『ハッピーエンド』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ハッピーエンドも
バットエンドも
私が生きている間には
来ないのかもしれない
太陽が昇って
月が浮かんで
その狭間に
星屑になって消えていく
だから
優しく過ごして
優しく眠る
私の中の色々な気持ちも
今日でおしまい
ちっぽけ過ぎて
貴方は笑い飛ばしてくれるはずだから
ハッピーエンド
自分の人生のハッピーエンドってなんだろう。
億万長者になる、
人間を操るような権力者になる、
好きな人の恋人になる、
いろんな終わり方がある。
でも、恋人になれて終わりはやだ。
ハッピーだけどエンドして欲しくない。
ハッピーエンドってすごく難しい。
#ハッピーエンド
人によって違う
でも、みんな笑顔
大きさは様々
でも、それでいい
それまでが大変
でも、とても最高
ハッピーエンドはみんなが望むもの
ハッピーエンドはみんなにあるもの
ハッピーエンドを迎えたいって
よく聞く話
でも、私はハッピーエンドを狙うより
ハッピーな毎日を生きたい
だって、そしたらたぶん
最後にハッピーだったなって
終われると思うんだ
映画やドラマのハッピーエンドは、
まるで
見ている人にも
生きている限り、いつかは
幸せに物語を終えることが出来る。
というような
希望を持たせているような気がする。
君との関係
ハッピーエンドを迎えたい
だめ…かな…?
そうだよね…だめだよね…
だって君には
大切な人が、もういるんだもんね…
…え?俺の大切な人は、目の前にいるって…え?
もしかして…え…?
ハッピーエンドなんてつまらない
バッドエンドがいいよ。
え?あなたはハッピーエンドのほうがいい?
終わりがある幸せなら終わりのある不幸のほうが良くない?
ー頑張ったねー
頑張ってるよ
あなたは頑張ってる
誰がなんと言おうとあなたは頑張ってる
心はもうとっくに背を向けているのに、
限界だと悲鳴をあげているのに、
それでもなんとか息をしながら立とうとしている
私は見てるよ
よく頑張ったね
本当によく頑張ったね
もう肩の力を落としてもいいんじゃかな
だって君は、十分すぎるほど頑張ったんだから
本当によく、頑張ったね
#ハッピーエンド
彼女を幸せにしたい。
彼女はいつも泣いていた。
父親と母親が離婚、母親が離婚によって精神崩壊した。
俺だったら、不登校になっていたと思う。
彼女は頑張っている。
けど、神はいつも頑張る彼女の人生をおとしめようとする。
けど、彼女は負けない。
負けなかった。
けど、彼女はまだ神に降参しない。
永久の眠りについても、諦めない。
だれか、彼女にハッピーエンドを。
『ハッピーエンド』
「終わり良ければ全てよし」
そう言いながら、迷うことなく私に銃口を向ける友人を見て、諦めにも似たため息をつく。
「殺さないでよね」
「そこは信じてもらうしかないかな」
仕方がない、こうなったのは私のミスだ。
首元に取り付いて、今にも私をその毒の牙で噛み殺そうとしているバケモノを、払い除けることが出来なかったのだから。
今は膠着状態という名の執行猶予。少しでもコイツを刺激すれば命はないだろう。
ハッピーエンドを信じて、私は目を閉じた。
ハッピーエンドって、何?
主人公が幸せに終われば良いの?
他の人は幸せでなくても良いの?
例えば恋愛作品だったら
ライバルを蹴落として好きな人と結ばれれば良いの?
ミステリーだったら
人が殺されても犯人を見つければ良いの?
バトル物だったら
味方以外の敵を全て倒せば良いの?
ホラーだったら?
青春物語だったら?
ファンタジーだったら?
私にとってハッピーエンドだったら
あなたにとってもハッピーエンド?
#ハッピーエンド
拝啓
桜の蕾も綻び、春の爽やかな風が感じられる季節となりました。いかがお過ごしでしょうか。
ふと、貴女の懐かしい夢を見て、こうして筆を執った次第でございますが、手紙という形に落とし込むには些か言葉が足りそうにありません。あれから、四年の月日が経ちました。私も成人を迎え、ついに過去と向き合う時がやって来たのだと思います。あの日の事を思い、悔やむ事もありました。己の無力さに嘆く事もありました。もっと自分が大人であれば、貴女を救う事が出来たのではないかと。昔の私は、大人になれば貴女のようになれるのだと疑わずにいました。しかし、貴女と同じ年齢になっても、到底貴女にはかないませんでした。貴女は貴女で、私は私にしかなれないのだと、今となって、漸く気付くことが出来たのです。
私はもう、貴女の声を明瞭に覚えてはいません。ですが、貴女のくれた言葉は、血となり肉となり、私の中に息づいています。過去を悔やむ事は、これで最後にします。たらればの話より、貴女に守られた私のこれからを目にして歩んで行こうと、たった今決めました。どうか、道の続く最期まで、見守っていてくださいね。
この手紙が貴女に届きますように。 敬具
また会える日を楽しみに
貴女の妹より
敬愛する姉へ
『ハッピーエンド』
お姫様は大好きな王子様と結婚して幸せに暮らしました。
物語の結末はいつも決まってハッピーエンド。
だから、両親から蝶よ花よと大切に育てられた私も大好きな人と結婚して幸せに暮らせると、ずっと思っていた。
結婚して最初の一年は絵に描いたような幸せな生活だった。
ニ年目に入ってからは両家から「早く子供を作れ」と囃し立てられて、妊活を始めた。
頑張っているのに成果が出てこない四年目、気づけは友達はみんなママになっていた。久しぶりに集まってもお産はどこの病院だったとか、離乳食を食べてくれないとか、夜泣きがしんどくて眠れないとか……共感出来そうで出来ない話題ばかりで肩身が狭い思いが募った。
結婚して五年目、旦那は結婚記念日を忘れて飲み会に参加した。義実家に帰省すれば、子供も産めない出来損ないと陰口を言われたり、面と向かって嫌味を言われることが増えた。
そのことを旦那に相談しても「早く孫の顔がみたくて、思わず口に出しただけだろう」と適当なことを言い、じゃあ妊活にもっと協力してよと提案すれば「仕事で疲れているから」と先に寝てしまう。
夫婦で共働きして家事をしているんだから、私だって疲れているんだよ? ねぇ……フルタイムで働いて、買い物袋を携えて満員電車に揺られて、帰宅後に家事を全部やってそれでもなおセックス出来るくらい女は体力が有り余っているとでも思っているの?
高い不妊治療費を払って運良く子宝に恵まれた八年目、可愛い女の子を産んだ。義母が喜んでくれたのは一瞬で、すぐに「跡継ぎの男児を産めない役立たず」と文句を言われる。三代前からサラリーマンの家系のはずなのに、跡継ぎとかって時代遅れも甚だしいと思った。
娘が三歳になった頃、旦那の浮気が発覚した。相手は私の親友だった。
本当は離婚したかったけど、義両親に泣き付かれて渋々許すことにした。あまりにも悔しかったからキッパリと二人目を作る気は無いと宣言した。
以来、義母は掌を返したように娘を可愛がるようになった。旦那も本気で反省したのか以前より家事育児に協力してくれるようになった。
だけど何年経っても忘れられない。
義母からネチネチと悪口を言われたこと、親友と旦那が獣みたいなセックスをしてたのを見てしまったこと。
祖母と父親の役割が無ければ今すぐにでも殺してやりたい恨みつらみを奥底に隠して、娘の成長だけを楽しみにして生きている……。
――なんてことを幼い頃から母は壊れたレコードのように繰り返し私に話す。
彼氏が結婚の挨拶に来てからは、母は酷く不安に感じているようだ。自分の二の舞いにならないかを。
父方の祖母に結婚することを伝えると涙を流して喜んでくれ、私の花嫁姿を見たら死んでも悔いはないとまで言ってくれた。
大丈夫だよ。お母さん、おばあちゃん。
私だって幸せになれることをずっと考えているんだから。
結婚式当日の朝、しっかり朝食を食べて薬を飲む。
お互いのスケジュール的に前撮り撮影する余裕が無く、朝から式の準備と撮影に追われていた。
あっという間にチャペルへの入場。
父の手を取って、真っ白で素敵なタキシードに身を包んだ彼のもとへ一歩一歩噛み締めて向かう。
神様の前で永遠の愛を誓い合ってキスをし親戚や友人達からのフラワーシャワーを浴びる。
なんて幸せな光景……。両親との思い出や友達と笑いあった思い出、彼と過ごした日々が走馬灯のように脳内をよぎった。
退場前に振り返って一礼した後、私はキスをせがんだ。
彼は驚いて少し照れながらもう一度キスをしてくれた。
その直後、私はゴフッと血を吐いた。彼の真っ白な胸元が真っ赤に染まる。
なんていいタイミング。朝飲んだ毒がようやく効いたんだわ。
ねぇ、彼くん。私知ってるのよ、貴方が私の親友と浮気してること。
浮気の証拠写真と遺書を、私と貴方と親友の実家と職場に明日着くように発送しておいたからね? この後の修羅場展開が見れなくて残念だけど、お母さんから恨みつらみはきっちり晴らしなさいって反面教師的に教わったの。
ああ……おばあちゃん、お母さん、そんな青ざめた表情しないで。
みんなから祝福されて幸せ絶頂のなかで死ねるのよ。
とっても素敵なハッピーエンドでしょ?
テーマ『ハッピーエンド』
続きすぎた幸せは、ただの日常になる
ずっと幸せなんて、あり得ない
幸せは、道端で小石を拾うようなもの
小石を見つけられる目を養えば、きっと
いろんな幸せを断続的に、ちょこちょこ拾えるようになる
それがきっと、『ハッピーライフ』
死ぬときにありがとうって言えれば、きっと『ハッピーエンド』
……なんじゃないかなと、今は思っている
ハッピーエンドの書き方
叩いていたキーボードに額をぶつけて目が覚めた。
前方の時計を見上げると、既に朝の4時を指していた。
パソコンの画面を睨みつけて、物語を呪う。
何度書き直しても、ハッピーエンドにならない物語。
「これじゃダメです」
記憶の中の三橋さんが言う。
三橋さんは目鼻立ちのハッキリした美形で口調も丁寧、姿勢も常にバチッと決まった敏腕編集者なのだが、締切が迫ってくると、その眼差しは冷たく尖る。
今日もメッタ刺しを食らってきたところだ。
「やる気あんのけ、ワレェ!」
記憶の中の三橋さんは両足をテーブルの上で組んで、下にズラしたサングラスの上部からこちらを睨む。
両頬に入れたドーベルマンのタトゥーもこちらを睨んでいる。
まるでケルベロスだ。
力士の腕くらいあるぶっとい葉巻を、手元のブランデーで消化しながら、三橋さんはテーブルの原稿を蹴飛ばした。
「ええかおんどれ!明日中や!明日中に原稿耳揃えて持って来い!できんようやったら、分かっとんな?おどれの親族7代前まで遡って、全ての内臓メルカリで叩き売りしたるけえの!?」
「申し訳ありません。明日には必ず、必ず完成させますので」
ファミレスの床に五体を投地し、知らない子どもが零したメロンソーダを舐めながら、僕が言う。
三橋さんは小さく鼻を鳴らし、僕の側頭部にヒールで蹴りをくれて、去っていった。
僕は間抜けに鳴り響いた入店音を聞きながら、書くしかないと決意を固めた。
それが昨日の昼過ぎの出来事。
現在は朝の4時なので、僕に残された時間は残り20時間。
くっそ、今のうたた寝で2時間ロスした。
生命を削るエナジードリンク・ドーピングと、身に纏わる枷を全て外すアンリミテッド・ネイキッドの併用で、どうにか物語は結末へ向けて爆走し、残すはラストシーンのみとなった。
だけれど、結末だけがさっきから動かない。
ハッピーエンドに向かわせようとする僕の手を払い除け、物語はバッドエンドに向かっていく。
初めて物語を紡いだのは、中二の冬。
病的な清潔さを誇る白いシーツが、暴力的に見える。
ベッドに座る妹の命を繋ぐための管に縛られた気分のまま、丸椅子のキャスターを意味もなく前後に転がす。
必死に頭を回転させるが、言葉は出てこない。
妹は本を読んでいた。
まだ小学校に通えていない彼女が退屈しないようにと、沢山親が本を買ってきた。
ほとんどは絵本や児童書。
その中の「マッチ売りの少女」を胸に抱えて、彼女は泣いていた。
そうだ現実だけには飽き足らず、童話すらハッピーエンドとは限らないのだ。
だけれど、あんまり酷ではないか。
こんなに容赦のない現実に、既に散々苦しめられている彼女にこんな結末は。
僕は口を開いたが、喉の奥からは何も出てこない。
僕は彼女に何をしてあげられる?
「由香、聞いてよ。その話、続きがあるんだ」
思いつきにしても、バカバカしいものだった。
まさか続きを捏造して、無理やりハッピーエンドを作ろうだなんて。
だけど、由香はキョトンとした顔付きになって、落涙は落ち着いた。
すかさず、僕は話を続ける。
引きつけるように、目の前で起こったことを語るように。
まずは幸せな朝の風景。
暖かで満ち足りた家庭。
柔らかいベッドに眠る少女を優しく揺さぶる。
目を覚ましたのは、マッチ売りの少女。
由香の表情が驚きに変わる。
僕は堂々とした表情で続きを語る。
マッチ売りの少女は親切な家庭に拾われた。
ずっと娘が欲しかったのだと、優しい笑顔で夫婦は語る。
夫婦と少女のありふれた日々。
何かが起こるわけではないけど、抱きしめるような日々を描いた。
マッチ売りの少女は成長して、同じ職場の同僚と結婚する。
そうして、暖かい家庭を築き、何でもない生活を送る。
あの日マッチの力で見たほど豪華ではないけれど、それでももっと価値のある生活を。
時代は変わり、火を灯す時はライターを使うようになっていた。
マッチはなくても大丈夫。
ここは愛しいもので溢れてる。
ここまで話して、由香を見た。
涙はもうそこにはなかった。
由香は僕の方をじっと見て、言った。
「それから、それからどうなるの?」
「ここから先は……まだ知らないや」
頭をフル回転させてここまで話を紡いだけど、それ以上は何も思いつかなくなって、僕は苦笑いで誤魔化す
「えー、続き気になるのに」
膨れる妹は残念そうだった。
僕は読み終えたであろう絵本の山を指さす。
「あ、でもその本の続きなら知ってるかもな」
「え?どれ?」
「人魚姫」
「これも続きあるの?」
「そこにあるお話は全部続きがあるんだ。もちろん由香がまだ読んでいない話も」
「聞きたい!」
「もちろん、いくらでも話してあげる。ただ、今日はもう時間みたいだから、続きはまた明日」
「えー!」
不服そうな由香の頭にポンと触れる。
ゼリーを食べ追えるのを待って、僕は家に帰った。
その日から、僕はあらゆる童話の続きを書くことに夢中になった。
授業中だろうと、家だろうと構わず書いた。
バッドエンドも説教めいた話も、いらない。
全部僕がハッピーエンドにしてやるから。
そうして、僕が殴り書いたノートを病室に持っていく。
そこには父が待っていて、由香はベッドにいなかった。
バサリとノートが床に落ちた。
それから、僕は学校も休んで、由香との思い出を書いていた。
一緒に遊んだこと、誕生日のこと、初めてお兄ちゃんと呼ばれたこと。
そしていつしか、過ごせなかった未来を書くようになった。
ひたすら書いていた。
物語の中の妹はもうおばあちゃんになっていた。
変わらず幸せな様子だったけど、この先を考えて、妹の話が書けなくなった。
親にはほとんど見放されていた。
最低限の会話と食事の提供。
それだけでもありがたかった。
物語を応募したら、賞がもらえた。
編集者を名乗る美人が引っ越したアパートに来て、本を出版できることになった。
ドラゴンのいる世界を、兄妹が冒険する話だった。
世界は未知のものに溢れており、もちろん困難も沢山あるけれど、二人で乗り越えていく。
そして、とびきりのハッピーエンドを迎えて、連載は終わった。
色んな人に読んでもらえて、嬉しかった。
そうして、次の連載が始まった。
連載は5年続き、迎えるクライマックス。
僕は一向に書けなくなった。
何度も刊行を延ばして、1年が経った。
キーボードを叩く度震える手を見て、自分が物語の終了を恐れているのだと気がついた。
だけど、いつまでもこうしているわけにはいかない。
終わらせないと、いけないんだ。
バチバチとキーボードを殴る指先に熱い感触が落ちた。
嗚咽を漏らしながら、ひたすら書く。
書かないと、書かないと、書かないと、書かないと。
生活が、お金が、評価が、存在価値が。
マッチの火が消えるように、フッと。
妹がいなくなったように、フッと。
消えてしまうような気がしていた。
だけど、いくら書いても、物語はハッピーエンドにならない。
これじゃあ、ダメだ。
見放される。
見放されて、路上に捨てられて、僕は、僕は。
ブツリとテレビが消えるように、意識が消えた。
そこは昔の家だった。
誰かが名前を呼んでいる。
見れば、妹がそこにいた。
僕の中学校の制服を着ている。
しばらく僕が唖然としていると、妹は僕の頭に触れてドアを出ていった。
声をかけようとするが、言葉は出ない。
追いかけようとするが、体は動かない。
ただ掌の感触だけが残っていた。
目覚めると頬にキーボードが押し付けられていた。
時計を見ると11時になっていた。
頭を降って意識を戻す。
頭はかなりスッキリしていた。
大事なものを取り戻したような感触があった。
僕は改めてキーボードに向かう。
キーボードを殴っていた数刻前の自分を見て、思う。
ハッピーエンドの書き方は、そうじゃない。
柔らかく頭を撫でるように、優しく抱きしめるように。
願いを込めて書くんだ。
迷いながら、不器用に進んでいく物語を眺めて、僕は息を吸った。
手はもう震えていなかった。
「人生の主役はあなた」
この言葉は結構好き!
私の人生もハッピーエンドで幕を閉じたいな……なんてね
ハッピーエンド。
そんなのは人による。
自分がハッピーエンドだと思ったならそれは
ハッピーエンド。
周りになんて言われようが間違いなくそれは
ハッピーエンド。
世の中そんなものだよね。
結局は自分の信じ方なんだよ。
幸せな結末というのはそもそも、その前に不幸な状態があるわけで
そういう意味では、僕にはハッピーエンドなんてない
僕には優しくて利発な君がそばにいてくれるから
彼の部屋に置いている私ものモノは炭酸水だけだった。
お互いの関係に名前はない。
たまに仕事帰りに彼の家に来ては、歩いて8分の家に朝方帰るという日々をずるずる続けていた。
彼の事がすきだった。一緒にいたかった。
彼からの連絡が来ると世界で一番幸せなのは私だと思えた。
私物を置いて行っていいなんて、もう会えなくなりそうで聞けなかった。
温かさを求めベットに潜り込もうとした時、マクラの横に固い金属の塊を見つけた。手に取ってみると見た事のない髪留めだった。もちろん私のものではない。
手の先から冷えて行くのを感じた。
わかっていたの。なんとなく。
でも決定的なモノが無かったから。
翌朝、おはようと起きた彼に向かって笑顔で金属のモノを投げつけた。
「もう来ないよ」
そのまま玄関をでて、自分の家を目指す。
最近で一番晴れやかな気持ちだった
歩きながら彼の連絡先を消去し、賃貸情報の検索を開始した。
これは私にとってハッピーエンドだ。
@ハッピーエンド
あたしと君と
手を繋いで歩き出す。
ハッピーエンドからのハッピースタート。
もっともっと、
ずっとずっと
君と一緒にいきたい。
私とあの人と、
繋がることすら無かった手。
歩き出すことすら無かった足。
バッドエンド、ただそれきり。
もっともっと
ずっとずっと
幸せな終わりを願ってたのに。
「ハッピーエンド」