魔法
とある人は、魔法についてこう語っていた。
「魔法は、科学では証明できない不思議な現象を起こす力。使うには魔力が必要なわけで、この"魔力"を持つには契約が必要。凡人には到底できない」
これを聞いた某は、鼻で笑った。
契約なんて必要ない。魔力も必要ない。
そもそも"魔法"なんてハッタリだ。
地球人が言っている科学は発展途上な訳で、
発展すればする程、地球人の言う"科学では証明できない不思議な現象"も"科学"で起こせるようになるのだから。
無知な程、魔法とか神や悪魔とか言った迷信にすがる。現象の原因や仕組みを知らないからだ。でも、知ってしまえば恐くないし、自分達の愚かさに気づく。
宇宙の原理を熟知し、駆使すれば、皆"魔法使い"になれる。
某は宇宙人。地球よりも文明が遥かに高度な星から来ており、地球人に気づかれないように暮らしている。移住の動機は言えないが、永住しようか考え中である。
地球人の考えることは奇想天外で、カルチャーショックが治まるまでまだまだ時間が掛かりそうだ。
宇宙人は頭を抱えながらカフェから瞬間移動して去って行った。
違う種族同士
この前、駅の出口へと歩いていると、前を男女二人歩いていた。
ただ、その二人は体型があまりに違いすぎる。
左の男はウエスト間違いなく150㎝は超えている。
右の女はウエスト80㎝くらい。
足の太さも男の片足に女の両足がすっぽり入るくらい。靴のサイズも3倍くらい差がある。
これは恐らく違う種族だ。左の男は『セミ巨人』という種族なのだろう。多分。
セミ巨人か普通の人間かは定かでないが、
普通の人間だとしてもあそこまで大きくなれるのは一種の才能だ。
ある意味未知との遭遇であった。
上手くいかなくたっていい
今回の書いて、ミニ創作話書こうと思ったけど、ネタが上手いこと浮かばないから、お題に沿うことにした。
創作が上手くいかなくたっていいじゃないか。そういう日もある。
上手くいかない日はなぜ上手くいかないのか深く考えず、無理に頑張ろうとせずに楽な方を選ぶのが一番だ。
上手くいく日も絶対あるから、「あ、イケるぞ!」と思ったらまた挑戦すればいい。そういう感覚は意外と正確で、本当に上手くいったりする。
だから、無理な苦労はせずにアイデアが降りてくるその時まで待とう。
ちょったした話
某は今、しんどい戦いを終えようとしている。
相手は平日の曜日さん5人組。月曜日さんから金曜日さん。
なかなかに苦しい戦いだったが、今ようやく最後の金曜日さんがライフ0になってくれた。
ようやくしんどい戦いが終わる、、。
某は肩の力を抜いた。
やっと休める、、やっと解放された、、。
さあ、休みだ、、、。
と、思ったら。
倒れていた相手の一人が動いた。
月曜日さんだ。
倒したつもりが、まだ倒せていなかったらしい。
しっかりトドメを刺したのに、、?
某は恐怖を感じ、息が荒くなり、声を漏らした。
「止めてくれ、止めてくれ、、」
しかし、月曜日さんは無情にも両手を広げ、復活の呪文を唱えた。
すると倒れてた残りの平日さん、火水木金曜日さんが全員復活した。
「やめろおおおお!」
某は絶句した。その肩を誰かが叩いた。
振り向くと、土曜日さんがいた。
土曜日さん「逃げても無駄だ。私も"祝日の土曜日"という技がある」
「うわあああああ!」
某は絶句でしかなかった。
桜
近くの公園は桜が満開になっており、近所の住民たちは集まってお花見をしている。
桜もお花見も春の風物詩だ。
ただ、花は儚いもので、一週間も経てばあっという間に散っていく。どうして花はそう早々にその栄華なる時を終えるのか。
よく見ればお花見してる人たちはお弁当の具ばかりに目が行っている。花より団子だ。
桜の見頃は一瞬なのに、勿体無いと思う。
桜は一年でほんの一週間しか見れないのに。
一年一年を大事に楽しく生きたいならば、ぜひとも風に揺られる桜の色々な姿を目に焼きつけておきたいものだ。
そう誰かが強く思い続けていたのだろうか、帰り道に不思議な光景を目にした。
満開の時は過ぎ、あっという間に散ってしまった桜たち。
その中に、たったひとつだけ。満開の桜が残っていた。
もう5月になるが、このようなことがあるなんて。
そう思い、近くに座り、一人で静かに桜との時間を過ごした。