『ココロオドル』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
病院に勤めている私の彼は、忙しい。
私の仕事もあり、すれ違うことがしばしあった。
だが、最近はそれが特に多い。
これでもう、カレンダーを2枚もめくってしまった。
三十路の私なんか、もう飽きてしまったのかな。
そんな微かな不安が、私の心に突き刺さる。
諦めて、寝床に入ろうとした時だった。
「今から会えない?」
私の乙女心は、まだまだ健在だ。
#ココロオドル
「二次元なんかによく金出せるな」
何回バカにされただろう
でもそんなのは関係ない
1番ココロオドルのは
君の為に生きている今だから
【ココロオドル】
"ココロオドル"
あのゲームの楽曲を漁る。あの時聴いた曲が好みでゲーム楽曲なら他にも数曲あるだろうと思って調べてみたら、どうやらあのゲームはシリーズもので、本編のストーリーとは関係ないスピンオフの作品もあるとの事で、当然一度に全部は聴けないので、公開日が新しいものから順に聴いていく事にして、少しずつ消化している。シリーズごとに採用している曲のジャンルが違うらしいのだが、他のシリーズも気になっているし、それに色々なジャンルの曲に触れるのにいい機会だと思って、ちまちまと聴いていっている。
今聴いているのは、あのゲームと同じシリーズのスピンオフ──ダンスゲーらしい──のOP曲。ダンスゲーのOP曲ってだけあって、リズミカルで弾むようなメロディライン。
「フフーフフ、フ、フ〜ン…♪」
たった1回聴いただけ、1番を聴いただけなのに、すぐにメロディを覚えて2番のサビでハミングしてしまった。けど実際楽しげなメロディとリズムで、速度も丁度良くて覚えやすかったのだから仕方ない。
──この曲、吹きたいなぁ。
一通り聴いて急にそんな思いが湧いてきた。戸棚から楽譜ノートを取り出して、パラパラと捲って何も書かれていないページの上部に曲名だけ記して戻した。
あなたが 私のこと
認めてくれているから
頑張れる気がする
【73,お題:ココロオドル】
両手で狐の形を作り、その手を重ね合わせる
『狐の窓』と呼ばれる、古くから伝わる呪いの一種だ
人には見えない者達を視るために作られたもので
人に化けた物の怪を見破れたり、この世ではない世界を覗き見れるといわれている
微弱な霊力しか持たない一般人が、遊び半分でやるならば問題はない
印の組み方もちゃんと出来ていない場合が多いし、何より霊力が強くないなら
よほどのことがない限り”あちら側”のもの達に、魅入られることはない
だが、霊力の強い人間がやるなら話は別だ
ただでさえ歴史の古い呪いだ、正しいやり方で使えば絶大な効力を発揮する
『ほウ...我の正体ヲ見破るカ、小僧』
呪文を唱えた瞬間、目の前の親友の姿は跡形もなく消え去った
その代わりにと現れたのは、金色の着物を纏い二足で立った狐だった
「ハッ、アイツの霊力は、テメェ見てえに禍々しくねえからな」
とはいえ、俺でも窓に頼らねえと見えなかった
恐らくこの狐、相当強いな
『これハ良い、人間ニ姿を見破らレるのハ久シぶりじゃ』
狐は肩を揺らし、愉快そうにクツクツと嗤った
『心踊ルのぉ小僧、貴様もそウ思わンか』
「さァ?生憎、俺は感情に疎くてね」
その場の空気がどす黒く、重くなっていく
暗闇に浮かぶ三日月は、血のように真っ赤に染まっていた
テーマ:ココロオドル #330
『ココロオドル』魅惑の世界へあなたを招待。
僕はある記事のそんなフレーズに目を取られていた。
この世界はつまらない。
治安は悪いし嫌なことばっかりだ。
心躍る世界なんて理想でしかないと思っていた。
でもそんな世界に行けるなら……。
僕は気がつくとその記事のURLを押していた。
「登録ありがとうございます。
貴方はもう、この世界の住民です。
『ココロオドル』魅惑の世界へ、ヨうコそ」
そんなメールが届いていた。
僕の頭には、はてなが浮かんでいた。
何も変わっていない世界がそこには広がっていたから。
騙された。
そう思っていた。
でも世界は変わっていた。
『ココロオドル』世界へと……。
墨色の世界で
彼岸花だけが鮮明
すがるように手を伸ばせば
群だって拒絶
私は心踊る。なぜなら、学校で一番好きな先生が自習の監督に来たからである。
『ココロオドル』
普段何を見ても感情の1つ動く事無く
ただ日々を過ごしていた。
ある時、ふとテレビを見た。目的はなかった。
ただそこにはスポーツ中継が流れていた。
種目は男子バレー。
ただのボールの打ち合いだと思っていた。
しかし全然違った。
ボールの速さは僕の素人目には追えない。
それにサーブの威力はウケる人が
転ぶ程のパワーがこもっている。
アタックなんか一瞬何が起こったのか分からなくなる。
僕は気がつけばテレビに釘付けになっていた。
点を取られれば悔しがっていたし、
点が取れた一緒に喜んでいた。
ルールも詳しく知らないこんな僕でも
これだけ熱中できるんだ、
きっとルールを詳しく知ってる人は
もっと熱くなれるだろう。
僕はここしばらく無くしていた心の高鳴りを感じ
笑がこぼれていた。
会いたい人に会えたとき。
嬉しい出来事があったとき。
楽しいひとときを過ごしたとき。
そんなとき、心はいつも軽やかだ。
「ココロオドル」
小さな事
些細なこと
ほんの少し、それだけで
私の心は嘘みたいに跳ねる
うるさいくらい
あなたにバレないか
ドキドキするぐらい心が跳ねる
ああっどうか、どうか
あなたに気づかれませんように
わたしだけの
小さな小さな秘密
もう少しだけこの距離感で
あなたを見つめているだけで
目の前にいる猫の石像の口が、ニヤッと口角が上がる。私は、目の前で起こった光景を見て、体が固まった。
結界をすり抜けたコイツの正体は、私しか知らない。
「お前は勘違いをしている。我は神ではない。だが悪魔でもない。これで分かるだろう?」
コイツはそう私に問いかける。
私は腰につけている刀に手を伸ばす。目の前にいるコイツに刀が効くのかなんて分からないが、反射的にそうしてしまった。
「我と戦う気か?いいだろう。テかゲんはしナいぞ。イイな?」
目の前にいるこいつの声に、ノイズがかかる。そして、そいつの石の体がまるで生きている猫のように滑らかに動いた。
そして、私の目の前に立ってこう言った。
「ココロオドルナ?ムスメヨ」
『ココロオドル』
ENJOY音楽は 鳴り続ける
もし泣き崩れる としても一旦アイスブレイク
目指しなビッグスケール なメガシンカ最優秀選手
お前らマジで ああ言えばこう言う
呆れたボーイズ 素因数
割り切れないこの気持ちは何だよ
It's join、ってことだよな。
私の心躍る瞬間。
君が幸せでいてくれる事。
君が私を愛してくれる事。
そして何より、君が私の隣で笑ってくれる事。
【ちょっとした事でも】
聞き慣れた音楽でも
静まり返る空間、1人で聞けば、
新たに『ココロオドル』
ココロオドル
今は 小さく 輝く 光だけど
きっといつか 君の窓を 明るく照らすよ
どんなに わずかな 希望が
消えてしまいそうになっても
ハミングする 歌声を 口ずさんでよ
闇の中でも そっと 声を静かに
ランプが灯る 心の中を くすぶるように
そして明日は 生まれ変われる 君がいるから
ココロオドル 闇の果てでも
ココロオドル 君の名前を 呼ぶから
ココロオドル まだ見ぬ町が
ココロオドル 明かりを灯して
ココロオドル 明日の光が 差し込む方へと
ココロオドル
「あれ、今日いつもより早いね!」
教室のドアが開いて入ってきた彼は私がいるのに気づいて少し驚いた顔で笑う。
少し眠そうな顔でおはよーと言いながら隣の席に座るキミ。
「おはよ、ひとつ早い電車に乗れたんだ」
なんてウソをつく私。
キミがいつもこの時間に来ることを知ったから。
まだ他の生徒は少ない時間。
少しだけ、2人きりになれる時間。
「今日、英語の小テストだよね?勉強しないで寝ちゃったよー」
席についたキミは私に話しかけてくれる。
鼓動が激しくなるのがわかる。
緊張して上手く話せない。
「大丈夫?元気ない?」
突然顔を覗き込まれて心臓が止まりそうになる。
顔を上げると視線がぶつかる。
「だ…いじょうぶ!ごめんね」
ああ、上手く話せない。
好きが溢れそう。
気持ちがバレないように目線を逸らすと、
彼の髪が跳ねているのに気づいた。
「寝癖…」
「え、ウソ!恥ずかしいな」
爽やかな笑顔を向けられてまたドキドキする。
急いで寝癖を直すキミ。
私しか知らないキミの寝癖。
ああ、心が踊る。
ココロオドル
カワイイ服
クラシカルな内装のお店
並べられた美味しそうなスイーツ
想像しただけでココロオドル
紅茶の立てる湯気の心地よい香り
ティーカップに施された
花をモチーフにした意匠
本当に、ココロオドル
だけどね
君と過ごすひととき
君と交わす言葉
君がこの空間をセッティングしてくれたこと
それが一番ココロオドルんだ
世紀の阿婆擦れ女コーティー
“スパンキー”とかいう最低最悪の渾名で僕を呼ぶコーティー・フラーを僕は愛していた。だから僕は世紀(性器)の阿婆擦れ女と心の中で彼女を侮辱してやるのさ。僕は控えめな性格だけど、内心は酷く暴力的なのさ。それこそ、泳ぎ回る“スパンキー”のようにね。
コーティーにはダニエルという兄がいる。コイツは無職の引きこもりの癖に芸術家気取りの変態野郎なんだ。女の裸の絵ばかり描いて、実に気持ち悪いヤツなんだな。しかもメガネが本当に似合ってない。ダサいなんてものじゃないよ、アレは。80年代の若者だってもう少しマシなのをかけてたさ。
まあ兄は酷いけど、コーティーは実に美しい女性だよ。だけどね、言葉遣いがよろしくないんだな。僕を“スパンキー”と呼んだりするし、幼なじみであり親友のクレイグ・マッコールを“タマナシ”と呼ぶ。だからクレイグは僕に「あんな女とは付き合うな」と忠告してくれたけど、僕は彼女が好きだから仕方なく親友の忠告を無視せざるを得ない。
意外なことにね、コーティーは処女なんだ。でもきっとそれは嘘だと思うだろ? だけどホントなんだよ。だってキスしようとするだけで恥ずかしがるんだからさ。そういうギャップが僕は好きなんだなあ。他にも下品な言葉遣いをする女の子たちはたくさんいるけど、コーティーほど可愛い最低最悪な女の子はこの世界広しと言えど居ないんじゃないかな。
だけど、やっぱりクレイグを“タマナシ”と呼ぶのは止めて欲しいものだね。彼は真面目で慎重なだけなんだから、恋愛経験の有無で人を侮蔑するのは許されない行為だ。でも、僕が本気でそれを彼女に指摘すればきっと彼女はベソカキながら謝るんだろうと思うと、やっぱりこの世紀の阿婆擦れ女が僕は好きなんだと思い知らされるんだろう。
僕は明日学校で彼女を泣かすつもりだ。
泣き顔をイメージして寝ると、僕の右の口角がほんの僅かに上がっていた。
漫画をよく読む。
おばさんだけど、少女漫画が良い。
最近は、電子書籍で購入している。
読み辛さは否めないが、
いつでも読めるのと持ち歩けるのが良い。
雑誌は、夜中の日付が変わると購入出来る。
みんなが寝静まった日付が変わる頃。
ダウンロードしている画面を見ながら、
ウキウキとココロオドルひととき。
この瞬間だけは若い頃と変わらない。
歯も磨いた。
今宵は鏡を見ることはもうないのだ。
paki