『スマイル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
今日がいい日になるように
スマイルを窓ガラスに描く
この絵が私のルーティン
ただの暗示だけど
今日がいい一日になる気がしてる
─────『スマイル』
「スマイルください」
店に入ってきた男はカウンターの前に立つ無愛想な店主らしき男にそう言った。
「スマイルだけですか? 他の商品もいかがでしょうか――」
「スマイルだけでいい」
店主に聞かれ、男は遮るようにそう返す。
店主は一瞬悲しみを含んだような、そんな表情を見せたが、すぐにいつもの無表情に戻ると会計を始めた。「スマイル一つ100万になります」
支払いを終えた男は受け取ったそれをすぐに装着し、嬉しそうに店を出て行った。
その数日後、近所の男が自殺したらしいという噂が入ってきた。
「……いくら笑顔でいれば世の中を生きやすいとは言っても、本音を隠して笑顔だけでいるのは、抱えた苦しみを誰にも気付いてもらえず、辛さは増すばかりなんですよ」
店主は今日も店に立つ。いろんな表情の仮面を並べて。
『スマイル』
❋スマイル
笑おう 貴方の為に
貴方が ゆっくり眠れるように
笑おう 家族の為に
これ以上 余計な心配はさせられない
笑おう 私の為に
この先の幸せは 私次第
娘の恋ばな♡です。
人見知りでぶっきらぼうな男の子に出会い
友達だけに見せる”スマイル”を
自分にも向けて欲しい!からの恋の始まり。
家に遊びに来るようになって
もう 一年以上たつのに
今だに私たちの前では カチンコチン。。。
娘にだけ見せる”スマイル”を
微笑ましく 眺めている。
すべての人が笑うことは無理かもしれない。それでも、いつかあなたの笑顔が見たい。
【スマイル】
スマイル…
忘れ得ぬ思い出の中やわらかな
あなたの笑顔がわたしをほどく
涙の理由は聞かないで
ただ側にいて欲しいの
キミは我儘な女性だね
最上級の褒め言葉だよ
ボクは外を見つめてる
キミは下を向いたまま
大体の事は把握してる
泣きたいだけ泣いたら
顔を上げこう言うのさ
……お腹空いちゃった
ごはん食べに行こうよ
キミは我儘な女性だね
いつも振り回されてる
ころころ変わる表情に
『スマイル』
スマイル
スマイルマーク、スマイリーフェイス、ニコちゃんマークなど、様々な笑顔のイラストがある。
基本は、丸の中に目と口だけで笑顔を表す。たったこれだけなのに、豊かな表情を見せてくれる。親しみやすくて実に面白い。
ということで、手帳を開いて描いてみた。
が、どうにも上手くない。全然ハッピーに見えない。なぜか。
よく見ると、丸が歪な丸なのだ。何度描いてもきれいな丸にならない。どこか歪んでしまう。シンプルなデザインだけに、ほんの僅かな歪みで、全てが台無しに見えてしまう。
笑顔って難しいんだな。意図して作った笑顔で、人をハッピーにするって本当に難しい。そしてすごい。
僕の作り笑顔が、相手をハッピーにしないとしても、無理してるな、と思われなければいいな。
スマイル
あなたの笑顔は癒される。
そんなあなたと一緒にいたいと思う。
今日その思いを伝えたい。
笑顔の値段(テーマ スマイル)
(疲れた。)
自宅にたどり着いたのは、0時過ぎ。すでに翌日が始まっている。
別に飲み会があったわけではない。
仕事が終わらなかったのだ。
(夕方に今日中期限の仕事を持ってくるなよな。)
家族サービスが、とか言いながら仕事を押し付けて帰っていった課長を思い出して、気分が悪くなるため切り替える。
(独身者へのあてつけか、それは。)
一応、自分にも自宅には一人同居人がいるのだ。
夜が遅いのに、ドアの開く音を聞いて猫が寄ってきた。
「ただいま」
同居人は人間ではなく、飼い猫だ。
(猫だけが癒やしだ。)
冷蔵庫からビールを出して、買ってきた弁当を電子レンジで加熱して、テレビをつけて、食べる。
翌日も仕事だから、あまりゆっくりもしていられない。
かまってほしいのか、足を引っ掻いてくる猫をたまに撫でながら、ビールを流し込む。
夜食代わりに餌を猫に出してみると、バリバリと食べ始めた。
夜まで仕事漬けの生活が続いているため、自動餌やり機を導入したが、足りなかったのだろうか。
「お前も一日中部屋の中は辛いよな。」
遅くなる日が続いている。
帰ってきても猫は寝ていることも多く、こうしてコミュニケーションを取るのも久しぶりだった。
とはいえ、キャットタワーとか入れて自分が仕事漬けなので、もはや「ペットがいる自分の家に帰っている」のか、「ペットが住んでいる家に毎晩泊まらせてもらっている」のか、わからなくなる時がある。
猫に声が出せれば、もしかすると
「お客さん、最近ご無沙汰だったじゃん。」
とか言われたかもしれない。
「そういえば、昔、スマイル0円とかやってたな」
猫を膝の上の乗せ、猫の口の口角を上げ、無理やり笑顔にしてみる。
突然の暴挙に、フギャーと声を上げて猫は去っていった。
猫にスマイルはないか。
そういえば、自分もあまり笑っていないな、と口角を上げてみる。
鏡を見ていないが、絶対に笑顔じゃない。これは。
目が笑っていないし。
こういうとき、独身でいいのかと考えるが、同時に、独身でよかったとも思う。
誰にも心配も迷惑もかけないから。
帰ってくるのが遅いと文句を言われることもない。・・・猫以外は。
だが、「だからといって、こういう日が続くのがいいのか」と考えることはある。
「生きるために仕事をしている」ではなく「仕事するために生きている」状態。
(こんな状態で、笑顔なんて無理。)
昔、スマイル0円をしていた店員は、忙しい中で笑顔も作らなくてはいけない、ひょっとしたらものすごく辛いことをしていたのではないか、と埒もない事を考えた。
(せめてテレビ見て笑えるくらいの余裕はほしいね。)
明日は、夕方に仕事振られそうになったらトイレに行ってみるか。と、これまた埒もないことを考えた。
明日も仕事だ。
ホステスに傘を差してもらって上機嫌の酔いどれ客が街を去り、ネオンの少しずつ消えた歓楽街のあちらこちらから事務的な蛍光灯がつき始める。
今宵の売上を数える老マスターと、ドレス姿のまま慣れた手つきで椅子をテーブルに上げ、水拭きをするホステスたち。
小さい店なんでね、清掃はキャストで行うのさと、腰の曲がらない老マスターを気遣ってガニ股のホステスたちが店の中を隈なく行き来する。
もういいよ、上がって。ありがとうね。
その言葉を合図に安物のドレスを躊躇なく脱ぎ去って、日払いのお給金を嬉々と受け取る面々。
店の門戸を開けると、既に日が昇り始めている。
深夜に急に降りしきった雨は束の間のことだったみたい。
あんた、今日昼職は? 休み? じゃあこれから飲み行こうぜ。朝からやってるイイ店知ってんだ奢るから。
さんせーいと店の拙い外階段を駆け降りていく女たち。
ハゲた化粧を見合って笑いながら、女たちの1日はこれから始まる。
お題:スマイル
あなたの笑顔は
いつも
わたしの
精神安定剤でした
# スマイル
スマイル
「ほら。ねぇ。笑って!」君の声が耳元でする。ホント馬鹿だなぁ。君は。私は、君といたら、いつだって、自然に笑顔になってるのに、更に笑えとでも?そう。大好きな君が私の隣にいる。だからこそ私は、自然と笑顔になれる。例え、どんなに嫌な事があった日でも、君といるだけで、どんなに笑いたくなくても、自然と笑顔になってしまうんだ。ホント恋って、愛って、不思議だね。好きな人がそばにいるだけで、どんな時でさえも自然と笑顔になれちゃうなんてさ。だから私は、これからも、君の為、そして、私の為に君のそばにいると決めたんだ。
スマイル
描くのむずかしい
【スマイル】kogi
金曜日のスマイルたちへ。
そう名前が変わったのはいつ頃だっただろうか。
時間の流れの速度が変わった気がしてならないのはいつからだったろうか。
でも、これほどまでに速い流れなのはきらいじゃない。むしろ好きだ。
記憶も何もかも消し飛ぶくらい、早く過ぎ去ってしまえ。
天気の良い日空を見上げ
青空を見つめて一呼吸
空気が綺麗な夜は夜空を見上げ
星を見つめて一呼吸
確かに君といると楽しい
何より君が好き。
昔から青空や夜空を見ては
自分の気持ちを確かめて。。。
やっぱり私子供が好きで
将来結婚して子供欲しいなと笑顔で親友と話し合った。学生時代の夢を思い出す。。。
あなたを
待ち焦がれて…
待合室の曇りガラスに
そっと描いた
にこにこマーク。
あなた好みのオシャレも
今日の為に切った
肩までの髪…
予定の時間より
駆け足になる
この気持ちも…
あなたがくれる
可愛いな…
そんな何気ない
ひとことが欲しいから。
電光掲示板を見つめて
時計を見て…
募る想いが
時間を追い越していく…
曇っていく
にこにこマークが可哀想
そっと手を伸ばしかけて
一瞬だけ…
時が止まる。
窓越しに手を振ってる
くしゃくしゃ笑顔
私だけの…
にこにこマーク。
- mark... -
笑えない。
ちっとも笑えない。
この仕事を一体何だと思っているのか。
医療従事者も云わば接客業。
体の不調の悩みを受け止めて、心身を癒すお手伝いをする。
安心·安全な医療を提供するために、集中力と笑顔は欠かせない。
それなのに、医療スタッフ側が自分の不調に任せて不機嫌を振り撒くなど言語道断。
スタッフ相手だけでなく、患者さんにもそれを見せるなんて、一体どういう了見か。
しかも貴方、その件でクレームも頂いたことがあるでしょう?
名指しで対応禁止を頂戴して、担当交代まで希望された方も何名かいるのに、まったく懲りない阿呆である。
指摘すれば、僕は機嫌悪くも不調でもありません?
一体どの口が言う。
違うと言い張るのであれば、周りに影響出ているその不遜な態度は何なのか。
同じ薬、同じ治療でも、プラセボ効果という言葉まであるように、受け取り方次第で効果が変わることはままに有る。
科学も発展し医療技術も進めども、人体は未だに不可思議、神秘の事象。
大袈裟だと貴方は鼻で笑うけれど、相手のことを思わずに医療は成り立たない。
こちらの一挙一動で、余計な影響を与えてはいけないのだ。
そんな理屈も分からずに、同じ医療従事者を語るなど片腹痛い。
これっぽっちの興味も無いけれど、一体何のためにこの業界に入ったの?
気分屋なノリには付き合いきれない。
フォローする周りの身にもなれ馬鹿野郎。
然らばせめて、私は笑いましょう。
仮面などではございません。
皆さまの健康を守るために。
心からのスマイルでサポートを。
さあ。今日も今日とて、お仕事です。
(2024/02/08 title:006 スマイル)
/練習:奪いたいほどに美しくて
ふわり、花が咲くように貴方は笑うのだ。
何かに熱中していても、どれだけ疲れていても、直前に悲しいことがあったとしても、私が呼び掛ければくるり、とこちらを向いて花が咲く。
それは時によって大輪のヒマワリであったり、涙に濡れた儚げなサンカヨウであったりするので、見ていてまるで飽きが来ない。
もちろん、貴方の花を知るのが私だけではないことはわかっている。
どんな人にも平等に、相手の気持ちを慮り、慈愛を持って接する貴方だからこそ、花に例えられるような笑顔を咲かせることができるのだろう。
それでこそ貴方だ。
自然な貴方こそ美しい、私が愛する貴方の姿はそうあるべきだ。
ただ、それでも。
あの美しき花を手折り、手元に置いてしまいたいと思う私が心の隅に確かにいることを、どうか許してほしい。
『氷解』
駅前徒歩5分 カフェで氷が汗をかく やや薄暗い灯りが灯り スマイルマークのコースターが浮かび上がる 午前7時のモーニング 新聞紙の穴から世界が見える