『セーター』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
『セーター』
「ごめん!遅れた!」約束していた時計台で待っていると彼女の声がスッと耳に入る。彼女は少し前髪を気にしながら小走りでこちらへ向かってくる。僕がいつも集合時間の1時間前に来ているせいで彼女にいつも遅れていないのに遅れてしまったような態度を取らせてしまう。彼女には申し訳ないと思っているが僕はそれくらい少し前髪を気にする小走りの彼女が好きだった。僕らは出会ってから約一年、付き合ってから約半年だったためお互いがお互いの冬服を見たことが無かった。彼女は黄色いセーターを羽織り、袖口からは指が3本だけ見えていた。このままでは3本の指が寒いだろうと思い、僕は彼女の手をそっと掴んでポケットにしまった。時計台の長針が音を立てるより先に。
セーターか…冬の定番だなぁ。
洗濯しても、なかなか乾かないんだよなぁ。
と愚痴を言っても仕方ない。本格的に寒くなってきたけれど、セーターはまだ着ていない。私の冬のパターンは、タートルネックの服の上にセーターを着る、二枚重ねのパターンだ。
まだ秋の格好でいる。タンスの中をのぞいては、セーターはまだ早い、と手を出さずにいる。
もう着てもおかしくないんどけどね。冬の到来をまだ認めたくなくて、意地をはっているだけなんだ(笑)。
「セーター」
外は寒い。その分、こたつが温かい。
こんな日は1日中家の中にこもっていたいけれど今日はそうはいかなかった。
そういえば彼と初めてであった日も、今日と同じような状況だった気がする。
一年前の冬…
「美憂。そろそろ家でないと、塾に遅れるわよ。」
お母さんの大きな声がキッチンから聞こえてきた。
今日寒いし、塾休めないかな。
そんなことを思っていると、お母さんがキッチンから出てきた。
「ちょっと、はやくしてちょうだい。お母さんだって暇じゃないんだから。」
お母さんはいつもにましてイライラしていた。
おそらく、原因は離婚した父親が会いに来るからだ。
離婚してしばらくたつのに、お父さんは未だにお母さんのことを引きずっている。
今日塾を休みたいと言っても、余計に機嫌を悪くするだけだろう。
「今行くから。」
私は仕方なく、塾へ行く準備を始めた。
塾につき、私は車から降りた。
「じゃあね」
お母さんの車を見送ったあと、目の前にそびえ立つ大きなビルを見上げた。
このビルのニ階に、私の通っている塾がある。
受験を受けなくちゃ入れないような、名門塾だ。
でもどうしても今日は行く気が出なかった。
サボったらバレてしまう。
塾をやめさせられて、お母さんに打たれてしまう。
だめだとわかっているのに、私の足はどんどんビルから遠ざかっていく。
たどり着いた先にあったのさ、小さな公園だった。
そこにある遊具はブランコだけで、あとは木のベンチがぽつんとあるだけだった。
寒いから屋内に入りたいはずなのに私は吸い込まれるように公園内に入っていった。
よく見ると、ブランコには同い年くらいの男の子が座っていた。
彼も私に気づいたみたいで、「あっ」と小さな声を上げた。
何となく彼のことが気になって私は男の子へ近づいていく。
「隣、いい?」
ブランコを指さして、私が尋ねると、男の子はコクリと頷いた。
しばらく二人でブランコをこいでいたとき、私はあることに気がついた。
「それ、うちの塾のスクールバックじゃ…。」
彼はびっくりした表情で私を見つめた。
「きみ、星羅塾に通ってるの?」
「うん、そうだけど。」
「僕、今日からこの塾に通う予定だったんだけど、サボっちゃって。」
「入学初日からサボったの!?」
編み物は 心が安らぐ
1,2,3,4,目を数えて集中
他のことをきれいに忘れ
ひたすら手を動かす
きっと脳波も安定
セロトニンも出てるはず
そのうえ気付けば
大切なあの人に
ちょっとした作品が仕上がってる
Happy knitting 🧶♪
「セーター」
#255
私が高校生の頃の話です
知り合いのヤンチャな方が
真面目にセーターやら編み物してる姿を見かけて
腕の長さが左右…(笑)袖口も解れていて…(笑)
でもって真面目に一生懸命なんです!
彼のために一生懸命なんです!
今度は彼の好きなヤンチャな車のプラモデルを…(笑)
また一生懸命なんです!彼のために一生懸命なんです!
今度はクリスマスケーキです…(笑)…ねぇ…(笑)
一生懸命なんです!ひたすらに向かう姿…素敵でした!
その人は苦労人と知ってました…
子供の頃から真面目に一生懸命生きて…
弟2人妹1人お母さんと協力しあって…
私が恋でなくて初めて身内近親者以外の
母性愛を感じた方でした
私の共通な友人も何人か同じような思いをしてました
しばらく…いやいやしばらくどころか…一昔以上後に
紆余曲折有り離婚されてお子さん2人と暮らしていると…
またしばらくして…
とあるマンモス団地の脇のコンビニの駐車場で
会社の名前有る白いバンに乗った姿を見かけて…
何か…一生懸命電話していて…
何も変わってないや…
そう思いました…
声掛けてバカを言ってみたい…
思ったけど…
一生懸命な変わらない姿に…
声は掛けれず…
私は私で…
今日も一生懸命に過ごそうと思いました
変わらない母性愛…
私は大人な嬉し泣きしそうで…
ただただ変わらない母性に
一生懸命な姿に感謝しました🍀
当時好きなアーティストの
UP BEAT
シスタートゥモロー
最近はそんな歌を思い出して口ずさんでいて…
あなたが若い時に俺や俺の仲間やヤンチャな人へくれた
その母性愛は沢山の心地好い愛情を育てたよ
いつかまた何処で見かけたら言いたいと思います
これまでも これからも一生懸命に過ごして
一生懸命な自分でありがとう言おうと思います🍀
セーターに毛玉が出来ている。
セーターは暖かいから好きだ。
けれど、セーターに出来る毛玉だけは、
いただけない。
ただですら貧相が滲み出ているのに
毛玉が付いているセーターなんて着込んだら
貧相に拍車がかかるだけだ。
せめて、人並みになるように
安い毛玉取り機をヴィーヴィーと唸らせる。
ヴィーヴィー
小回りが利いて使い勝手は良いのだが、音が五月蝿い。
まぁ、100円ショップで買った毛玉取り機だ。
多少の不便はしょうがない。
値段の張る、良い毛玉取り機ならば静かなのだろうか。
もう少し給料の良い仕事をすれば
毛玉取り機くらい簡単に買えるのだろう。
しかし、売れないライターの身では毛玉取り機に金なんてかけられないのである。
実に世知辛い。
ハァッと付いた溜め息が6畳間に響く。
6畳1K。家賃一月、6万5000円也。
売れないタブロイド紙の隅っこにしか載せてもらえないような自分では、家賃を支払うだけで毎回カッツカツだ。
家計は常に火の車。
アチチっ。
それでも、借金はないのだから偉いもんだ。
人様に迷惑かけちゃいけないよと教えてくれたのは、今は亡き婆ちゃんだ。
貧乏飯喰らいながらも、その言葉だけは守っているよ婆ちゃん。
毛玉の取れたセーターは新品とまではいかないが
なかなか綺麗になった。
安物の毛玉取り機でも綺麗に整える事は出来る。
大したもんだ。
いつかは、こんな狭い部屋抜け出して広い部屋で、書斎なんか持っちゃってさ。
可愛くて素敵な嫁さん貰っちゃって。
子供が産まれたら、パパの本だよなんて子供に自分の本あげたりしちゃってさ。パパかっこいいなんて、言われちゃったら嬉しくて死んじゃうね。絶対そんな状況になったら死にたくないけど。めっちゃ健康的な生活して長生きしてやるけど。
取り敢えずそんな未来を夢見つつ、今使っている毛玉取り機から最新の毛玉取り機が買えるくらいには稼げるようになろう。
かつての偉人は言いました。
千里の道も一歩から。
すべての道は妄想の未来に通ず。
最後の言葉は知らない?
そりゃそうだ。俺の座右の銘なんだから。
良い言葉だろう?
〚セーター〛
「えっ重。」
手作りのセーターをプレゼントしたとき、君は言った
脳が混乱する
(重いってなに?愛?愛が重いってこと?)
君の喜ぶ顔を想像しながら編んだのに、その想像は一瞬にして吹き飛ばされた
「そ、そうだよね。ごめんね。ちょっとやりすぎたかも…笑」
無理やり顔の肉をあげ、胸の内からこみ上げてくる悲しみを抑える
慌ててセーターをしまう
私の愛が絡まったセーターを君は受け取ってくれなかった
いつもそうだよね
君の愛と私の愛は重さが違う
私の重すぎる愛を君は受け取れない
君の愛じゃ私は満たされない
こんな関係早く切ったほうがいいのかな
キャラメル色の小さなセーターがタンスから出てきた
実に十数年ぶりの再会である
そういえば小さい頃の寒い日はいつもお気に入りのこれを着ていたなと思い返します
今年も寒い冬がやって来ます
意地っ張りで泣き虫で我儘で
でも何より誰よりも心が暖かくて優しい
あの子の人生が眩しい光で満ちていますように
寒い思いをしませんように
あの子の暖かい心が冷えてしまいませんように
一生の願いを迷いなくここで使います
『セーター』
セーター
縦と横の糸
丁寧に、時々不器用に
少しずつ編んでいく
それはまるで世の中の様に思えた
折り返し、進んで
そして出来上がるの一人一人の歩んだ道なのではないだろうか
毛玉とか縮んだだとか伸びたとか
/お題「セーター」より
おそろいのセーター
今年も気づいたらあのセーターに袖を通す季節が来た
毎年きっとタンスから取り出すたびに
ふと思い出すのだろう
そういえば今何してるかな?って
どこで何してるのか分からないけど
とりあえず元気ならいいな
誰よりも自由に幸せに生きていてくれたらいいな
他の誰にもあなたの人生を邪魔する権限は無い
だからあなたには幸せでいて欲しい
特別お金持ちとか幸運が続くとかじゃなくても
とりあえず普通に元気だよと
答えられるならそれで十分
それ以上は望まないから
あなたはずっとこれから先も大切な人だから
おそろいのセーターはもしかしたらあなたはもう、、
それでも構わないよ
私の思い出の中では
今でもずっとあなたは輝き続けているから
セーターを抱きしめていた。
からっぽな部屋で、独り。
「ねぇ、」
声が聞こえて振り返る。
「泣かないでよ、もう」
昔と同じ笑顔で笑う彼女が居る。
「一番泣きたいのは此方なんだから」
嗚呼、ごめん。そうだったね。
彼女が抱きしめるセーターは、僕が彼女に編んだものだ。
パパが冬になると着るアーガイルセーターはとっても素敵。
パパが着てるから素敵に見えるのかもしれないけれど、わたしはとってもお気に入り。あんまりにもわたしが大好きだって言うから、パパが「サイズが合うようになったら君にあげよう」って約束してくれたくらい。
だけどその約束は、翌週には叶ってしまった。
「洗濯をしたら縮んでしまったんだ」
まだ主夫初心者のパパは時々失敗をする。セーターって、そのままお洗濯したらダメなんだって。それを知らずに洗濯をしたら、わたしサイズのセーターができあがりってわけ。
『セーター』
落ちていく、彼の腕の中へ。
微かに鼻腔をくすぐる、甘酸っぱい苺の香り。この香りを私は知っている。1週間前ほど前、クリスマスコスメとして発売された香水の香り。
香りは、私を目がけて放たれる。鼻を通り口を通り、耳も毛穴も、体中の穴という穴から私を犯していく。
太腿に帯びた熱は、徐々に上へと昇っていた。それから逃げるように空気に触れる私の上半身。それでも尚、体から熱は消えない。少しして、空調がいつもより暖かい事に気がついた。
視線の先には人間の顔。顔、と言うより、目と鼻と口と青髭とその他、と形容する方が正しいのかもしれない。天井の照明が月明かりのように輝き、彼を後ろから照らしている。まるで皆既月食みたいだ。いつか彼も、お月様みたいに禿げちゃうのかなー、なんて。
「なに、反応悪くね?」
私の反応が普段より悪いことに対し気を悪くしたらしい。私を見下げたまま、彼は訝しげに目を細めた。太腿に置かれていたはずの両手はいつの間にか下腹部へと移動している。
「別に」
彼と1mmより近い距離で交わる度、彼とひとつになれないという現実を突きつけられる。強制的な快楽に身を委ね心を溶かそうとも、彼を侵食する事は叶わない。日が昇るまでの契約関係。流れる時間は形を持たず、隙間からどろどろと零れていく。これが夢なのか現実なのか、夢であって欲しいのか現実であって欲しいのかすら曖昧で不確か。
「…ねえ、私の事、好き?」
その言葉が利敵行為になる事を、私は重々承知していた。それでも私は、今目の前で息を荒らげるこの男が、私の創り出した空想なのか否かを知りたくなってしまうような馬鹿な女だった。
「ん、めっちゃ好き」
ねえ、誰の事思い浮かべて言ってんの。
私の声は、果ての見えぬ闇へと堕ちた。
小さくなったセーターが、クローゼットの奥から出てきた。おそらく、五年ほど前に着ていたものだとサイズから判断した。
けれど、小さくなったそれを今の自分は着ることはできないし、何よりお下がりとしてあげられるほど、綺麗では無い事は明らかだった。ふと、自分の体にセーターを合わせてみたがやはり腕の丈が10cm程差があった。
自分が成長したのか、セーターが縮んだだけなのかはこれを着ていた当時の自分に聞くしかないが、私はそれを成長と結論づけセーターをひざ掛けに変えて使う事を決めた。
形を変えて、私と共に。
お終い
編み物はしたことはない。
ただ、寒い雪国に生きる女性が、
雪で閉じ込められ、
手慰みに編み物をすると聞いたとき。
編み物が世界にあることに感謝した。
暖炉や炬燵に、入りながらしてたら良い。
イタズラ子猫が、毛玉で遊んでいたらなお良い。
完成して、満面の笑みの老婆は良い。
来年用に、セーターを作るが、
『おばあちゃん、入らない!』
と、孫に怒られる。
『ごめんね』
怒られたが、孫の成長が嬉しくて、
優しく、孫の頭を撫でたなら、
それは、とても良いことだ。
暖房から吹く風に色や形を望まないように、寒さを和らげるためのセーターに私は多くを望まない。
身体に合うサイズであればいいし、できれば少し大きめなくらいがいい。
生地が薄くて寒くなければいいし、できればあんまりゴワゴワしてないくらいがいい。
派手すぎないデザインじゃなければいいし、できればたまに個性的だね!って言われるくらいがいい。
すぐにボロボロにならなければいいし、できれば3年ほど愛用できるくらいがいい。
袖を通すときに惰性の気持ちがなければいいし、できればこのセーターを手に入れた喜びを毎回感じられるくらいがいい。
セーターに、私は多くを望まない。
【セーター】
私は、セーターが嫌いだ。
モノにもよるけど、ちょっとカバンにかすっただけでビヨンと毛が伸びる。そして、それを誤魔化そうとすると毛玉ができる。毛玉を取ると、周辺の毛がモワッと広がる。その広がったところにカバンが……の繰り返しで気づけばボロボロ。私の心もボロボロ。
デザインや、あのゆったりとしたシルエットが好きだから買ってしまうけど、来年の冬まで持ち越せない。だから、毎年このシーズンに必ず一着買っている。
金の無駄、なんて友達にも言われた。
確かに、セーターは私には向かなかったんだーって諦めて、違う服着回ししたほうが得。絶対、得。
でもなあ、なんか諦められないというか。
私の"かわいい"と疼いた心に抗えないんだよねえ。
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『かわいいの魔力』
"セーター"
そういや、出した冬服の中にセーターがあったな。結構寒くなってきたし、そろそろ出番か。
あ、ダメだ着れない。子猫の毛が付く。セーターだと毛取りが大変だからダメだ。あとよじ登ってきた時爪が引っかかって糸がほつれる。
だから今年は出番無し。…ごめん。
次着るのは、あいつが大きくなって落ち着きが出てきたら…。
来年辺りに出てきてくれりゃあ助かるんだが。……ムズそうだな。
セーター
あなたのセーターに
包まれて…ねむるわ…
あなたの香り…
あなたのぬくもり…
想いを馳せて…