短い小説 『カーテン』
あれは少し前の話。私は家でテレビを見ていた。
夜が寒い季節になりつつ、空はすっかり秋の夕暮れ。
「うぅ、、寒い」
身震いしながらシャッターと窓を閉める。
最近私は人生で必要な知識を得ることに必死だ。
特に投資はやっておいた方が良いと確信し、今日も本と動画を見る。
そんな時だった。
サラサラ…
最初は気のせいだと思っていた。しかし、
ユラユラ…
カーテンが僅かに揺れていた。風もないのに。
窓も確認したが、ちゃんと閉まっていた。
背筋が凍った。
たまらず私は立ち上がり、カーテンを注意深く見た。
しかし何も起こらなかった。
気のせいか?勉強のし過ぎで疲れたらしい。そう自分に言い聞かせ、少し休もうと腰かけた。
ウトウトして頭も目もボーッとしていたが、カーテンの端から何かが出てくるのが見えた。その姿を見た時、一瞬時が止まった。
ムカデであった。
私は悲鳴をあげ、そいつを退治やら処理やらするのに数時間はかかった。
おかげで投資の知識は全部どこかにぶっ飛んでしまった。
それから数日はカーテンを見るのも触るのも近づくのも怖い日が続いたのだった。
10/11/2022, 11:24:15 AM