『スマイル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
愛想笑い
偽りの笑み
いつになったら
自然体の
笑顔を
することができるのだろう
#『お題 スマイル』
もう日が落ちた夜、某コーヒー店にて。
「あ、あ、あの、スマイルください!!」
「……ええと、申し訳ありません、当店ではそのようなサービスは提供しておりませんので……」
羞恥を振り切ったような声で注文する俺の前で、俺と同年代だろう女の子が困った顔をしている。本当にごめん、君が悪いわけじゃないよ。俺が全て悪いよ。
高校の部活が終わった後、仲のいいメンバー同士でちょっとした試合をしたのだ。負けたやつが罰ゲームをするという条件付きで。結果、負けた俺が「コーヒー店でスマイルを注文する」という、下手したらネットでネタにされそうな罰ゲームをやっている。ていうか、誰だよこの罰ゲーム考えたの。最近のニュースを見てないのか!?
幸い、カウンターの女の子は困った顔をしただけだ。
「で、ですよね、すみません……。……その。オリジナルブレンドコーヒーのホット、Sサイズをひとつください。あっ、テイクアウトで」
「オリジナルブレンドコーヒーSサイズのホット、テイクアウトですね。そちらのカウンターでお待ちください」
少しの罪滅ぼしにと、コーヒーを買って店を出る。流石に店内で飲む勇気はない。外に出ると、メンバーたちがニヤニヤしながら立っていた。
「お疲れー! どうだった?」「マジでやったのかよ!」「あの店員さん、可愛かったな」などなど、呑気に自由に楽しそうに俺に声をかけてきた。
「うるせーっ!」
そりゃ外野は気楽だろうよ! 負け惜しみに大声を出して、ちょうどよい温度になってきたコーヒーを飲む。あ、美味いなこれ。また買いに来よう。……1ヶ月くらい後に。
「あ」
「ん?」
次の日の朝、学校へ行く途中の信号待ちで、横に立っていた女の子がこっちを見て声を上げた。思わず振り返る。俺の高校の近くにある別の高校の制服だ。なんだかどこかでみたことあるような。
「昨日、うちの店に来てた人ですよね!」
「えっ……。…………ああ!」
思い出した。昨日の出来事を無かったことにしたくて、全力で忘れたのに思い出してしまった。昨日、スマイルを注文した時にカウンターに立っていた女の子だ。俺は即頭を下げる。
「その節は大変申し訳ございませんでした」
「いえ、大丈夫ですよ。たまにそういう人いますし」
たまにいるのか。俺は人のこと言えないが、世界終わってるな。
「それより、いいんですか?」
「え、何がですか?」
ニヤリといたずらを考えた子供のように笑う彼女。
「今ならサービス出来ますけど?」
驚いた顔をしている俺に、彼女はにっこりと微笑んだ。彼女は、意外とお茶目なようだ。
『スマイル』
〈スマイル〉
全身で笑う、真夏の向日葵のような人だ。
あたたかさを通り越して、暑苦しいときすらある。
そして、その花が咲く季節の陽光のように、ジリジリ、ジリジリと。気がつけば、全身、彼への気持ちに焼けていた。
今は冬。
寒い寒いと身を縮こませながら、ふと思い立って深呼吸をしてみる。冷たく鋭い空気を肺にいっぱい吸い込み…そのなかに僅かなあたたかさを感じて首をかしげた。
「おはよ!」
突然後ろから声をかけられる。
振り向ると大きく手を振りながら、駆け寄ってくる人影。ああ、この人が近くにいたからか。可笑しくなって、息だけで少し笑ってから返事をした。
にっこり笑顔で迎えます
あなたを
思い切り口角を上げて迎えます
あなたを
取り繕った表情で迎えます
あなたを
全くもって
楽しくも
面白くも
ないですが
精一杯の偽物で迎えます
あなたを
#26 スマイル
僕は金髪の少年が死喰い人だという確信を持っていた。賢いハーマイオニーは違うというけれど、僕は彼だという確信があった。それを証明するものを探すために、彼をいつも忍びの地図で監視していた。最近彼は、…ドラコ・マルフォイは一人でいることが多い。一体何をしているんだ、必ずつきとめてやると、彼から目を離さなかった。
彼は前と比べて毎日少しずつやつれているように見えた。しんしんと降り積もる雪のように白かった肌は、青白くなり、元々細かった体はもっと痩せ細っているように見えた。そして、そして、最近気がついた事なのだが、彼は、彼は笑わなくなった。
入学してから、最近の、本当にほんの少し前までは逆に笑った顔しか見なかったのだ。ニヒルに意地悪くいつも嫌な笑みを浮かべて同寮の連中と話していたし、僕と話す時はより一層その笑みを深めていかにも楽しそうに、すれ違ったらこれ幸いと不毛な皮肉をぶつけてきたり、嫌がらせをしてきたりしたのに。
最近では一切そのような絡みをしてこなくなった。ハーマイオニーはアイツはもう懲りたのよ、とかもう少なくとも子どもじゃなくなったのよ、と言うけれど。
最近は僕に絡みにくるどころか、マルフォイが僕の姿を見つけると、僕に気が付かれるよりも早く、音を立てずに、その場からいなくなるのだ。まるで、一人でいる今の自分のことを僕に見られることが恥だと言うように。
あんなにマルフォイを持て囃していたスリザリンの連中も、最近では彼を無視するかのように振る舞うことがあるのだ。
彼はどんどん一人になっている時間が増えている。最近では、学食でも見なくなった。
そうして最近、彼は夜中にどこか知らない部屋に篭っているのだ。この部屋はどこなのだろう、と僕は首をひねる。
毎夜その部屋に彼は行っているのだ。
怪しい。ついに僕は透明マントを取りだして彼の後を追いかけた。
ーと
その部屋には不思議な魔法道具のようなものが多数存在していた。それらは希少なものなのだろう、だが、それら全ての存在感をかき消すように、部屋の真ん中にある、大きな鏡に思考を奪われた。忘れもしない、ーみぞの鏡だった。
彼はその鏡の前に座り込んで鏡に手のひらを着いて、鏡を見ている。誰もいない、しいんと静まり返る、この部屋で。
マルフォイはとても穏やかな顔で鏡を見ている。僕は彼のそんな顔を初めて見た。
そうして、彼は鏡に、驚くほど柔らかい、優しい笑顔で、花も恥じらうような美しい笑顔で、笑いかけた。
僕はどきりとした。その笑顔は鏡に向けられているのに、どうしてかはわからないが、まるで僕に向けられているような錯覚がしたからだ。
僕は自分の感情の整理に戸惑っていた。そしてもう一度彼を見た。
でも彼の笑顔は刹那だった。少しずつ弱々しいものになっていき、壊れそうな笑顔になった。眉が八の字に曲がった。そうして彼は俯いた。瞳から、ぽろぽろ涙が零れた。
「…………たす…けて……助けて……僕を……僕を助けて…」
彼は泣いていた。
僕はその場から縛られたように動けなくなった。
スマイル
この世の中には偽の笑顔が溢れているけれど、私も心からの笑顔を出せている気はしない。
でも、心から笑顔になっている人を見ると、自然と笑顔になれる。
そうやって、心からの笑顔の連鎖が起きたらいいな〜
スマイル
愛想笑い
苦笑い
これしか出来ないや
今の自分
スマイル
スマイルといえば、
チャップリンの映画を思い出す。
今では、多くのアーティストが
カバーしていて、よく耳にするが、
昔はそこまででもなく、
喫茶店などで偶然流れてくると嬉しくて、
文字通り、思わず笑顔になったっけ。
音楽でも本でも、自分が好きなものって
思わず笑顔になる。
笑うことは怒ることよりもずっと大切だ。
スマイルは、微笑む様子とのことだから、
黙って微笑んでいようかな。
…何かあったかと思われるな。きっと。
paki
笑顔はこわい。
私は、
笑顔で、
さよならを言った。
嫉み嫉妬、絶望、畏怖、すべてを内包して。
『スマイル』
イツモシヅカニワラッテイル
いつでもにこにこと
ほっぺに可愛らしいえくぼを2つ作りながら
にこにこと__
静かに心のどこかが壊れていく音がした
少しずつ少しずつ
大切な何かを失うようで
そんなことにも気付けずわたしは
イツモシヅカニワラッテイル
スマイルしてる人の心うちを表す吹き出しがあるとして
そこに入る言葉は?と聞かれたら
表情とは程遠いセリフが浮かぶな。
まあ、悪事が上手くいって楽しいとかはあるのかな。
悪いことばっかではなく、自分を守るためとか
その場の空気を考えてとかもあるだろうけど。
どうにも嘘臭いって思ってしまうんだな。スマイル。
怒ってる人は相手を怒ってるから怒ってるけど
スマイルの人は分からない。
相手をごまかしてても、バカにしてても、なーんも考えてなくても
きっとスマイル。
なんか怒ってる人の方が可愛く見えてきそうだ。
(スマイル)
お題:スマイル
『スマイル下さい』
「スマイル下さい」
僕は思いきって口にしてみた。
1回言ってみたかったセリフだった。
マクドナルドの店員さんが困った顔で答える。
「実は、スマイル0円は先月で止めちゃったんです」
「え、そんなことある?君ら接客業じゃないの」
「申し訳ございません。代わりにサブスクプランを御用意させて頂いておりまして」
「サブスク?なにそれ」
「えー、月額500円でですね、系列店すべてでスマイル放題のサービスをさせて頂いております」
怪しげなサービスではあったが、僕は好奇心で登録をしてみた。登録するとスマイルパスポートというものが渡され、店内入口の磁気が検知する仕組みだそうだ。
僕は心なしか以前よりもマクドナルドに行く機会が増えていった。店内にはにこやかで明るい空気が溢れていた。
「あのスマイルは嬉しいんですけど、唐突に真顔になるの怖いからやめて欲しいんですが」
「お客様のプランですと、1度の御来店でスマイルは10秒までとなっておりますので」
「えぇ、じゃあ解約しようかな」
「3ヶ月以内に解約されますと、お客様を睨みつけるペナルティが発生してしまいます」
「なにそれ、怖っ」
「そんな方におすすめのグッドスマイルプラン。完全スマイル放題が1500円のところ、乗り換えのお客様に限り月額1000円で提供しております」
「分かったよもう、それで良いよ」
帰宅して妻に説教された。
「あなた、また変なサブスクに加入したでしょ」
「仕方ないよ、そういう時代の流れなんだから」
「時代時代ってね、そうやって流されっぱなしだから搾取される側なのよ。老後の資金とか子育て資金とか、ちゃんと考えてる?そもそも、いい歳して毎週マクドナルドって健康のことちゃんと考えてるのかしら」
「もう良いよ、寝るからおやすみ!」
マシンガンの様に話し続ける妻を遮り、僕は布団に潜り込んだ。妻の言うことは大体において正論だった。
聞き流してはいたが、まさにその通りなんだよなーと思いながらまぶたを閉じた。
明くる日、妻と一緒にファミレスに行った。
スマイルパスポートの系列店なので、店員は僕らにニッコリと笑みを浮かべている。
妻はパスポートを持っていないが、同伴なのでちょっと得した気分だ。
偶然店内でご近所さん家族と出くわした。
「あら、今日はご主人と一緒なのね」
奥様が品の良い笑顔で僕たちに会釈する。
妻が何か言いたげにしてるなと思ったら、唐突にまくし立て始めた。
「ちょっといいかしら、野菜はちゃんと食べてる?肉ばかりじゃなく、もっと野菜を食べなさい。人間ドックは定期的に行くこと。子供の味覚は幼い頃に出来上がるのだから、濃い味付けのものばかりじゃ駄目よ」
あまりに失礼な妻の物言いに口を挟もうとしたら、隣の奥様がすっと手で制した。
「いえいえ、違うんです。私ってば、はっきり言われないと駄目なところがあって説教され放題サブスクに加入したんです。お宅の奥さんにはいつもお世話になってるのよ」
僕の知らないところで、妻はとんでもない商売を始めているらしかった。これもまた時代の流れというやつか。
スマイル
『スマイルください』
夜(よる)「あそこのファストフード店、スマイルくださいって言ったらスマイルくれるらしいよ」
未衣(みい)「えっ?なにそれ笑、ほんと?」
夜「ホント、ホント、この前言ったらスマイルくれたもん!」
未衣「それってお金取られるの?」
夜「いや、タダだよ!」
未衣「じゃあ行こ!」
夜「いこいこ」
夜「私ここで待ってるね」
夜はお店の入口の前でそう言った。
未衣「なんでぇ?一緒に来てよ」
夜「1人で行かないとくれないらしいから」
未衣「そうなの?!」
夜「なんかぁ〜、スマイルが分散しちゃうから〜、みたいな」
未衣「そうなんだ!、じゃあ行ってくるね!」
お客さんは並んでなく真っ直ぐ店員の前に来た。
未衣「店員さん!スマイルください!!」
店員さん「、、、そういったサービスはやってないんですけど」
未衣「あぁぁ〜〜」
私はリンゴのような顔になった。
後ろ振り向くと店の外でお腹を抱えて笑っている夜がいた。
未衣「夜〜!!」
私はその場から逃げるように走って夜のもとまで行った。
夜「あはははは、ごめんごめん笑」
スマイル
笑顔
上手く笑うことができない私はきっと失敗作
でも好きな人となら笑えるの
「スマイル」
私は基本常にニコニコしてる。
なんで笑ってるかって?
笑顔は幸せの盾だから。
不幸をはねのけて、幸せを呼び込む。
そんな気がしてるから、笑ってる。
スマイルと聞くとまっさきに思い浮かぶのが「幸せ」などポジティブな印象を抱く。自分とは程遠い言葉だ。ポジティブな印象を抱くといったが、状況やその人の背景で意味合いが変わってくる。例えば、葬式などで笑っていたら変な人、怖い人、空気が読めない人、と思われる。また、独りでいるのに笑顔でいたらそれはそれで怖い。このように「スマイル」は、状況でかなり異なる。
黄色い丸についた口。
その口が口角を上げたスマイルなんてマークが一時期流行った。
私はあまり好きでなかった。
どうにも、なにかを強制されてるようで居心地が悪い。それだけならいいがクラスメイトが揃ってつけてる時期もあって苦手意識はました。
嫌悪感丸出しにしようと、いつのまにか、社会からスマイルを強制される。
笑顔、笑い顔。
スマイル。
のっぺりして見える。
スマイル
スマイル
スマイル→笑顔
「笑顔は美徳」
我が家の茶の間に飾ってある、
柳家権太楼師匠の色紙。
時々これを見て、
気持ちを入れ直します。
笑顔が大事。
それは接客の極意だけど、私は笑顔だけでは乗り越えられない壁があることも知っている。
接客する人にも、相手にも笑顔以外の表情があるからだ。
どんな時に、どういう言葉をかけるべきか、慎重に考えないと逆に相手を不快にさせることもあるのだ。
そういうのは経験を重ねるうちに少しずつ分かってくるのだが、相手の出方が分からない場合はかなり難しい。
私はそんな時に、臨機応変に対応できるような人でありたいと思う。
仕事終わりに携帯を見ると、妻からLINEが入っていた。
「お疲れ様です。たくさんの白菜を実家からもらったよ。
今日の夜は麻婆白菜と餃子ね。豚キムチ鍋もあるよ。
もちろんお酒も買いました~。」
俺はニッコリスマイル マークのスタンプを送ると、スキップしながら帰路に着いた。
俺って幸せだなぁ。