わたしが片想いしているAくんは、よく窓の外を見つめる人。
その静かな横顔もきれいで、わたしはすき。
窓の外を見ている間は気づかれにくいから、わたしも彼の顔を見つめていられる時間になる。
今日も彼は窓の外を見ている。
窓とカーテンの間に立って。
窓際の席に座るわたし。
カーテンが風をはらむと彼の姿が見える。
カーテンが風に煽られ、ひらひらと、けどゆっくりと呼吸をするように揺れる。
彼が見える。
見えなくなる。
見える。
見えなくなる。
見える。
見えなくなる。
……………
階下で悲鳴が聞こえる。
彼はどんな気持ちでいつも窓の外を見ていたのだろう。
「カーテン」
10/12/2024, 12:13:22 AM