『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
チャレンジ82(カーテン)
あまり思い出したくない話だが、コロナ禍の時に設置されていたビニールカーテンは、不思議な圧迫感があった。互いの顔は見えるのに、間を隔てている。飛沫の防止というけれど、効果はあったのだろうか。
本来なら、カーテンは開けたり閉めたりできるものである。開けば風が通り、気持ちの余裕が生まれる。透明な素材なのに閉めたままのビニールカーテンは、開けるに開けられない。感染予防の、最前線を守る存在。緊張を感じさせるのも無理はない。
今年も様々な感染症が流行していて、不安になる。しかし、ビニールカーテンに圧迫される生活には、戻りたくない。
鳴り止まぬ喝采も、
立ち上がる観客も、
すべてが不快で目障り。
捩れた腕では、カーテンシーは出来ませんし、
折れた背骨ではお辞儀も出来ません。
そもそも、下げる首がないでしょう?
私の悲劇は楽しかったですか。
愉快だったなら、良いのです。
今からお呪いするだけですので。
入る穴など、多くて結構。
醜いカーテンコールの末路に相応しいでしょう?
ステージのカーテンが少しずつ上がっていく。
その隙間から割れんばかりのカーテンコールが聞こえる。焦らすかのようにゆっくりとカーテンが上がっていく。
ステージ上の演者達はそのコールに応えるように胸を張って満面の笑みを浮かべている。
カーテンが上がり切り、1列にキレイに並んだ舞台監督と演者達が深々とお辞儀をする。
観客の大声援を惜しむかのようにゆっくりとゆっくりとカーテンが下りてくる。
(カーテン)
ベランダへのカーテンの隙間から、貴方の面影が見えた。
もう窓を開けておくには少し肌寒い季節、
寒さと寂しさが肌をちくちくと差していく。
赤く染まる夕陽が虚しくも影を残さずカーテンを差して
それを北風が知らしめる様に揺らしていった。
風が入るから、この時期は窓を閉めてタバコを吸っていた
貴方の気遣いが嬉しくて、窓から顔を出して、
どうしても甘えたくなってしまっていた。
でも、今は大好きな貴方の残り香も、
影も、形も、そこに居たのも分からないほど、
綺麗さっぱり、なくなっていた。
今、ベランダの窓に寄りかかっても、
撫でてくれるのはカーテンだけ。
カーテンを開けて
朝日を浴びよう。
これで
体内時計が
リセットされるらしい。
でも
そもそも
不眠で
寝るのは
毎日
朝方だ。
違う意味で
朝日を浴びている。
夜って
こんなに
長いんだ。
疲れて
寝落ちできるって
幸せなことだったんだな。
#カーテン
ぐるぐるカーテン思い出した。
もう12年前の話とか泣ける。
カーテン
覗いてるの隙間から、ゆらゆら私を刺してきて眩しくて熱くて皮膚が溶けて染み込む、影を落とすまつ毛が私をくすぐって
あ …3、2、1、もういいかい
い もういいよ
あ どこ行ったかな?
い …
あ う〜ん、そうだ
い …
あ ケーキ食べよう
い あ、それ私のだよ!
あ 見〜つけた
い むぅ
『カーテン』
「カーテン」
窓を開けて
それでいて
レースのカーテンをかけるのは
あなたの運ぶ風に気づくため
あなたにカーテンに触れて
そこから笑顔を覗かせてほしいため
こんなふうに
カーテンが揺れるたびに
ドキドキしたいから
「カーテン」
サン◯ジャンのCMしか浮かばない…汗
(カーテン)
カーテン1枚。異界と正常の隔て。たった、数ミリなのに。
一歩外に踏み出せば普通の家庭。各々が自由に自己を主張し、表現している。
何故そんな光が放てるの。何でそんな風に笑えるの。家に帰りたいの?休憩?落ち着く?何処で?家?
怖くないの?恐くないの?そんなことも言うの、伝えるの?
アイツさえいなければ。存在しなければ。その薄汚れた血筋諸共滅んでしまえ。不必要なモノですよ。ただの穀潰し。浪費者。この世では少なからず用途は無い。お前か存在するせいで、そして憎たらしい音を喉から出すせいで、どれほど苦しんだと思っている?滅びろ自らの手で。その人生に休止符を打ちなさい。最も後処理が楽な方法で。方法を探す為に苦心しなさい。苦労を知りなさい。自死が為に何故このような労力を費やさねばならぬのかと悩みなさい。
そして精神、諸共オカシクなって理由のわからないままに泡沫となり消えなさい。それが世の為、人の為というもの。
只、普通になりたかった。普通に囲まれて健やかに育ちたかった。お前が居ることが早14年の人生においての汚点。普通を知りたかった。見るだけじゃ駄目。身近に感じたかった。それだけ。ソレだけなのに。神なんて居ない。居るのなら相当の馬鹿野郎なんだろう。きっと私の方が上手くできる。そもそもニンゲンなどという愚かな有機物などは作らない。これだけのニンゲンが居れば欠陥品の産出は防げないから。
只、普通を望んだ。普通に焦がれた。羨ましかった。妬ましかった。これ以上、白く照らさないで。黒が、異端が、異世界が、その存在を直視したくない。お願い。お願い。
【カーテン】
窓辺のカーテンの隙間から白いフワフワな尻尾がゆらゆらと揺れている
頭隠して尻尾隠さずだなと微笑ましく思う
ついついちょっかいをかけたくなって、尻尾をチョンと触ってみる
一度はなんだなんだとキョロキョロしている
何もないことを確認すると、定位置に戻り、また外を見ている
もう一度、またさらに同じちょっかいをかけてみる。
そんな様子が可愛くて面白くて、私も楽しくなってしまっていた。
さすがに気づいた彼から『いい加減にしろー』というような手痛い猫パンチを一つもらった
ごめんね、でも君の可愛さがいけないんだからね
その日は朝から小雨模様
黙々と植林の中を進んだ
君と何度登っただろう
僕はまだこんなところにいる
暗い暗い森の中を
ただただ水は流れていく
君がくれた温もりさえも
もう忘れてしまったよ
その時空から陽が射してきたんだ
気まぐれな一瞬の優しさが
まるで笑顔をくれたように
感じて少しだけほっとする
空から下りたカーテンが
とても綺麗だったのは
多分空が灰色に
包まれていたからだろうね
そうだった僕が君を愛した頃
見上げればいつも灰色だった
けれど君に助けられて
僕は幸せだったと思うよ
劇の楽しみの一つに、カーテンコールがある。
カーテンコール=演劇・音楽会などの終演後、観客が拍手をするなどして、いったん退場した出演者を舞台に呼びもどすこと。
カーテンコールによって、演者さんによる裏話等が聞ける事もあるので、ヲタクとしては嬉しい時間だ。
劇のカーテンコールと音楽ライブ等のアンコールは同意義と思っていたのだが、調べてみると、どうやら違うらしい。
アンコール=演奏会などで、客が拍手やかけ声など発して出演者に追加の演奏を望むこと。
また、それに応じて行う演奏。
どちらも観客のアクションによって演者が舞台に戻って来ることに変わりはないが、演者のリアクションに違いがあるようだ。
ファン心理としては、カーテンコールに応じて貰えるだけで十二分に嬉しい。
その一方で、アンコールからしか得られない喜びもある。
演者を称えたい気持ちと、もっと一緒の時を共有したいと思う、ファンの複雑な心がそこにはあるのかもしれない。
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カーテン
ひらり、ふわ 雨の匂いで揺らされる
イヤホン外し 雨音を待つ
晴れの日もあまり開けない白だから
雷ショーの緞帳になる
薄布にちらっと影だけ落としてく
恥ずかしがりやの鳥の遊び
#カーテン
カーテン
此処から先は
まだ
見せる事が出来ない
自信の無い部分を
薄いベールのカーテンを
引いて隠しているのだろう
他人の評価が
溢れすぎていて
けれども
あの人には
やっぱり嫌われたくないな
などと思ってしまう
突然とタイミングで
良いきっかけの
風よ吹け
去年新しいカーテン取り付けた。
下が床についちゃつうから自分で縫った。
カーテン開けっ放しだと、夜外から見えるけど、朝、目が覚めて日の光が入ってこないのが嫌で、開けっ放しにしてる。 着けなくてもよかったかも
夏も閉めると太陽光は遮断出来るけど、部屋の熱気が籠って余計暑いから開けておく
ほとんど使ってない。
カーテンを閉めた。
私の弱いところも、
汚いところも、
誰にも見られたくなくて。
カーテンを閉めた。
私の嫌いな人も、
私を嫌いな人も、
誰も見たくなくて。
カーテンを閉めた。
どろどろの思いを抱え込んだまま
誰とも会いたくなくて。
ひとりにしてほしくて。
でも、カーテンを開けて欲しかった。
どうか気づいてくれ、と。
どうか見つけてくれ、と。
私はきっと、これからずっと、
そう思い続けるだろう。
″カーテン″
たしっ
てしっ
うーん…掴めない…
ちゃんと爪たててるのになぁ
ちゃんと、たててるのになぁ…
「あなた、タマがまたカーテンに爪たててますよ」
「…ほっとけ。どうせ破れない」
「え?」
「…あの子がコラって言って構ってくれるのを待ってるだけなんだ、あいつは」
「…まぁ、そうなの」
「ゆっくり待ってやろう」
ご主人、どうして怒ってくれないの?
優しくコラって叱ってくれて、その後撫でてくれるの好きだったのに
パパ様とママ様はここにいるのに、ご主人はどこに行っちゃったの?
オセンコウ?の匂いなんてきらいだよ…
ニャーオ
さっき、確かに見た。
この白いカーテンの向こうに、彼女が入っていくのを。
ここは保健室。
僕は体育の授業中に足を挫いて、湿布を貼られた後に、保健の先生から「少し休んでいけ」と言われた。
そしてベッドに横になったところで、僕がずっと恋心を抱いているあのコが、隣のベッドを使おうとしているのを見た、という訳だ。
さて、どーしよう。
意を決して声を掛ける。
だって、こんなチャンスそうはないじゃないか。
保健の先生は、職員会議とやらで席を外してる。
「あー、ねえ、体調でも悪いの?」
返事は無し。
自分に話しかけられているとは思ってないのかも。
「えーと、まだ体育の授業中だよね?僕、跳び箱の着地ミスって足グネっちゃってさ、しばらく安静にしとけって保健の先生が」
「知ってるよ。見てた」
「ホントに?恥ずかしいとこ見られたな。あれくらい簡単に飛べるはずだったんだけど」
「いつもは飛んでるよね。今日も飛べてたじゃん。着地に失敗しただけで」
僕のこと、よく見てくれてる。
これはもしかして、脈アリってやつかも。
「君はどーして保健室に?体調でも悪いの?」
「うん。なんかずっと調子悪い。目の前が霞むの」
「それは辛そうだね。病院へは行ったの?」
「行った…気がする」
なんだ、それ。眠くなっちゃったのかな。
こーなったら、さりげなく想いを伝えちゃおう。
「あのさ、実はずっと君のこと、気になってたんだけど、今日の放課後、一緒に帰れないかな?話したいことがいろいろあってさ」
…沈黙。ここで無言はやめてくれ。
もしかして、眠っちゃった?
「あ、あの、都合が悪ければ別の日でも…」
「一緒に帰るのは無理」
やけにきっぱりと断られた。清々しいほどに。
「じゃ、じゃあさ、授業が終わったら、校舎裏で会えないかな?誰にも見られないような場所、知ってるから」
「学校でなら…いいよ」
よし!すべてはここからだ。
「それじゃ、第二校舎の裏に小さな祠があるの、知ってる?あの辺はあんまり人が来ないんだ。女の子の幽霊が出るとか噂されててさ、もちろん嘘に決まってるけど」
「どうして…嘘だと思うの?」
「え…だってそんなん…」
「存在まで否定された人の気持ち、分かる?」
「いや…ちょっと待って…」
…なんか、おかしいぞ。この白いカーテンの向こうにいるのは、本当に僕の憧れのあのコなのか?
そーいえば、隣からは身じろぎの音ひとつ聞こえない。
さっきからずっと。
ガラガラと音がして、保健の先生が戻ってきた。
「おーい、そろそろ教室に戻っていいぞ」
まだ足は痛むが、歩けないほどじゃない。
そして、早くここを離れろと本能が叫んでいる。
その時、カーテンの向こうから、囁くような彼女の声が聞こえてきた。
「約束したからね。絶対に会いに来てね。いつまででも待ってるから。私もあなたが好きだから」
「おい、どうした?」
保健の先生が僕のベッドを覗き込んでくる。
僕はもう、今ここで話したすべてのことを後悔していた。
きっと隣のベッドには誰もいない。
いや、僕の想像を超える存在がいるのかもしれない。
放課後の校舎裏なんか行けるはずもない。
もしかすると、どこまでも追いかけられて、僕の人生オワコンかも。
恐怖と痛みでなかなか動かない足で何とか立ち上がり、出来るだけ静かに歩いて、逃げるようにその場を離れようとした。
だが、僕は見てしまった。
好奇心に駆られ、あの白いカーテンの向こう側を。
…そこには、悪戯っぽく笑いながら息を潜める、僕の愛しのあのコがいた。
僕に見られて小さく舌を出す。
やられた。完全にからかわれた。
…でも、確かさっき、「私もあなたが好きだから」とか、言わなかった?