ベランダへのカーテンの隙間から、貴方の面影が見えた。
もう窓を開けておくには少し肌寒い季節、
寒さと寂しさが肌をちくちくと差していく。
赤く染まる夕陽が虚しくも影を残さずカーテンを差して
それを北風が知らしめる様に揺らしていった。
風が入るから、この時期は窓を閉めてタバコを吸っていた
貴方の気遣いが嬉しくて、窓から顔を出して、
どうしても甘えたくなってしまっていた。
でも、今は大好きな貴方の残り香も、
影も、形も、そこに居たのも分からないほど、
綺麗さっぱり、なくなっていた。
今、ベランダの窓に寄りかかっても、
撫でてくれるのはカーテンだけ。
10/11/2024, 1:27:48 PM