『カーテン』をテーマに書かれた作文集
小説・日記・エッセーなど
カーテン
現実の世界に絶望し、引き込もっている。
外の光も音も温度も風も、何も感じない。
お陰で部屋は昼間でも薄暗い。
暫く窓も掃除をしていないのでカビだらけで、カーテンをも侵食し始めていた。
自分はすでに侵食されている存在だな。
馬鹿な空想に浸りながら、死を考える。
めちゃくちゃな人生だ。
心のカーテンは疾うに腐っているのに。
揺れていた
あのカーテンは
大空からの風を受けて
静かに靡いていた
ふとカーテンが開いて
窓枠に切り取られた空は
異常な程に青く
白く光る太陽が眩しかった
この空をキャンパスに収めようと
筆を握った手が微かに悴んで
冬の訪れを感じさせた
冷たい空気のなか
澄んだ青空を見上げると
カーテンがそれを遮るかのように
外からの光を遮断した
「秋は、どこ行っちゃったんだろ」
いつもの如く口にした言葉は
あの大きな青空に吸い込まれた
季節外れの寒さの中
吐き出した息は白く濁って消えた。
カーテン
カーテンに残ったコーヒーのシミが
ハートの形をしていることに気付いた今日。
ちいさなちいさな笑顔があふれた。
カーテン
カーテンを開ける
すると、そこには、
雲が動いて、空の色が変わって
見るたびに変わる景色
『カーテン』
カーテン
カーテンが風に吹かれてふわっとなるのを見るのが好きだ。
実家を建て直して、自分の部屋を作ってもらった。
カタログの中から自分の好きなカーテンを選んでいいよと言われたときは嬉しくてワクワクした。
オレンジと黄色のチェック柄のカーテンを選んだ。
太陽の光りに照らされると、自然に光が入ってきて、とても明るい部屋になる。オレンジと黄色のカーテンを選んで正解だ。とてもお気に入りのカーテンとなった。今もそのカーテンは、実家の私の部屋に存在している。
短い小説 『カーテン』
あれは少し前の話。私は家でテレビを見ていた。
夜が寒い季節になりつつ、空はすっかり秋の夕暮れ。
「うぅ、、寒い」
身震いしながらシャッターと窓を閉める。
最近私は人生で必要な知識を得ることに必死だ。
特に投資はやっておいた方が良いと確信し、今日も本と動画を見る。
そんな時だった。
サラサラ…
最初は気のせいだと思っていた。しかし、
ユラユラ…
カーテンが僅かに揺れていた。風もないのに。
窓も確認したが、ちゃんと閉まっていた。
背筋が凍った。
たまらず私は立ち上がり、カーテンを注意深く見た。
しかし何も起こらなかった。
気のせいか?勉強のし過ぎで疲れたらしい。そう自分に言い聞かせ、少し休もうと腰かけた。
ウトウトして頭も目もボーッとしていたが、カーテンの端から何かが出てくるのが見えた。その姿を見た時、一瞬時が止まった。
ムカデであった。
私は悲鳴をあげ、そいつを退治やら処理やらするのに数時間はかかった。
おかげで投資の知識は全部どこかにぶっ飛んでしまった。
それから数日はカーテンを見るのも触るのも近づくのも怖い日が続いたのだった。
ちょっと眩しい。
カーテン閉めよ。
あなたと会う時は何故か
心のカーテンまでも閉めてしまう。
恥ずかしいな…
お題〈カーテン〉
あえていつでも少し開けておいて、
外の世界と自分を繋ぎ止めている。
#カーテン
ゆらゆらと風にそよぐカーテンが幼い頃を思わせる。カーテンを頭にのせては「花嫁さんごっこ」をしていたあの日。両親に連れられて行った親戚の結婚式で見たキレイな真っ白い花嫁は、私の憧れだった。風にそよぐレースとドレスの美しさに見とれた私は今も同じ景色が見たくてウェディングプランナーになった。
リモートワークになってから、カーテンをめったに開いていないことに気が付いた。わずかに漏れる光から外の時間帯は把握しているものの、しばらくきちんと日の光を浴びていない。
試しにパッとカーテンを開いて見たら、西日が目に刺さった。朝にやるべき仕草だろうな、と思いながら閉め直す。
ひらり舞う
半透明に目を奪われ
手を伸ばした先には何もなく
虚空の彼方にただ静寂が佇むだけだった
ふわり踊る
淡い色に目を奪われ
そばへ寄るのは必然
巻かれて囚われて
一緒になった
揺らす心
満ちる感情
虚空の空に
雫ひとつ
ひとりぼっちの
影がひとつ
まだ出たくないから、
まだふかふかの中にいたいから、
まだ続きを見たいから、
だからカーテンは閉めっぱでいいの
カーテンを開く
陽の光が目に入る
眩しい
目を細める
ぼんやりとする視界
煌びやかな世界に手を振る
カーテン越しに
あなたを見つけた…
でも、あなたは
私がいてるの
気づいてないのかな?
私はそっと目を逸らし
カーテンで顔を隠す
だって…
なんで好きな人の
キスを
見ないと行けないの…
しばらくして
人が居ないか
確認して
教室を出る
教室を出た瞬間
私は涙が止まらなくなってた
次の日から
何故か私は
彼を避けるように
なっていた…
心の中で「ごめんなさい」
っとつぶやいて
彼から避ける生活が始まった…
カーテン
穏やかな夜…
窓を開けて…
優しい風
カーテンが
ユラユラ…ユラユラ…
揺れる
真っ暗な夜なのに…
やさしい…
光と闇
白と黒
善と悪
対極の中間に
存在するカーテン
全開か?
締め切るか?
それとも
半分開けるか?
むしろ
僅かに透かすか?
風になびくか?
静物になりきるか?
それは
「いい加減な存在」かもしれない
「心地よい開き具合い」を
見つけるのが
人生なのかな
身体が熱くて、だるい、こういう日は
外に出るのはもちろん、見るのも億劫になる
窓は開けて、カーテンは閉める
風が襞を掴んで、峰々を作り出す
眺めていると、とろりと眠気が湧き出す
甘い出汁の匂いで目が覚めた
光の中で、誰かがスプーンを差し出す
差し出されたお粥は、失ったエネルギーと塩分を
補うのに最適な味付けだった
「誰か」はいつの間にかいなくなっていた
夢の中でまた夢を見たようだ
なのに、うっすらと「誰か」のシルエットが
思い浮かぶ
グーサインをして
「大丈夫」
カーテン/
カーテンが揺れて
君の顔に日差しがはいる
それを隣の席から眺める僕
”なぁに?なんかあった?”
"いや、笑 綺麗だなって見てただけだよ笑 "
なんて会話を交わした
…カーテン…
そよ風を乗せ ゆらりゆらりと
吹き上げる
_end_
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いつも窓とカーテンの間に入って
空を眺めてたきみ。
空が好きなわたしのことを
少しでも思い出してくれてたらいいのに。
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