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/練習:奪いたいほどに美しくて

ふわり、花が咲くように貴方は笑うのだ。

何かに熱中していても、どれだけ疲れていても、直前に悲しいことがあったとしても、私が呼び掛ければくるり、とこちらを向いて花が咲く。
それは時によって大輪のヒマワリであったり、涙に濡れた儚げなサンカヨウであったりするので、見ていてまるで飽きが来ない。

もちろん、貴方の花を知るのが私だけではないことはわかっている。
どんな人にも平等に、相手の気持ちを慮り、慈愛を持って接する貴方だからこそ、花に例えられるような笑顔を咲かせることができるのだろう。
それでこそ貴方だ。
自然な貴方こそ美しい、私が愛する貴方の姿はそうあるべきだ。

ただ、それでも。
あの美しき花を手折り、手元に置いてしまいたいと思う私が心の隅に確かにいることを、どうか許してほしい。

2/8/2024, 9:17:09 PM