あるまじろまんじろう

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 天上街はみんな真っ白だった。お家も空も、道を行く子供たちまでも。ほんとうに天国みたいだ。故に京の都ですら隣りあうと見劣りするのに、天上街の隣には半地下街が煤けた空気と存在していた。
 天上の街という名の通り、天上街は朝露の透明さをもって気高く、丘の上に存在する。朝の太陽のきらきら光る光線を浴びて起き出す天上街に隠れて、地下にめり込んだ街は今日も薄暗く一日の始まりを迎える。
 眼下に広がる可哀想な街を見ていると、踏みつけているような気がしてならなかった。哀れだ。そうも思った。




ススキ

11/11/2024, 1:01:31 AM