『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
静かに揺れる無地のカーテンが
柔軟剤の香りを部屋に運んでくれる
『カーテン』
カーテンの向こうに隠れる娘。
どこかなー?と言いながら娘を探す私。
カーテン膨らんでるし、足も見えてるし。
かわいすぎる。
すぐに見つけてはいけない。
かといって、いつまでも見つけないのもダメ。
娘の様子を伺いながら、謎の緊張感とともに丁度良いタイミングを探す。
幸せな昼下がり。
『カーテン』
ヒラヒラと揺れるカーテン
程よく入ってくる風
『もうすぐ、桜が咲きそうですね』
看護師さんが言った
『そうですね。今年も綺麗に咲きそうですね』
『そういえば、調子はどうですか?』
『だいぶ、安定してきました』
『よかったです。その調子だと今年中には退院できそうですね』
『よかった』
私は昔から体が弱く、入院しては退院しての繰り返し
私はそろそろ死んでしまうのだろうか…
死にたくない 怖い
そんな思いを喉に隠して過ごす日々。
看護師さんたちはみんな優しく、仲良くやっている
『桜が咲いたらみんなでお花見したいですね』
『いいですね。みんなでお花見』
そんな事を話して数日後
〇〇さんの容体が急変して、明日を迎えられるか分からない状態になった。
みんな必死で看病した
休む暇なんてない
〇〇さんを救いたい
そんな思いも虚しく、〇〇さんは新しい世界へ旅立った
『………………』
『みんなでお花見しようって言ったじゃないですか…』
『…〇〇さん。桜、綺麗に咲いてますよ』
一人〇〇さんが居た病室で呟く。
今日は、風が涼しいですね
カーテンがなびいている
桜の花びらが1枚、病室に入る…
子供の頃の夢は、アイスクリーム屋さんになることだった。
食べるのも好なのはもちろん、食べる人の幸せそうな顔を見るのも好きだからだ。
子どもに買ってあげる親。
友人同士で同じものを食べる高校生たち。
一つだけ頼んで、二人で分け合いながら食べるカップル。
みんなが幸せそうなところを見ていると、自分も幸せになった。
小さな愛、中くらいの愛、大きな愛。
アイスクリームはたくさんの愛を運んでくる。
だから僕もアイスクリーム屋になり、たくさんの人に愛を分け与えたいと思った。
でも世界は残酷だ。
僕にはアイスクリーム屋どころか、職業選択の自由すら無かった。
先祖代々武器商人の家系で、自分も武器商人になることが決まっていたからだ。
一度家を飛び出したこともあるが、すぐに連れ戻され罰を受けた。
大好きなアイスクリームを食べることも禁止され、はっきり言って地獄だった。
だが希望が無かったわけじゃない。
粘り強く交渉した結果、副業としてならアイスクリーム屋をしてよいと渋々許可が出たのである。
表面上はアイスクリーム屋として、裏では銃器の売買。
二重経営だが、まさに天にも昇る気持ちだった。
そうして晴れて夢が叶い、アイスクリーム屋(銃器含む)を開業。
僕はおおいにテンションが上が――らなかった。
なぜかって?
アイスクリームがまったく売れないからだ。
理由は明白。
店の立地は人通りの少ない路地裏。
空はこんなにも晴れていると言うのに、日光の届かない陰気臭い場所。
こんな偏屈な場所に人が来るわけがない。
普通ではない人間を除いて、だが……
開店して一週間経つと言うのにアイスクリームの売り上げはゼロ。
銃器ばかりが売れ、これではまるで武器屋さんである。
冗談ではない。
ウチはアイスクリーム屋である。
だが憤ってもアイスクリームは売れることは無い。
そこで僕は、銃器を買いに来る人間にも売り込みを掛けることにした。
「なあ、銃もいいが、たまにはアイスクリームも買っていかないか?
おいしいぞ」
「馬鹿か?
なんでそんなマズイもん食わねえといけないんだよ」
気がついたら目の前の男を殴り倒していた。
当たりどころが悪かったのか、呻くばかりで動こうとしない。
コイツはアイスクリームを馬鹿にした。
それだけで万死に値する。
しかし『マズイ』という発言は引っ掛かる。
アイスクリームはうまいもの。
なのにマズイと言うのはなぜだろう?
と、そこであることに気づいた。
もしかしたら、彼はアイスクリームを食べたことが無いのかもしれない。
いわゆる食わず嫌いというものだ。
そうでなければ、アイスクリームをマズイなんて言う訳がない!
普通ではありえない話だが、彼の住む世界は裏社会。
ありえない話じゃない。
そうと決まれば話は早い。
アイスクリームを口にすれば、きっと彼の偏見も消えるハズ。
僕は使命感に駆られ、よそったアイスクリームを持って彼の側にしゃがみ込む。
「お前、こんなことをしてタダで済むと思って……」
「おい、アイスクリーム食えよ」
「お前何言ってる?
頭でも打ったか?」
「気にするな、サービスだ」
「本当に何を言って――もごお」
「うまいか?」
「待て、息が出来な……」
「もっとあるから遠慮しなくていいぞ」
「ぐああああ」
5個目のアイスクリームを口に突っ込んだところで、彼は動かなくなった。
僕のアイスクリームにまみれた彼の死に顔は、まるで至福を閉じ込めたようだ。
と思うのは僕の妄想だろうか?
それはともかく、今回の一件で気づいたことがある。
「もしかしたら他の人間もアイスクリームを食べたことが無いのかもしれないな。
家族が反対した理由もそこにあるのかもしれない。
こうしちゃいられない。
みんなにアイスクリームの素晴らしさを教えてあげないと!」
🍧 🍨 🍦
「速報です。
最近巷を騒がせていた、アイスクリーム殺人事件の犯人が捕まりました。
被害者は全員裏社会の人間と言うことで、ヤクザの抗争が疑われていましたが、容疑者は『愛を与えたかった』と謎の供述をしており――」
夏! カーテンを干すのにぴったりの季節。近々洗濯しよう。
カーテン
カーテンが好きだった。
私の実家にはクーラーがなくて、夏場はずっと窓を開けていた。
風に揺れるカーテンに身を絡めて、3時間以上ぼーっとしていた。
大学に進学すると同時に、一人暮らしを始めた。
もちろんクーラーのある家だ。
窓を開けることなんてほとんどない。
カーテンが揺れることも、ない。
先日、久々に実家に帰った。
相変わらすクーラーはなくて、家中の窓が開いていた。
カーテンを眺めても、昔のように何時間も見ていられるわけではない。
大人になってしまった自分が、少し憎かった。
【カーテン】
✦ coming soon !✦
『カーテン』
レースのカーテンで結婚式ごっこをしたことがある人、結構いそうな気がします。私はしました。
レースのカーテンのウエディングドレスって、なんか、可愛いですよね。
すずめの囀りと、カーテン越しに差し込んでくる柔らかな光が、私を目覚めさせた。清々しさと、少しばかりの後ろめたさを、感じながらゆっくりと身を起こす。こんな感覚は、いつもの事、もう慣れっこになってしまった。ただ、いつからそう思うようになったのかは、はっきりとは覚えていない。
キッチンに立って厚切りのパンを焼きはじめる。こうして君に朝食を作ってあげられるのも今日で最後かも、なんて思いながら…
カーテンの隙間から差し込む光に起こされる朝はアニメの世界のようで1番好きな起き方
カーテン
カーテン…ヒラヒラしている
風に揺れて、そこには
大好きな君が笑っている
愛らしいカーテン
「カーテン」
「白色のカーテンを開くと雪景色で
水色のカーテンを開くと南国
緑色のカーテンを開くと森
黄色のカーテンを開くとヒマワリの畑
私は水色のカーテンがいいな」
友達が言った。
カーテン
8年前にこの家に引越してきました。カーテンは前の家で使っていたものを使っています。節約のためと、新しく選ぶのが面倒だったから。どうにか使ってます。
リビング、わたしの部屋、新築になったのに雰囲気は前の感じ。カーテンでそうさせているのだと思っています。何だか、ほっとして暮らせてます。
「カーテン」
僕は、カーテン
僕は、そこに何色で、いるだろう?
もふもふした毛並みさんが、たまに近くで眠る
毎日、1、2回、腹筋
レースさんとは、仲良し
分厚い背中で、夜は部屋の一部
分厚い背中で、暑さを和らげる
レールさんと
毎日、1、2回、談笑
たまに、洗ってもらえると、嬉しいな…
最後にカーテンを洗濯したのは、一年前。
彼が初めて家に来るから、清潔にしようと…
けど、二回目来ることはなかった。
恋愛テクニック本、たくさん買ったのになあ。
高校2年生の夏、彼女が言ったんだ。
___一緒に住むことになったら
カーテン一緒に選ぼうね!___
なんてあどけない声でさ。
気が早い、なんて思わなかった。だってあの時の俺たちは青い春を過ごしていたんだから。
でもどうしてカーテンなの?って彼女に聞いたんだ。
返ってきた答えは俺には良くわからないものだったよ。
彼女はカーテンをお守りだと言った。生活や自分達を守ってくれるお守りだと。だから2人で選んで自分達を守ってくれるようにと、いわゆる願掛けをしたかったらしい。
心の底から可愛いと思ったさ。俺が考えたこともない先の事を、俺がいる前提で話してくれる。
クシャッとした笑顔で、日にあたる黒髪を靡かせながら、透き通った白い肌を俺に寄せて話しかける。
そんな彼女が大好きだったんだ。
でも、彼女はある日突然旅立った。
高校の卒業式前日だったんだ。2人とも同じ大学に行く予定だったんだ。一緒に住もうって、言うはずだったんだ。
漫画とかでよくある死に方だった。見ず知らずの子供を庇って車に轢かれた。彼女らしいやって笑って見送ったよ。
なぁ、今日でお前が居なくなってから10年経つよ。
まだ言えてなかった事言ってもいいかな?今更だって笑われるかな?それでも、言わせて欲しかった。
「一緒に、カーテン選ぼう。」
あぁ、もっと早く言えてたら
カーテンが君を、守ってくれたのかな。
カーテンから射し込む光で目を覚まし
窓のそばにいる君が目に映る
「起こしちゃった?」と言う君が愛しくて
何気ない日常の幸せを噛み締める
『カーテン』
カーテンの間から、日差しが入ってくる。
眩しい、けど綺麗、あの光が入ってホコリが舞ってるの、私は思う綺麗
【カーテン】
「お前を食うためだよ!!!!」
「きゃぁぁぁ!!!!」
『♪♪♪〜〜~』
「…なんだこの衝撃感と絶望感を表すような音楽は?」
「家の外でオーケストラの生演奏よ」
「そういうことじゃなくて、なんで!?」
「死に間くらい壮大に行きたいじゃない。ほら早く食べて」
「えーと、じゃあ、いただきます」
『♪♪♪〜〜~』
「だぁぁ!集中出来ん!!」
「ちょっと!勢い任せで行きなさいよ!!あなたオオカミでしょ!?」
「そんな事言われても…」
「あー、もういいわ。オーケストラさーん、カーテンコールお願いしーす」
『♪♪〜〜~♪♪♪〜〜~』
「はい口開けてて!」
「えっ、あ、はい…むぐっ!!」
こうして赤ずきんちゃんは壮大なカーテンコールをBGMにオオカミに食べられてしまうのでした。
(カーテン)
赤ずきんちゃんのオマージュ、オーケストラの出張代はオオカミに請求されました。
開けていいなんて言ってないのに、いつも勝手に開けるよね。
朝日に照らされたあなたの顔が忘れられないの。
もう、私より先にカーテンを開けてくれる人はいないのね。