『ブランコ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
帰り道のブランコに
きみと乗るのが好きだった。
お題〈ブランコ〉
ブランコとか懐かしすぎる。乗ったの子どもの頃だけだな。なんだったら見たのすら子どもの頃だけだ。
時代だねぇ。今の時代は公園の遊具がなくなってるって言うよな。実際はどうか知らないけど。
大人になった今だとブランコに乗ってたら不審者として通報されてもおかしくない時代だからな。公園にいるだけでもやばいかもな。流石にそれはネットに毒されすぎか。
しかし、俺が引っ越したとか大人になって行動範囲が狭くなったとかもあるけど、公園そのものを見なくなったな。あるとこにはあるんだろうけどなんか減った印象あるわ。
ブランコって遊び方は乗って揺れたり乗ったままジャンプするくらいか。立ちこぎとかあったな。結構乗った記憶あるなぁ。
久しぶりに乗って物思いにふけってみたいものだ。
小学校の2つのブランコ。グラウンドの隅にあるからか分からないけど、あまり人気がなかった黄色いブランコ。昼休みは毎日のように通っていた。ぶらぶらしながら、はしゃぐ皆を眺めることが私の数少ない楽しみであったことを憶えている。時々、私と似た子が来た時は、特におしゃべりしなかったのにとても居心地が良かったのだ。
うわぁ。後から思い出してみると
あれが、私の青春だったんだねー。
ゆらゆら ゆらゆら
順番待ちの列からどんどんと抜かされていく
あなたの背中を見守る
不安そうに振り向くあなたに
手で合図をする "行きなさい" と
見守る事しかできない
けれど、いつまでも見守っているから
前を向くのが難しくなった時は
安心して、いつまでも振り返って
ブランコ
いっぱい漕いで、
いっぱい上に行って、
もしかしたら1周できるかも。
そう思ってずっと漕いでたけど、
絶対無理で越えられない壁みたいだった。
そんなことを思った公園を通った。
久しぶりにこいでみようかな。
あの頃よりも視界が高くなって、
勢いも前以上について、
もしかしたらできるんじゃないか。
またバカみたいなことを思った矢先、
一周した。
驚いたし心臓がバクバクした。
けど、
今の現状に悩んでいる僕にとっては
ものすごい後押しになった。
宙に飛び出す君を追いかけて
明日の天気を占って
つま先でバランスを取りながら並ぶ
手のひらから鉄のにおいがする
/ ブランコ
足裏で、思い切り地面を蹴って
後ろに引く。
すると身体がぐんと後ろに下がって、
前にある空へ飛び出しそうになる。
体をゆすって、さらに勢いをつける。
子供の頃は、もっともっと高くこいで、
1番高く上がったところから飛び降りた。
今そんなことをしたら、きっと骨折するだろう。
少し高さが出てきたところで
足を地面につけ、
速度を削いだ。
砂埃が上がるのが薄暗い中でも見えた。
日差しの元ならもっと良く見えただろう。
ブランコの椅子は昔より小さく、低い位置にあり、
お尻と脚は窮屈だ。
私は振られて、
一緒に住んでいた家から追い出されて、
ななめがけしたサコッシュに入ったスマホと財布しか
持っているものはない。
ブランコを毎日こいでたころ、こんな未来が来るなんて思わなかった。
家がないとか
好きな人にてひどい裏切りを受けるとか
そんなことがあるなんてことを知らなかった。
そういう意味で言うと、私は大人になったのかもしれない。
大人って面倒くさいなぁ。
涙は出ない。
今夜の宿が見つかるまでは。
ブランコがきいきい揺れていた。
ブランコから降りると
私は姉に電話をかけることにした。
2023/2/2
「俺は信頼に足る人間ではないんだな」
休憩場所でどんよりと暗い言葉が佐久から出た。
「ア~ カワイソ サクガオチコンダ」
「カワイソ カワイソ」
キャティとベリルがからかい半分で非難してくる。
「ごめんなさい!」
でも、
「本能的な恐怖には勝てなかったの!!」
今日は本番と同じ空中ブランコのセットを使っての初練習だったのだ。最初の開始位置に立った時点であまりの高さに気が遠くなったし、『あ、これ死ぬわ。』とも本気で思った。何とか始めの一歩を踏み出せたのだが佐久の手に飛び移るのに失敗した。『何が何でも手を掴んでやる』その真剣な目に応えることが私には出来なかった。落ちるのが怖くて自分が掴んでいるブランコのバーを放すことが出来なかったのだ。
「ユリノ イクジナシ」
「ユリノ コンジョウナシ」
「その通り過ぎてぐうの音も出ない!!」
大きく揺れていたブランコはどんどん勢いを無くしていきついには止まった。私がぶら下がったままの状態で。最終的に腕が限界を迎え落ちた。
「ミゴトナ キョムダッタヨ」
「ミゴトナ サトリダッタヨ」
「せめて受け身を取る位はしろよ」
始終笑っていたキャティとベリル、深い溜め息の佐久で初空中ブランコの反省会は幕を閉じた。
ブランコはふたつとも
あのこたちがのってる
おしゃべりしながらのってる
ぼくものりたいけど
なにもいえないから
すなばでおやまつくる
なにをつくってても
わらってるのきこえて
きになっちゃうなあ
たのしそうだなあ
ともだちなのかなあ
ふたりいっしょなら
シーソーのればいいのに
「ブランコ」
ブランコ
前後に揺れる、ブランコに乗りながら。
ブランコに乗りながら、今日も生きていく。
『ブランコ』
行き場がなくて
ブランコ揺らす
見上げれば
木々は寒そうに枝を広げ
私だけではないように思えて
空見て
ブランコ揺らす
キィ…、キィ…
初めまして
今日はお父さんと一緒に来たのかな?
漕ぐのが凄く上手いね
でも、まだ立ち漕ぎはまだ早いと思うんだけど
あっ、あっ…
ゴメンゴメン、もうちょっと加減してあげればよかったね
怪我しちゃったし、今日はここまでにしようか
ほら、マンションのベランダから君のお母さんが呼んでるよ
こんにちは
おやおや、お友達がいっぱいいるね
学校は楽しいかい?
こらこら、そんなにいっぱいは乗せられないよ
順番だよ、順番
こんばんは
今日は寒いねぇ
久しぶりに君に会えて嬉しいけど
こんな所で油を売っていていいのかい?
受験生にはクリスマスも年末も無いと思うんだけど
ま、今夜ぐらいは多目に見てやるか…
こんにちは、今日は二人で来たんだな
最近はあのベンチばっかり座ってこっちには来てくれないね
いつも日が沈むまで長話しをしてるけど、親御さんが心配しないのか?
また、ガミガミ怒られても知らないぞ?
こんにちは
なんて冗談冗談
最近、全然君の姿を見ないな
何処かで元気にしてるといいけど…
こら、順番だぞ、順番だ
久しぶりだね
もう何年も会ってないけど、また僕を使ってくれるんだな、ありがとう…
だけど、どうして泣いたりするんだい?
申し訳無いが、僕は君にどうしてあげる事も出来ないんだ
うん
気が済むまで、心ゆくまで泣いていくのがいいさ
***
泣き止んだかい?
ほら、携帯を見るのをやめて
スーツについた泥も落として
きっと、君の家で美味しい夕飯が待ってるはずだ
やあ、こんにちは
元気にしてたかい?
今日もゆっくりしてっておくれ
まだ風が寒いけど、もう少し待てば桜が満開になってるはずだ
おや?目が赤いじゃないか
まったく…
君は本当に泣き虫だなぁ…
結局、君はもう何年も桜を見に来ないね…
今、どこで何をしてるんだい?
私はずっとここにいるよ
最近は子どもたちの姿もめっきり見なくなった
たまに私を修理しにくる青い服のオジサンだけが
今や私の友達さ
オジサン、いつもありがとうな
君が来なくて寂しいけど、君が寂しい思いをしてないといいな…
私は、いつだってここで…
ん?
キィ…
「−ブランコ−」
「ブランコ」
誰もが知っている公園の人気者だ。
いや、私はすべり台、ジャングルジムなど並みいる競合を抑えて、公園のトップスターだとさえ思っている
都市公園の場合、その管轄は国交相だ。令和元年で全国に54,000台設置されており、しかもそのうち約半数が、設置後20〜30年以上経過しているものだそうだ。毎年一定数のブランコが、撤去又は修繕されてる。結構対応年数が長いのね。
子供の遊具かといえば、そうでもない。東リベでタケミっちとナオトが握手するのもブランコだ。
公園で待ち合わせをする場合も、何に乗って待つかといえば、ブランコではないだろうか。
また若い女性が一人で乗れば「失恋ですか?」となり、中年男性だったら「リストラですか?」となる。
これがすべり台だったら、こうはいかない。中年男性が一人ですべり台。怪しすぎではないだろうか。絶対声をかけたくないし、すべり台の上から手を振って呼ばれても、完全無視だ。
これは何もすべり台が悪いわけではない。ジャングルジムだってシーソーだって同じことだ。つまりこの哀愁感は、ブランコのみが持つ才能であり、トップスターたる所以はここにあるのだ。
今日も一人でブランコに乗ってみた。気がつくと周りの子供たちが、いなくなっていたのはなぜ?
ブランコの哀愁、恐るべし。
揺れる、揺れる。
夜に浮かぶ遊具。
解ける、とける。
流して揺れて
永く待つと
時間が分からなくなる。
いつだろうか
いなくなった対の空席
悲しいような
苦しいような
夜に家を抜け出してギターを片手に公園へ行く。
ブランコに乗りながら自分の好きな歌を弾く。
それが私のお気に入り。
ブランコにとって人間と風は同義だった
突然やってきて自分を揺らす
そよ風みたいに
つむじ風みたいに
だけど知っていますか
ブランコは止まっている時間のほうが
ずっとずっと長いこと
そこでは人間たちが落としていった記憶や恋や約束を集めて空へ返しています
嵐が去ったあと
遠くでヒバリが鳴いた
#ブランコ
公園に行くと、ボッチ仲間の友達が私を迎えてくれる。
彼女は優しくて、とても面白い。
私は彼女が大好きだった。
だから毎日会いに行った。
嫌なことがあった日、死にたいと思った日。
そんな愚痴を話しても、彼女はそっと私に寄り添ってくれた。
けどそんな彼女はもういない。
最低な大人やクソみたいなガキにボロボロにされていた。
けど、私には何も出来ない。
例え彼女が現実には存在していない、ただのブランコだと分かっていても、私にはかけがえのない、たった一人の親友だった。
それなのに…。
私は…無力だ。
【ブランコ】
私は周りより
何もかもゆっくりだった
ブランコすらもこげなくて
小さい頃はよく泣いた
一生懸命練習して
のれるようになったあの日
頬に当たる風に
目に映る青い空に
感動した
鮮やかな思い出
楽しかったな。
風をきっても
空に手を伸ばしても
届きそうだと思っても
引き戻されてしまう。
戻されることなんて
もう分かりきっているのに
風を切る度
空に飛べそうな気がする。
そうして私は手を伸ばす。
「ブランコ」
胸のポケットにいる天使が、誕生日だというので、手のひらサイズのブランコをプレゼントした。
羽根が仕舞えないので、行ったり来たりがぎこちない。それがめちゃくちゃ楽しいのだと、大声で笑っている。