『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
【カーテン】
窓際に座って優美に紅茶を飲む彼女。艶やかな唇。ティーカップが嫉妬しそうな陶磁器の様に白くて繊細な指。逆光で仕草も姿も何もかもが神々しく見える。
「そんなに見ないでよ。貴方ったらいつもそうね。仕草一つ一つを観察するのの何が楽しいのかしら」
好きだから。愛しているから。
「ふふっ、愛妻家ね。世界一幸せな女の称号頂いちゃうわよ」
風が吹く。羽衣の様に彼女を包む純白のカーテンが彼女をこの世のものじゃない存在に昇華させる。美しい。こんなに美しい存在が実体として存在しているのが夢の様だ。
「筆が進んでるわね。その絵が完成するの楽しみだわ。無理せず描いてちょうだいね。あ、風が強かったら閉めるからね」
あぁ、君の美しさをこのキャンバスに留めておこう。それが矮小なる僕に出来る唯一の事だからね。ほぼ、白のキャンバスに淡い線を引いていく。白に溶け入る君。それがこの絵のタイトルだ。だが、これだけは強い色彩で彩ろう。瞳を真っ赤に塗り潰す。アルビノの君。性格と同じく鮮烈な赤。これがないと君とはいえないからね。キャンバス上の君さえも愛すよ。愛しの君。
カーテン
吸血鬼である私の部屋のカーテンは、完璧オーダーメイドである。レース調でありながら、太陽光を一筋たりとも通さない100%の遮光性。しかし、夜には月の光をたっぷりと部屋に注いでくれる優れもの。さらには防音性も兼ね備えており、日曜午後の教会のミサからも完全に守られている。これで私に仇なす者たちは排除され、部屋という私の世界は深い深い海の底のようになる。
そう、真っ暗な静寂が私の太陽。こんな布一枚だけを隔て、世界は私に気づかない。世界は私たちに気付かない。
あのカーテンのかかった部屋、私かもしれません。
私の部屋には、ピンクの花柄の可愛らしいカーテンがある
今日みたいな晴天で少し風が吹いている日に窓を開け
たら、ヒラヒラとカーテンが風に靡いた瞬間 私の
心は静かになる。
どうしてその瞬間が好きなの? と 誰かに問われたら
明確な答えを言える自信は無いが、誰にも邪魔されない
1人の静かな時間が好き と 今の私ならそう答えるだろう
眩しすぎて遮るけれど
光を求めて開くんだ
こっちの勝手な都合に合わせて
振り回すのは、もうやめる
#カーテン
窓のカーテンは簡単に開くが
心のカーテンは慎重にね。
間違えたら一生開かないから。
〜カーテン〜
揺れ動くカーテン
ふわっと空を見せ
光が現れた
暗い雰囲気がただよう部屋に
希望の光が差し込んだ
ずっと閉じ込められた心がぱっと開いたのだ
私は泣いた
たくさん泣いた
ただ違うのが嬉し泣きというところだ
痛んで痛んで
耐えられなくて泣いていた時とは違う
笑顔がそこにはあった
だから大丈夫
きっと光は私たちを見捨ててはいない
信じよ
自分を信じてみよう
さぁカーテンを開けて
新たな世界へ
「カーテン」
朝、顔に光がさした。
カーテンの隙間から光が...
毎日、太陽の光をあびて、一日が始まる。
私の日課だ。
カーテン
花柄のカーテンが欲しかった。
あたたかくて、淡い色で、天国を感じさせるようなお日様の香りのカーテンに包まれて、幸せな夢を見たかった。
ようやくやってきた秋風が
カーテンを僅かばかりに揺らしていく
ねぇ
金木犀は咲いたかい?
箒星はもう見えそうかい?
あの人は元気にしてるかな
お題:カーテン
中二病。
それは誰しも一度はなる思春期特有の背伸びしたがる精神性を揶揄する俗称。
最近の子供は中二病が早まって小学生ぐらいに目覚めるとか、なんなら中二病の時期自体無くなってるとかって話を聞きました。同じ轍踏めよおい、一緒に地獄に落ちるんだおい。
当然自分も星の数ほどいる中二病罹患者の内の一人。
中でもかなりファンタジー路線の方に行ったタイプの恥ずいやつ。
流石に漆黒のダークシャドウドラゴンだとか忌々しき終焉の邪神ソードとかってやるようなレベルじゃあないっすけど、まあまあ酷い。
悪魔とか、特に吸血鬼とかを好き好んでて、できることならなれたらなあと妄想している時期まであった。重症だ。
でー、自分ってやつは今も昔も感情が顔とか声とか動きとかによく表れるんすよ。
だからもし吸血鬼になったとしたら、きっとはしゃぎまくって家中をバタバタと馬の如く駆け回り、布団の上でバネを気にせず飛び跳ね続け、鏡という鏡を全部ハンガーで叩き割って、勢いそのままにカーテンをぐわっと両手で広げて窓に体当たり、そのままベランダへとフライハーイ。
グワあああああああああバカなあああああああこの我がああああああああ!
うっかりベランダに出てそのまま焼け死ぬ元人間割と結構いそうだなこれ。
亜麻色の髪が靡く
ぼくたちは煙草みたいな関係ね
って呟く君が白い足を覗かせながら笑う
わたしは一人 たちこもる限り
辛いとか苦しいとかぜんぶ消え去れと言った
辛かったんだ
苦しかったんだ
痛かったんだ
感情が消えない前に
じゃあまたねと優しく笑う
あの部屋で過ごした日々も
あの空間のお気に入りも
なくなっちゃったね
なくなってしまった
子供の頃
よくカーテンでお化けごっこして遊んでいた。
カーテンを強く引っ張りすぎて、亡き祖母に叱られたことを思い出す。これもまた、良き思い出。
カーテンの隙間から差し込む朝日が、
私には眩しすぎて。
目が眩んでしまう。
クラスで見た君の笑顔が、
私には眩しすぎて。
私は卑屈になってしまう。
世界が、
私にとって光が多すぎて、
もう消えてしまいそうだ。
影は私以外にいないのに。
もうちょっと暗かったら。
私もこんな熱くならずにすんだのかな。
君たちの見せる光のせいで、
妙に昂ってしょうがなくて、
あぁ、もう。
私にもなんて、憧れちゃうよ。
そんな事、結果なんて分かりきってるはずなのに。
人生の流れによって
カーテンの色味は変化する
両親に守られ、暖かい部屋を
与えられていた時は
女の子らしいピンク色…
社会人になって、一人暮らしを
始めれば、女の一人暮らしだと
バレぬように、わざと青やグレーの
地味な味気ない男性色のカーテン
家庭を持ち、子供が生まれれば
なるべく外からプライベートが
わからぬよう、また強い陽射しから
我が子を守る為に、値が張っても
しっかりした遮光カーテン
長い時間を経て最近のカーテンは
ほどほどの厚さと遮光、値段もほどほど
しかし、長年の劣化で最初セットだった
レースのカーテンも時間差で傷み
部屋部屋でチグハグだったりするが
やっと涼しくなり、良い風でカーテンが
揺れるだけで、「まあ、いいか」と
随分とおおらかになった自分に気が
ついたりする。
「カーテン」
私の部屋のカーテンは光漏れしやすい薄さ?色?だ。だから夏になると網戸に光を求めて蚊が大量に張り付いてくる。どのくらいかと言われたら片面網戸の70%ほどだ。特に今年は対策をたくさんしたが意味がないほどカーテンの光漏れがすごかった。防虫スプレーを網戸と室内にかけ、網戸に防虫用のものを貼り付け、蚊取り線香の現代版(消臭剤みたいな無臭なもの。伝われ)を用意したにもかかわらず、イライラするほど来た。
カーテンを変えるとこういう対策もしなくて済むのは分かってはいるが、お金やカーテンが夏以外には無害なことを考えると買い換えるのも面倒だ。はあ、どうすればいいものやら。
ある遠い夏の日。
窓を開けると、カーテンが風を受けて
帆船の帆のように丸みを帯びてふわりと膨らむ。
その空間に入るのが大好きだった。
幼かった私の、十数秒間だけの秘密基地。
なかなか当たらなかった窓際の席についにこれた。
日差しも落ち着いてきたこの頃、窓際の席を堪能するには良いタイミングなんじゃないかとワクワクしていた時期もあったな、と思い出す。
寒い。
日差しも無いし、窓を開けても暑さが落ち着き虫が入ってこないのはいいものの、入ってくる風が思いの外寒い。こんなでもあついあついと、代謝が良いやつもいるし、風があるのにエアコンつけるのもちょっと、ということで、自分の一存で閉める訳にはいかないのだ。集団行動、民主主義の闇だなんて、辛くても合わせなければならなくなったこのポジションになった途端に思う。
強風では無いし、もう風のことはいい。
このカーテンだ。こいつが風で広がり、片手でやんわりと払うだけじゃ、はらえない。生き物のように顔面を撫でつけて視界を邪魔してくる。ここが家なら思い切りぶっ叩いて、縛り上げていた。
別にここでも、さっと結んじゃえばいいじゃん、という話だが、タイミングが掴めない。窓際の席に関しては初心者マークの生徒なので。他の生徒なら、さっと立って授業中でも先生も気にせず、結ぶし、周りの席も何も言わないけど、あ、やってくれた、と一瞬だけ思いおわる。
でもいざ自分がそれをやるとなると、いまいち踏み出せない。このカーテンの暴れよう、被害があるのは自分だけだが、周りも風の具合によってはいつ自分まで巻き込まれるのかと、ちょっと気になっているのはちりちり感じている。いつやんのかな、気になんないの、はやくやってくんないかな、と思われてるかもしれない。
でもこの暴れカーテンをすぐに押さえきれずに、奮闘する無様を、無視されているようで見られていることになったら、とか考えては、もうはやく休み時間こい、それか風なくなれ、とひたすら念じていた。
【カーテン】
まだ染みひとつない
目が覚めるような青が窓を覆う
風に靡く様は、まるで深い深い海のようで
そこに佇む様は、まるで広い広い空のようで
私のさじ加減ひとつで
海にも、空にもなれる
空と海の間に漂うこの部屋に
海が一粒こぼれ落ちる
ああ今日は、海の色だ
【カーテン】
─── カーテン ───
太陽も月も星も見えない
風もそよがない
草木や花の香りなんてしない
消毒液まみれの私達は
ここで生まれて
実験結果を残せるか残せないか
静かながら冷酷な環境で生きている
寝室のカーテンを開けると、中学生たちが学校へ向かっている姿が見えた。みんな、早起きして偉いな。僕は今起きたばっかりだよ。教室に入るのが怖くて、最近は学校へ行っていない。行けたとしても、午後からがほとんど。こんな日々、いつまで続くんだろう。終わりが見えなくてつらいよ。どうしたらいいんだろう。