『ススキ』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
ススキ
ふわふわと揺れるススキを見たい
かさかさという擦れる音も好きだけど
猫じゃらしのようなものが大量に揺れるなら
どんなに幸せな心地なのだろうか
ススキ
ススキ
ススキが見たい
地味な女がいた。
どこにでもいる
なにひとつ取り上げるようなところのない
普通の女だった。
夏が過ぎた。
地味な女にはよく似合う
暑くもなく寒くもない、
そんな季節になっていた。
川は静かだった。
水面に映る青空はどこまでも澄み渡っていた。
水辺に立つ彼女は身長もあって
とても映えて見えた。
雨が降っていた。
空から降る幾千幾万の雨粒が
地面を容赦なく打ち付けている。
そんな中を彼女は元気よく駆け出し
曇天に沈みがちだった僕の心を
少しだけ軽くした。
暗い闇の中で心細く震えていると、
そこに現れた影に酷く驚いた。
しかしそれはキミで、
僕はすごく安堵したのをおぼえている。
君の名は【ススキ】。
どこにでもある、
とくに気にすることも無い
秋によく見る背の高い雑草だった。
でもその実、
秋の七草にも数えられる
秋を彩る優美な植物とされているのだという。
また別の呼び方として【茅(萱)】とも言うのだそうで、
雨風を凌ぐ茅葺き屋根にも使われる【茅】として
その強く丈夫でしなやかなところで
人の暮らしを支えて来たのだとも知った。
『幽霊の正体見たり枯れ尾花。』
という言葉に出てくる尾花もまたすすきの別称。
暗き闇に佇むその白くなびく穂先を見て
人は驚いたりしていたのだろう。
とはいえ、その実を知れば、
とても身近で手を伸ばせばどこにでもある
そんなススキにむしろ癒されたりしていたのかもしれない。
ススキかぁ。学校の帰り道に、よく引っこ抜いて遊んだ気がする。
何で子どもって、長く伸びてるものを引っこ抜きたがるんだろうね?
大人になって、運転するようになって、歩く機会が減ってから、道端や歩道の植物をあまり見なくなったので、ススキも、今でもあるのかな?と思ってるしまう。
風に吹かれて、子どもに引っこ抜かれて(笑)、なかなか大変かもね。
「ススキ」
吹く風が、
ひんやりしてきましたね。
朝晩の冷え込みで、
毎日
何を着ていこうか?
と考えてしまう。
かと思うと、
お昼は
暑かったり、
今頃になると
川沿いに
生えてる
草木の 色も
変わり始め、
秋一色🍂
中には
少し強めの風が吹くと
それらが
一斉に
なびく
そんな
なびく景色が
とても
情緒があるな〜と
感じる。
その中で、
一際、
いつも目立っている
ススキ🌾
場所によっては
違うかもしれないけれど、
ススキが
風で
折れている
姿を見たことが無い。
いつも、しなやかに
風の流れに任せて
揺れている。
きっと、
その方が
折れないのですね。
私も、
時に苦しい時や、
いろいろな
状況にも
その時に合わせて
しなやかに、
風に任せている事も
大事だなぁと
感じる。
自然から
沢山の答えを感じる。
世界が何を言っても
あまり関係ない
だって私は
私の目に映る範囲でしか
物事を認識できないから
それって 皆 一緒でしょ
「おい、ススキ!」
僕の名前は鈴木。
でも、みんなからは『ススキ』って呼ばれてる。
茶色くてなんかふわふわしてるススキみたいにぱっとしないから、らしい。きっと、小柄で暗いから、そうやっていじられるんだろうな。
「昨日、裏山にススキがいっぱい成ってたぞ」
「あれだけあると邪魔だな〜。邪魔邪魔」
「全部刈っちまおうか? なぁ、ススキ」
そうやって、僕をいつもからかってくる子達が、にやにやしながら肩に腕を置いてくる。
僕は「そうだね……」としか返せなかった。
「こら! まーた鈴木に絡んでるのか!」
そこへ割り込んできた子が一人。
僕のことを唯一ちゃんと呼んでくれる子だ。
「月野さん!」
「ほら! 邪魔なのはあんた達だよ。行った行った!」
月野さんはその子達を蹴散らすと、僕の正面に立った。
「昨日、裏山でたくさんのススキ見つけて、なんか思わず取ってきちゃった。鈴木にあげる」
笑いながらススキの束を僕に渡してくる。
僕は少し悲しい気持ちになって、それを受け取らず、下を向く。
「……月野さんも、僕のこと、ススキみたいにぱっとしないと思ってるの?」
「え?」
しまった。
変なことを聞いてしまった。
みんな当たり前のように思ってることを。わかってるのに。僕なんて、そんな人間なのに。
「何言ってんの? ススキ見たら秋だなーって思うくらいにはぱっとしなくなくない? ん? ぱっとする? じゃん?」
思わず顔を上げる。
月野さんは心の底から不思議そうな顔をしていた。
「そういえば、ススキって名前の由来調べてみたんだけど、すくすく育つ木ってところから来てるらしいよ。鈴木もススキって呼ばれてるんなら、そのうちあたしを超えるくらい大きくなっちゃうのかなー」
月野さんがそう言う。そう言ってくれる。
「……うん。大きくなるよ」
「えー? ちょっと寂しいなー」
大きくなりたい。君を超えるくらいに。
そして、いつか、守られるんじゃなく、君を守りたい。
差し出されたススキをようやく受け取り笑うと、月野さんもつられて笑った。
「ありがとう」
昔、裏山の前を通った時に見た、あのキレイな夜のように。優しく月に寄り添うススキでいたい。
ずっと君の隣にいたい。
『ススキ』
伝えたい想いを秘めて
今日こそは…って
震えだすカラダと
右へ 左へ なびく気持ち…
この胸に芽生えた
あたたかな 気持ちを伝えたら
君はどんな顔をするのだろう…
隣を歩く 無邪気な横顔に
声に出さずに聞いてみる。
あのさ…
風が強く吹いた
躊躇う気持ちをくすぐるように
道路脇のススキがひっそりと
右へ 左へ なびいて
夕陽に照れされた君へ
ずっと前から…
2度目の大きな風が吹く
少しの静寂と 照れ笑いする横顔が
夕陽に照らされて
とても綺麗だ…。
- 秋風のラプソディ -
延々と続く田舎道を歩く。
代わり映えしない景色ではあるが、都市に比べ空気が澄んでいる。それだけでまだ救いようがあるだろう。
ふと、何気なく足を止めた。
風になびく髪をかき分け、目を凝らす。
黄金の波に紛れ、黒い耳と尻尾が揺れていた。
「んぅ……?おじさま?」
波の中に身を委ね、心地良さそうにする彼女がいた。
「こっちに来ませんか?静かで涼しいから、ぐっすり眠れるかもしれませんよ」
彼女に促されるままに、身体を横たえる。
確かに眠れそうだ。優しく通り抜ける秋風と、揺れる穂の音。見上げれば、悠然と星が輝いている。
何よりも、黄金の中に密やかに紛れ込む彼女も美しい。だが、その波の中に攫われそうで。
「……いいか?」
返事の代わりに、細く白い指が絡み合う。
嬉しいのか尻尾も巻き付いてくる。
穏やかな波に身を委ねた。
薄く微笑む彼女の顔が見えた気がする。
『晩秋の抱擁』
「ススキ」
ススキの花言葉で
「悔いのない青春」
っていうのがあるんだって
あまり知られてないらしいんだけどね、
ススキみたいに強く、柔軟に
残りの青春を謳歌したい。
ススキに、彩りを添える
背の高い黄色。
群生地が、同じ環境らしく
あの黄色が なんなのか知ってる人は
どれくらいいるのだろう。
毎年見かける秋の共演…
ブタクサに、間違われる事も
多いようだが
「セイタカアワダチソウ」というのだ。
私の 認識も
ススキと一緒に生えてるやつ
あの黄色は なんだろう
毎年通り過ぎる季節に疑問を
抱いて、そうして 調べて知ったこと。
少しだけ 良い気分。
【お題:ススキ】
ススキ
中秋の名月には
飾るイメージがある
あのススキ
それだけじゃなくて
秋を感じられて、懐かしく感じるのは
どうしてだろうか
行く道 行く道
彼らは私を見ている
特に何かをしてくるわけではないが
こちらを見ている
そして 私もまた
彼らを なんとなく見つめる
微動だにせず そこにいる彼らは
時折吹く風に揺らされ
さわさわと 音をたてる
皆同じ方向
同じゆれ方で
さわさわ
さわさわ
私は彼らを見つめ
彼らは私を見ている
さわさわ
さわさわ
朝も 昼も 夜も
#50 ススキ
幼い頃は、背の高い貴方の後ろに潜んだ
訪れが何かわからなくて怖かった。
でもその恐怖心は“寂しさ”という
既に人類が言語化していたものだった
2023/11/11
「ススキみたいな人だよね」
上から見下すような威圧感
1色に統一された地味な色
綺麗でもないし
ほうきに似てるってことかな
「ススキみたいな人」
イメージができない
ススキの花言葉
活力
生命力
精力
僕の事ではない
でも
悪口で
ススキみたいだねって
言ってくるような人では
ないと思う
表情とか
まるで
羨ましいみたいな目で
言ってきたから。
学校で聞いた
ススキって
どういう意味なのかって
雨が降っても
嵐が来ても
茎が折れることなく耐えてる
似てると思ったからって
僕は
ススキは
集団で育ってるから
1本だけあるなんてこと中々ない
集団でいるからこそ
風に耐えられるんだと思う
僕にススキは合ってない
そう思った
僕がススキに見えるなら
良かったって
なんだか嬉しくなった
【ススキ】
「ねぇ、ススキにもね花言葉があるの知ってる?」
ベッドの横で無邪気に笑いながら
問い掛ける貴方。
「知らないよ。」
煙草の紫煙と
コーヒーカップからの湯気が
二人を思考させる材料には充分であった。
「そっか、人生損してるよ?」
顔を覗き込んで揶揄う貴方。
「あれ、あれは知ってる。実るほど頭を垂れる稲穂かな。ってやつ。」
「あはは。ススキと稲穂は違うんだよ。」
笑う貴方。
二人の時間はその「ススキ」と言う物の
話題だけで充分に笑い合えた。
今更、分かる、自分の、愚かさ、無知さ。
「ススキの花言葉、知ってるよ。「活力」「生命力」「精力」「なびく心」「憂い」「心が通じる」「悔いのない青春」「隠退(いんたい)」なんだってね」
私が発した小部屋の独り言だった。
―貴方は何を私に汲み取って欲しかったんだろう―
自分の事か
私の事か
誰かの事か
二人の事か。
二人の「ススキ」の様な日々は
とうに、とうに、
二人で月を見た日に消えたのに。
何で思い出すんだろう。
今更。
―無知とは唯一の善は知識であり、唯一の悪は無知である―
「実るほど頭を垂れる稲穂かな……」と、
ポツリと吐き捨て
笑った。
実るほど謙虚にならなきゃいけなかった。
実ったから私は傲慢に「もっと」を強いた。
沢山実ってしまったから、だから、
頭を垂れるよりも早く、折れてしまった。
(あはは。ススキと稲穂は違うんだよ?)
月を見た。
あの日の事は月の神様が下した
当たり前の裁定だったんだろう。
「見分けも付かなかった私を赦してよ」
そう、笑って、泣いた。
コーヒーカップは割れていた。
月が欠けるように。
星が沢山散りばめられてるように
破片が落ちていた。
――塵芥――
あなたは、
日本の原風景や
日本人の暮らしに
うまく調和し
昔から愛されてきた
特段、
何かを主張することはなく
風とたわむれ、
目立つ方ではない
どちらかといえば、
地味である
それでいて、あなたのことは
誰もが知っている
いや、そんなレベルではない!
〝秋”といえば、
あなたのことが
欠かせない人もいるくらい
愛されている
ちょいと褒めすぎたかな?
『すすき』さんでした
まー
目の前に広がるススキの絨毯は、今日も変わらず風に揺れている。
「だったら私と別れてあの子と付き合えばいいでしょ!可愛いしお洒落だし、私なんかよりもお似合いだよ」
言い訳を聞くどころか、彼の顔すら見れずに家を飛び出して来てしまった。
『望月サァン、今日の夜もダメですか?』
今日も彼を甘えた声で呼んでいたあの子。
素直に人を頼れる子。好意を隠さずに伝えられる子。
外見も中身も、私にはない全てを持っている子。
どうでもいいけど、職場にそんな甘い香水はつけてこない方がいいよ。まぁどうでもいいけど。
ポケットから伝わる振動が、先程までよりも長いものに変わる。
電話に出たら一言目に「今かけて大丈夫だった?」って聞いてくれる、そんなところも好きだったな。
しばらくすると振動が止み、短い通知音がひとつ。
さわさわと揺れるススキはなんだか心を落ち着かせてくれる。月明かりに照らされた黄金色の輝きは穏やかで、どこか憂いを帯びていて。
写真を撮ろうと取り出したスマホには何件もの着信とメッセージ。
[もう夜遅いから家にいてほしい。迎えに行くから場所教えて][何度も電話してごめん。どこか泊まる場所があるなら無視していいから]
ああ、どこまでもこういう人だった。
私がどんなに疑っても否定しても変わらない体温で包みこんでくれるような、そんな人だった。
再びの着信に、今度は応答ボタンに指が伸びる。
側で照らしてくれる。ゆらゆらと揺れる私を見守ってくれる。
綺麗に咲いた花を案じる必要なんてなかったんだ。
だって、月にはススキがお似合いでしょう?
ススキの穂が揺れてる
まるで私の心みたい
明るい月の光に照らされて
まるで光を放っているみたい
でもそのうちに
月は沈んで穂は光を放たなくなる
燦々と輝く太陽の下では
ふわふわと誰かと
まるでお話しをしているみたい
その誰かは
まるで太陽のような
あなたであってほしい
と願うのに私の心は
ユラユラ揺れる
まるでススキの穂のように
ススキ
私は1人を好みます自由だからです。
一人の時は物静かだが、底の音が聞こえるのです
私はこの音を好むのです
すすさーすすそーすさーすさすそそ
1人墓にススキがなり始める季節が恋しく
すすさーすそそーすさすそそ
私は、ススキの音を聞くたびにもう会えあしない人を
思い出すのです。
秋の乾いた風に煽られ、ゆらゆらたゆたうススキ。
そんな不安定な彼らにも、花言葉があるらしい。
ひとつは「心が通じる」。
これらはまさに今、私の視界を占領しているススキが風に揺られる様子が由来だという。
私にはただ、風に乗ろうと必死になっているようにしか見えない。
最初にロマンスを見出した人は、私とどれほど価値観が違うのだろうか。