目の前にいる猫の石像の口が、ニヤッと口角が上がる。私は、目の前で起こった光景を見て、体が固まった。
結界をすり抜けたコイツの正体は、私しか知らない。
「お前は勘違いをしている。我は神ではない。だが悪魔でもない。これで分かるだろう?」
コイツはそう私に問いかける。
私は腰につけている刀に手を伸ばす。目の前にいるコイツに刀が効くのかなんて分からないが、反射的にそうしてしまった。
「我と戦う気か?いいだろう。テかゲんはしナいぞ。イイな?」
目の前にいるこいつの声に、ノイズがかかる。そして、そいつの石の体がまるで生きている猫のように滑らかに動いた。
そして、私の目の前に立ってこう言った。
「ココロオドルナ?ムスメヨ」
10/9/2023, 10:53:55 AM