『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ススキ
初めてススキ野原を見たのは、関西圏のススキの名所、奈良県曽爾村の曽爾高原だった。
一面のススキの海。昼間は銀色の波のように、夕方は夕陽に照らされて金色に揺れている。
背の高さを超えるススキの間の遊歩道を歩いた。まるで迷路みたいだ。
夜になるとほぼ真っ暗で、月の光とライトアップの灯りだけが頼りになる。光にぼんやり浮かび上がるススキの間から何か出てきそうで、その妖しい雰囲気は昔話の中にいるような気分になった。
アクセスは良くないですが、一見の価値ありです。ぐるっと回るとちょっとしたハイキングになるので、歩きやすい靴をおすすめします。
#84
ある直前、わたしの脳裏を横切るのは、
辺り一面に広がるススキ。
濃い橙色の空が、真っ赤な夕日が、
ススキ達を燃やしているように見える。
一つ一つの願い。
今度こそわたしが叶えてみせる。
みんなが幸せになるために。
〜脳裏〜
〜ススキ〜
【ススキ】11月11日
「もう秋が終わるね」
君の背中に抱きつきながら呟いた。冷たいはずの風が、私にはあたらない。彼が全部受け止めてくれているから。君がいない冬なら来て欲しくないな。
君の後ろに乗って見る、風に倒れるススキが忘れられないよ。
#3
ススキが一斉にが揺られてる。
風のせい。
あの真ん中に行ってみたい。
きっと綺麗なはずだから。
だけど、それまでの道が遠い。
いつかは行ってみたい。
笑いながら体に傷をつくって服を汚しながら。
「この風景、見たことがある」
秋の日の夕方、母のお見舞いの帰り道、兄がつぶやいた。
兄の視線の先には、夕焼けと、川と、群生するススキがあった。とても綺麗だった。
80歳になる母は、この夏から、川の近くにある老人ホームにいる。
「見たことがあるって?」と、私。
「いつだったかな?」と、兄はしばらく考えていた。
「確か幼稚園の頃、お母さんと来たんだよね。ススキと夕焼けがとても綺麗で、あれはどこだったのかなって、思い出すたびに考えていたんだ。たぶんここだったんじゃないかな」
初めて聞く話だ。私は前から疑問に思っていたことを訊ねた。
「ここって、実家から遠いよね。お兄ちゃんと私の家からも近くないし。でも、お母さんがここがいいって…。何か理由があるのかなと思ってたんだよね。思い出の場所とか?」
「僕は、何度か来てると思う。小学校に入ってから、来なくなったんだ。ちょうど、香澄が生まれた頃かな」
私と兄は、7歳離れている。なんで母は、ここに来ていたんだろう。そして、なぜこの場所を終の住処に選んだんだろう。それは、兄も知らないようだった。
次に母と会った時に、それとなく聞いてみようか。
今まで、母の若い頃の話なんて、聞こうと思わなかったし、母も話したがらなかった。
母の人生を、急に知りたくなった。
思い出にはないけれど懐かしくて寂しくて
ちょっとだけ優しくなれる
“ススキ”
ススキ
ススキ野原には
いつもなくした何かが落ちている
夢 希望 約束 指輪…
ELLEGARDENの「指輪」という曲は
秋にぴったりな喪失感のある曲
エルレには珍しく日本語詩の曲
聞いてみてね!
Thema.ススキ
?ススキと言われても、、、
よくわからんThemaやなぁ
まあ、今日は、精神科閉鎖病棟退院日なんで、新しいThemaでたら出来るだけ更新しにきやすわ
じゃあ、退院記念日にかんぱあーい👏
ススキ
ススキの野原で、うさぎがぴょ〜ん。
まんまるお月様に、うさぎがぴょんぴょ〜ん。
ススキ、と聞くと「昭和枯れすすき」と思い浮かぶ自分にトシを感じる。昔のテレビでけっこう聞こえてきてた。
あとは、月とススキ。お供えの団子。
子供時代、近い場所に野原があった頃は、ススキを一本とってはハタハタさせて遊んだりもした。今その場所はすべて市営住宅になって公園整備され、桜や銀杏、松のたぐいが植えられて、ススキはいない。ススキもまた、そこら辺で遊ぶ子供の友だったのだ。数年前、花屋でススキが売られていることに驚いた記憶がある。多分、「月見のしつらえ」や、生け花に需要があるからだろう。間違いなく「季節を知らせる」存在感のある植物だ。
さて、冒頭の「昭和枯れすすき」だが、まあアレな内容の歌であるんだが、りっぱにヒット曲だ。私が子供のころ、その歌にどういう印象を持ってどう反応したか思い出してみる。
貧しさに負ける…ってどういうことだろう。
世間に負ける、ってどういうことなんだろう。
この街も逐われた、「も」ってどういうことかな…
いっそきれいに死のうかって、辛いってこと?
が、だいたい中心だった。
子供心に思ったのは、「そうか、貧しさに負けちゃダメなんだな」という感覚だったと思う。この歌はとても不幸せそうだったからだ。そして、「きれいに死んじゃダメなんだな」とも思った。汚く死ねば良いという意味ではない。「きれいに」などと言う表現が、なんだかひっかかったのだ。まるで、生きた痕跡まるごと消し去るつもりみたいな。
「ふたりは枯れすすき」とむすぶ1番。独りじゃないらしいが、ふたり居てふたりともそう考えるなんて、もったいない感じ…とも思った。まあ、時代性というやつかもしれない。
現在いいトシになって、そこそこ人生の季節を過ごし、ある意味ハラも据わってきた頭でこの歌を見返すと、「貧しさから脱出、或いは少ない手持ちでもすり抜けられる方法を探さないと。世間って言うけど、世間なんて核心の無いあやふやなものを気にし過ぎちゃダメだ。逐われない場所を見つけて、せめて自分自身だけでも自分の生きることを肯定しないとね。誰が救ってくれる? 誰が代わりに生きられる?」などと思う。…ああ、自分は歳とったんだなと思う。
すすきは、ふわふわとしてくる前はつやつやしている。茎もしっかりしていて、ちょっとの力では引き切ることなんか出来ないほど強靱だ。それは枯れかけても大して変わらない。他の植物と同じく、サイクルの終わりに潔いけれど、独特の頼もしさを醸す草なのだ。
『恋の音』
大好きでした。
愛していました。
誰よりも、心の底から愛していました。
大好きでたまらなくなるほど、
あなたが愛おしくて、可愛らしくて、
貴方と目が合うその瞬間がどれほど私を喜ばした事か貴方には分からないでしょうね。
あなたの声を聞くだけで、この胸の高鳴りは簡単にも音を立ててしまうのです。
あぁ、だけど貴方に近づくことも出来ない私はなんて臆病な人なのでしょうか。
一声、挨拶さえ出来ればいいのに。
それすら出来ない私はとても怖がりなのです。
この気持ちを抑えることの出来ないことに、
私は苛立ちを感じます。
何も出来ないクセにトントンッと音を立て、
貴方にこれが聞こえてしまうのではないかと恐怖させるこの音が私はとても苛立ちを隠せないでいる。
いっその事、この心臓を取り出すことが出来たなら、
私は直ぐにこれを潰して音を消してしまいたい。
ススキ
ススキの風に揺られて
秋の草原を歩く
まるで優雅な踊り子のように
ざわめく風景に魅了される
自然のリズムに耳を傾けて
ススキが囁く秘密の歌と
息子との合唱が一面に響き渡る
長く伸びるススキと息子の影を見て
成長を感じるとともに寂しさへと一歩近づく
このススキの大地のように
息子の未来が無限に広がっているようだ
#ススキ
思いつかない。。。
ただ、
ススキをスズキと読み間違えたのは、
わたしだけ?
ススキの葉が風に揺れると、秋の気配。
木枯らしの冷たい風が静かに音を立てて近寄ってくる。
そうすると緑に色付いていた葉はたちまちに役目を終え、彩を落として風に揺れて樹木から離れて落ちていくのだ。
なんだか、少し切なさを連れて。
ススキ
ホウキ
シッポ
コムギ色
揺れる
群生してて
同じ方向に
風の吹く方向に
あるところに立派なススキ畑がありました
それは立派なススキ畑で地域の人々から愛されていました
ある日ここに宇宙人がやって来ました
「なんて素晴らしいススキ畑だ。アートを残していこう」
そう言って彼は立派な大木を残していきました
そう彼は宇宙の迷惑系のアーティストだったのです
しかし地球人には彼のアートは理解できませんでした
突如現れた大きな木に誰もが怖がりました
今では誰も近づきません
ある時、このススキ畑に、とある噂が流れました
噂を聞きつけ、二人の若者がやってきました
彼らはススキ畑をくぐり抜け、木の下に辿り着きます
背の高いススキでしたので、周りはススキだけしか見えません
まるで、世界には少年と少女だけしかいないようでした
少女は真っ赤になりながら言います
「あなたに伝えたいことがあります。えっと、その、あなたのことが―」
そして彼女は噂に従い、来る時に拾ったススキを前に突き出し言いました
「ス、スキ」
こうしてまた一組のカップルが誕生しました
程なくして、ススキ畑は恋愛成就の名所として語り継がれることになったのでした
めでたしめでたし
さわさわと秋の風に揺られるすすき畑が太陽に照らされて幻想的な光景が広がっている。数ヶ月前に帰ったばかりなのになんだかひどく懐かしく感じた。彼女と一緒に数ヶ月前に見たときはまだ緑だったすすきはきれいな赤褐色に染まっていた。
数ヶ月前、結婚の報告に来た両親に今日は婚約者の死を伝えに来た。
「穂乃香が死んだ。」
そんな、今世紀最大と言っていいほど最低最悪な報告を受けた。
飲酒運転だそうだ。
彼女の訃報を悲しむ間もなく慌ただしく葬式が行われた。彼女の両親が言うにはこういうのは早めに終わらせた方がいいらしい。分かってはいてもこの両親には心がないのかと憤りを感じていた。しかし、葬式の夜、誰もいなくなった会場で肩を寄せ合いすすり泣いている2人の姿を見て自分がどれだけ最低なことを思っていたのか思い知った。当たり前だ。自分の娘が死んで悲しくない親などいない。1番辛いのは遺族に決まっている。
彼女とは結婚を約束した仲だった。
お互い両親にも挨拶を済ましあとは結婚だけだっと言うのに。どうして、、
そんなどうしようもないことを考えながら彼女と来たすすき畑に突っ立っていた。
彼女の死を伝えた後だからか、彼女の死自体のせいかそれとも秋の哀愁の雰囲気のせいなのかただただ虚しく感じて呆然と1人、「すすき」を見ていた。
ススキ
ススキは綺麗だね
秋になると咲き誇る(?)ススキ
ススキの色は美しい
そう思うことはないか
ススキ
まだ
手を伸ばしてる
私がいる
手放したのは
私なのに
いつか風が
私のその時を
何処かで
貴方に告げた時は
貴方があの日
見せてくれた
ススキ揺れる
あの丘で
少しだけ
心の引き出しを開けて
私を思い出して
「ススキ」
尾花に火種を落とす。
乾いた枯れ枝に引火させたら、上から杉の葉を乗せて……
よし。これで少しすれば、どんどん煙が出てくるはずだ。
そう思ったら、急に目の前がくらりと揺れた。傷は大したことないけど、疲れがもう限界。
焚き火の側に横向きに倒れる。
『独りになっちゃうとはなぁ…』
追手を引き受けてくれた上司の背中を思い出す。偵察の結果次第で合図を送り、味方の軍が一斉に攻めに掛かるのだ。
その狼煙が今、俺の手で上がる。
『――…』
口が勝手に想い人の名前を呟いた。上司と一緒に囮役になった女の子。君はまだ無事でいる? 俺たちは狼煙さえ上げれば退却できるから、どうか二人とも、無事でいてね。
弱っている時は考えることも弱気だ。煙が目に沁みる。
俺たちはこうやって、一番にやられていくものなのかな。
真っ先に燃える尾花のように。何かに後を託して。
目が痛い。眠い。ほめて、ほしい……
目を瞑ると、左目から零れた涙が右頬へと伝っていく………
上司の背中で目が覚めた。
後ろを歩いていた想い人が上司よりも先に気付いて、煙の吸い過ぎで気絶していた、と教えてくれる。
『……風向きも考えずに火なんか焚くな』
上司は、俺の行動につらつらとダメ出ししながら歩いて行く。重要任務を果たしたんだから褒めてくれたって良いのにと文句を言ったら、女の目が無くてもそのくらいやれ、と言われた。……べつに意識なんかしてないですよっ!
ちぇっと口を尖らせると、会話を聞いていたその子がクスクス笑うので恥ずかしくなって、へらっ、と笑い返した。
……まあ、良いか。無事だし、置いて行かれなかったし。
上司(この人)、きっと何か奢ってくれるだろうから、それで褒められたと思っておこう。
【ススキ】