『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
私の一番好きな場所。
自分の部屋のベッドの中。
ベッドの頭の方にはカーテンが引かれた大きな窓。
枕元にはアラームが鳴り響くスマホ。これはまだ1回目の音。
目覚ましは音を変えて3回なるからまだ大丈夫だ。
カーテンを開けるまでは、私だけの世界。
カーテンの向こうはどうなっているんだろう?
もしかしたら、ゾンビが徘徊していて既に私しかいないかもしれない。
もしかしたら、気持ちがいいくらいの澄んだ青空が広がっているかもしれない。
もしかしたら、密かに楽しみにしている隣の家の庭の花が咲いているかもしれない。
もしかしたら、気になるあの人がいるかもしれない。
もしかしたら、もしかしたら、
カーテンのむこうを想像しながらくすくすわらう。
もしかしたら、を想像してワクワクが止まらなくなるまで私はベッドの中の自分の世界を堪能する。
2回目の音が鳴る。猶予はあと1回。
そうこれはプレゼントの中を想像する小さな子どものような気持ち。
開けてしまえばそこにあるものがなんであれソレが現実。
まだまだ現実を直視したくないなぁ、なんて思いながら、3回目の音と一緒にカーテンを開けた。
あぁ、今日もカーテンの向こうは……。
新生活ダンボールで窓覆う
明日には全部整えたい
『カーテン』
わたしが片想いしているAくんは、よく窓の外を見つめる人。
その静かな横顔もきれいで、わたしはすき。
窓の外を見ている間は気づかれにくいから、わたしも彼の顔を見つめていられる時間になる。
今日も彼は窓の外を見ている。
窓とカーテンの間に立って。
窓際の席に座るわたし。
カーテンが風をはらむと彼の姿が見える。
カーテンが風に煽られ、ひらひらと、けどゆっくりと呼吸をするように揺れる。
彼が見える。
見えなくなる。
見える。
見えなくなる。
見える。
見えなくなる。
……………
階下で悲鳴が聞こえる。
彼はどんな気持ちでいつも窓の外を見ていたのだろう。
「カーテン」
カーテンが揺れている。夏の暑い日に涼しい風が吹いているようだ。やすおは、日向ぼっこを楽しみながら、休日を満喫している。
カーテン 今日も風邪で大変ななかに
娘は元気でる
文芸家族コンクール。
愛宕の山よ わく雲よ
昇る朝日に照り映える。
希望の光がわくところ
と続けるのだか
何が希望だよ
カーテンを開けて
窓も開ける。
肌に触れる冷たい空気が
気持ちがシャキッとして好きだ。
寝巻きはまだ薄くて寒いから
上着を羽織って外に出る。
カーテンが揺れる気持ちがリセット出来るみたいで
私は大好きだ。
今日も頑張っていきたい。
─────『カーテン』
春風が良く似合う人だった
窓から入る温もりを帯びた風が桃色の髪を靡く度に
野原に咲く花を彷彿とさせるような柔らかさを感じた
その雰囲気は強く冷たい風が吹けば奪われてしまいそうなくらいで
摘んでおかなければと
まるで欝金香のような人だった
その性格は年齢に見合わず天真爛漫で
優しげな表情とパッと開くような無邪気さが堪らなく愛おしかった
誰しもが彼女を愛す理由が悔しいくらいに理解出来るほど
だからきちんと傍に置かなければと
彼女との別れは春の終わりに近しかった
永遠にそこにあると思わせてくれるような温もりを、信じて止まない幸せを
まるで太陽が吸い込んでいくかのように鬱々と奪っていった
たかが空が春を奪うなんて思ってもいなかった
だから彼女の遺したものを守らなければと
開かない花は間引くべきで
彼女によく似た蕾を開かせて
自分のものだとこれでもかと主張した
その結果がこれか?
私達に似合うのは赤い欝金香
真実の愛だ
彼女に魅せられたと言うお前は
彼女に執着しているだけだろう?
手に入れられなかったからだ
彼女の為だと言うお前も
彼女の言葉を妄想して吐いているだけだろう?
よく理解しているという傲慢さに反吐が出る
普通はこうあるべきだ
彼女を前にして普通を求められなかった者達が
これでもかと非難しても何も届かない
彼女は特別だ
私はその特別を手に入れた者だ
お前らとは違う
違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う違う
彼女は特別であるべきだ
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〜あとがき〜
普通、特別、愛情、家族、理想、強要、守る、傲慢、執着…色んなもの
それってなんなんだろう
そんな気持ちで書きました
愛って思った以上にグチャグチャです
綺麗ではありません
でも愛を美しいものだと思いたいです
でもあくまで願望で…そういう欲望なんでしょう
彼は檻の中で反省して我が子に会えるのでしょうか
我が子はソレをどう受け止めるのでしょうか
ボクには分かりません
カーテンと聞いて。
朝、リビングに入って、太陽の光で照らされている
お気に入りのカラフルなカーテンを開ける瞬間が好き
という話について考えるか、
もしくは
怒ったり悲しかったり感情が揺れている時に、
自分の考えを即座にまとめて言葉にするのが苦手で、
言うことがまとまらないうちに
周りに対して心のカーテンを閉めてしまう
という話について考えるか、
と悩んでいたけど、
結局、後者に引きずられて
晴れた朝から思い悩んでしまうのは、
私の心が弱くなっている証拠なのでしょうか。
♯カーテン
緑と赤とうっすら黄色の織り交ぜられたカーテン
胸の奥を大きく揺さぶられ、込み上げる涙を抑えることができない
そうだ、ずっとこれが見たかったんだ
僕はゆっくり目を閉じる
嗚呼、北欧まで来た甲斐があったというもの
ふわふわと揺れるカーテンは夜を美しく彩る
本当ならばこの感動を共有していたであろうあの子の分まで存分に堪能しようではないか
ぽっかり空いた心の隙間を埋めるように、僕は上を向いてひたすらカーテンに思いを馳せる
"カーテン"
いつものように定時で帰宅する
家に帰って電気をつける
…あれ?
私カーテン閉めて行ったっけ?
まあいいや、早く寝よ、
次の日
今日はちゃんと開けた、確認した
ガチャッ
ただいまー
え…閉まってる…
誰か…いる?
パタンッ……
お風呂場から音がした。
カーテン
病室でベッドを囲むカーテンは
物理的にも心理的にも
私が唯一自分の意思で築ける
薄い薄い壁だった
元々心の壁が分厚い人間だから
こんなに心細いものは無いと思った
でも風でなびくあの軽やかさは
良くも悪くも今まで自分にはなかったものだった
今、また築き直している壁は
前より少し薄くなったような気がしてる
カーテン
今日、カーテンを替える。
『晴れた日にカーテンが揺れるのを見るとさ、穏やかな気持ちにならない?』
そう言って微笑む男の姿が脳裏に浮かんだ。
私は込み上げてくる涙を堪えもせず、フックを一つ一つレールから外して行く。
一緒に選んだ家具達は、全て処分した。
あとはこのカーテンだけだ。
白いレースのシンプルなカーテンは、彼が選んだ。
光が適度に入り込むカーテンを、彼はとても気に入っていた。
でも、もう必要ない。
あの日、些細な言い合いから始まったすれ違いは、彼が出て行く事で終わった。同時にお互い共に歩んできた時間も思い出も、全てが終わってしまった。更新される事はない。もう帰ってこない。連絡を取る事もない。
このカーテンを穏やかな顔で見つめる彼を見ることも、もう、ない。
一気に溢れ出した涙は、止まる事を知らず流れ続けた。
散々泣いたのに、まだ彼を思って流れる涙がこんなにあるなんて。
いい加減忘れなきゃ。
もうこのカーテンを捨てたら、彼との思い出は記憶の中だけになる。
それも時間が経てば色褪せてくるだろう。きっと思い出しても、こんなふうに泣く事は無くなるだろう。
あー、そういばそんな事もあったよね。なんて軽く笑いながら友達と語れる日が来るだろう。
だから、この涙で終わりにするんだ。
取り外したカーテンを抱きしめると、全てを出し切るように、私は泣いた。
END.
『カーテン』
カーテンをお開けになって、朝日に照らされ、焼かれるのも良いことでございます。
なにぶん、私の朝食はパン派でして、焦げる寸前のトーストを好んでおります。ええ、火の扱いというのは、まったく充分なものでございます。耳に響く、目覚まし時計のピピピという音が、小鳥のさえずりのようで、ああ、わたし、来世は鳥になって、喉が焼き切れるほど鳴いてみたいのです。そして、自分の炎に包まれて、焼き鳥になってしまいましたら、あなたの飲み会のつまみにでもなってしまいたいですわ。
さあ、焼かれてしまいましょう、天からの恵みを全身で受け止めてみましょう、そうして、この生をしまいにしてしまいたいのです。
ああ、なんということでしょう。
今日は雨でございましたか。
No.146『カーテン』
カーテンを開ければ光が部屋に差し込んでくる。
その光に私はまた顔を顰めた。
『カーテン』
カーテンを閉める派と、
わりとカーテンを閉めなくても気にしない派と、
どちらも過去にいた。
あの頃は若かったし、
電気も消さずに、カーテンもそのままで、
みたいな日々も、今となっては懐かしい。
カーテンを開けて
今日の怒りを浄化する。
常に笑っていなくちゃ。
怒りなんて見せてはいけない。
#カーテン
『起床時』
起きぬけに カーテンふわりと よい知らせ
聞こえるよ 植物たちの話し声 フライパンが熱帯びて 卵と逢うのを 待ちわびている 髪の毛が伸びてきた 今日は一日晴れるらしい
朝を告げる陽の光。
そんな優しさに溢れた陽の光を、あろうことか覆い隠してしまう、カーテンという存在。⸺邪魔だなコイツ。
「いや、好きで陽の光を遮ってるわけじゃないけど」
うるせぇ!テメェが遮ってるせいでこっちは陽の光浴びて起きれねぇんだよ!さっさと外れろ!!!
「え、いや今、外そうとしてるじゃないですか」
うるせぇテメェ外しにくいんだよクソが!!!
*
「あれ、何?」
「カーテンをただ外すのが暇みたいで、一人芝居やってるっぽい」
「へぇ……録画しとこ」
【朝から元気】
カーテンを開けた
眩しい光が差し込む
私は思わず
目を閉じた
いつもひとりぼっち
窓から見える楽しそうな家族
私も家族とお出かけしてみたかった
カーテンを閉めた
真っ暗になった
視界が揺れて
目を閉じた
涙と血が止まらない
生きててごめんなさい
「カーテン」
新居ができてカーテンも一新した
グリーンのカーテンがリビングを明るく見せてくれる。私のセンスで選んだが、結構気に入っている
子どもたちがまだ小さいのでカーテンに隠れてくるくるとねじるように引っ張る
私も小さい頃やったなあ。子どもってなんで皆カーテンで遊ぶのかしら、うふふ。と思うと同時に実家のリビングのボロボロのカーテンを思い出してハラハラする