『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
天上街はみんな真っ白だった。お家も空も、道を行く子供たちまでも。ほんとうに天国みたいだ。故に京の都ですら隣りあうと見劣りするのに、天上街の隣には半地下街が煤けた空気と存在していた。
天上の街という名の通り、天上街は朝露の透明さをもって気高く、丘の上に存在する。朝の太陽のきらきら光る光線を浴びて起き出す天上街に隠れて、地下にめり込んだ街は今日も薄暗く一日の始まりを迎える。
眼下に広がる可哀想な街を見ていると、踏みつけているような気がしてならなかった。哀れだ。そうも思った。
ススキ
彼女が書いた
ススキの文字が
大スキにみえて
勝手に照れて2度見したことを
俺は墓場まで持っていくことにする
§ススキ
#ススキ
スキだと言われること滅多にないけど
スキマ無く生い茂る景色 割と様になる
キレてしまう事
たまにあるから触れられない
時々遠くへ目線を向けるキミ
そんな時のボクの気持ち
『ススキ』
紅や黄色に衣替えをした葉っぱ、
澄み切った空に点々と浮かぶ渡り鳥たちの姿。
もうすっかり秋です。
青空の下で執事のセバスチャンは恩師である
クロードと言葉を交わしておりました。
「先日の茶葉、誠にありがとうございました」
「たまたま手に入ったものだよ。
喜んでもらえたなら何より」
クロードは悪役令嬢の父に仕える老執事であり、
身寄りのないセバスチャンを一人前の執事へ
と育て上げた師でございます。
「仕事は順調ですか?」
疲れの色を隠せないセバスチャンを気遣うよう
に、モノクルの奥から見つめるクロード。
セバスチャンは近頃の主の様子について
打ち明けました。
彼女は部屋に籠城しており、
食事や紅茶を持ってきても、
『うるせえですわ!勝手に入ってくんなですわ!
部屋の前に置いとけですわ!』
と拒み、わがまま暴君と化していたのです。
理由は明白。セバスチャンが彼女の告白を
受け入れなかったからです。
「俺はあの方に出会うまでずっと一人でした。
己の出自すらわからない人狼が、あの方の
お傍にずっといていい筈がない」
その言葉を口にするセバスチャンは、まるで
不安に震える子どものようでした。
クロードは静かに諭すように答えます。
「君が何者であろうと、お嬢様に対する真実の
愛は変わらない。お嬢様も君が何者であろう
と受け入れてくれるだろう」
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
師と別れたセバスチャンは、
あぜ道を歩きながらさらさらと風に揺れる
ススキの穂を眺めていました。
遠くには羊飼いの少年が、
草を食む羊の群れを導く姿も見えます。
屋敷へ戻ると、何やら香ばしい匂いが漂い、
髪を二つ結びにしたメイドの少女ベッキーが
セバスチャンの元へ駆け寄ってきました。
「あ!おかえりなさい、セバスチャンさん!
お嬢様を見かけませんでしたか?」
「いや……主に何かあったのか?」
「ウッドチャックを追いかけて
どこかへ行ってしまったんです」
何でも、悪役令嬢を元気づけようとベッキー
が焼き芋を作っていると、近所に棲むウッド
チャックがひょいと現れ、冷ました焼き芋を
持ち去ってしまったのです。
犯行の一部始終をとらえた悪役令嬢はウッド
チャックを追いかけて姿を消したと──。
セバスチャンはススキの群生をかき分けて、
彼女の匂いを頼りに跡を追います。
やがて開けた場所に出ると、見知った後ろ姿
を発見。ドレスの裾を束ねて屈み込む悪役令嬢
が何かを観察しておりました。
「主、ここにおられましたか」
「!セバスチャン……」
悪役令嬢は一瞬驚いたものの、
すぐに背を向けました。
セバスチャンが彼女の見つめる先に視線を
走らせますと、そこにはなんと小さな巣穴が。
巣穴からはぶくぶくに太った親ウッドチャッ
クと、小さなウッドチャックたちが顔を覗か
せてこちらを興味深そうに見つめております。
「子どもですか……」
「ええ、子のために盗みを働いた輩に鉄槌を
くだすなど、悪役令嬢の道に反することですわ」
悪役令嬢は振り向き、期待を含んだ声で
尋ねます。
「私を探しに来てくれたのですか?」
「はい」
スーツに秋草の穂を纏わせた執事の姿に、
悪役令嬢は思わず微笑みを零します。
「戻りましょう。ベッキーが心配しています」
恥ずかしそうに穂を払いながら言うセバス
チャンに、悪役令嬢は渋々立ち上がります。
「主、お話があります。後ほどお時間を」
真摯な眼差しに射抜かれ、
ドキリと胸を高鳴らせる悪役令嬢。
「え、ええ……よろしくてよ」
ススキの茂みから出てきた二人をベッキーは
笑顔で迎え入れ、それから三人で焼き芋を
食べました。
ホクホクとした焼き芋を頬張りながら、悪役
令嬢はセバスチャンを見上げます。優しい甘さ
の焼き芋は、どこかしょっぱい味がしました。
ススキ
秋になると通学路はススキのストリートで、風が吹くたびさわさわさわさわと鳴り、話し声を打ち消し、自然の音だけが残った一瞬の沈黙が訪れるような帰り道。子供ながらに、ダイナミックに揺れるススキの穂を見るたび、心惹かれた。風によって落ちた穂を拾い集めては、持った穂を独り風に靡かせながら、赤く照らす夕日に向かって走れるまで駆けぬけた。
秋と言えば?で必ず出てくる植物だと思う… お彼岸に墓参りに行くと 他の墓花の中にススキを生けているものがあって ステキだと感じた 個別で見るのもいいが大量に生えているススキも圧巻である 緑色から徐々に黄金色に姿を変えて 観光の目玉にもなっているススキ… 昔から愛されているのも納得である…
ポポヤ
子供の頃に住んていた所を思い出します。よく遊びながらススキを摘んでいました。
膨らんだススキの穂の皮をめくるのが好きでした。それを見て十五夜が近づいているんだなっと感じていたことを思い出します。
ススキと言ったら秋~!
今年は秋飛ばして冬笑笑
寒いって~秋好きなのに~
穂が揺れる。風で揺れる。
照る陽は穏やかに、空も晴れやかに。
朱も花もない地で実り、細波のようにこすり合う。
肌を撫でる寒空もすぐそこに。
縁側で煎茶を傍らに、眺めるひと時ももう暫し。
穂が揺れる。風で揺れる。
刹那の季節に、心も揺れる。
【ススキ】
お月見といえば
のススキ。
実は
あのシーズン
うちの周りでは
まだ
あまり
ススキは
生えていない。
その辺にあるだろうと
探しても
探しても
ほんとに
見つからなくて。
どうしても
必要だったから
遠くまで
探しに行った
記憶がある。
お月見=ススキ
は
イメージ
決めつけ
だったのかなぁ。
#ススキ
月の空。
唸るような風に
ススキがザワザワと。
人に迎合することが
生きる道だった。
流れの中で
丁寧に
さざめなくては
自分見失うことを
いまは思う。
ススキ
空き地でギターとベースの音合わせをしているところに、リスが慌てて駆け込んできた。
たいへん、たいへん。白うさぎくんがバンド辞めるって。
なんだって。
ふたりが驚いて顔を見合わせた。
理由はなんだワン?
それがね、ススキのスティックが折れちゃったの。それでもう、ドラムは叩けないからって落ち込んでるの。だからもう田舎に帰るって。
にゃあんだ、そんなことか。ススキなんてそこら中に生えてるニャ。わたしがサッと行って取ってくるニャ。
ダメダメ。それじゃダメなの。
なんでニャ?
白うさぎくんのスティックは特別製なんだって。富士山を見つめる、満月の光を浴びたススキじゃないとダメなの。
次の満月は確か……。今日だワン。
白うさくんはいつ田舎に帰るニャ?
明日なの。
沈黙が流れる。ギタリストのイヌ。ベーシストのネコ。ヴォーカルのリス。3人が見つめ合い、決意が固まる瞬間を感じながら、同時に頷く。
行こう。富士山の見える丘へ。
3人はすぐに支度し、ゴミ捨て場へ向かった。
ゴミ捨て場には、運良く、3羽のカラスタクシーが留まっていた。
走ったまま立ち止まること無く、3人はそれぞれカラスタクシーに飛び乗った。
富士山の見える丘まで。超特急で頼むワン。
ふ、富士山まで?かなり遠いですぜ、お客さん。
なんとしても今夜中に行きたいニャ。高速料金も払うニャ。
そうですかい。そういうことなら、行きますぜ。ちゃんとつかまってなよ。
3羽のカラスが空高く舞い上がる。風に乗って一気に加速した。見慣れた家々があっという間に後ろに流れていった。
数時間後。
お客さん、すっかり夜になっちまったが、どうだい、この辺で。
長時間のハイスピード飛行移動でヘトヘトになった3人が、カラスの背から頭を出して周りを見た。
あ、あそこ。あの丘がいいんじゃない。
リスが指差した方向を見てふたりも同意した。
タクシーがゆっくりと着陸。途中、高速領域に入った加速で、リスが振り落とされて別のカラスタクシーに拾ってもらうというアクシデントがあったが、なんとか目的地にたどり着いた。
周りの景色をみながら3人は大地へ降り立った。そこには……。
冠雪を頂いた富士山。その手前には、満月の光で銀色に輝くススキの絨毯が広がっていた。風が吹くと、ススキはささやくように音を立て、静かなオーケストラの始まりようだった。
綺麗だね。
綺麗だワン。
綺麗だにゃ。
3人ともしばらく、目の前の光景に酔いしれていた。
ハックション。いやぁすいません、お客さん。帰りの時間もありますんでそろそろ。
あ、そうだね。急いで帰らないと。ふたりとも、ススキ取ってきてくれる?
イヌとネコは1本ずつススキを摘んで、大事に抱えながらカラスタクシーに乗り込んだ。
じゃあ運転手さん、帰りも超特急で頼むワン。
3羽が丘の上空に上った。ススキの野原の上を2、3度旋回し、ぼくらの町へ針路をとった。
翌日。
はい、白うさぎくん。
3人を代表して、リスが2本のススキを差し出した。
これは……、もしかして。
うん。富士山を見つめる、満月の光を浴びたススキ。3人で取ってきたの。これでまた、ドラムできるよね。みんなでまた、バンドやれるよね。
みんな……。ありがとう。
白うさぎは涙を浮かべながら、ススキのスティックを受け取った。
よし、じゃあさっそく演ってみるワン。
白うさくん、何かやりたい曲あるかニャ?
えっとね、えっとね。実はこっそり練習してた曲があるんだ。
なになに?
えっと。スレイヤーの「Angel of Death」。
……。あの?ヘビメタの?スラッシュ・メタルの?
うん。
3人が声を合わせた。大声で。
そりゃあ、ススキのスティック、壊れるよ。
ススキ
『幽霊の 正体見たり 枯れ尾花』
あの諺を教えてくれたのは誰だったか。
晩秋に差し掛かる穏やかな日に社会に疲れてふと遠出をしたくなった。当てもなく車を走らせる。通り過ぎて行く街並みから離れた場所にある名前も知らない田園で給油を知らせる点滅に気がついた。
ビルに囲まれた街の見えないこの場所にあるのは何処までも広い田畑で、無性にこみあげる懐かしさに胸が痛む。郷愁とも違うジクジクとした痛みの元がわからずに車から降りてトボトボと歩いた。
もうすぐ冬に切り替わるのだろう。
風が冷たい。
もう少し前ならば稲穂が風を遮ってくれたかも知れないが稲刈りも終わり綺麗に揃った畦道には無造作に生えたススキだけが風に揺られて靡いていた。
子供の頃、帰る道すがらススキを片手に帰っていた日を思い出す。あの時誰か隣にいなかったか。
嘘つき。
ふと振り向いた先に小さな子供が立っていた。
本当は覚えてるくせに。
まるで責め立てるような鋭い目が『今の自分』を責めている。腰ほど迄の高さのススキがあの時は背を覆い隠すほどに高く感じた。目の前の子供が、私が、今の私を見つめている。
逃げるの?
嘘つき。
雄弁に語り出す目が、幻だとわかっていても突き刺さった。そうだよ、ズルい大人になったの。
逸らした目の先で黄金色のススキが風に揺れている。
『ススキってお化けみたい』
『知ってる?ススキを幽霊と間違えた諺があるんだよ』
『えー?なにそれ面白い!教えて!』
笑い合う小さな子供が二人。
覚えている、でも思い出したくなかった。
だってアンタ、もう居ないじゃない。
顔を上げれば夕暮れに長い長い影が一つ。
『悔しかったら化けて出てきて見なさいよ』
呟くように囁いた声はススキだけが知っている。
お題『ススキ』
うちの学校は山奥にある。友達が一年生のとき、あわてた様子で学校の裏山ですすきを集めてたのを思い出す。
どうやら、「ステージに上がる先輩が背負う羽を後輩が作らないといけない」と言われているからなのだ。
友達は宝塚の真似事をする部活に入っていて、そこはとても上下関係が厳しく大変そうだなぁと思いながら見ていた。
今、私たちは三年生。友達がトップになった。容姿端麗なだけじゃなくて、ダンス頑張ってるの知ってたからトップになれたって言われたときはすごく嬉しかった。
その友達は今度の文化祭で後輩が作ったすすきで出来た羽を背負ってステージに上がるらしい。
……その風潮だけはどうにかできなかったのかな、と部外者である私は正直思うのである。
約束に遅れてきたのはスネ夫くん
「前髪がキマらなくて」
ほっぺが紅葉しているよ
2 ススキ
ススキと言われて、小学生の時に通学路の池の防護柵の向こうにふわふわのススキがあったことを思い出したが、同時に記憶違いだったような気もしないでもない。言われたことを破ると痛い目を見ると教育されていたため、防護柵の向こうに行こうなどと思いもしなかったし、実際危険でもあった。
触れたいけど叶わない。やはり、届かないものほど魅力的で、あまく記憶に残るものなのだな。今でもススキがあるとあのふわふわに弄ばれてみたくてじっと見つめてしまう。
今日のタイトル、
す、好き!
かとおもっちゃった。
頭がお花畑です。
彼女いない歴 1年2ヶ月
〈ススキ〉
ススキが夕日に照らされるのが
綺麗で写真を撮る。
こんな写真も君に送ってもいいのかな?
─────『ススキ』
おいでおいで…
って手招きしてるように見える
寒い時期の温もりみたい
#ススキ
ススキ輝き
揺れる穂先に 蘇る
幼き日々の
遠い思い出
『ススキ』