた探偵、Eはびくりと肩を振るわせ、本から視線を上げた。
「お、お願いするのである」

警部に促され、刑事が手元の資料を読みながら説明する。
「事件は午後、このライブハウスで起きました。
バンドの公演中、ステージ上でボーカルの女性が死亡。
ペットボトル飲料に混入された毒物が死因でした。

第一被疑者は、被害者と同じバンドメンバーでピアノ奏者の男性です。
状況的に意図して彼女を毒殺できたのは彼だけだと思われます。
なぜなら彼はステージ上でピアノの陰に置かれた2本のペットボトルから、毒のない方を先に選んで飲んだのです。
衆人環視のステージ上で、毒入りペットボトルを彼女に残しておけたのは彼一人です。
自分を裏切り、バンドを解散してソロデビューを果たそうとする彼女に対する殺害動機もあると思われます。

開演前にペットボトルに一本だけ毒を入れ、自分は毒の入っていないボトルを先に選ぶことで、彼女を毒殺したのだとしか考えられない。
浅慮でずさんな、すぐにバレる犯行ですね」

刑事の言葉に、警部が眉を寄せる。
「決めつけるのはまだはやいぞ。
無差別的にステージ上のどちらかを殺せればいいと考えた第三者の犯行って可能性もある。
これから鑑識や関係者、被疑者からの聴取を行いますが、一緒に来られますか」

問われた探偵は首を縦に振る。
「我輩は後方で話だけ聞かせてもらうのである」


「よう、鑑識結果を教えてくれ」
警部に問われて、ステージ下で作業中の鑑識官は手を止め話し出す。

「詳しい成分の分析は署に戻ってからになるので、今わかっていることだけ報告しますね。
まず被害者の飲んだペットボトル、内容物は市販のトニックウォーターでした。ここから確かに即効性の毒物が検出されています」

「被疑者が飲んだ方のペットボトルも押収してあるんだよな、毒が入ってなかった方」 
警部が尋ねる。

「はいそうです。こちらも中身はトニックウォーターでした」

「2つのペットボトルは見分けつくか」
その問いに鑑識官はそれが…と少し眉を顰めて続けた。
「2つは全く同じ見た目で、傷や付着物などの目印となるものもありませんでした。
内容物についてもどちらも色は透明で、炭酸の状態にも違いはなく、毒以外のものが混入していた形跡もありません。

ステージ上でお客さんに見られながら、じっくり観察する事もできないでしょうし、暗がりに置かれた二つのボトルを見分けることは不可能じゃないでしょうか」

その答えに若い刑事は目を見開く。
「じゃあ、被疑者はどうやって毒無しの方を選んだんだ」

警部が諌める。
「落ち着け、見た目で見分けは付かなくても、あらかじめ毒入りペットボトルがどの位置にあるかを把握していれば選べるだろう」

「なるほど、では次は会場スタッフから事件前後の状況を聞きましょう」




ライブハウスの控室にて、女性スタッフは緊張した面持ちで警部達の前のパイプ椅子に腰掛けた。
内気な探偵は部屋の端で本を読む振りをしている。
それに気付き、不思議そうな顔をしているスタッフへと、警部は質問を投げかけた。

「事件前後の出来事で貴方の知っていることを教えていただけますかな。特に毒物の入っていたペットボトルがどこに置かれて誰が動かしたかを知りたい」

「わ、わかりました。
ステージで飲むものはいつも出演者が自分たちで用意しています。
それを開演までそこの冷蔵庫で冷やしておくんです」

そう言って部屋の隅にある冷蔵庫を指差した。
刑事が中を覗くも空っぽだ。
スタッフは続ける。

「冷蔵庫からステージ上のピアノの陰に、ペットボトルを移動させたのは私です。
開演15分前くらいのタイミングでした。
ライブによっては演者の足元に置く事もありますが、今回はステージ全体を使った演出もあったので、バンドメンバーのお二人とも相談して、お客さんから見えないピアノの陰に置くことにしたんです」

「開演中、被害者の女性や舞台袖のスタッフからはペットボトルは見えましたか」
警部が尋ねるも、スタッフは首を横に振る。

「いいえ、うまく陰にかくれて見えなかったと思います。流石に、ピアノを弾く人には見えたと思いますが」

「それでは、ピアノ奏者の男性は開演までにペットボトルを触ったり、貴方がペットボトルを置くところを見ていたりはしませんでしたか」

うーん、と上を見て少し考える。
「それはないと思います。
バンドのお二人は開演30分前から直前まで会場外のエントランスで来客に挨拶していて、一度も舞台袖には来ませんでした。
なので、触る事も、私が会場の冷蔵庫からピアノの陰にペットボトルを置くところも見られない。
お二人が舞台袖に待機したのは、お客さんが入りステージ上が完全に暗くなった後でした。
しかも、ピアノは下手側に置かれていたが、ピアノ奏者の男性が待機していたのは反対側の上手袖です。
開演後に舞台袖から登場しているので、ステージに上がるまで、近づくことはおろか目視することさえ難しいと思います。
ライブのメイキング映像を撮ってるスタッフがいたので、その動画を見れば私の言ったことは大体確認できると思います」


スタッフの聞き取りが終了後、警部達は映像を確認した。
ステージ全体を写した映像は、開場し客が入り始めてから事件が起きた瞬間までもをはっきり捉えていた。
加えて、エントランスで挨拶をしている演者二人の映像も長尺でしっかり残っている。

これらの映像からスタッフの話の正しさが証明された。

刑事は頭を抱えた。

これで被疑者にはどちらのボトルが毒入りかを確認する目印も、時間も無かったことがわかった。
ステージ上という衆人環視の元、被害者にだけ狙ったペットボトルを選ばせることは不可能な状況だったのだ。

彼が2分の1の確率で自分が死ぬことを許容しての博打のような犯行だったのか。
それとも、犯人は彼でなく、他のスタッフやファンがバンドメンバーのどちらでもいいから殺したいと毒を仕込んだ犯行だったのか。

刑事達の議論は混迷を極めていた。



Eは少し後ろで刑事達の話を聞きながら静かに考えていた。
無差別的な犯行ではないかとの意見はどうも違和感を感じる。
だが、その正体がわからない。

行き詰まり、外の空気が吸いたくなる。




一人で薄暗いライブハウスから出ると、真っ赤な夕空が街の合間に広がっている。

道の端に咲いたタンポポに、モンシロチョウがとまった。

陰惨な事件が起きているというのに、外はのどかなものだ。
息を吐いて伸びをする。

ふと、目線がモンシロチョウで止まる。

とある知識が脳裏に蘇った。
それは一見どうでもいい雑学のように思えた。

モンシロチョウの羽はその名の通り、人間の目にはオスもメスも真っ白に見える。
しかし蝶の目には全く違って見えるそうだ。
紫外線が判別できるのだ。

オスの羽は紫外線を吸収するため、黒っぽく見えるが、メスは紫外線を反射するため、白く光って見えるという。


「紫外線……、違って見える………、トニックウォーター………まさか」

脳内で様々な情報が渦を巻く。
Eは慌ててライブハウス内に戻ると、事件直前のステージの映像を再び確認する。

「やはりそうだ」
何が起きたかを確信し、関係者をステージへ集めるため、立ち上がった。




「犯人がわかったって本当ですかっ」
ピアノ奏者の男性が詰め寄る。
Eはステージ上にピアノ奏者の男性、会場スタッフ数人、警部達を招集した。
なぜか会場の照明は落とされ、小さな灯りのみがステージを照らしている。照明室にもスタッフが待機しているのが見えた。
ステージの真ん中、被害者の倒れた位置に警察の引いた人の形をした白線があり、事件の存在を生々しく主張している。
関係者一同は緊張した面持ちで探偵を見やった。
当人は複数人からの視線に加え、大声で詰め寄られているストレスに今にも倒れそうな顔色で立っている。
「お願いしますよ、名探偵」
苦い顔をした警部に小声で囁かれる。
Eは深呼吸をすると背筋を伸ばす。

「そ、その前に貴方に確認したいのである」
そう言ってピアノ奏者の男性に、シルクの手袋をつけた手で、ステージ上で飲まれた事件の証拠品である毒入りペットボトルと、彼の飲みかけのペットボトルの二つを取り出し見せる。

「このトニックウォーターをステージで飲むために購入し、冷蔵庫に入れて置いたのは貴方だと、刑事から聞いたのだ」
ピアノ奏者は頷く。
「えぇ、彼女も僕もこれが気に入っていたんです。普段からよく飲んでいました」

「歌手はライブ中、ゲップをしないよう通常は炭酸は避けるものであるが、何故ライブでトニックウォーターを?」
Eの追求に男性は全く動じた様子を見せず、少し悲しげに目を伏せる。
「そうですね。普段はいくら好きでもライブ中は飲みません。でも今回は解散ライブでしたから。僕たちの思い出の飲み物で、最後を飾ることにしたんです」

男性の返答に、Eは顎に手を当てて、ふむと呟く。

一息あけて質問する。
「それでは、貴方達が愛飲しているという、この二つのトニックウォーターはどこのメーカーのものであるか?」

男性はわずかに目を見開いた。
その反応にEの長い前髪の隙間から瞳がきらりと輝く。

「ラベルに書いてある通り、ウィルキンソン社のものですよ。見てわかるでしょう」
「ほう、それは二つともであるか?」
「っ。しつこいな。そうだといっているでしょう」

男性はイライラした様子だ。
張り詰めた緊張が高まる。

それを打ち破るように、Eはぱちんと両手を合わせて、くるりと男に背を向ける。

「質問は以上である。ご協力感謝する。それでは、これからこの殺人者のトリックを我輩が暴いてみせるのである」


「な、何をっ」
驚く男性や関係者をよそに、Eはピアノの方へスタスタ近寄る。
そして、事件当時のペットボトルがどこに置かれていたかを刑事へ尋ね、その通りに2本のペットボトルをピアノの陰に置いた。

「皆、ペットボトルが見える位置に移動してくれ」
関係者達はおずおずと場所を移動する。
ペットボトルが見える位置は限られ、鍵盤の前、ピアノ用の椅子の周囲に人が密集する。

しかし殺人者と呼ばれたピアノ奏者の男性は、鋭くEを睨みつけたまま、その場に立っている。

それに構わず、探偵は話し続ける。
謎を前に、普段の気弱さは何処かへ行ったようだ。

「今からライブの始まりと全く同じ照明を再現するのだ。この事件は無差別的な毒殺などではない。明確に被害者を狙った殺人だ。これがその証拠である」
Eはそう言うと、照明室のスタッフに手を挙げて合図を出す。
照明が消え、次にブラックライトが幻想的にステージを照らす。

「あっ」
会場スタッフの一人が声を上げる。
その視線の先を追った警部も息を呑んだ。

ピアノの陰に置かれたペットボトル。
その一本だけが幻想的な青い光を放っていたのである。

発光しているのは事件当時、ピアノ奏者が飲んだペットボトルで、被害者の飲んだ毒入りのペットボトルは暗いままだ。
2本の違いは一目瞭然となっていた。

「これは…一体どういうことだ。中身は同じトニックウォーターでそれ以外のものは含まれていないはずなのに」
刑事が呆然と呟く。

Eは口元に微かに笑みを浮かべる。
「実はこれは、トニックウォーターに含まれる『キニーネ』という成分がブラックライトに反応しているのである。

キニーネの分子には、紫外線を吸収して目に見える青い光を放つという特別な性質があり、暗い場所でブラックライト、つまり紫外線を当てると、液体全体が神秘的な青色に発光するのだ」

「では、なぜ毒入りの方は同じトニックウォーターなのに光らないんだ?」
刑事が尋ねる。

「ピアノ奏者はこれをウィルキンソン社のものだといった。それが事実だからだろう。
キニーネという成分は、本物のキナにしか含有されていない。
ウィルキンソン社やサントリー社等の一般によく出回るトニックウォーターはキナは使用せず、香料などで代用している。
だから光らなかった」

光るボトルを指差して続ける。

「一方でこの光っているトニックウォーターのように、本物のキナを使った本格派の商品ももちろん存在する。例えば、フィーバーツリー社のものは、日本でも輸入食品店等でよく取り扱っているのであるよ。

彼のものが光ったと言うことは、わざわざウィルキンソン社のボトルに、フィーバーツリー社などの別の会社の商品を入れていたことになるのだ」

男はわなわなと震えながら探偵の話を聞いている。

「よく考えたと思う。キニーネは毒物でも何でもないし、トニックウォーターに含まれていて矛盾はないものだ。成分が検出されたとして、ブラックライトで発光すると言う特性を知らなければ、犯行の目印に使われたと気付くのは難しい。

これを見れば、毒が入っているペットボトルの識別は容易であるということがわかるであろう」

「そんな!そんなのは知らない、ただの言いがかりだっ」

「貴方が先ほどついた嘘。二つのボトルに入っているトニックウォーターは同じ会社であるというのは、成分を分析すればよりはっきりするのだ」

男は言葉に詰まった。
唇を噛み締め、俯く。

「でもなんで…殺すなんて、そんなに憎んでいたの」

思わずといった様子で、女性スタッフが呟く。
彼女をきつく睨み、男は叫んだ。

「違う!愛していたんだっ。美しい彼女を、この場所を、この時をどんな形でも永遠にしておきたかった。
僕から離れ、変わってしまう彼女なんて、見たくなかったんだ…」


男は言い終えると、諦めたようにがっくりと項垂れた。





犯人を逮捕した後、警部は探偵が人知れずぼそりと呟く声が耳に入った。

「…ふむ、今回はなかなか刺激的なトリックであった。
タイトルをつけるならば、モンシロチョウ毒殺事件だろうか…」

何て不謹慎な。この男にとっては被害者や遺族痛みなど目に入らず、謎を解明することに楽しみを覚えているだけなのだろう。

そう思い、苛立ちを感じたが探偵のお陰で犯人逮捕に至ったのも事実なのでぐっと飲み込む。

しかし、モンシロチョウというのは言い得て妙だと思う。
輝く瞬間を永遠にしたいという犯人のエゴにより未来を奪われた被害者の女性は、まるで殺され美しいまま標本に貼り付けされた蝶のようだと感じたからだ。
警部は羽ばたくことのできなくなった彼女に目を閉じて、静かに黙祷した。

5/10/2026, 1:36:57 PM

春の終わり、花壇の土はまだ少し冷たかった。

四年二組の

モンシロチョウ

みたいに落ち着きのない風に、白い花びらが揺れていた。

「なんで私がやらなきゃいけないの……」

佐倉ひなのは、じょうろを両手で持ちながら小さくため息をついた。
担任の先生に「しばらく花壇係お願いね」と言われたのは、ほんの三日前。
本当は放課後なんて、友達と帰って、アイスでも食べていたかった。

なのに毎日、校庭の端っこの花壇。

夕陽。
湿った土の匂い。
濡れたスニーカー。

「お姉ちゃん、そこ、かわくよ」

突然、後ろから声がした。

振り返ると、小さな男の子が立っていた。
まだ制服もぶかぶかで、名札には「朝倉 湊」と書いてある。

一年生だった。

「……別に、お姉ちゃんじゃないし」

「でも四年生でしょ?」

湊は笑った。
その笑顔は、白い蝶みたいにふわっと軽かった。

次の日も、彼は来た。

「お水、ぼく持つ」

「重いよ?」

「へーき」

全然へーきじゃなかった。
じょうろを抱えたままふらついて、危うく転びそうになっている。

「ちょ、貸して!」

ひなが慌てて支えると、湊は嬉しそうに笑った。

「ありがとう」

ありがとうを言いたいのは、こっちなのに。

それから毎日、二人は花壇にいた。

最初はただの暇つぶしだった。
でも、気づけばひなは放課後を待つようになっていた。

湊は、なんでも楽しそうに話した。

校庭で見つけた四つ葉のクローバー。
給食のプリン。
空の雲がクジラに見えたこと。

小さいくせに、変に大人びた顔をするときもあった。

「ひなちゃんは、海すき?」

「え?」

「ぼく、海行ってみたい」

その願いは、夏休みに叶った。

ひなの母が車を出してくれて、四人で小さな海へ行った。
湊は波を怖がりながら、それでも笑っていた。

「しょっぱい!」

「海なんだから当たり前でしょ!」

二人でびしょ濡れになって笑った。

秋にはゲームセンター。
冬には映画館。
水族館では、クラゲを見ながら湊が言った。

「死んだら、こんなふうに漂うのかな」

「なにそれ、気持ち悪い」

ひなはそう言って笑ったけれど、胸の奥がざわついた。

湊は、病気だった。

重い心臓の病気。

それを知ったのは、クリスマスの少し前だった。

病院の白い廊下で、ひなは偶然聞いてしまった。

「次の冬を越せるかは……」

大人たちの声は小さかったのに、世界が壊れる音みたいに響いた。

どうして。

どうして、この子なの。

ひなは病室に入れなかった。
泣きそうになる顔を見られたくなくて、廊下の椅子に座り込んだ。

しばらくして、扉が開いた。

「ひなちゃん」

湊だった。

点滴をつけたまま、それでも笑っていた。

「……来てたんだ」

「うん」

「ねえ」

彼は窓の外を見た。

冬空を、一匹の

モンシロチョウ

が飛んでいた。
季節外れの、弱々しい蝶。

「ぼくね、一年だけでよかった」

「なにが」

「ひなちゃんと遊べたから」

その瞬間、ひなの中で何かが壊れた。

「よくない!」

思わず叫んでいた。

「一年じゃ足りないよ……! 全然足りない……!」

涙が止まらなかった。

湊は少し困った顔をして、それから静かに笑った。

「でも、ぼく、すごく楽しかった」

春になる前、湊は亡くなった。

二年生の教科書は、一度も開かれなかった。

葬儀の日。
ひなは泣かなかった。

泣いたら、本当に終わる気がしたから。

数日後、学校の花壇へ行った。

去年植えたパンジーが咲いていた。
じょうろを持つ手は、少しだけ大人になっていた。

水を撒いていると、白い蝶が一匹、花の上に止まった。

ひなは小さく笑った。

「……また手伝いに来たの?」

蝶は答えない。

ただ春の風に揺れて、空へ飛び立っていった。

5/10/2026, 1:34:41 PM

僕を囲むこの白の壁が
一面の紋白蝶だったらいいのに

5/10/2026, 1:33:35 PM

死ね

死ぬ

やっちゃおれん

やりようがない

モンシロチョウ

やりようがない

もう終えたいよ 

ここは日本なのか…

おれは、日本人なのか…

何目的だよ…

5/10/2026, 1:28:18 PM

モンシロチョウ

幼い時はモンシロチョウって可愛いよね
今はなんなら気持ち悪い

なぜだろう
見えなかったものが
見えてくる

子供の頃って
素敵だよね
見えない世界で私もずっといたかった

5/10/2026, 1:27:53 PM

モンシロチョウ

いつも私の頭上を飛ぶ。

君はどこに行くの?

君の世界にも優劣はある?

君の世界にも美醜はある?

君の世界にも貧富はある?

君も、羽を繕って、オシャレするんだよね。

5/10/2026, 1:26:31 PM

ひらり。ひらり。
二羽のモンシロチョウが、仲良く舞っている。
蒲公英の上で寄り添い、桜の間を摺り抜けながら。
「まるで、わたしと貴方みたいだね」
仲睦まじい二羽を見て、わたしは昼の陽の眩しさに目を細め、そっと手を伸ばした。
すると。
そのうちの一羽が、わたしの指先にふわり…と留まった。
「すげぇ…お前、チョウを操れるのか?」
吃驚顔の貴方。
「うぅん、偶然だよ。ほら、行きな。もう一羽が寂しがってるから」
遠くで羽ばたいてたチョウが、わたしに近付いて来た。
再び寄り添うと、二羽はわたしと貴方の頭上で輪舞を踊った。
それを見ていた貴方が、わたしの手を取り、そっと口づけを落とす。
「俺達も、あのチョウのように踊ろうか」
「うふふ…お手柔らかにお願いするわ」
皐月の青空の下。
二人が踊るのは、花の円舞曲。

5/10/2026, 1:25:42 PM

クレヨンが走る
すいすい、くるくる
大好きな色を大好きな形で
紙の上で飛び交う
ひらひら、ふわふわ
紋白蝶、紋黄蝶
カラスアゲハも仲間に入れて
八つ折りいっぱいにデザインされた
遠い夏休みの思い出
虫取り網を持って駆けてたあの子は
今も太陽みたいに笑ってるのかな

5/10/2026, 1:25:22 PM

朝、ふたりで歩いたときに、小さな白い花が咲いて、モンシロチョウが飛んでいた。あまりにも、春。

5/10/2026, 1:21:24 PM

はなみです。

明日、久しぶりに主治医に会います。

病院に行ってきますね!

私、やはり、久々なので心細いです。
知らない誰かであっても応援してくれたら
すごく嬉しいなぁ。と、思います。

よかったら、心のなかで
私のために、応援してやってください。

とりあえず、明日頑張ってきますね!

くまこちゃん、パンコちゃん、パンタ君も
応援してね!

今、私とパンコちゃんとは、喧嘩中だけど…。

私の方から、パンコちゃんからの言動に、
嫌な事があって、
距離を、置いてる感じです……。

そう、ゲームの中のパンコちゃんと
私は喧嘩したのです…。

パンコちゃんだけでなく、自分の分身とも
喧嘩中です……。私の方から距離を置いてるので
また変わってるかもしれないので
いつかは、2人の為にも、私の心の傷が癒えてからでも
いいから、起動するべきですね…。

その頃にはもう二人も冷静になって
仲直りしたがってるかもしれない。

でも、完全に傷を癒さないと、またイライラして
2人と、喧嘩になるかもしれないのでね。

まだまだ、起動はできませんね……。

2人も、そのほかの住民も
私が急にいなくなることで
何かあったのか察してくれるといいですけどね…。

なーんて!今は、病院の事を優先に
考えるべきですね!

もう、トモコレのソフトは
知り合いに返したのでないですしね。

とにかく、行ってきて
心に余裕がある時にまた
更新します。

もちろん、知らない人に公開するみたいなものなので
話しても、事件にならない、話しても問題がない
内容だけになりますけどね。

よろしくお願い致します。
頑張ってきますねー!

5/10/2026, 1:12:56 PM

目の下の黒子が大嫌いだったの。
ウエディングドレスに墨を落としたみたいだって。
あなたはそれを紋白蝶と言うのね。

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