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ココロオドル

「あれ、今日いつもより早いね!」
教室のドアが開いて入ってきた彼は私がいるのに気づいて少し驚いた顔で笑う。
少し眠そうな顔でおはよーと言いながら隣の席に座るキミ。
「おはよ、ひとつ早い電車に乗れたんだ」
なんてウソをつく私。

キミがいつもこの時間に来ることを知ったから。

まだ他の生徒は少ない時間。
少しだけ、2人きりになれる時間。

「今日、英語の小テストだよね?勉強しないで寝ちゃったよー」
席についたキミは私に話しかけてくれる。
鼓動が激しくなるのがわかる。
緊張して上手く話せない。

「大丈夫?元気ない?」
突然顔を覗き込まれて心臓が止まりそうになる。
顔を上げると視線がぶつかる。
「だ…いじょうぶ!ごめんね」

ああ、上手く話せない。
好きが溢れそう。

気持ちがバレないように目線を逸らすと、
彼の髪が跳ねているのに気づいた。

「寝癖…」
「え、ウソ!恥ずかしいな」

爽やかな笑顔を向けられてまたドキドキする。
急いで寝癖を直すキミ。

私しか知らないキミの寝癖。

ああ、心が踊る。

10/9/2023, 10:45:16 AM