『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
寒がりだからカーテンを冬物に付け替えるとき素材や丈の選択には散々こだわった。その甲斐あって、二月の朝でも窓越しの冷気が足元へ流れ込んでくることはない。快適な室内環境を得て満足していたのに。
「おはよう。今日は良い天気だよ」
口調だけは優しいけれど容赦なくカーテンを開け放つあなた。満面の笑顔で、人間は起き抜けに日光を浴びれば健康的に一日を過ごせるんだと言い切られたら、やめてほしいと言い出せなくなった。毎朝几帳面に生地のドレープを整える仕草はもはや何かの儀式のようだ。
真冬の鈍くかすかな陽光があなたのシルエットを縁取り淡く光らせているのを、布団にくるまったままぼんやり眺めている。これは、寒いけど、暖かい。
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「カーテン」
カーテンの閉まっている部屋が陰気だなどと、誰が決めたのか?
ほら、この部屋を見てごらん。
美しいカーテンが、むしろ部屋を明るくしている‼︎
...それでも、時には日の光も浴びないとね...
【カーテン】
開けるのも億劫で
閉まったままだったカーテン
トコロどころに
シミとペンのあと
部屋を包んでいたこのカーテンとも
もうじき、
さよならかな
『カーテン』
誰もいない教室でカーテンが揺れた。
季節は秋を感じ始めたころ。
まばらに冬服を着る人が増えてきた。
朝は寒いが夕方は暑いのが悩みだ。
「もうすぐ中間考査じゃん」
「あー、数学捨てたわ」
諦めんなよーなんて2人で笑う。
大人になったら
学生の時、学べることに集中出来ることが幸せだと気づく、なんてよく聞く。
だからなんだって思うけどね。
嫌なものは嫌。
みんなそうやって過ごしてたから後で後悔してるんでしょ。
今年は受験生。
今までで1番勉強してるんじゃないかって思う。
友達とこうやって勉強できる今が1番幸せなんじゃないかな。
2人でわかんない、なんて言って
一緒に悩んで
教えあって、分かったらよろこんで。
「あ〜関数わかんない!!!」
「不定詞苦手なんだけど!!!」
また、ふわりとカーテンが揺れた。
心のカーテンを開くことが出来ず
陽の光を浴びることがない心が
人知れず涙を流す
次第に心は空っぽになり干からびて
崩れ落ちていく
楽しい日々とはなにか
楽しい人生とはなにか
それは
歩む場所も方向も目的地も同じ人が
たった1人でも隣にいてくれるかどうかだ
同じ目標を持つ人
同じ志を持つ人
そんな人に出会いたい
好い人だったねって、それだけで愛の境目をつくるのは卑怯じゃないの
ほんの少し、君に触れられたときの心地よさが
ちいさな窓からのぞくカーテンがなでられて、指の形にあてはまるようだと知った
勝手ながらに消えてしまいたいと思った、その程度の欲求がぶつかりあっただけだ
君がそのカーテンを裂いたならきっとさよならできるよ、だって私、君が大好き
『カーテン』
風でカーテンが大きく膨らんだり、
逆に窓の外へと引かれたりするのを見て、
僕の友達は「カーテンが呼吸している」と言うのです。
素敵な考えだと思った。
大きな白いものが、揺れていた。
僕はベッドの上でぐっすりと寝ていたのだけど、目にちらちらと黄色い光を感じて目を覚ました。
うっすらと目を開けると、ばさっと音を立てて白いものが揺れていた。
その揺れは心地よく、見てると大好きだったあの場所を思い出した。
あの場所。
暖かくて、いつもぼわぼわとくぐもった音に囲まれてて、そのくせ静かなあの場所。
安心安全なわ僕の真っ暗闇。
あれは、あの場所は、どこだったかな…?
揺れる白いものを見ながら、僕は再び微睡む。
今はその名を知っている。
あれは窓辺にかかったカーテン。
風に揺れ、大きく膨らみ、はためいていた。
今思えば、海の波のようだった。
揺れるカーテン。
この世に生まれ落ちた僕が、一番最初に出会った風景。
カーテンの隙間から日が差し込む
あぁまた嫌な一日が始まるんだな
逃げ出してしまおうか
そんな事を思いながら支度をする
どうせ逃げる勇気もないのに
「行ってきます」そう言って重たい玄関を開ける
天気なのに暗く感じる
足が重い 頭が痛い
息がしずらい
「おはよう」
また今日も生きる
お題「カーテン」
「もう夕方か…」
サラサラとなびいているカーテンの向こう、
オレンジ色に輝いている光が反射した。
今日も一日、何も出来なかった。
時間は有限、無駄にしている暇なんてないはずなのに
どうにも動く気になれなかった。
起きては眠り、眠っては起き。
それを繰り返して、まるで吸い込まれるように
今日も一日が終わった。
朝起きて私はカーテンを開けない。だって光を見たくないから。ずっとずっと夜のままでいたい。夜のままなら人と会わなくていいし1人でいいから。なのに朝は君がやってきてカーテンを開けるんだ。ちょっと!って私が怒っても君には届かない。それから君は朝ごはんを食べて仕事に行く。あぁそんなに大きくなったんだね。私の中の君は高校1年で止まっているよ。私は家から出られないけどずっと帰りを待っているよ。君に触れたくて、話したいけど。ずっとずっと我慢するよ。だから幸せになってね。
解説
これを話している女の人は高校1年の時に亡くなっていて、男の人が住んでいるのは女の人が死んだ家。
私の将来の夢 黒木空
私の将来の夢は、絵本作家になることです。テーマも決まっています。私は、㍻15年3月11日生まれなので、東日本大震災を忘れない−3.11。あの日のこと−をテーマにした、絵本を作って、被災された東北の人々に、笑顔になってほしいからです。私が、絵本作家を志そうと思ったきっかけは、㍻23年3月11日14時46分に発生した、東日本大震災がきっかけです。東日本大震災は、日本の歴史に残る大きな災害です。地震・津波・原発事故を起しました。食品がなくなり、帰宅難民も発生しました。東日本大震災は、全国ニュースにもなりましたから。台風、津波に、負けなかった『奇跡の一本松』もあります。東日本大震災を風化させない為に、震災遺構もあります。岩手県、宮城県、福島県の被災地3県に、行きたいです。私は、3月11日に生まれて、最高のプレゼントがあります。親戚が助かったことです。病気で助かったことではありません。75歳の時に、東日本大震災で被災されました。
#カーテン
防音カーテン遮熱カーテンだから部屋は
暖かい
カーテンを開けるととても明るい。
私の心もこんな明るくなったらいいのにな
テーマ:カーテン
あの日の夜のことは今でも鮮明に覚えている。
夜空に舞う様々な色が織りなすカーテンのようだった。
あやこは大学2年になった。順風満帆な人生を謳歌しているように他の人からは見えていただろう。
はたからみれば一般的な家庭に生まれ、家族からも愛され、にこやかに日々を過ごし、全てにおいてみたされているように見えていた。だが、あやこの心の中はいつも何とも言い難い焦燥感に支配されていた。
私は普通の人間だ。
特にオモシロミもなく、無駄に平面的で平凡。
これといった才能もなく、ただ皆の言う幸せへの切符を買わされて、ぼーっと少し焦点の合わない目で景色を聞き流しているかのような人生。だから上京するときも特に何も考えず、流されるままに身を任せていた。少しばかりの期待と、どうせ何も変わらないんだという曖昧な世界になんとなく身を委ねていた。
そんな曖昧な世界で生きていたためか、特に親しい友人などもできず、無視されたりシカトされたりすることでもなく。
飲み会に誘われたら参加するし、適度に相手と会話もするし、メイクや服を見たり、普通の女のコとして生きている。
可もなく不可もなしというか、モブキャラみたいに輪郭のはっきりしないような感じに写っていたと思う。
そんな曖昧な世界を変えるキッカケとなる出会いがあった。
「ねぇ、いつもこの席で授業出ているでしょ?先週、私、出られなくて…お願いがあるの。ノート見せてほしいの。」
そんな風に声をかけてきた、私の眼の前に立つ女のコ。
小柄で可愛く、かと言って図々しくなく謙虚で誠実な印象を持った。
「いいよ、少しわかりにくいかもしれないけど。」
そう言ってノートを開く。ペラペラと数ページめくる、まだ新品だ。
三十分くらいだろうか。秒針がチクタク、チクタクと正確に時を刻む。
「ありがとう。すごくわかりやすかった!時間とっちゃってごめんね!今度スタバ奢るね!」
ふんわりとした声と甘い桜のような香りがした。
春がさり、夏の始まりを知らせるかのように、その存在をしっかりと相手に書き留めさせて少し恋しく感じさせるように彼女は去っていった。
それから彼女とスタバに行ったり、ショッピングへ行ったりした。
彼女…、桜香(ほのか)と過ごす日々は私の単調な人生を色鮮やかなものにした。
写真のフォルダーは桜香と私でいっぱいで、とても幸せそうで。
桜香の「おまたせ…!まった?」という声と少し足速にかけるサンダルの麻とヒールのコツコツとした音がして私はスマホの電源を落とした。
真っ黒の画面に反射する私も幸せそうに、桜香だからね、仕方がないよ、なんて少し呆れた慈愛の笑みで微笑んでいる。
「全然、今来たところだよ!」
世界で一番口角をあげて笑う。可愛い彼女に似合う私でいたいのだ。
「ところで、話ってなに?」
「実は…」
彼女の口から出た言葉は私を、美しく靱やかに夜を舞う妖精たちの妖艶な世界にゆっくりと、気が付かないように誘っていったのだ。
「桜香、お久じゃ〜ん!えー、寂しかったぁ笑」
「こうちゃん!ごめんね、大学忙しくて…」
「そっか、寂しかったけど桜香に会える喜びが倍になったから許しちゃうよ!」
「あれ?、お客さん?」
「そう、私の友達!可愛いでしょ!」
「ほんとだ!ホストは初めてかな?」
「あえっと…はい…」
「もう、あやこしっかりしてよ!」
「あはは、初心でかわいいね!いいよ、いいよ。緊張するもんね笑」
ビシッと決まったスーツと香水と夜のオトナの香りにくらっとした。手を取られながら私はその日、人生で初めてホステスの扉を開いた。
「へぇ、あやちゃんってがんばりやさんなんだ?」
「いやぁ、私なんてまだまだですよ。平凡だし才能ないし。」
「私なんて、って言っちゃだめだよ!あやちゃんが他の誰よりも頑張ってるのしってるし。」
お酒を流し込んでいくたびに罪悪感と焦燥感がシュワシュワと溶けていく。心地よい、あぁ、きっと抜け出せない、働かない頭でそう考えた。こんなに赦されるのならこのまま溺れてしまってもいいかもしれない。
「桜香、今日はありがとう楽しかった!」
「良かった〜!あやこ最近なんか鬱憤溜まってそうな顔してたし!」
私を連れてきたのが私のためだと、私を心配しての行動だと知って、胸のあたりがポカポカする。
「本当にありがとう!もっと怖いかと思ってたよ笑」
「あはは!確かにはじめは怖いよね、で?いい人だったでしょ?」
「うん!かっこよかったし!、初回でおまけしてもらっちゃったけどいいのかな…」
「いいんじゃないかな、もし気になるんだったらまた一緒に行ってお金使わせてもらおうよ!」
「じゃあ、わたしJRだから。またねー!」
「うん、またね!」
一人電車に揺られまだはっきりとしない夢心地の頭で考える。
あんなに自分を無条件に肯定されて包まれる感覚を生まれてはじめて感じたのだ。
親にさえも表現されなかった愛情をお金を払うことで得ることができると知った。それは大人になろうと背延びしている女を狂わすことになる。
桜香は沼に溺れていくように夜にどっぷりと浸かっていった。ポッカリと空いてしまったような、そんな心の隙間を埋めるために金をドバドバと使い、身体を染めていった。
あやこの好きだった春の終わりを告げる、桜の香りは人工的な男を誘う甘い香りへと変化してしまった。
香水に伴いメイクも挑発的で誘惑的なものになっていった。
桜が薔薇になったかのようだ。確かにそれにも美しさは感じられるが友人のあまりの豹変っぷりに、あやこは心配せずにはいられなかった。
「ねぇ、桜香。……その、大丈夫…?」
「大丈夫だって言ってんじゃん。」
「でも」
「うざいんだよ。ほっといてよ。」
「…ごめんね。」
変わり果ててしまった桜香を背にサイズのあっていないゆるいパンプスの音を鳴らしながら歩いていく。
おしゃれのしない平凡な少女が、友人と出会い、ファンデーションと自信を肌に乗せていく。
あやこは桜香に出会って確かに変わっていったのだ。
だが逆も叱り、桜香もあやこに出会って変わってしまった。
一緒にショッピングへ行ったときの話を思いだした。
「私なんて似合わないよ」
「絶対に合うって!私の目に狂いはない!」
「でも…」
「いいから履いてみてよ!」
シャー、と更衣室のカーテンの音がなる。
「やっぱり似合うね!」
「…買ってみようかな」
家に帰宅してパンプスの写真を取った。そんなとき桜香からメッセージが届く。
また行こうねと返信して夢心地の中ベッドに寝転んだ。
そんな思い出のパンプスが私達を引き裂いていくカウントダウンを鳴らしているように感じてしまって思わず歩く音を止めた。
桜香の座っていた場所にはチャラそうな男がいた。
その時に見た媚び売るような女の顔を私はしばらく、忘れられなかった。
桜香side
あやこは可愛かった。
モデルとか、アイドルみたいな可愛さじゃなくて、素の可愛さというか、そういう、曖昧だけどたしかにある感じ。
あやこが笑うと花が咲いたみたいに周りがワントーン明るくなる。桜香って名前はこの子のためにあるんだとわかった。
おしゃれなんかしていなかったからみんな気がついていなかったけど、そこが私の独占欲をくすぐった。
私しか気付いていない秘密の花。
いつしか彼女と私を同一視していた。はじめは良かった。自身の持てなかった自分の桜香という名前に実態とイメージがついた。だけど、定着しすぎて癒着してしまった。
私はいつからか桜香として生きているのが辛くなった。
私の名前を呼ばれているのに、それは私じゃなくて。でも意識が私であるから私のはずだ、とぐるぐるととめどなく思考が回っていく。
彼女が笑うから私も同じように笑う、笑わなきゃいけない。
なるべく、主導権を握ろうと私から行動するようにした。
少しでも手綱から手を離してしまったら私を暗い沼に手放していくように感じてしまっていた。
私は、誰だ。
自分をついて回る闇に気が付かないように、蓋をしているように生きれば、必然と夜の街を浮かぶ羽目になる。
一人で眠れない、思考の海を漂う夜にお酒を流し込む。
キャッチに出会ってホストクラブにハマった。
カモにされてるのは分かっていたが、それでも人の暖かさに触れるのが久しぶりで離れられなかった。
財布の紐が固くなってくると友達も連れてこいと言われた。
相手側がまた1人になるとかそんなことをちらつかせて来れば、私には為す術なんてない。あいつもハマらせて堕ちさせればまた2人で仲良く過ごせると思った。
だからあやこを連れてきた。
あいつも私しか心を許せる人がいないから簡単に着いてきた。結果はどうだ。あいつは一人でいることを選んだ。
何故一緒に堕ちてくれないのか。結局あやこさえも私を見下しているんだろうかとまた思考が曇る。あれだけ憧れて恋焦がれたあやこの周りには今や副流煙が纏って見える。
私は。
私には、もう救いなどないのだ。
視聴覚室の
分厚いカーテンに
ふたりでくるまって
ぐるぐる巻きになって
身動きが取れなくて
真っ暗な中で
ないしょ話をして
くすくす笑いあうだけで
満足だった
なんの悩みもないだろうと
人は言うのだけれど
涙を隠したいときにも
カーテンは役にたつんだよ
#カーテン
カーテンが風に靡く
朝の光を纏った 衣のように
新しい朝を 歓んでる
おはようとカーテン越しに 朝の挨拶
おはよう 新しい朝が始まる
カーテンが風に靡く
朝の光が何か良いこと連れている
新しい朝が 嬉しいよ
おはようとカーテン越しに 朝の挨拶
おはよう みんなで贈りあう
#カーテン
理想のカーテンを探している。
機能性とか値段とかも気になるけれど、私にとって一番悩ましいのはいつも色と柄である。
ずっと前、青にしようと思ったけれど、青は部屋が暗くなると言われて黄色にした。あまり好きになれなくて、引っ越したときに変えてしまった。
次は赤にしてみた。悪くはない。悪くはない…のだが、赤は騒々しいのだ。調子のいいときは良いのだか、調子の悪いときの赤は無音のうるささを振り撒いているように感じた。
緑の抽象的な柄にしたこともあった。落ち着いていて、落ち着きすぎていて、なんとなく退屈。
その次は紺色。紺も青の仲間とすれば最初の希望に戻ったわけだが…うん、確かに落ち着いているというのか暗いというのか、可もなく不可もなくというところである。
紺色のにする時には色々と悩んだ。
ウィリアムモリスみたいな柄物もいいかなと思うけれど、一歩間違うと支離滅裂な空間が出来上がりそうだ。―パス。
水玉やストライプのような幾何学柄はどうだろうか?他の家具が増えたら目にうるさい気がする。―パス。
白っぽい色は汚れが目立ちそう。―パス
黄色とピンク系は好きじゃない―パス。
………
延々と自問自答した結果が紺色だったわけだが、未だもってこれだという感触があるわけではない。
カーテンの悩みは当分尽きそうにない。
「カーテン」
レースのカーテンの裏に隠れるのが好きだった君。
今も影が指すと、隠れてるんじゃないかって探したくなる時があるよ。
しなやかなしっぽを揺らして、首輪の鈴を鳴らして走ってくるきみはもうどこにもいないのかもしれない。
でも僕は、君の名前を呼ぶよ。
だってほら、カーテンの裏を覗かなければ、君の影はそこにいる。
..........何してるの、カレット。
こっちにおいでよ。
僕は窓から差し込まれる眩しい太陽の光が嫌いだ
太陽の光は僕に相応しくないと昔誰かにそう言われた
全くその通りだ
本当に僕とは正反対で忌々しいほどに明るい太陽の光
僕の気を狂わせるその光は今も少し開いてしまったカーテンの隙間から差し込んでくる
僕はカーテンを閉め、今日も1人暗い部屋で過ごす