『プレゼント』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
「リリスモン、君にコレを」
そう行って彼、ワイズモンが渡してきたのリボンがラッピングされた小さなプレゼント箱だった。
「え、コレ‥」
「今日は、クリスマスイブだろう、少し早いがプレゼントにと思ってね」
「ワイズモン…あなた‥」
彼等はリリスモンがウィッチモン、ワイズモンがウィザーモンのときからの幼馴染であり、故郷である『ウィッチェルニー』にある魔法学園で一位二位を争うライバルどうしだった。
‥まぁリリスモン(当時はウィッチモンだったが)が勝手に思っていただけだったようだが。
「…開けてもいいかしら」
「ああ、‥こういうのは初めてでわからず、リリカたちに助けてもらったんだ」
「これ‥!」
箱の中には愛らしい小さな花が散りばめられた髪飾りが入っていた
「君に似合うんじゃないかとおもって‥‥、リリスモン?」
リリスモンはプレゼントの中をみてずっと固まっていた。
「‥‥やはり私からのは気に入らなかったかい。まいったな、慣れないことはやはりするものじゃないな。すまない気に入らなければ捨てるなり何なり‥」
「な!そんな事するわけ無いじゃない!!!」
「!?」
おおきなこえで否定した。
「貴方がこういう贈り物することに驚いただけで、別に気に入らなかったわけじゃないわよ!嬉しいに決まってるじゃない!!」
「そ、そうか」
「そうよ!!もう、言わせないでよ!!」
顔を真赤にしながら言うリリスモン。怒って赤いのか、恥ずかしいことを行ったような気がして赤いのかわからなくなってしまった。
「‥ねぇ、着けてみてもいい?」
「あ、ああ、もちろん」
そう言うとのリリスモンはその花の髪飾りを頭につけた。
「ど、どうかしら」
「うん、よく似合ってる」
「ふ、ふん!当たり前でしょう!私は色欲の魔王、似合わないものなんて無いんだから!」
「ん?ではなぜ私に聞いたんだい?」
「〜〜っ!もう!ちょっとは自分で考えなさいよ!」
「??」
「‥ねぇワイズモン」
「なんだい?」
「プレゼント、ありがとう」
「‥‥ああ」
「ねぇ、このあとヒマかしら?プレゼントのお礼がしたいの」
「そんなの別に」
するとリリスモンはワイズモンの腕を無理やり取った。
「うるさい!この私がしたいっていってるのよ!ありがたく思い付き合いなさい!」
ワイズモンの腕に逃さないというふうにしがみつき睨みつけるリリスモン。
それに負けたというふうに「仕方ないな」と言うワイズモン。
「それで、君はどこに行きたいんだい?」
「取り敢えずリアルワールドいきましょう。クリスマスのイルミネーション見てみたいわ」
そして二人はリアルワールドに向かった。
美しいクリスマスのイルミネーションを見に。
Merry Christmas
「ねぇねぇおかあさん。おかあさんたちはサンタさんからプレゼントなにもらうの?」
『プレゼント?ん〜秘密かな。プレゼント楽しみ?』
「うん!すっごくたのしみ!」
『ふふ♪じょあ今日は早く寝て明日に備えましょ』
〜〜〜次の日の朝〜〜〜
「やったぁ!サンタさんからのプレゼントだぁ!」
『あら、欲しいのは貰った?』
「うん!ちゃんとほしいものもらえた!」
『嬉しい?』
「うん!すごいうれしい!あかあさんはなにもらったの?」
『そうねぇ、、、今貰っているわよ』
「え!じゃあちかくにサンタさんいるの!?」
『ええ、近くに小さなサンタさんがね♪』
Theme:プレゼント
クリスマスに合わせて甥っ子にプレゼントを贈ることにした。
会う機会はほとんどないけれど、たまには叔母らしいことをしてみよう。
と思い立ったはいいものの、小さな子どもと接する機会がほとんどない私には、何を贈ればいいのか思い付かない。
男の子が好きそうなミニカーとかプラレール?
今流行っているアニメのキャラクターグッズ?
いっそ妹に子どものおもちゃが掲載されてるギフトカタログを送ってしまおうか?
…どれもいまいちしっくり来ない。
さんざん悩んだ末に、私はいつも出かけるボードゲーム専門店に出かけた。
今の流行りや小さい子が喜ぶものはわからないけど、ボードゲームならちょっと自信がある。
家族みんなで楽しめるボードゲームを探してみよう。
1時間ほどショップを歩き回って、私は小さな子でも楽しめそうなボードゲームを購入した。
ラッピングしてもらい、クリスマスに届くよう配達を依頼する。
妹夫婦はボードゲームをあまり遊んだこともないので、メッセージカードと一緒に遊び方を簡単にまとめて同封した。
果たして、喜んでくれるだろうか。
そして迎えたクリスマスイブ当日、妹から動画が贈られてきた。
甥っ子と旦那さんが2人でボードゲームで遊んでいる。甥っ子のはしゃいだ声に旦那さんの穏やかな声が聞こえる。
どうやら、楽しんでもらえたようだ。
「ボードゲーム初めてだったけど面白いね、ありがとう!」
という妹のメッセージが動画に添えられていた。
甥の笑顔が、私への最高のクリスマスプレゼントになった。
プレゼント
自分へのプレゼントを用意した。机だ。
折り畳み式の背が低めの机で、作業しやすい。
買ってよかった。
ベッドサイドにおいて、膝に毛布を掛ければこたつのように使える。
冬の過ごしやすさに投資するのが一番QOLに貢献できる気がする。
来年のプレゼントはどうしようかな。
プレゼント
私の誕生日はクリスマスイブの前日だから毎年…というかプレゼントがクリスマスと誕生日のセットにされることが多い
僕は門限をあんまり守ったことはない。
遊んでいると、時間はあっという間に過ぎるから仕方がないんだ。
いつも怒られるけど、門限が早すぎるのが悪い。
友達の家は五時なのに、ウチは四時半。
お母さんにも言った事あるけど、ヨソはヨソ、ウチはウチって言って変えてくれなかった。
今日も門限を五時半に家に帰ると、お母さんの様子がおかしかった。
お母さんがリビングで泣いているんだ。
いつもは怒るのに、なぜ泣いているんだろう。
「お母さん、どうしたの?」
「たっくんが悪い子だから泣いているの」
「門限守らなかっただけじゃん」
「それは悪いことだよ」
声がしてビックリして振り向くと、知らない男の人が立っていた。
「誰?」
「サンタクロースだよ」
「嘘だ」
だってサンタクロースは赤い格好をしているけど、男の人は黒い格好している。
サンタクロースじゃない。
「本当だよ、たくやくん。
もっとも私は悪い子のところにやってくるサンタクロースだけどね。
クネヒトって呼んでくれ」
クネヒトって名乗った男の人は、ボクをじっと睨む。
コイツは多分悪いやつだ。
お母さんを守らないと。
「よくもお母さんを泣かしたな」
「それは言いがかりだ。泣かせたのは、たくやくん、君だよ」
クネヒトは意味不明なことを言う。
「どういう意味?」
ボクは門限を破ったけど、泣かしてはいない
「私はね、悪い子を連れて行くのが仕事なんだ」
連れていくって言葉に、ボクはドキッとする。
「君が悪い子だから、お母さんは泣いているんだ」
「ボクは悪い子供じゃない」
「本当に?」
クネヒトはボクの目を見てくる。
まるでボクの心の中を読もうとしているみたいだ。
「門限を守らないことは、悪い事だよ。
そして今日も守らなかった。
違うかい?」
「それは…」
ボクは答えに一瞬つまる。
「それは…。門限が早すぎて守れないんだ」
「なるほどね。それは仕方がない」
クネヒトは納得したようにうなずく。
大丈夫かもしれない。
「じゃあ、お母さんの方を連れて行こう。悪いのはお母さんだからね」
「それは―」
「クネヒトさん」
泣いていたお母さんが、僕がしゃべるのを遮る。
「この子を連れて行かないでください。
私が悪いんです。この子は悪くない」
ボクはショックを受けた。
なんでお母さんはそんなことを言うんだ。
「分かった。お母さんの方を連れて―」
「待って」
ボクは大声を出して、クネヒトを止める。
「悪いのはボクだ。お母さんは悪くない」
「たっくん…」
お母さんはボクが守る。
「これは困ったな。どうしようか」
クネヒトは困っているようだ。
「ホーホーホー。あんまり意地悪するもんじゃないぞ、クネヒト」
声の方を見ると赤い格好をしたおじいさんが立っていた。
「サンタさん!」
ボクは思わず声を上げる。
「ホーホーホー。
たくやくん、安心しなさい。
クネヒトは、君もお母さんも連れて行かないよ」
「本当?」
「ホーホーホー。本当だとも」
サンタさんは優しく笑っていた。
「ホーホーホー。
確かに門限を守らないのは悪いことだ。
でもお母さんを守ろうとするのは、とてもいい事じゃ」
サンタさんは僕の頭を撫でてくれる。
「ホーホーホー。
君は本当は優しくていい子だ。
儂はちゃんと見ておる。
だが、門限を破るのはいけないな」
「うん」
ボクは頷く。
「ホーホーホー。
クネヒトは君を連れていくつもりは最初からないんじゃ。
たくやくんが、最近悪い子だから注意しに来ただけなのじゃよ」
「そうなの?」
クネヒトの方を見ると、彼は黙ってうなずいた。
「ホーホーホー。
じゃあ、明日からちゃんと守るんじゃぞ」
「分かりました」
「もし守らなかったら、私が来て、君を連れて行くからね」
「わ、分かりました」
「ホーホーホー。
じゃあ儂らは用事が済んだから帰ろうかの」
そう言って二人は帰ろうとする。
「あ、待って。えっと」
プレゼントは?って言おうとしたけど、やめた。
だって、サンタさんの言う通り、最近悪い子だったから。
もらえるわけがない。
でもサンタさんは僕の心を読んだように、優しく微笑む。
「ホーホーホー。
たくやくん、これからお母さんのお手伝いをしなさい。
そうすれば、今夜プレゼントを持ってきてあげよう」
「分かりました」
ボクは元気よく答える。
お母さんの方をみると、ちょっと笑っていた。
「ホーホーホー。
もうお母さんを困らせては駄目じゃよ」
「はい」
その答えに、二人のサンタクロースは満足したようにうなずいた。
「ホーホーホー。
いい子でいるんじゃよ。
メリー クリスマス!」
プレゼントを与えられたその人は、はたして本当に喜ぶのだろうか。
むしろ迷惑なのでは?全く興味がないかもしれない。
渡した際に、この戸惑いの気持ちすら伝わってしまい、
嫌われてしまうのではないだろうか?
「兄ちゃん、サンタさんからプレゼント、来ると思う?」
「うーん、お兄ちゃんには来ないかな。いい子じゃなかったから。でもきっと君には来ると思うよ。ずーっといい子にしていたからね!」
「いい子だから早く寝よう」と、何か言いたげにした弟をぎゅっと抱きしめる。納得のいかない顔でむぐむぐ言った弟は折れてくれたみたいで口を閉じた。
サンタなんて、そんなことは知らなくて良いんだ。僕たちは、弟はずっと必死に生きて、瓦礫の中にいても生き延びてきたのに、今まで1度もサンタが来なかったのはおかしいよ。
そんな存在は知らなくていいんだ。君はずっといい子なんだよ。
「あの子たち、ちゃんと寝てる?」
「寝たと思う」
「オッケー、これとこれ、バレないように置いてきて」
「分かった」
お題:プレゼント
【プレゼント】
今ね、たった今ですよ
明日あなたにプレゼントが届きま〜す♪
って嬉しい知らせをいただいたんですよ
自分で自分に宛てた贈り物なんだけど
一目惚れしたあの子はお高くないけど
決してお安くはない子だったから
本気で何日も迷って考えあぐねて…
で、結局ポチッとしたわけです
大切な人と「事」を理不尽に失った、
この特別な1年をしっかり生き抜いて、
年齢も勤続年数も節目を迎えた自分を
ちゃんと認めて褒めたかったから
というわけで、明日私のもとには
ネコネコサンタさんがやって来ます
ああ、プレゼントが待ち遠しいなぁ〜
あ、いや、後日請求書も届くんだけどね
「メリークリスマース!!」
時刻は午前八時。
通勤通学中の人が行き交う道に大きな声が響き渡る。
声の方を見ると、赤いサンタ服を着たお兄さんが立っていて、ニコニコと街ゆく人々に声をかけていた。
皆歩く足を止め、サンタ服のお兄さんの周りに集まっていく。
もちろん私も例外ではなく、足を止めてその様子をぼんやり眺めていた。
「あ、今年もいるんだ。街のサンタさん。」
ひょっこりと急に現れたのは、学校でよくつるむ友人だった。
神出鬼没なのはいつもの事なので、正直今いきなり出てこられても驚きはしない。
『街のサンタさん?』
「ここ数年、有名なんだよね。」
友人はガサゴソとポケットからスマホを取り出し、目にも留まらぬ速さで操作していく。
「クリスマス近くになると、子供から大人までみんなにプレゼントをくれるんだよ。」
『へー……誰でも?』
「もちろん!中身はお菓子が入ってるの。去年あたしも貰ったよー。」
目の前に出されたスマホの画面には、赤い箱に緑のリボンで装飾された箱があり、中に入っていたであろうクッキーと一緒に写っている。
『美味しそう。』
「美味しかった!!手作りらしいんだよね。」
『どこかのお店のじゃないんだ。というかその人パティシエか何か?』
「正体はわかんないんだよね……SNSとかでも色々考察されてるし。名前もわかんないから、みんな街のサンタさんって呼んでるの。」
そんな正体不明な奴のお菓子を食べて大丈夫なのか、とだいぶ心配になったが、去年もらって食べて、今の今までピンピンしているので大丈夫であろう。
チラリともう一度サンタに視線を移す。
笑顔で人に愛想を振りまいている。接客業が向いてそうな人だ、とサンタを目の前にして夢の無いことを考えていると、友人が「あ!」と言った。
『何?』
「プレゼントなんだけど、たまに当たりがあってね。」
なんの事やらと首を傾げていると、友人がまたスマホを操作し画面を見せる。
「プレゼントをくれる時に、リボンの形のブローチも一緒に貰う時があるの。」
『リボンのブローチ……』
画面を見ると、リボンのブローチの写真がSNSで投稿されていた。
冬向けの記事で作られたリボンで、色は様々だが固定で結び目のところが少し黒い。
ワンポイントになってたしかに可愛らしい。
『で、これを貰うと何かいい事あるの?』
私が尋ねると、友人は待ってましたといわんばかりに、腰に手を当て咳払いをして、一言。
「なんでも欲しいものが手に入る。」
自信満々に答えられたが、その言葉に目をぱちくりさせてしまった。
『は?いやそんなわけ……』
「でもそうなの!!現に私の入ってるサークルの先輩が貰って、欲しかったコスメ手に入ったんだってさ!!」
キラキラと目を輝かせながら熱弁されるも、非現実的すぎて頭に入ってこない。
アホらしくなり、学校へ向かおうと熱弁する友人を置いていこうとした瞬間、急に目の前に何かを差し出された。
「メリークリスマス。こちらをどうぞ。」
先程まで綺麗な笑顔を振りまいていたサンタさんだ。
いつの間に自分たちの所まで移動してきたのだろう。
目の前には水色ボックスに緑色のリボンが飾ってあるプレゼントが差し出されている。
静かに受け取ると、もう一箱渡してきた。
『二つ?』
「そこの友人の分。でも君にはこれもあげちゃうね。」
そう言って差し出されたのは……
白いリボンのブローチだった。
『え、あの。』
「君、いい子そうだから、プレゼントになんでも貰えるチャンスをあげる。」
『あ、ありがとうございます?』
ふたつの箱で両手が塞がれていたので二箱とも片手に持ち替え、リボンも受け取る。
その時にサンタの顔を見ると、少し息を飲んだ。
サンタの顔がにっこり笑っているようで、目は笑っていなかった。
光の加減もあるのか、顔も暗く見えてしまって余計に怖い。
「これを肌身離さず大事に持っておいてね。」
『あ、え、あの。』
「あとは、君が欲しいものを願って過ごしてくれれば、欲しいものが手に入るだろう。」
欲しいものが……手に入る。
「それでは……素敵なクリスマスを。」
ヒラヒラと手を振りながら、サンタは先程居た場所へ戻って行った。
「良かったねー!!ツイてるじゃん!!」
友人は自分の分のプレゼントを受け取りながら、キャッキャと騒ぐ。
あの顔を見てしまったので、本当にもらって良かったのだろうか、などと考えながらリボンに目を移す。
「どうする?つけて学校行っちゃう??」
『いや、しまっとく。』
貰ったリボンとプレゼントを持ってたエコバックにしまって、学校へ向かった。
数日経ち、ついにクリスマス当日。
リボンを貰ったことなどを忘れて、家でくつろいでいた頃。スマホに着信が入った。
『はい?』
「もしもし~!!私!!今日暇なら遊ばない??せっかくのクリスマスだし~」
友人からの電話。
いつも通り他愛もない会話をしていくんだろうな、と思い話していた。
「そういえばさ」
『ん?』
「欲しいもの届いた?街のサンタから。」
咄嗟に言われてキョトンとしてしまったが、すぐに思い出した。そういえば、と電話を片手に近くの棚を漁る。
『いや、何も届いてない。』
「あれぇ、そうなんだ。」
プレゼントで貰ったお菓子箱を開けると、例のリボンのブローチが出てくる。
手に取って改めて見ながら、ずっと思ってた疑問を呟いた。
『というか、住所も何も書いてないのに、どうやってプレゼントを届けるの?』
「まぁ……それはなんか住所録的なのとかかな?今あるかわかんないけど……」
『私名乗ってないんだよ?ただリボンを渡されただけ。どうやって……』
友人も分からなくなり、何も言えなくなったのだろう。
無言の時間が訪れる。
リボンをいじっていると、ふと変な感触がした。
『……ん?』
「どした?」
リボンの結び目部分が異様に固い。
飾りの固さというよりかは、中になにか入っているような。
『ちょっと待ってね。』
私はハサミを取りだし、リボンの結び目部分を切ろうとした。
しかし、やはりと言うべきか、切れない。
布のせいとかではなく、明らかにリボンの中に固い何かが入っている。
このままじゃ中を確かめられないので。ハサミの刃を器用に使い、リボンを解体していく。
無惨になったリボンから出てきたのは、
『……レンズ?』
「え?」
黒く小さい丸いレンズがついた物体。
そしてこれはどう見ても……
『カメラ……』
「は?なんで??」
もう一度バラバラのリボンを見ると、もう一つ細長いものがでてきた。
『これは……何、細長い……』
「と、盗聴器だったりして……」
友人がふざけたように言うが、正直笑えない。
もし、カメラと盗聴器だとしたら、あの魔法のようなプレゼントにも納得が行く。
予めカメラと盗聴器の入った、リボンを身につけさせ、動向からその人の家や欲しいものを探り、プレゼントしていたのだろう。
『でも、いまいち目的が分からない……』
「そういえばさ、前に同じようにリボンブローチ貰ったサークルの先輩がいるって話したじゃん?」
『あぁ、コスメ貰ったんだっけ。』
「話詳しく聞きたいなって思って連絡してるんだけど、ずっと返事来なくて、サークルにも顔出てないんだよね。」
徐々に冷や汗が出ていく、頭の中で嫌な想像しかできない。しかし、そんなふうに考えてる余裕もないので、どうするべきか思考をめぐらせる。
「それ、結構やばいのかな。」
『とりあえず、交番に……』
ピンポーン
玄関のチャイムが鳴った。
「誰か来た……?約束でもあったの?」
『いや……誰とも……してない。』
とてつもなく嫌な予感がする。
一人暮らしのため、他に確認してくれる人はいないので、自分で見に行くしかない。
ソロリソロリと玄関へ向かい、ドアスコープを覗く。
すると宅配のお兄さんが荷物を持って立っていた。
どうやら実家から仕送りが届いたようだ。
胸をなでおろし、友人の電話を一度ミュートにしてから、ドアを開け対応する。
さっきまで怖い話をしていたからか、重い荷物だけどその場に置いてもらい、自分で入れることにした。
宅配のお兄さんが去ったタイミングで、へなへなとその場にへたりこんだ。
張ってた気が抜けたのだろう。
さっさと入れてしまおうとドアを開け、荷物を持ち上げた時、後ろに気配がする。
恐る恐る振り返るとそこには、
この前のサンタさんが立っていた。
「こんばんは。」
#プレゼント
#プレゼント
君からの手紙
俺にとっては世界一のプレゼント
プレゼント
プレゼントという言葉には、事前に準備されたという意味があるそうだ。
大事な人に贈るために、これは似合いそうだとか、こっちの方がいいかなとか、迷いながら選ぶ時間はとても楽しい。
もちろんプレゼントをもらうことも嬉しいけれど、プレゼントを選び、受け取ったあなたの顔を想像していると自然に口元がほころぶほど、幸せな気持ちにさせてくれる。
Present for you. Thank you for everything.
#128
毎年 クリスマスと誕生日には
私があげたいものを”プレゼント”する。
希望を聞いた方が喜ぶのかもしれないが
”プレゼント”はサプライズにしたいのだ。
何にしようかな?! ワクワクして用意する。
子供たちは今日 10時に帰宅予定。
ケーキを食べてクリスマス会。
喜んでくれるかな?!楽しみだ♪
ウキウキ、ワクワク
プレゼント
サンタさんにお願い届いたかな
今頃トナカイさんのソリは
お空のどの辺を駆けているのかな
子供の頃のサンタさんへのおねだりは——
叶えられたことが、ない
冒険小説が欲しかったのに、図鑑だったり
「プレゼント届いていた?」
と満面の笑顔で訊く両親に、
いたしかたなく小躍りつきの喜色を演じた
考えたら、これもまたプレゼントだ
……少し切ないけれど
喜んでもらえるプレゼントは、何かな
そう考える時間も
楽しいプレゼントをもらった気分だったな
色んなお願いあったなあ
『アンパンマン』の時は、パパが
「パン屋に売ってるな」とボソリと呟き、
ホントに買ってくるなよと釘さしたっけ
『ドラ○もん』と書いてあった時には
こっちが欲しいわ! とツッコんだ
段々とゲンキンなお品物になり、
しまいにはギフト券がいいとかね……
可愛げが——もとい、
立派になったもんだ〜
ついこないだ、冗談めかして
『P○5欲しいなー、新型の』
と言われましたよ
まったく呆れちゃう
銀だこ持って様子見に来たのはそのためか
というかキミは幾つになったんだい?
むしろお母さんに買ってくれ!
パソコン買い替えしたから我慢したんだぞ!
……現状、是が非でも遊びたいソフトは
ないけれど(もう少ししたら、出る!)
いま、本当に欲しいもの
それは——
柔らかくて温かい、老猫ちゃんたちとの時間
加齢によるネコ科がほぼ発症する病気で
どんどん食欲が落ちて
子猫時代の体重に戻りつつあるけれど
ずっと変わらず可愛くて優しい子たち
指先に乗せたチュールを
目を細めて舐めてくれる日が
一緒にお外を眺めようと誘ってくれる日が、
どうか少しでも長く続きますように
……そんな、みんなの願い
ちょっとずつでも叶ったら、いいな
サンタさんに、今度こそ届きますように——
品物だけじゃなくて。
これを選んでくれた時間も、
今日の日を前々からセッティングしてくれたことも、
くれる時に言ってくれた言葉も、
全部ひっくるめて私へのプレゼントだよ。
ラッピングのリボンの色を決める時にもきっと、私のことを思い浮かべてくれたんだろうな。
ありがとう。
けどごめん、実は私、プレゼント用意してないの。
でも、今すぐに贈れるものはあるよ。
目つむって。
あと、届かないからちょっとだけかがんで。
じっとしててね。
ぜったい、目開けちゃダメだよ。
じゃあ、いくよ――――
「クリスマス、誕生日、多分バレンタインにホワイトデー、それからお年玉。……ハロウィンはプレゼントじゃねぇよな」
そもそも「プレゼント」を渡すタイミングって、1年の間に何度あっただろう。某所在住物書きはお題の通知文を見ながら、ふと考えた。
結婚記念日は知らない。告白記念日も考慮しない。
年中行事としてである。リア充は末永く爆発するのがよろしい。
「……プレゼント行事、冬に一極集中してる説?」
12月、2月と3月、1月。春と夏と秋のプレゼントは何があったか。物書きは記憶をひっかきまわして、
「あっ、母の日と、父の日……?」
自身の親にプレゼントのひとつも贈った記憶の無いことに気がついた。
――――――
最近最近の都内某所、某アパートの一室に、人間嫌いと寂しがり屋を併発した捻くれ者が、ぽつんとぼっちで住んでいる。
名前を藤森という。
日付がクリスマスイブに変わってすぐの頃、いわゆる「丑三つ時」まであと1時間といった真夜中、
その日の藤森は寝付けぬまま、前日立ち寄った常連の茶葉屋から貰った茶香炉を、それの入った厚紙製の小箱を、じっと見ている。
「新しい茶香炉、か」
福引きである。クリスマスセールのそれである。
会計税込み500円につき1回の、結果3度回すことになったガラガラで当たった3等賞である。
似たサイズ、別デザインの香炉を、藤森は既にひとつ、長い長い付き合いとして使用していた。
かまくらのように開いた穴に、ティーキャンドルをひとつ置いて、上の皿に茶葉を――主に日本茶をぶち込んで、葉に熱を入れ香りを出す(その過程でほうじ茶モドキが生成される)。
煎茶・抹茶とは違う、香炉特有の優しい甘香は、幾度となく藤森の精神的疲労を癒やしてきた。
そういえば、長く仕事を共にしている職場の後輩が、「この茶香炉」が欲しいと。
「新しい方を、くれてやった方が良いよな?」
新品の入った箱と、テーブルの上に佇む旧品を見比べて、ポツリ。
藤森は今年、後輩に大きな恩があった。
後輩の言い出しっぺによって、8年越しの恋愛トラブルが、めでたく解決したのだ。
夜逃げの算段も、粘着質な執着への恐怖も必要ない。
この平穏の功労者たる後輩が、7月の終わり頃、
当時まだ未解決だった上記トラブルを原因に、藤森が家財を整理し、この香炉も処分しようとした矢先、
茶葉から茶を淹れる習慣も無いのに、わざわざ「ティーバッグ買うもん」と駄々をこねて、「これ」が欲しい、と言ったのだ。
「大事な思い出だから」と。「他人に売っちゃうくらいなら私欲しい」と。
自分に茶香炉は、2個も必要無い。
後輩が以前欲しがっていたから、どちらかクリスマスプレゼントとして、くれてやるのも良い。
が、後輩が欲しがるのは、厳密にはどちらだろう。
模範解答は新品である。
背景を考えると旧品もあり得る。
「……あいつ本人に、選ばせれば良いか」
延々考え続けた藤森は、最終的にどちら、と決定することができず、
仕方ないので、今まで使っていた方の香炉をよくよく洗い、キャンドルの火で付着したススをすべて除き、綺麗に乾かした。
あとは朝になってから、プチプライスショップかどこかで、良さげな小箱を買って収めれば良かろう。
今日はクリスマスイブ。
いい歳して、今年も親とクリスマスパーティー。
100均でサンタエプロンにサンタ帽にヒゲと
トナカイカチューシャを購入。
チキンとミニグラタンとケーキを買ってきて
チンするフライドポテトにちぎっただけのレタス。
無理矢理サンタコスさせた写真撮りまくって
スパークリングワインで乾杯!
いい歳して、親とクリスマスパーティー。
和ませてあげれてるのか
ガッカリさせてるのか。
後者なんだろうな。
プレゼントは恒例の、夜中にこっそり枕元に
靴下の中にあったか靴下を置いておくよ。
(プレゼント)
ハッピーバースデートゥユ〜
ハッピーバースデートゥユ〜
ハッピーバースデイディアさや〜
ハッピーバースデートゥユ〜
今日は私の誕生日だ。
12月24日クリスマスイブの日。
両親と妹、おばあちゃんと5人で祝った。
私の誕生日ケーキ、イチゴが5個乗って、
ホワイトチョコには『Happy Birthday〜さや〜』
と書いてる。
だけど、後ろにサンタの砂糖菓子と
『Merry Xmas』の飾りもついている。
ケーキの蝋燭をいっぱい口の中に溜めた空気で消す。
1発では消えなかったので、後2、3発吹いた。
いつもは違ったのに、
いつもはクリスマスのケーキと
私の誕生日のケーキは別だったのに、
今年は物価が高く、ケーキが
高くなり、ふたつも買えなかったのだ。
親からは、ごめんねと言われたが
私のだけでよかったのに…。
みんなが、ケーキを食べ終わった後に
プレゼントをもらった。
親からはずっと欲しかったゲームをもらった。
妹もクリスマスプレゼントと
子供用のお化粧セットをもらっていた。
妹はキラキラと目を輝かしていた。
「私のクリスマスプレゼントは?」
「そのゲーム高かったから今回はそれだけだよ」
「そっかわかった」
今年もか、妹はいつもクリスマスプレゼントを
もらっている。
誕生日プレゼントもだ。
私はいろいろ言われいっつも一緒にされる。
妹の誕生日私もプレゼントを渡すが、
妹からプレゼントを貰ったことはない。
妹が、羨ましい。
等価であるのは難しい。プレゼントの話だ。交換しようということになっている。交換の約束をしなくてもおのずとそうなるが口約束もイベントの演出である。まぁそれはいいとしてより頭を悩ませることにはなる。
こちらの気持ちがいつも大きいような気がしている。
かつ重い。温度については不明。
天秤の片側に乗せるには躊躇われるほどだ。自覚がある。等価とは。今年の冬はさらに特別だ。君と私が決定的に失われ、私たちが徹底的に傷つき、泣き腫らしたあの日から一年経ったことになるので。君がどう思っているかは知らないが、交換しようと言い出したのは君なので少なからず思うことはあるのかも知れない。香水、時計、財布あたりがくるかもしれない。私がリーディングに入れてる新作のアクセサリーの記事を横目に見ていたかもしれない。目敏いので。
「なあ、決まったか?」
そんなことを思っていたら困ったような顔をしてこちらにやってきた。
「欲しいものがあるんだけどリクエストは可か?」
台無しである。自ら台無しにするのが得意な人ではある。でもこちらは等価であることに頭を悩ませていたので君の望みを叶えられるのならそれがいい。
「ペアの…その、ペアのリング、リングじゃなくてもいいんだけども、なんかそういう揃いの」
引き続き困った顔で言っている。おそらく私も同じような顔をしているのだろう。こうして心も表情も愛もなにもかも、均しく分け合うことを、あの日の私たちが見たら笑うかもしれない。
わたしのこと、ちゃんと見てくれてありがとう
なんて、言えないから
きみの癒えない傷ごと、きみを見ているだけ