ススキ秋になると通学路はススキのストリートで、風が吹くたびさわさわさわさわと鳴り、話し声を打ち消し、自然の音だけが残った一瞬の沈黙が訪れるような帰り道。子供ながらに、ダイナミックに揺れるススキの穂を見るたび、心惹かれた。風によって落ちた穂を拾い集めては、持った穂を独り風に靡かせながら、赤く照らす夕日に向かって走れるまで駆けぬけた。
11/11/2024, 12:42:38 AM