『モンシロチョウ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私は、なにをやっているんだろう。
私は、なにが好きだったんだろう。
どんだけ、頑張ってみても
満足出来ないのは
ここが、私の好きな場所じゃ
ないからかなんだ。
いつの間にか、自分で自分の
羽根をむしり取って
人の目につかないように
自分の色を隠して…
だから、こんなに苦しかったんだ。
けど、選んだのは自分だから
ここに、居続けたんだね。
もう、やめよう。
ちゃんと、心の声を聞こう。
ありがとう、さようなら。
私、自分の好きな場所に
飛んで行きます。
だって、こんなに空は青くて
いつだって、飛んで行きたいって
願っていたんだから。
【お題:モンシロチョウ】
白くて可愛いモンシロチョウ。
柔くて脆い小さな命。
そっと捕まえて籠に入れた。
蜘蛛に食べられてしまわないように。
人に殺されてしまわないように。
空腹で死んでしまわないように。
私が大事にしてあげようと。
3日後、モンシロチョウは籠の中にいなかった。餌をやる時、うっかりして飛んで行ってしまった。
外敵にも襲われず、雨風を防げ、空腹も満たせるこの環境の一体どこに不満があったのか。なんて、愚問か。
此処には自由がない。生物の一番重要な子孫を残すという欲求が満たせない。
短い命を安心安全に燃やすより、危険を犯して相手を探し子孫を残す。それが、自然の生き方。
生物の本能に抗う本能を持った私とは、自由も他人も外の世界も、怖くて堪らない私とは、まるで違う。
白くて凛々しいモンシロチョウ。
強くて儚い小さな命。
ふわりと差し出した指にとまる。
私の方が力も身体も大きいのに、
握れば容易く潰せてしまうのに、
寿命だってはるかに短いのに、
私よりずっと、活き活きと生きている。
「あ、蝶々!」
『お、あ、ははっ君の帽子にとまったよ』
「え、え、本当?笑」
『モンシロチョウ、だっけ、いいね。
菜の花畑に、君、そしてその帽子に蝶。
かなり絵になってる。、かわいい』
『ちょっと待って、はい。こっち向いて』
カメラをこちらに向けた。
カシャ
「へへっ、、照笑、良い感じ?笑」
『うん、良い感じ』
「あ、飛んでった」
2人で蝶を目で追う。
行っちゃったね、と見つめ合う。
『僕たちも行こうか』
どちらかともなく手を繋ぐこの瞬間に私はいつもきゅんとしてたりして。
蝶々はまあ好きだけど、蛾は嫌いという人は多い。かくいう私もその1人だ。
蛾は、形や色や動きが気持ち悪い、夜中に光に集まってきて不気味、あと名前も何か音が汚い。などなど、とにかくマイナスイメージが強い。…でもそれは、ほんとうに全ての蛾に当てはまる特徴なのだろうか?蝶々には全く当てはまらない特徴なのだろうか?
気持ち悪い蝶々もいるし綺麗な蛾もいるのに、身近にいる蝶々…モンシロチョウや蛾…ノシメマダラメイガ(家に出る小さいのはこれらしい)に対するイメージだけでよく知らない生き物全体の好き嫌いを簡単に決めつけてしまうのは、少し勿体ないことなのかもしれない。
虫以外にも、私たちは無意識に同じことをしているのではないか、とたまに不安に思う。せっかく世界はこんなに広いので、色々なことに興味をもって、先入観だけで好き嫌いを決めてしまわないように生きたい。
見えなくなった
いつからか
消えてはいない
はずなのに
目線のせいか
気持ちのせいか
心の忙しなさを無くしたいから
その羽ばたきで見惚れたいよ
モンシロチョウ
ーモンシロチョウー
最近、外を出るとモンシロチョウを見かける。
モンシロチョウを見つけるたびに、暖かくなったんだなと
感じるようになった。あまり虫は得意な方ではないけど、
花の周りをひらひら飛んでいるのを見ていると、私も飛んでみたい
と思ってしまう。飛んでいるのを想像すると、すごく気持ちがいい。
いつか、バンジーでもしてみよう。
その翅を透かしたあなたはすっかり自然と化してゆく。甘い甘い液をストローで口に運んで。
せっかくたっぷりと入れたのに。
「もう、いらないのですか」
「うん。おなかいっぱい」
「……もう少し、食べられませんか」
「んーん。いらない」
私室から出なくなったあなた。
カーテンを開ければ透き通る白さが儚い。あなたの髪も肌も何もかもが白く、すべてに吸収されて奪われてしまってゆくようにさえ思えてならない。
窓辺の縁に手を掛けてぼんやりと外を見つめて。
こうなってしまってからは、あなたの世界は籠のようになってしまった。
飽きもせず、飽きることもなく、羨望のように。
時折ぼそっと呟くあなた。
「もっかい…行きたいなぁ」
それが永遠に出来なくなった口ぶりで、そう言う横顔には影が落ちて、カーテンに隠されたり。
わたくしに気づけばいつも通り――――に見せかけているスマイル。気怠そうに声を弾ませながら、あそこに行きたいあれがしたい、と。
楽しそうに。
寂しそうに。
切実に。
けれどわたくしはどうしても胸騒ぎが、ここからあなたを出してはいけないと。
ぼろぼろと涙を流すあなたにわたくしはとても後ろめたい。
「……そろそろ暑くなってきましたから、紫蘇ジュース、どうですか?」
「うん」
「メロンフロート好きだったでしょう?」
「うん。ありがと」
そうやって少しずつ、少しずつ。
なんだか、国語の教科書が、道徳が、時間の無駄だったとわたくしを罵るように。
#モンシロチョウ
『モンシロチョウ』
ひらひらと飛んでいる
春を告げて回っている
あっちに
こっちに
忙しなく
その命は短いけれど
命の限り
春を告げている
「生物植物系少なめなこのアプリとしては珍しい」
3月からアプリ入れてるが、今まで生物植物ネタっつったら4月17日付近の「桜散る」程度だし。
某所在住物書きはスマホの画面を指で流しながら、過去出題分の題目を確認している。
「どうハナシに組み込もうかねぇ。第一印象としては無難に『あっ、蝶々』だろうが、他は蝶柄の小物とか、『バタフライ』エフェクト?」
モンシロだと思ったら別の蝶だった、なんてのもアリかねぇ。物書きはメモ帳アプリを開き……
――――――
今朝は酷い地震があったようですね。皆様いかがお過ごしでしょうか。今日は今朝の揺れとモンシロチョウを、ひとつふたつ、テーマにしたおはなしです。
都内某所、某稲荷神社敷地内の一軒家に、ひとに化ける妙技を持つ化け狐の末裔が暮らしていて、その内末っ子の子狐は、星とお花とキレイな物が大好き。
ふかふかお布団にふかふか枕、お気に入りの小さな宝箱と一緒に、今朝もすーすー、寝ておりました。
ところが例の、4時16分。床がトンと跳ねました。
「地震だ、じしんだ!」
夢の中で母狐自慢のおいなりさんを、もう少しでパックリ食べられる筈だった子狐。突然揺れて、起こされて、びっくり。ぐるぐる部屋の中を走り回ります。
「どうしよう!どうするんだっけ?!」
机の下に隠れましょう、頭をひとまず守りましょう。コンコン子狐、いっちょまえに人間の言葉は話せるものの、狐なので、避難訓練の習慣がありません。
揺れがおさまってからもぐるぐるぐる。しばらくの間、子狐は部屋の中を走り回っておりました。
『あら、ご無事?』
子狐の部屋の窓から、1匹のモンシロチョウが、ヒラヒラ入ってきて言いました。
『そんなに走り回っては、落ちてくる物に頭をぶつけるし、きっと転んでしまうわ。落ち着かなきゃ』
ヒラヒラヒラ。モンシロチョウは子狐の、小ちゃなおはなに下りてきて、羽を広げて言いました。
「チョウチョさんが、しゃべってる」
自分のことは棚に上げて、コンコン子狐、白い羽をキラキラおめめで見つめました。
『怖い裂け目に吸い込まれて、別の世界から落ちてきたの。その矢先の地震だから、踏んだり蹴ったりね』
「チョウチョさん、踏んだり蹴ったりしたら、死んじゃうよ。危ないよ」
『そういう意味じゃないの。あなた、さては「蝶よ花よ」なんかも言葉そのまんまで受け取るタイプね。
いいわ。蝶は不死と復活、開放の象徴。少しだけ、あなたを無知の束縛から開放してあげましょう』
まず地震が起きる理由、それから揺れた時に起こり得る事故。なるべく日頃から準備をしておくべき根拠。
私も昔々、とても大きな揺れに巻き込まれてね。
息子はすごく大きくなって、「被災者を一人でも救いたい」って、今救助隊をしているのよ。
父狐が子狐の部屋にやって来て、モンシロチョウを美しい虫かごに入れ、『世界線管理局 密入出・難民保護担当行き』と書かれた黒穴に送り出すまで、
子狐は言葉を話すモンシロチョウから、地震と防災、それから歴史のおはなしを、時折居眠りしながらも、お行儀よく、聞いておりました。
「モンシロチョウ」
この世に別れをつげた 優しい誰かの魂が
私の肩にとまってる
みくさんへ
10日間ありがとう。みくさんとは最初恥ずかしくて話しかけられなかったけど今は普通に話せるようになったね!みくさんと10日間話せて嬉しかったよ。みくさんは保育士に向かって頑張ってね。あやも保育士になるからどこかで会えたらいいね。それか一緒の場所で働けたら嬉しいね。あやは高校卒業までに彼氏作りたいから頑張るね!みくさん早いけど5月19日お誕生日おめでとう。みくさんが遅番の時に一緒になんかしたかったけどバイトでできなかったけどあやの目の前でご飯食べながらおしゃべりしたりして楽しかったよ。ありがとう。みくさんは優しくて可愛いよ。お世辞じゃないよ。とても10日ってあっという間だったね。もっとちょっといて欲しかった。1ヶ月でも2ヶ月でもいて欲しい。あやが卒業するまでいて欲しいぐらいみくさんの事好きだよ。自習生さんが来た中で1番みくさんが好きだよ。あと1年ないけど学校卒業頑張ってね!どこかで会えたらいいね。あやのこと覚えといてね。あやもみくさんの事を覚えとくから。
モンシロチョウ/
ちっさいころ言ってた
『もんしろちょうちょ』
久しく見てないから
見たいなって思ってて
そしたらこないだ居たよ
晴れの日
駅前の大理石のオブジェに
鱗粉のまぶさるさらさらした翅(はね)
葉っぱみたいな脈のすじ
細い細い細い触覚
白くて こまやかで
息をしてて
ちっさいころ友だちだったものは
(もう触れもしないけど)
こんなに綺麗な生きものだった
モンシロチョウ
私はとあるお店のアルバイター、通称「A子」
お客様対応が私のお仕事。
と言っても、バイトを初めてまだ一ヶ月しか経ってないけど。
最近はお仕事に慣れてきて、高圧的なお客様もみられて、とにかく怒らせないように細心の注意を払って対応する。
そんなこんなで、まだお叱りを受けたことはないが
中の方では、あまり上手くいってない。
前提として、私は争いを好まない。
だから職場の人間関係にはかなり気を遣う。
職場では、うっすらとグループのようなものが出来ていて、私も入ろうと思えば入れるのだろうけど陰キャの私は、話す内容が出てこないため、無口になっていた。
気を遣って話しかけてくれる人もいるのだが、
会話が続かないような回答ばかりしてしまっている
自分が嫌いだ。
モンシロチョウ
昔、幼少の頃、昆虫キットが売られていた。
昆虫に注射針を刺して、よくわからない液体を入れた。
親から与えられ、おもちゃとして、昆虫で遊んだ。
こうやって、脳みそのコントロールはされていく。
気をつけないと
休憩するのにちょうどいい花がある。
モンシロチョウがその花にとまろうとしたとき、アゲハと鉢合わせになった。
モンシロチョウは、どうぞとその花を譲る。
アゲハは「ありがとう」と美しい羽根をヒラヒラと翻した。
「あのときのお礼」
と、恋人ではない彼女はぼくにキスをした。
揺れる前髪がヒラヒラと美しい。
モンシロチョウが飛んでいる。
いいなぁ、ふわふわしてて気持ちよさそう。
青空の下の綺麗なお花畑で飛べるなんて、モンシロチョウもさぞかし嬉しいだろうなぁ。
─── 私も、今から飛びます。
来世はモンキチョウがいいかな笑
視界の端に
白い君が
ふわりと舞う姿を見付けた
ああ
なんていい春だろう
【モンシロチョウ】
小学生の頃、学校で育てていた何かの植物に
いつの間にかサナギがくっついていた。
自分の中で、それを観察するのが日課になっていた。
放課後も観察していたある日、
サナギが微かな音ともに割れ始めて
ゆっくり、じんわりと白い羽の蝶が現れた。
羽化の瞬間に立ち会えた奇跡がうれしくて、
その日はスキップしながら家に帰った。
モンシロチョウ
その婦人は、花をこよなく愛でている。
瑞々しい花々は、蝶を呼び込む。
決まってそれは、白き蝶。モンシロチョウだ。
だが、その婦人は、少々変わった人柄をしている。
幼き頃に、それこそ蝶よ花よと育てられたそうな。少々子供っぽい面がありつつ、気難しい。
あるときから、その婦人の呼び名は──。
「もんしろの蝶さん! こんにちは!」
「はい、こんにちは」
子供たちが下校する時間帯、紋白蝶の婦人は花に水をやっていた。
最初にそう呼んだのも、どこかの子供だった。
大人達は、婦人の怒りを買うのではとヒヤヒヤしたものだ。
しかし。それこそなぜか、「紋白蝶」を気に入ったらしく。
以降、名乗る際にはこう言っている。
「紋白蝶、という呼ばれ方もあるんですよ、私」
不思議なものだ。
「蝶よ花よ」で育った人間が、蝶を名乗り花を愛でる。
ところで。
紋白蝶の花に誘われてくるのは、なぜか決まって白き蝶だ。
それは、モンシロチョウを知れば知るほどの謎になる。
──綺麗な白のモンシロチョウは、決まってメスなのだ。
これまで、オスのモンシロチョウは現れていない。それはなぜか。
誰も、思いやしないのだろう。
紋白蝶の婦人が、モンシロチョウを育て、メスである白き蝶だけを、外に放っているなど。
──はてさて。謎は深まるばかりだ。
私も、あのモンシロチョウになって、ふわりふわりとあなたの元へ行けたなら。
〜モンシロチョウ〜