『プレゼント』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
10月31日 私の兄の誕生日だ
毎年プレゼントは何がいいかってソワソワしてた
質より量を好む人だったから
よくお菓子を箱いっぱいに詰めて渡してたっけ
お返しは毎年帰ってこないけど 毎年渡してた
家族に 兄にプレゼントを渡すのが好きだった。
けど いつの日か 兄は変わってしまった
もうあげる物もない 話すことなんて何も無い
2年の辛抱 やっと 兄は高校を卒業し実家を出た
私が結婚したら式には来るのかな ああ嫌だ
どうしたって血が繋がっている
似ていく顔を見るのが たまらなく苦しい
なのに
私の口からは度々兄の話が出てくる
幼少期 私の大切な1人の兄であった記憶は
どう頑張ったって変えられない
今もまた こう思い出しては辛くなる
どうして私よりも幸せそうな顔で生きてるの
ノンフィクション
ありがとう。これからもずっと、よろしくね。
プレゼント
『プレゼント』
はあ、いちばん嫌な季節。幸せに満ちた2人組の横を通り過ぎていくと同時に、あなたとは結ばれないことを痛感してしまう季節。いちばん、心が冷え込む。
「ねえ、」
放課後、いつものように勉強していたわたしは、誰かに声をかけられて、振り向いた。
「クリスマスなのに1人で勉強してんの?悲しいヤツ」
「あんたも一緒でしょ」
「それを言うな」
隣に座った彼。苦しいだけなのに、なんでわざわざこんなこと。どうにかして彼をこの場から追い出したかった。私の傷口に塩を塗らないで。余計、わかってしまうでしょう。でも彼は残酷で、楽しそうに話を始めるのだった。
「あ、そうだこれ。あげる」
「……ん?…なんで」
「ほら、いつもお世話になってるから」
「…ええ………」
「なんだよ!」
「いや、…ありがとう、わたしも今度持ってくるね」
「よっしゃー!」
不意に手渡されたものは、綺麗にラッピングされたプレゼントのようなものだった。唖然として、言葉を紡ぐので精一杯で、今なら槍が降っても不思議には思わない。プレゼントを開けてみていいか聞くと、いいよと返ってきたので、そっとラッピングを剥がす。美味しそうなお菓子のパッケージが顔を覗かせた。
「え、美味しそう」
「良かったら食べてくださ〜い」
「……ありがと」
外を見ると、雪が降っていた。やけに寒いと思ったのは、そのせいなのか。…いや、本当は少し温かさすら感じている。もう、今のわたしは何が何だかわからない。
どうか、雪が深く深く積もりますように。きっとそうしたら、私の想いも隠してくださるでしょう。そうしてまた、何事もない日常がやってきますように。
今日は一年に一度の誕生日
家族みんなでお誕生日会をする
お父さんとお母さんとお姉ちゃんが一人一人、私にプレゼントをくれた
お父さんは、一冊の本を
お母さんは、真っ白であたたかいマフラーを
お姉ちゃんは、私の大好きなブランドのリップを
一瞬で、全部私の宝物になった
でも一番の宝物は、もうもらってるの
私が生まれたその時に
私の愛する家族から
「あいな」って名前をもらってる
「プレゼント」
神様が、私にくれたプレゼント。
健康な身体。
ポジティブな考え方。
努力する才能。
恵まれた親。
素晴らしい友達。
もう、考えたらキリがなくて、一つ一つなんてとてもあげられない。
でも、一番のプレゼントは。
この、ちっちゃな、可愛い、娘。
おバカだし、反抗期で口ばっか達者な割に行動が伴ってないけど。
でも。
親バカだって分かってるけど、私にとっては、世界で一番可愛い子。
神様からの、最高の、最大の、プレゼント。
神様、有難うございます。
お題『プレゼント』
カリステの聖堂で挙式を終えてから数ヶ月後のこと。
「ご懐妊ですね」
主様夫妻にそう告げたルカスさんは、おめでとうございます、と付け加えた。
「あらあら、赤ちゃん。よろしくね」
そうお腹に話しかけている主様と、旦那様——かつてパイ屋で働いていた青年——はニコニコと微笑みあっている。
「フェネス、何で泣いてるの?」
「だって、桜の木に登って降りられなくなったあの主様が、お母さんになるだなんて、俺、胸がいっぱいです」
「やだ! それは忘れてってば!!」
このなごやかな光景は、この屋敷への、そして俺へのプレゼントなのかもしれない。
プレゼントは誰に渡す?
さぁね?誰に渡すと思う?
プレゼント。
以前は貰う側か、自分へのご褒美的なニュアンスが強かったけど、今はプレゼントすることの楽しみも覚えた。
大人になったということだよねえ。
大人になりすぎて、もうすぐまた一年歳とりますけど。
あーもう
クリスマスプレゼントに
休みをくださーい
貴女は、人へ贈り物をするのがお好きですね。
これを選んだら、どんな顔で受け取ってくれるだろう。
こちらの方が、あの子の好みには合うかしら。
そんなことをぶつぶつ呟きながら、様々な品物を眺める貴女はいつでも楽しそうで、俺はとても嬉しい気持ちになります。
人を幸福にすることが、貴女にとっての幸福でもあるということは、何より素晴らしい美徳であり、幸せの一つの極致だと思うのです。
お前が生きているという事実が、最高のプレゼント。
だからなにもいらない。お前がいればいい。
【プレゼント】
プレゼント
もらった方もあげた方も嬉しいのがいいね
プレゼント
いくつになっても嬉しい
送ったり貰ったり
大きさではない
金額ではない
送りたくなる様な人
相手にとっても
そんな自分でありたい
明日届けにいくね
もうすぐクリスマス。
恋人もいない、家族と過ごす予定もない。
クリぼっち、ってやつだ。
自分の慰めと、
自分へのプレゼントを。
今年のクリスマスは、
少し楽しくて、寂しかった。
二万円、我が予算!
財布の紐、解放!
君に相応しいプレゼントは決まった!
欲しいは欲しいけど自分のお金で買うのはちょっとためらうと言っていた、前衛的なぬいぐるみ!
買いに行きたいけど、子供っぽくて入るのがちょっと恥ずかしいと言っていたお店の、キュートな限定ぬいぐるみ!
そして、発表時から絶対に買いたいと熱く語っていた、例のイラストレーターの新作画集特典付き!
喜べ、クリスマスプレゼント、三連弾ッ!
今年の君はとっても頑張ったから、お姉さんちょっとだけ奮発しちゃったぞ!
気にしなくて大丈夫、君は今年、メチャクチャ偉かったからね!
それを称えてのことだから、自分自身を誇りに思うといいよ!
さあ、気の済むまでプレゼントを存分に楽しみたまえ!
2024年最後の最高のプレゼントは貴方の笑顔だった。
今日は友達の吹奏楽部クリスマスコンサートだった。素晴らしい演奏でとても楽しかった。だけど…だけどあの人の顔をもうちょっとだけ見たかったな。とか想っちゃったりして。そしたら…サンタさんからのプレゼントかな。あの人と目が合って…その後一緒に遊んだの。友達はいっぱい居たけれど…最後はしっかりお話できたし笑顔でバイバイって…サンタさんありがとう。
クリスマス、子供の頃は枕元にプレゼントがあって、
1番幸せな日だった。
サンタさんはもう来ないけど
君というプレゼントがあるから幸せだね
「プレゼント」
今日はついに引越しの日だ
だいたいの荷物はトラックに積んである
「あとは…」
君から貰った腕時計を手に取る
君が去年のクリスマスにくれた物だ
「これは、着けておこう」
君が最期にくれた物を身に付けて
僕は君人の思い出の家から1歩踏み出す
あなたと一緒に過ごせるだけで
最高のプレゼントなの私にとって
今年のプレゼントは何がいいかな
店から店へ探す僕
私が編んだ大きな靴下
これにあなたは入るかしら
プレゼントなんですラッピングして
有料のやつで豪華にね
千のプレゼントより嬉しいものは
あなたの心よ私に頂戴
「わぁっ!ぴょんちゃん〜〜〜!!♡」
目を輝かせる末の妹と、
「やったーー!」
真ん中の妹。
そんな微笑ましい会話を端で聞くわたし。
「あれ?はるちゃんのはないの??」
と、末の妹。
「中学生になったらもうなくなるん?」
と、真ん中の妹。
「うん、まぁ。」
曖昧な返事しか返せないわたし。
“サンタさん”の存在を、お母さんに教えて貰うまで、私は“サンタさん”の存在を本当に信じていた。
心の底から。
だが、小学校6年生の頃、真実を伝えられた。
『サンタさんは居なくて、親がプレゼントを置いている。』
(これはあくまでわたしの家での話であって、全家庭が、とは言いきれない為、サンタさんは親だなんて思わないようにして欲しい。)
びっくりして、わたしは言葉が出なかった。
それから月日は流れ、中学生になった。
もうサンタさんの正体の話は頭の片隅に追いやられるくらい、私の生活は充実していた。
そんな中訪れた12月。
「あき、お任せがいいんだって」
「…え?」
何を言われているのか、初めは分からなかった。
「クリスマスプレゼント。でも、ぴょんちゃんの腕時計がいいんだって。」
「…嗚呼、そうなんだ。」
漸く理解した頃には、もう話がだいぶ進んでいた。
「これとこれ、どっちがいいと思う?」
「こっちの方が可愛い。」
「やっぱり?」
私の中では、サンタさんは親ではないとまだ信じていた。
否、信じようとしていた。
それすら呆気なく砕け散った。
そして今、クリスマスの朝のこと。
(家ではイブの日の夜にプレゼントが届く。)
プレゼントを貰い喜ぶ2人を尻目に、わたしは何も感じてません、とでも言うかのような顔をしていた。
わたしだけ、プレゼントが貰えないんだ
分かっていた筈なのにそう感じている自分が居ることを知って、嗚呼、わたしはまだ信じていたんだなと思った。
「晴乃。(ハルノ)」
「なぁに、お母さん。」
妹たちが2階に遊びに行った頃、お母さんは私を呼んだ。
「いつもお姉ちゃんしてくれてるし、勉強と部活、大変そうだけど、がんばってたから。」
そう言ってお母さんは私に小さな箱をくれた。
「…ありがとう、」
驚きで口がふさがらない。
「開けてもいい?」
「もちろん」
嬉しさと驚きが入り交じった顔で、私は箱の蓋に手をかけた。
────── パカッ
「…!」
箱の中には、ネックレスが入っていた。
私は途端、笑顔になる。
そして、母を見上げた。
「メリークリスマス、晴乃」
母はにこりと笑い返してくれた。
# プレゼント #5